• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z42
管理番号 1066407 
審判番号 不服2001-4084 
総通号数 35 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-03-16 
確定日 2002-09-27 
事件の表示 平成11年商標登録願第86989号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
この出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、「Homoeopathy」の文字を横書きしてなり(標準文字による商標)、第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定して、平成11年9月27日に登録出願、その後、指定役務については、平成12年10月10日及び平成13年4月19日付けの手続補正書により、最終的に「健康相談」と補正されたものである。

2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『Homoeopathy』の欧文字を書してなるものですが、該語(表音「ホメオパシー」)は、いわゆる治療の方法の一形態であり、『元来人間に備わった治癒能力を最大限に引き出そうとする治療方法』『同種療法』を表すものとしてとして使用されているものでありますから、これを本願指定役務中『健康相談,健康・医療・介護・医薬品に関する情報の提供,科学及び応用科学・物理学及び応用物理学・生物科学・核科学・電気工学及び電子工学・金属工学・資源開発工学・農学・医学に関する試験・検査・分析・調査又は研究,調剤,漢方などの古来よりの伝統医学に基づく治療』に使用するときは、かかる役務が『ホメオパシーに関する役務』であることを認識させるものであり、役務の質・提供方法を表示するものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、更に前述手続補正書により減縮補正された指定役務についてもなお、役務の質・提供方法を表示するものである旨判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、前記したとおり、「Homoeopathy」の欧文字よりなるところ、該文字(語)は、古くから伝わる民間療法の一種である「同種療法又は同毒療法」を意味する語であり、「ホメオパシー(homeopathy)」と同義語として用いられていることは、以下の医療・医学関連分野の書籍、一般的な用語辞典及びインターネットのホームページ情報の記載により認めることができる。
(ア)「医学大事典」(1982年4月1日株式会社南山堂発行)の「ホメオパシー」の項に、「[英homeopathy、homoeopathy、独仏Homoeopathie](同毒療法、類似治療法)古くから凍傷には氷、火傷に熱、下痢に下剤というように、傷害と同類の現象を治療に用いるという考えがあったが、S.Hahnemann(1755-1843)はこれを体系化し、生体の病的反応と同様の反応を起こす薬物を探し、これを極度に希釈した濃度で使用することによって病気を治療する方法を提案し民間療法として一時広く用いられた。たとえば、胆石症の症状は亜鉛の毒作用と似ているし、亜鉛と肝臓とは関係があるとして微量の亜鉛を用いて治療するの類である。その量は1mgの1/10〜1/100程度である。」と記載されていること。
(イ)「廣川薬科大事典第2版薬科学大辞典編集委員会編」(1990 東京廣川書店発行)の「ホメオパシー薬剤」の項に、「ホメオパシー療法に用いられる医薬品、ホメオパシーとは類似治療法又は同種療法ともいわれ生体の病的反応を起こす薬物を探し、これを極度に希釈した濃度で使用することによって病気を治療する方法」と記載されていること。
(ウ)「現代用語の基礎知識2001」(自由国民社発行)のカタカナ・外来語/略語の欄に、「ホメオパシー(homeopathy)」類似療法。同種療法。健康な人に与えれば疾患を起こさせる薬物を微量与えて治療する。」と記載されていること。
(エ)インターネットホームページ(http://homepage1.nifty.com/angels_garden/homoeotop.htm)には、「homoeopathy(ホメオパシー)とは?ドイツの医学者サミュエル・ハーネマン(1755ー1843)が、1976年、医学誌「ヒューヘランズ・ジャーナル Hyufeland's journal」に新しい創造的な基本原理をホメオパシーという言葉を使って紹介したのが始まりです。日本語では同種療法、類似療法と訳されます。 ”類をもって類を癒す”という原理、つまり似たものが似たものを治すということです。・・・腹痛の症状を持った患者が二人いたとしても、個人として全く違う二人であるので、同じ症状とはみなされません。ですから、ホメオパシーの問診は1、2時間かけ、肉体的、精神的様々なことから患者の全体像を描いていくのです。」との記載があること。
(オ)インターネットホームページ(http://www.bigwood.co.jp/jhc/home_01.html)には、「日本自然治療研究所、ホメオパシーとは? 今、世界で注目を集めつつある21世紀の医療! 家族みんなのための自然薬ホメオパシーとは?ホメオパシー(homoeopathy)はギリシャ語で、『homoeo』は”同じ”、『pathyha』は”病気”とか”療法”という意味です。 続けると”同じ療法”。「同毒療法」と訳されることが多い言葉です。その名のとおり、病気の症状と同じような症状を引き起こす物質をごくごく、本当にごく微量だけ体内に入れることで、逆に病気を治そうという治療です。簡単にいえば「毒を持って毒を制す」ということになります。」との記載があること。
(カ)インターネットホームページ(http://www.plaudite.com/homoeopathy.html)には、「例えば、アレルギーによる皮膚の腫れや痒みの症状があったとします。この症状に対して、皮膚に直接働きかけ、腫れや痒さを迅速に引かせる薬(例えば、ステロイド軟膏など)を処方されたとします。これが、「アロパシー(allopathy)/対症療法・異種療法」と呼ばれるものです。そうではなく、その人の気質や特徴、アレルギーの種類に注目して、内面から時間をかけて、人間それぞれが持つ、独自の自然治癒力を高めることに注目した治療法もあります。これが、「ホメオパシー(homoeopathy)/同種療法」と呼ばれるものです。」との記載があること。
(2)また、この種の療法が、我が国医療においても一定程度取り入れられ、また、それを内容とした健康相談も行われている状況は以下の関連業界に係わるインターネットのホームページ情報より、これを確認することができる。
(ア)インターネットホームページ(http://www2u.biglobe.ne.jp/~sunmore/silk/furouigaku.htm)には、「日本不老医学協会とは?・・・協会の目的は「不老医学の研究・向上を図り、中高年の老化予防・健康・美容に寄与する」ことです。2001年7月に民間に開放!医師に限らず協会の目的に賛同される各界の方々をお誘いし客観性の高い、透明度のある学術集団を目指すことで、これからの日本の医療を民間の人々と一緒に共存して、変えて行こうとする動きに注目が集まっています。又、協会と一緒になって、総合的な医療サービスを展開している「LVN Com SA Group」が「遠隔診察」「24時間医療健康相談」「毛髪検査」「ホメオパシー治療」などの健康・美容相談を、正しく指導できる場としての多目的サロンを運営しています。このサロンは民間と一緒に運営していくことを目的としていて、2002から2003年までに日本不老医学協会指定のサロンを50ヶ所設ける予定です。」との記載がある。
(イ)インターネットホームページ(http://www1.doc-net.or.jp/~asunaro/homeop/gaiyou.html)には、「ホメオパシーでは、通常1ヶ月に一度の割合で診察、そのたびに適合したレメデイーをもらい、その後約5、6回かけて診察が行われます。クオンタムゼロイドというエネルギー測定器を使用することが通常ですが、お子さんの場合や希望されない場合、または必要ないとこちらで判断した場合は使用しないこともあります。(全く人体に害がなく、痛くも痒くもない機械です)個別相談料は一律一万円とさせていただいています。消費税と処方されるレメデイーは含まれています。サポートレメデイーが必要と思われる方には、お出ししますが、これのみ別料金となっております。(一瓶千二百円です。)」との記載がある。
(ウ)インターネットホームページ(http://homoeopathyclinic.room.ne.jp/)には、「ホメオパシー通信相談 ホメオパシークリニックでは多くの方の要望に応えまして、2000年4月から通信相談を始めることになりました。遠方のためクリニックに直接出向くのが難しい方、からだが不自由なため来院できない方、直接、面と向かって心の悩みなどをうち明けられない方、その他、なんらかの理由で来院できない方、以上のような方を対象にしています。もちろん直接、来院されお話を聞かせていただくのがベストですが、それが難しいかたもおられるようですので通信相談を開始する運びとなりました。相談料は初診は一回一律10000円です。」との記載がある。
(3)以上によれば、本願商標をその指定役務について使用した場合、これに接する需要者は、前記事情よりして、健康相談の内容が「Homoeopathy(ホメオパシー)/同種療法」を用いる治療に関するものであること、すなわち、該役務の質(内容)を表示したものとして理解するに止まり、自他役務の識別標識とは認識し得ないものと認められる。
そうすると、本願商標は、その指定役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわざるを得ない。
(4)したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、これと同旨の理由をもって本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-07-19 
結審通知日 2002-07-26 
審決日 2002-08-07 
出願番号 商願平11-86989 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z42)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 豊田 純一 
特許庁審判長 上村 勉
特許庁審判官 中田みよ子
鈴木 新五
商標の称呼 ホメオパシー、ホーミアパシー 
代理人 宇高 克己 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ