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審決分類 審判 査定不服 商4条1項14号 種苗法による登録名称と同一又は類似 登録しない Z060811141617182027323439
管理番号 1064766 
審判番号 不服2000-1321 
総通号数 34 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-02-04 
確定日 2002-09-04 
事件の表示 平成11年商標登録願第18797号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「Biz」及び「ビズ」の文字を二段に書してなり、第6類「金属製金具」、第8類「手動工具(「すみつぼ類・皮砥・鋼砥・砥石」を除く。),手動利器(「刀剣」を除く。),電気かみそり及び電気バリカン,ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,マニキュアセット」、第11類「電球類及び照明用器具」、第14類「時計」、第16類「紙類,紙製包装用容器,書画,写真立て,文房具類(「昆虫採集用具」を除く。),事務用又は家庭用ののり及び接着剤」、第17類「プラスチック基礎製品」、第18類「かばん類,袋物」、第20類「プラスチック製包装用容器,カーテン金具,金属代用のプラスチック製締め金具,くぎ・くさび・ナット・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除く。),座金及びワッシャー(金属製・ゴム製又はバルカンファイバー製のものを除く。),錠(電気式又は金属製のものを除く。),クッション,座布団,まくら,マットレス」、第27類「壁紙」、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」、第34類「喫煙用具(貴金属製のものを除く。)」及び第39類「車両による輸送,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,寄託を受けた物品の倉庫における保管,倉庫の提供,駐車場の提供,パレットの貸与」を指定商品及び指定役務として、平成11年3月5日に登録出願したものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、国際連合その他の国際機関を表示する標章であって、通商産業大臣が指定するものと同一又は類似の標章たる、『国際決済銀行』 (BIZ[=BANK FUR INTERNATIONALEN ZAHLUNGSAUSGLEICH])を指称する、独逸式表記の『Biz』と、「ビズ」の該略語の表音の片仮名表記を二段に普通に表示してなるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第3号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
商標法第4条第1項第3号は、「国際連合その他の国際機関を表示する標章であって経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の商標は、商標登録をうけることができない。」とするものであって、工業所有権の保護に関する国際間の条約であるパリ条約第6条の3(1)(b)の規定の趣旨を受けて設けられたものである。
そして、同条約の規定の目的とするところは、同盟国が加盟している政府間国際機関の紋章、旗章その他の記章、略称及び名称については、これと同一又は類似の標章を工業所有権の保護対象から除外することにより、当該機関の主権を尊重し、その権利と尊厳を維持・確保することにあり、前記法条の規定はこれと同趣旨をもって、一私人に独占させることにより当該国際機関等の尊厳性を害し、公益上支障のあるような標章は、登録しない旨を定めたものと解される。
本願商標は、その構成後掲したとおり、「Biz」及び「ビズ」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、商標法(昭和34年法律第127号)第4条第1項第3号の規定に基づき、通商産業大臣が「国際決済銀行の標章指定」(平成6年4月26日号外 通商産業省告示第267号)(平成6年5月1日から適用)として指定する標章の一、すなわち、通貨安定のための国際協力機関である国際決済銀行の略称を表示する標章「BIZ」と大文字と小文字の差はあっても、その綴りを同じくするものであって、この文字綴りより生ずると認められる称呼の一、「ビズ」を片仮名で併記したにすぎないものと認められる。
してみれば、本願商標は、通商産業大臣が指定した前記標章と類似の商標というほかはなく、したがって、本願商標を商標法第4条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、請求の理由において、「法第4条第1項第3号の類似の解釈は出願商標により国際機関の尊厳が損われるか否かをもってすべきであり、本願商標を一個人が独占することが国際決済銀行の尊厳を毀損するか否かを検討すべきである。本願商標から国際決済銀行が認識される為には、まず、『Biz』が独語と把握されなければならないが、下段部に表わされた片仮名「ビズ」が職業を意味する英単語『biz』の称呼であり、一方、『BIZ』の独語での称呼が上述の『ビッツ』等であることを勘案すると『ビズ』は『Biz』の称呼を表わしたものであると共に、これが英語であることをも示しているとするのが相当である。本願商標中の『Biz』が英語と理解され、独語と認識されることがない以上、これが国際決済銀行と結びつく筈はなく、その尊厳が損われることもあり得ない。
また、『BIZ』はいくつかの単語の頭字語であるが、頭字語はすべての文字を大文字で表わすのが表記上の約束事であって、大文字小文字を併用してなる『Biz』はその態様からして頭字語と理解される余地はなく、両者は態様の点からも異質なのである。もとより、頭字語はその文字構成が直ちに特定の意を観念せしめるものでなく、頭字語であるとの認識を経て始めてその意が把握されるのである。例えば『Bank』との文字構成は直ちに銀行と理解されるが、頭字語『WTO』が世界貿易機関と理解される為には『W』『T』『O』がそれぞれ『World』等の単語の頭文字であるとの思考過程を必要とするのであって、頭字語と理解され得ない本願商標中の『Biz』が国際決済銀行の独語表記の頭文字と結びつくことはなく、従って本願商標はその尊厳とも無関係である。国際決済銀行を表わす『BIZ』の称呼を英語式の『ビズ』とするなら、それこそ国際決済銀行の尊厳を害することである。」旨述べているが、国際機関等を表すものであって本条に該当するものとして指定された略語表記中には、例えば「Inmarsat(国際移動通信衛星機構の標章)」や「Euratom(欧州原子力共同体の標章)」のように一つの造られた単語のように表されているものもあることから、大文字と小文字との組み合わせであるからといって、特定機関を表す略語とは異質なものであるという主張は採用できない。
そして、国際機関を表す略語であるからといって、いかなる言語をその基としているのか、一つ一つの文字が何を表しているのか等を理解しなければならないものではなく、略語そのものが特定国際機関を表すものとして指定されているのであるから、指定された略語そのものとの類否を検討すれば足りるのである。
本件については、前記認定・判断を相当とするものであるから、この点について述べる請求人の主張は採用することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-06-17 
結審通知日 2002-06-21 
審決日 2002-07-12 
出願番号 商願平11-18797 
審決分類 T 1 8・ 21- Z (Z060811141617182027323439)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 八木橋 正雄 
特許庁審判長 滝沢 智夫
特許庁審判官 田口 善久
今田 三男
商標の称呼 ビズ、ビイアイゼット 
代理人 江藤 剛 
代理人 土橋 秀夫 

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