ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商標の周知 登録しない 025 |
---|---|
管理番号 | 1064726 |
審判番号 | 審判1998-16431 |
総通号数 | 34 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-10-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1998-10-21 |
確定日 | 2002-08-12 |
事件の表示 | 平成6年商標登録願第7671号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「AIPA」の文字を横書きしてなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,エプロン,えり巻き,靴下,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,ヘルメット,帽子,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。),スリッパ,運動用特殊衣服」を指定商品として、平成6年1月31日に登録出願されたものである。 2 原審における拒絶の理由の趣旨 原審において、登録異議の申立があった結果、原査定は、「本願商標は、登録異議申立人のうちベンジャミン・アヒナ・アイパ(Benjamin Ahina Aipa)の取扱いに係るサーフボード、サーフィン用スーツ、ポロシャツ、パンツ等の商品に使用され、ハワイにおいて周知であり、わが国においても、本願商標の出願以前からサーファーをはじめとするこの種業界、および若者の間において、ある程度広い範囲で知られているものである。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 原審における登録異議申立人(以下「申立人」という。)が原審において提出した各書証及び申立理由を総合勘案すると、申立人のうち、ハワイ在住のベンジャミン・アヒナ・アイパ(Benjamin Ahina Aipa)氏が手がけた「AIPA」印のサーフボードは、甲第1号証によればサーフィン用具に限っては、1970年代を象徴するボードとして広く知られており、日本においても、1970年代(昭和50年前後)には既に広く知られたサーファーブランドとなっていたと認められる。 また、甲第2号証及び同3号証によると、遅くとも1982年(昭和57年)頃には、ハワイで3本の指に入るほどのものであり、その4年前(昭和53年頃)からは、サーフボードと同一ブランドのもと、ウェア類も扱い始めていたこと、さらに、1982年(昭和57年)頃には、日本においても、株式会社ジャパンサーフィンプロモーション(JSP)が代理店として「AIPA」印のサーフィン用具及びジャケット、パーカ、セータ等のウェア類がサーフィン雑誌の記事や宣伝広告等によりサーファーを中心に紹介、販売され、広く知られるようになっていたものと認められる。 一般に、特定スポーツ用具の専門ブランドであっても、そのスポーツを愛好する者、興味を持つ者に向けて、トータルファッションとして、特に関連の深いウェア類を、統一されたブランドの元に提供される場合が多いのは、一般に知られているところである。 本件について言えば、サーフィン用具のブランドとして周知であったと認められる申立人の「AIPA」の商標をもって、水着をはじめとするサーフィンに欠かせないウェア類(被服類)をサーファー等に対しトータル的に提供することは、サーフィン用具に関する周知度をその背景としていることから、例えマイナー的雑誌によるものであったとしても、その需要者を同じくするものであり、サーフィンに関連した者にとっては、比較的容易に周知になったものとみるのが相当である。 また、請求人(出願人)は、代理店であった株式会社ジャパンサーフィンプロモーション(JSP)が1985年(昭和60年)に倒産したことをもって本願出願日までに一般市場から忘れ去られていた旨主張しているが、倒産し、営業活動が停止されていたのはあくまでも一代理店の営業活動であって、「NALU」1996年第4号(甲第1号証)の記事からすれば、1970年代から、該号発行時期までの期間、サーフボードの制作活動が継続的に行われてきたことが認められ、わが国との間では、他の地区に比べ渡航者の多いハワイにおいて、ベンジャミン・アヒナ・アイパ(Benjamin Ahina Aipa)氏の活動自体が停止されていたものとは認められないから、一般市場から忘れ去られたとの主張は、採用することが出来ない。 したがって、本願商標は、本願出願以前から、申立人のうち、ハワイ在住のベンジャミン・アヒナ・アイパ(Benjamin Ahina Aipa)氏の業務に係るサーフィン用具のほか、本願指定商品と同一又は類似するジャケット、パーカ、セータ等のウェア類等の商品をも表示するものとして、サーファー及びサーフィン業界を中心とする需要者の間に広く認識されているものと認められるから、本願商標が商標法第4条第1項第10号に該当するとした、原審の判断は妥当なものであって、これを取り消すことは出来ない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-06-05 |
結審通知日 | 2002-06-14 |
審決日 | 2002-06-27 |
出願番号 | 商願平6-7671 |
審決分類 |
T
1
8・
255-
Z
(025)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 鈴木 茂久、涌井 幸一 |
特許庁審判長 |
滝沢 智夫 |
特許庁審判官 |
今田 三男 田口 善久 |
商標の称呼 | アイパ、エイアイピイエイ |
代理人 | 八鍬 昇 |