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審判番号(事件番号) データベース 権利
無効200135424 審決 商標
無効200489069 審決 商標
無効200589032 審決 商標
無効2012890001 審決 商標
無効2012890002 審決 商標

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審決分類 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない Z25
審判 全部無効 商4条1項16号品質の誤認 無効としない Z25
審判 全部無効 称呼類似 無効としない Z25
管理番号 1064607 
審判番号 無効2001-35265 
総通号数 34 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-10-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2001-06-22 
確定日 2002-08-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第4369354号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4369354号商標(以下、「本件商標」という。)は、「NURSECLOG」の欧文字を標準文字で横書きしてなり、平成11年1月13日に登録出願、指定商品を第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」として、同12年3月17日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第41号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 請求の理由
(1)引用商標
請求人が無効の理由に引用する登録第777783号商標(以下、「引用商標A」という。)は、「NURSE」の欧文字を横書きしてなり、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)」を指定商品として、昭和41年7月16日に登録出願、同43年4月9日に設定登録されたものである。同じく、登録第997695号商標(以下、「引用商標B」という。)は、後掲のとおりの構成よりなり、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)」を指定商品として、昭和45年5月6日に登録出願、同48年2月3日に設定登録されたものである。同じく、登録第1355478号商標(以下、「引用商標C」といい、また、これらを一括して「引用各商標」という。)は、「ナース」の片仮名文字を横書きしてなり、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)」を指定商品として、昭和50年7月25日に登録出願、同53年10月31日に設定登録されたものである。
(2)無効理由
イ 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、欧文字で「NURSECLOG」と横書きしてなるものであるが、その構成中「CLOG」の文字は、小学館 英和中辞典(甲第5号証)において、具体的な図示とともに説明されている通り「木靴」を意味するものである。したがって、本件商標がその指定商品である「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)」に使用された場合、「CLOG」の文字部分は、単にその商品が「木靴」であることを表示するに過ぎないものである。すなわち、本件商標の構成中「CLOG」の部分は、商品の普通名称又は品質を表示するにすぎないものであり、自他商品識別機能を果たし得ないものであるから、本件商標における自他商品識別標識としての機能を果たす部分(要部)は、「NURSE」の文字部分にあると考えられる。しかも、本件商標は、「NURSE」の文字と「CLOG」の文字とが結合することによって、商標全体で固有の観念を生み出すものではないから、「NURSE」の文字と「CLOG」の文字とを常に一体不可分のものとして認識しなければならない必然性はない。そうであれば、本願商標は「ナースクロッグ」の称呼のほかに、その要部である「NURSE」の部分から「ナース」の称呼をも生ずるものである。
一方、引用商標AないしCからは、その構成文字に相応して「ナース」の称呼が生ずるものである。
よって、本件商標と引用商標A、B及びCは、「ナース」なる共通の称呼を生ずるものであるから、両商標は称呼の点において相類似するものである。
また、本件商標と引用商標A、B及びCとは、指定商品も同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とされるべきである。
次に、本件商標から「ナース」の称呼が生ずることは、以下の審決例に照らしても明らかである。
a)商標「シューセレック」からは「セレック」の称呼も生ずると認定した審決(審判昭63一22692号)(甲第6号証)
『本願商標は、これをその指定商品中「靴」に使用する場合、前半の「シュー」の文字部分は、看者に商品の普通名称若しくは品質を表示するものとして把握、理解され、後半の「セレック」の文字部分が自他商品を識別する標識として機能するものであると認識され、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際において、これに接する取引者・需要者は、「セレック」の文字部分に着目して、これより生ずる「セレック」の称呼によって取引する場合も決して少なくないものといわなければならない。』
b)商標「MAGIE SHOE」からは「マギー」の称呼も生ずると認定した審決(審判昭41一5549号)(甲第7号証)
『「MAGIE SHOE」なる文字につき、これをその指定商品との関係においてみた場合、「SHOE」の文字は「靴」を意味し商品名を表示したにすぎないものとして容易に理解される部分であること等を勘案すれば、引用商標中自他商品の識別力を有する部分は「マギー」の称呼を生ずる「MAG1E」の文字自体にあるというべきである。』
c)商標「MYSOLE/マイソール」からは「マイ」の称呼も生ずると認定した審決(審判昭42一5452号)(甲第8号証)
『本件登録商標は、「MYSOLE」「マイソール」の文字を書してなるものであるが、その構成中「SOLE」の文字は、「くつ底、くつの底皮」等の意味を有する英語として親しまれているばかりでなく、この種業界において「くつ底」を指称する語として使用されているものであり、かつまた、「ソール」の文字も「SOLE」の字音を仮名であらわしたものであって、いずれも本件登録商標の指定商品そのものを指す普通名称を表示したものとして認識されるにすぎないから、該商標中自他商品の識別標識としての機能を果たす部分は「MY」「マイ」の部分にあり、これより「マイ」(私の)の称呼、観念をも生ずるものとするを相当とする。』
d) 商標「SSSスケート」からは「スリーエス 」「サンエス」の称呼も生ずると認定した審決(審判昭39-5922)(甲第9号証)
『「SSSスケート」の文字において、その構成中の「スケート」の文字は氷すべり用の靴そのものの商品自体を表示する名称として一般に使用されるものであるから、簡易迅速を尊ぶ取引の実際においては、自他商品の識別標識としての部分は「スリーエス」又は「サンエス」の称呼と観念を生ずる「S、S、S」の部分であるというを取引の実際に徴し相当と認められる。』
e)商標「ゴザッキーブーツ/COSSACKY BOOTS」の構成中「ブーツ」「BOOTS」 は、その指定商品を表示するものと認定した審決(審判昭55-2610号)(甲第10号証)
『本願商標の構成は、別紙のとおり、「コザッキーブーツ」「COSSACKY BOOTS」の文字よりなるものであるが、前半部の「コザッキー」「COSSACKY」の文字は特定の観念を有しない単なる造語と認められ、かつ、後半部の「ブーツ」「BOOTS」の文字は、その指定商品を表示するものと認定し得るものである。』
このように、指定商品との関係において、単に商品の普通名称又は品質を表示するにすぎない文字を含む商標については、その他の部分、すなわち、自他商品の識別標識として機能を果たす部分(要部)に相応した称呼が生ずることは、数多の審決例が認定するとおりである。
しかして、本件商標の場合、その構成中「CLOG」の文字は、「木靴」を意味するものであるから、本件商標をその指定商品中「靴類」について使用した場合には、「CLOG」の文字が、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないことは明らかである。
したがって、本件商標の要部が「NURSE」の文字部分にあることは、疑う余地のないところであり、そうであれば、本件商標からは、「ナースクロッグ」の称呼のほかに、その要部である「NURSE」の文字に相応して「ナース」の称呼をも生ずると考えるのが、前記審決例に照らしても合理的かつ妥当である。
したがって、本件商標と引用商標A、B及びCとは、「ナース」なる共通の称呼を生ずるものであるから、両商標は称呼の点において相類似するものである。
そして、本件商標と引用商標A、B及びCの指定商品は、前記したとおり、同一又は類似するものであるから、本件商標が、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであることは明らかである。
ロ 商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、欧文字で「NURSECLOG」と横書してなるものであるところ、その構成中「CLOG」の部分は、「木靴」を意味するものであるから、その指定商品中「靴類」に含まれる「木靴」以外の商品に使用すれば、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。したがって、本件商標が、商標法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものであることは明らかであるから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とされるべきである。
ハ 商標法第4条第1項第15号について
請求人(富士ゴムナース株式会社)は、その名称の示す通り、看護婦(ナース)向けの商品を昭和初期から製造、販売している、業界きっての老舗であり、日本で初めて看護婦向けのクツを製造したパイオニアである。請求人は、創業から数年を経た昭和13年頃、看護婦向けに日赤型と呼ばれるクツ(看護婦グツ)を開発し、その製造、販売を本格的に開始して以来、請求人の製造、販売に係る看護婦グツは、今日に至るまでの60有余年の長きに亘り、全国津々浦々の病院、看護学校等において広く使用され、好評を得ている。そして、請求人は、当初より、看護婦グツについて、「ナース」「NURSE」等の商標を使用していたため、請求人の製造、販売に係る看護婦グツは、ナース印の商品として、需要者に親しまれてきた。請求人は、上記事実を立証するためにナース印商品のカタログ等を甲第11号証ないし甲第19号証として提出する。
さらに、請求人は、登録主義の下、引用商標A、B及びCについて商標登録を受け、これらの登録商標は、請求人の長年にわたる継続的な使用により、ナース印の中核をなす商標として、業界内において広く認識されるに至っている。さらに、請求人は、長年にわたって、月刊誌「看護」に、ナース印の看護婦グツの宣伝広告を継続して掲載しており、こうした請求人の積極的な企業努力により、引用商標A、B及びCは、業界内において、高い著名性を獲得するに至っている。請求人は、上記事実を立証するために、月刊誌「看護」の広告頁を集めて製本した『月刊「看護」掲載広告』の写しを甲第20号証の1ないし7として提出する。因みに、「看護」誌は、看護婦向けの雑誌としては草分け的な存在であり、現在もトップクラスの発行部数(年間約63,000部)を誇っている。
しかして、本件商標は、欧文字で「NURSECLOG」と横書してなる構成であるところ、その構成中に「NURSE」の文字を有するものであるから、著名登録商標である、引用商標A、B及びCを容易に想起せしめるものである。
一般に、著名登録商標を一部に含む商標において、「登録商標の著名度が高い場合には、その著名度の高い部分に世人の注意が集中し当該著名登録商標の称呼、観念が生じる」ものであることは、商標についての不正競争行為差止請求事件における裁判所の判決等において明確に認定されているところである[例えば、昭和39年(ワ)第12182号商標権侵害停止等請求事件(甲第21号証)]。
そうであれば、取引者・需要者の注意が、本件商標の構成中「NURSE」の部分に集中することは明らかであり、該部分から「ナース」の称呼、観念が生ずるため、取引者・需要者は、著名登録商標である引用商標A、B及びCを直ちに想起するものと考えられる。
そして、本件商標が、その指定商品中、たとえば「カーディガン」「靴下」等に使用された場合は、その商品が、あたかも請求人の取扱いに係る商品であるかのように、取引者・需要者が商品の出所を混同することは明らかである。請求人は、実際に、看護婦向けの「カーディガン」や「靴下」等を製造、販売しているため、なおさら、商品の出所の混同を生ずるおそれが大きいことは、疑う余地のないところである。すなわち、甲第11号証ないし甲第19号証として提出した商品カタログ等からも明らかなように、請求人は、ナース印の看護婦グツとともに、看護婦向けの「カーディガン」「ストッキング」「ソックス」「ハイソックス」「ナースピン」等も同時に製造、販売している。したがって、これらの商品に、「NURSE」の文字を含む本件商標が使用された場合は、あたかも請求人の取扱いに係る商品であるかのように、取引者・需要者が商品の出所を混同するおそれが極めて大きいことは明らかである。
さらに、商標審査基準に照らしても、本件商標が商標法第4条第1項第15号の規定に該当するものであることは明白である。すなわち、特許庁商標課編「商標審査基準(改訂第7版)」(甲第22号証)の商標法第4条第1項第15号の項目には、『他人の著名な商標と他の文字又は図形と結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものなどを含め、原則として、商品又は役務の出所の混同を生ずるおそれがあるものと推認して、取り扱うものとする。
ただし、その他人の登録商標の部分が既成の語の一部となっているもの、又は、指定商品若しくは指定役務との関係において出所の混同のおそれのないことが明白なものを除く。
(例) 混同を生ずるおそれのある商標の例
被服について「arenoma/アレノマ」と「renoma」「レノマ」(カバン、バッグ等)
おもちゃについて、「パー・ソニー」、「パ一ソニー」又は「パ一ソニー」と「ソニ一」(電気機械器具)
混同を生ずるおそれのない商標の例
カメラについて「POLAROID」と「POLA」(化粧品)』
と定められている。
すなわち、上記商標審査基準に照らしても、著名登録商標「NURSE」と「CLOG」の文字を結合してなる本件商標が、その指定商品に使用されれば、あたかも請求人の取扱いに係る商品であるかの如く、取引者、需要者をして、商品の出所の混同を生じさせるおそれがあることは明らかである。
したがって、本件商標が、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものであることは明らかである。
(3)むすび
以上詳述したように、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第16号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
被請求人の答弁に対して、以下の通り弁駁する。
(1)商標法第4条第1項第11号について
被請求人は、本件商標の構成中「CLOG」の文字に「木靴」の意味があることは理解できるが、本件商標の登録査定時において、履物業界において、「CLOG」が商品の普通名称又は品質を表示するものとして、即ち、商品が「木靴」であることを表示するものとして使用されている事実はない旨の主張をされているので、この点について弁駁する。
まず、「CLOG(クロッグ)」が、履物の一般名称であることは、履物業界における通常の取引者・需要者であれば誰しも認識していることであり、履物業界に身をおかれる被請求人がこの事実を否定されるのは、同業者として不可解であるといわざるを得ない。
即ち、例えば、日本靴総合研究会発行の『良いクツの基本知識★セールスの実戦的ハンドブック★改訂第11版』(1995年(平成7年)4月20日発行)(甲第23号証)には、「CLOG(クロッグ)」は、「ミュール(Mule)」等と同じく、「サンダル(Sandal)」の範疇に属する履物として分類されており、下記のように説明されている。
『クロッグ(clog)=ヨーロッパの田舎で履かれている、厚い木の底を付けたクツ、サンダル、またはオーバーシューズです。クロッグは、やはりオランダの木グツ「サポ(Sabot)」と同様に、ソール・ファッションの出現とともに脚光を浴び、木底の代りにウレタンなどを用い、さまざまなバリエーションがつくられました。(以下略)』
このように、「クロッグ(CLOG)」は、厚い木の底を付けたクツ、サンダル、またはオーバーシューズの一般名称であり、今日においては、木底の代りにさまざまな素材が用いられている。
そして、足に優しく履き心地が良いため、古くから根強い人気を博しており、最近では特にサンダルタイプが主流でクロッグサンダルと呼ばれる場合もある。
請求人は、履物業界において、「クロッグ」「CLOG」が一般名称又は品質表示として使用されている事実を立証するために、インターネットにより「クロッグ」「CLOG」を検索したところ、「クロッグ」「CLOG」が履物の一般名称又は品質表示として使用されている事実を数多く検出することができた。よって、その一部を以下に紹介する。
a)「楽天市場」に出店されたダイナゲイト株式会社の広告頁には、『ゴールデンゲートクロッグ』『いまちまたで人気のクロッグ!語源は『木靴』です。』『ドクタークロッグ073020 ¥18000』『クロッグ0730200816』等の記載が見られる。(甲第24号証)
b)「ガーデニングシヨップ」の広告頁には、『LE0804ベランダクロッグシューズ』『もともとは木靴のデザインですが、柔らかい素材が足を包むので疲れません。素材:ポリ塩化ビニールラバー』等の記載が見られる。(甲第25号証)
c)「Garnet Hill」の広告頁には、『子供用クロッグ 各$28.00(3920円)』『新居に移ったら絶対に買おう決めていたのが、このクロッグ(サンダル)です。』等の記載が見られる。(甲第26号証)
d)「KANAYA CLOG」の広告頁には、『PUMA KANAYA CLOG カナヤ クロッグ(MEN’S&LADY’S)』『クッション性に優れたサッカ一(アフタープレー)用のクロッグサンダル。』『サッカーシューズのテイストをサンダルにアレンジしたカナヤクロッグ。』等の記載が見られる。(甲第27号証)
e)「SPORTS SHOP MIWA」の広告頁には、『クロッグ サンダル』等の記載が見られる。(甲第28号証)
f)「ENGEI.NET」の広告頁には、『ベランダクロッグシューズ(レッドL)』『オランダ生まれのクロッグシューズ。』等の記載が見られる。(甲第29号証)
g)「株式会社アキツトレーディング」の「レザークロッグ」の広告頁には、『クロッグは全部で3タイプ!』『一言でクロッグといっても、素材の違いでガラっとイメージが変わるんです!』『レザークロッグ』『↓その他のクロッグが見たい方はこちら↓』『やわらかスタイルのウールクロッグ』『ナチュラルスタイルのリネンクロッグ』等の記載が見られる。(甲第30号証)
h)「株式会社アキツトレーディング」の「ウールクロッグ」の広告頁には、『クロッグは全部で3タイプ!』『一言でクロッグといっても、素材の違いでガラっとイメージが変わるんです!』『ウールクロッグ』『そんな時には暖かい、そして履きやすいウールクロッグはいかがですか?』『↓その他のクロッグが見たい方はこちら↓』『ナチュラルスタイルのリネンクロッグ』『履くほどに味がでるレザークロッグ』等の記載が見られる。(甲第31号証)
i)「株式会社アキツトレーディング」の「リネンクロッグ」の広告頁には、『クロッグは全部で3タイプ!』『一言でクロッグといっても、素材の違いでガラっとイメージが変わるんです!』『リネンクロッグ』『↓その他のクロッグが見たい方はこちら↓』『やわらかスタイルのウールクロッグ』『履くほどに味がでるレザークロッグ』等の記載が見られる。(甲第32号証)
j)「FILA JAPN WEB SITE」のOnline Catalogには、『2000年の夏に発売したクロッグモデル』等の記載が見られる。(甲第33号証)
k)「OTHER」のオンラインカタログには、『「フリース」を採用したクロッグモデル。』等の記載が見られる。(甲第34号証)
l)「Small Stone KOBE」のオンラインカタログには、『商品リスト:クロッグ』『クロッグ』『クロッグ01』『クロッグ02』『クロッグ03』『クロッグ04』『クロッグ05』『クロッグ06』『クロッグ07』『クロッグ08』『クロッグ09』『クロッグ10』『クロッグ11』『クロッグ12』『クロッグ13』『クロッグ14』『クロッグ15』『クロッグ16』『クロッグ17』等の記載が見られる。(甲第35号証)
m)「Smith & Hawken Product Information」の広告頁には、『クロッグシューズ レッド Clog Shoes』『ぽっこりキュートなフォルムは、オランダの農業用木靴”クロッグ”から生まれました。』『クロッグシューズ イエロー Clog Shoes』『クロッグ、シューズ ブルー Clog Shoes』等の記載が見られる。(甲第36号証)
n)「POLE‐POLE スクェア」の広告頁には、『ビルケンの靴・クロッグ・サンダル等様々なタイプや色がこれだけ揃う店は、全国でも数少ない。』等の記載が見られる。(甲第37号証)
o)「2000年秋Do !スポーツ スペシャルバザール」の広告頁には、『クロッグ ¥3.800』等の記載が見られる。(甲第38号証)
p)「インフォーシークオークション」の入札画面には、『☆格安! !DANNER・クロッグ/サンダルシューズ24cm☆』等の記載が見られる。(甲第39号証)
このように、商取引の実際において、「クロッグ」「CLOG」の文字は、履物の一般名称又は品質表示として普通に使用されている。従って、上記諸事実に鑑みれば、本件商標「NURSECLOG」をその指定商品中「靴類」について使用した場合には、その構成中「CLOG」の文字部分が、自他商品識別標識としての機能を果たしえないことは明らかである。そうであれば、本件商標の要部は「NURSE」の文字部分にあり、該要部から「ナース」の称呼が生ずることは多言を要すまでもないことであるから、本件商標は、引用各商標と称呼の点において類似するものである。
よって、本件商標が、商標法第4条第1項第11号の規定に該当するものであることは明らかである。
尚、被請求人が提出された乙第4号証の1ないし乙第4号証の12は、何れも、本件商標のように「NURSE」の文字と履物の一般名称とを結合させたものではなく、「NURSE」又は「ナース」の文字と識別力を有する文字とを結合させたものであるから、本件の場合と事例が異なる。よって、乙第4号証の1ないし乙第4号証の12に基づく被請求人の主張は理由がない。
(2) 商標法第4条第1項第16号について
被請求人は、本件商標の登録査定時において、履物業界において、「CLOG」が商品の普通名称又は品質を表示するものとして使用されている事実はないことを前提として、本件商標が商標法第4条第1項第16号の規定には該当しない旨主張されている。
しかしながら、履物業界において、「クロッグ」「CLOG」の文字が、履物の一般名称又は品質表示として普通に使用されていることは、上述した通りである。したがって、被請求人の上記主張は、前提自体が誤りであるから、理由がないことは明らかである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
被請求人は、請求人が、引用商標A、B及びCの著名性を証明する証拠資料として提出した月刊誌「看護」に掲載した広告について、「この程度の広告は、通常商業活動を行う範囲のものにすぎず、引用各商標の著名性を何ら証明するものではない。」と主張されている。しかしながら、40年以上にもわたって、一つの雑誌に継続して広告を掲載すること自体、通常の商業活動の範囲を遙かに超えるものである。
即ち、雑誌、新聞等への広告は、単発的又は散発的なものがほとんどである中、請求人のように、40年以上にもわたって継続して引用各商標の広告を掲載し続けることは極めて稀である。そして、このような長年にわたる継続的な宣伝広告活動の結果、「継続は力なり」の格言もあるように、引用各商標が著名性を獲得するに至ったことは明らかである。
尚、被請求人は、月刊誌「看護」に掲載した広告のうち、若干抜けている月があることを指摘されているが、抜けている部分は、いわゆる「ナース」商品以外の商品の宣伝広告をした月であったり、商標を掲載しなかった月であったりするものである。しかしながら、それらは40年の歳月の中の一部であり、引用各商標のついての広告の継続性を著しく損なうものではない。
また、被請求人は、引用各商標と著名性を証明する証拠資料に記載の商標とは同一性が一貫していない旨の主張をされているが、商標を長年使用していれば、時代の変化に応じて商標の構成がある程度変遷していくことは当然であり、引用各商標と証拠資料に記載の商標との間に完全な同一性がないからといって、直ちに引用各商標の著名性が否定されるわけではない。
したがって、引用各商標は著名性を獲得するに至っていないから本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当しないとの主張も妥当でない。
3 弁駁(第2回)
請求人は、被請求人が提出した平成13年11月13日付の審判答弁書(第2回)に対して、以下の通り弁駁する。
(2)被請求人は、一貫して、履物を取り扱う業界において、「CLOG」「クロッグ」の文字が商品の普通名称又は品質を表示するものとして普通に使用されている事実は全くないと主張されている。
例えば、被請求人が提出された乙第1号証の4(平成12年1月13日付の「意見書」)の第3頁には、本件商標からは「ナースクロッグ」 の称呼のみ生じ「ナース」の称呼は生じない旨の理由として、『更に、履物を取り扱う業界において、「CLOG」の文字が商品の品質(商品の内容→木靴)を表示するものとして普通に使用されている事実があれば、別として、このような事実は全くない。』と主張されている。
即ち、逆に言えば、被請求人は、履物を取り扱う業界において、「CLOG」の文字が商品の品質を表示するものとして普通に使用されている事実があれば、本件商標から「ナース」の称呼も生ずると自ら認められているのである。
そこで、請求人は、「CLOG」「クロッグ」の文字が、商品の普通名称又は品質を表示するものとして、履物業界において普通に使用されている事実を立証するために、甲第24号証ないし甲第39号証を提出した次第である。
これに対して、被請求人は、答弁書において、『甲第24号証ないし甲第39号証は、本件商標の登録査定時以降の2001年9月14日の時点の資料であり、と主張されているので、この点について弁駁する。
甲第24号証ないし甲第39号証は、出願人が、2001年9月14日にインターネットを利用して収集した資料である。従って、該甲第24号証ないし甲第39号証から、少なくとも2001年9月14日の時点において、「クロッグ」「CLOG」が、履物の一般名称又は品質表示として、商取引上普通に使用されていることは、被請求人も疑う余地のない事実として認めていただけるであろう。そして、更に言えば、「クロッグ」「CLOG」は、2001年9月14日の時点において初めて、履物の一般名称又は品質表示として商取引上普通に使用されるようになったわけではなく、それ以前から履物の一般名称又は品質表示として普通に使用されていたであろうことは、誰しも容易に推測し得るところであると思料される。
しかしながら、被請求人は、あくまでも本件商標の登録査定時である平成12年(2000年)2月18日)の時点においては、「CLOG」の文字は、履物の一般名称又は品質表示として用いられていないと主張されているので、請求人は、以下の証拠により、「クロッグ」「CLOG」の文字が、本件商標の登録査定時以前に、履物の一般名称又は品質表示として、商取引上普通に使用されている事実を明確に立証することにする。
即ち、本件商標の登録査定時以前である1999年(平成11年)7月5日付けの「繊研新聞」(甲第40号証の1及び2)には、『広がるクロッグ』というタイトルの記事が掲載されている。そして、該『広がるクロッグ』の新聞記事には、下記の如く、「クロッグ」「CLOG」の文字が、明らかに履物の一般名称として使用されている事実を確認することができる。
a)『スリッポンタイプのサンダルである「クロッグ」が広がっている。』
b)『クロッグは…昨年あたりから「サンダル、キャンバスシューズと並ぶ春夏スニーカーの柱」(東京・上野の山男フットギア)として定着し始めた。』
c)『「トレンドに敏感な若い女性の間では厚底サンダルの方に人気があり、クロッグ自体のピークは昨年春夏では」(スポーツタカハシ道頓堀橋本店、トミャマ)との指摘も一部にある。しかし取り扱いブランドと商品の幅は増えており、市場の裾野は広がっている。』
d)『サンダルといえば通常春夏の需要が中心となるが、クロッグの場合、素材の変化で秋冬の需要も期待できる。』
(4)更に、本件商標の登録査定時以前に発行された「FWプレス1999年(平成11年)9月号(甲第41号証)には、「FB(ファッション・ビジネス)を読む」と題する連載物の読物の中で、上記「繊研新聞」の記事が取り上げられており、同様に、「クロッグ」の文字が、下記の如く、履物の一般名称として使用されている事実を確認することができる。
a)『脱厚底靴の流れでクロッグが浮上する』
b)『この夏から秋冬にかけて、新しく流行しそうな靴として、「クロッグ」を繊研新聞が取り上げている。』
c)『この「クロッグ」はスリッポンタイプのサンダルだが、・・・ブランドの数が年々増えており、今春夏商戦でも好調な売行きだ』(繊研新聞99.7.4付)としている。』
d)『「クロッグ」は言ってみれば、サンダルと靴の中間狙いの商品である。』
e)『繊研新聞は、「シンプル」を「クロッグ」の火付け役のように書いているが、これには異説がある。』
f)『・・・私の言いたいことは、「クロッグ」は、見方によっては「厚底靴」「厚底サンダル」の対極の商品だということである。』
g)『「クロッグ」の取り扱いブランドと商品の幅がこれだけ広がっていることは、そうしたタイプの市場の裾野が確実に広がっていることを意味している。素材は従来のスエード、キャンバスからレザーやフェルトなど幅広くなっており、秋冬市場での拡大を予想してよいのではないか。』
上記の新聞及び雑誌の記事は、「クロッグ」「CLOG」の文字が、本件商標の登録査定時以前に、履物の一般名称又は品質表示として、商取引上普通に使用されていた事実を明確に立証するものである。従って、被請求人が、一貫して主張され、かつ、全体の主張のよりどころとなっている、本件商標の登録査定時には、履物を取り扱う業界において、「CLOG」「クロッグ」の文字が商品の普通名称又は品質を表示するものとして普通に使用されている事実は全くない、との主張が誤りであることが明白になったわけである。
因みに、「クロッグ(clog)」は、元々は、ヨーロッパで履かれていた靴底が木製のクツ、サンダル、オーバーシューズ等のことを指称するものであったが、今日においては、甲第40号証の1ないし甲第41号証から明らかなように、木製のものに限定されず、様々な素材が使用されており、サンダルと靴の中間に位置する履きやすく履き心地が楽な履物を指称するものとして、商取引の実際において普通に使用されているものである。
従って、本件商標の構成中「CLOG」の文字が、自他商品識別機能を欠くものである事は明らかである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第8号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について、
請求人は、本件商標の構成中「CLOG」の文字は、「小学館 英和辞典」において、具体的な図示とともに説明されている通り「木靴」を意味するものであり、本件商標の構成中「CLOG」の部分は、商品の普通名称又は品質を表示するにすぎないものであり、自他商品識別機能を果たし得ないものであるから、本件商標における自他商品識別機能としての機能を果たす部分(要部)は、「NURSE」の文字部分にある旨主張している。
イ 本件商標の登録査定時において、履物を取り扱う業界において、「CLOG」を「木靴」を意味するものとして、商品の普通名称又は品質を表示するものとして、つまり、商品が「木靴」であることを表示するものとして使用されている事実がないこと、[なお、この点に関して、審判請求人は、「CLOG」に「木靴」の意味があることを甲第5号証で示すのみで、本件商標の登録査定時、履物を取り扱う業界において、「CLOG」が「木靴」を意味するものとして、商品の普通名称又は品質を表示するものとして使用されている客観的な資料は何ら提出されていない。]
ロ また、「クロッグ(CLOG)」の文字は、(株)岩波書店発行 広辞苑 第4版抜粋(以下「乙第2号証の1」という)、(株)三省堂発行 コンサイス外来語辞典 第4版抜粋(以下「乙第2号証の2」という)、自由国民社発行 現代用語の基礎知識(1999)の「外来語カタカナ語」抜粋(以下「乙第2号証の3」という)、朝日新聞社発行 知恵蔵(1999)の「外来語」抜粋(以下「乙第2号証の4」という)の何れにも、記載がなく、しかも、(株)三省堂発行 新クラウン英和辞典 第4版抜粋(以下「乙第2号証の5」という)において、「CLOG」は、『※※(中学時代に学ぶべき基本語1300語)」『※(高校生なら必ず学ばなければならないと思われるもの約5200語)」にも該当しておらず、木ぐつの意も『1.動物が移動しないように足にくくりつけるおもり(木材・木の根かぶなど);(転じて)じゃま物,障害物 2.木底ぐつ,木ぐつ』と第2番目となっており、英語教育が相当程度普及しかつ英単語が数多く日本語の中に取り入れられていわゆる横文字文化が氾濫している現代日本に居住し取引に従事する平均的日本人または需要者といえども、本願商標「NURSECLOG」から「CLOG」を抽出し、「木靴」と想起し、「木靴」の観念で取り引きされないこと、
ハ また、「CLOG」を「木靴」と想起し、「木靴」の観念で取り引きされないことは、他の商標出願[商願平8-70859号『CLOG(国際商標分類 第28類)』が商標法第4条第1項第16号ではなく商標法第4条第1項第11号で拒絶されていること(以下「乙第3号証の1、乙第3号証の2」という)、
ニ 本件商標「NURSECLOG」は、同一の書体、同一の大きさ、同間隔に軽重の差なく均衡が取れて結合された一連且つ一体に表わされた特定の意味合いを表現しない造語であって、「NURSE」と「CLOG」に分離しなければならない特段の事情も全くなく、しかも、全体の称呼も「ナースクロッグ」7文字と左程冗長なものではなく、「ナースクロッグ」と自然に称呼されること、
ホ 審判請求人が提出した甲第5号証記載の「CLOG」は、最重要語を示す星2つでなく星1つで、しかも、「木靴」の語義も使用頻度順位が3と使用頻度も少なく、また、提示された甲第6号証〜甲第7号証の審決例は、履物を取り扱う業界において、一般的に使用される靴を意味する「シュー」であり、甲第8号証の審決例は、履物を取り扱う業界において、一般的に使用される靴の底を意味する「ソール」であり、甲第9号証の審決例は、欧文字と片仮名文字とからなり、文字構成を異にするものであり、甲第10号証の審決例は、履物を取り扱う業界において、一般的に使用されるトップラインがくるぶしより上にまで達している深グツを意味する「ブーツ」であり、審判請求人が提出した甲第6号証ないし甲第10号証の審決例の何れも、「CLOG」とは異なるものであり、事案を異にする甲第6号証ないし甲第10号証の審決例に基づく主張は、妥当でないこと、
ヘ 本件商標「NURSECLOG」以外に、「NURSE」を含む商標が一連の結合商標として、引用商標A〜引用商標Cとは非類似商標と判断され、登録されていること、
即ち、引用商標A、引用商標B及び引用商標Cと『Nurses’Mode』第22類「はき物、その他本類に属する商品」を指定商品とする登録第 2602724号(乙第4号証の1)、『ナーストップ』第25類「被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」を指定商品とする登録第3351283 号(乙第4号証の2)、『プリティナース』第25類「被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」を指定商品とする登録第3265762号(乙第4号証の3)、『NURSEKITTY』第25類「洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、水泳帽、和服、エプロン、えり巻き、靴下、ゲートル、毛皮製ストール、ショール、スカーフ、足袋、足袋カバー、手袋、布製幼児用おしめ、ネクタイ、ネッカチーフ、マフラー、耳覆い、ずきん、すげがさ、ナイトキャップ、ヘルメット、帽子、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、靴類(靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びよう・靴保護金具」を除く。)、げた、草履類、運動用特殊衣服、運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品とする登録第4134158 号(乙第4号証の4)、『ノイエ ナース / NEUE NURSE』第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品とする登録第2310163号、実公平2‐56406号(乙第4号証の5)、『ナースライト』第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品とする登録第2011578号(乙第4号証の6)、『ナースドレス』第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品とする登録第 2011580号(乙第4号証の6)、『NURSE MATES』第22類「はき物」を指定商品とする登録第2481407号(乙第4号証の7)、『ナースメイト』第25類「ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、靴類(靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)、靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具、げた、草履類、運動用特殊衣服、運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)、乗馬靴」を指定商品とする登録第4019396 号(乙第4号証の8)、『ナースサポート/NS』第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品とする登録第2540809号(乙第4号証の9)、『NURSE SUPPORT』第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品とする登録第2540810号(乙第4号証の9)、『NURSE’S CLUB ナース クラブ 』第25類「被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」を指定商品とする登録第3182078 号(乙第4号証の10)、『ナース ステーション NURSE STATION』第25類「洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、エプロン、靴下、足袋、ナイトキャップ、帽子、靴類(靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)、げた、草履類」を指定商品とする登録第3199552 号(乙第4号証の11)、『home nurse』第25類「被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、仮粧用衣服、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」を指定商品とする登録第4396074号(乙第4号証の12)とは、それぞれ、非類似であると判断されていること、
以上のことから明らかなように、本件商標「NURSECLOG」は一連一体のものであり、本件商標における自他商品識別機能としての機能を果たす部分(要部)は、「NURSECLOG」全体にあることは明らかであり、本件商標の一部を構成する文字は、何ら分離・分割されなければならないような合理的理由もなく、かつ自然的な称呼も引用商標A〜引用商標Cと全く異なるものであるから、何ら類似するものではない。
(2)商標法第4条第1項第16号について、
請求人は、『本件商標は、欧文字で「NURSECLOG」と横書してなるものであるところ、その構成中「CLOG」の部分は、「木靴」を意味するものであるから、その指定商品中「靴類」に含まれる「木靴」以外の商品に使用すれば、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。』旨主張している。
しかしながら、前述の『(1)商標法第4条第1項第11号について、』の項で記述したように、英語教育が相当当程度普及しかつ英単語が数多く日本語の中に取り入れられていわゆる横文字文化が氾濫している現代日本に居住し取引に従事する平均的日本人または需要者といえども、本件商標「NURSECLOG」から「CLOG」を抽出し、「木靴」と想起し、「木靴」の観念で取り引きされないこと、
本件商標の登録査定時において、履物を取り扱う業界において、「CLOG」を「木靴」を意味するものとして、商品の普通名称又は品質を表示するものとして、つまり、商品が「木靴」であることを表示するものとして使用されている事実がないこと、
本件商標「NURSECLOG」は、同一の書体、同一の大きさ、同間隔に軽重の差なく均衡が取れて結合された一連且つ一体に表わされた造語であって、「NURSE」と「CLOG」に分離しなければならない特段の事情も全くなく、しかも、全体の称呼も「ナースクロッグ」7文字と左程冗長なものではなく、「ナースクロッグ」と自然に称呼されることより、本件商標は、その構成中の「CLOG」の文字が「木靴」を直ちに認識できず、一連に称呼される「ナースクロッグ」であり、本件商標は、その指定商品について使用された場合、商品の品質について誤認を生じるものではない。
(3)商標法第4条第1項第15号について、
請求人は、『引用各商標は、請求人の長年にわた積極的な企業努力の結果、本件商標の出願日(平成11年1月13日)のはるか以前より著名性を獲得するに至っている。』旨主張している。
しかしながら、著名性を証明する証拠資料として、提示された甲第11号証ないし甲第14号証は、自社のカタログにすぎず、
また、甲第15号証ないし甲第20号証の7は、看護に関する雑誌「月間ナーシング」「イー・ビー・ナーシング」「ナースビーンズ」「クリニカルスタディ 」「看護技術」「看護学生」「看護管理」「看護教育」「看護研究」「看護実践の科学」「看護展望」「看護と情報」「看護の科学」「看護のBooks」と種々ある中の1雑誌である「看護」に掲載の広告を年度ごとに集積したもので、この程度の広告は、通常商業活動を行う範囲のものにすぎず、引用各商標の著名性を何ら証明するものではない。
そして、引用各商標と著名性を証明する証拠資料に記載の商標とは同一性が要求されるところ、その使用形態も種々変遷しており、引用商標B及び引用商標Cとの同一性も一貫していない。
即ち、甲第11号証ないし甲第14号証においては、引用商標B、引用商標Cの使用の記載はあるものの、「NURSE」については、『NURSE』と『shoes』が結合した一般的な名称である『NURSE Shoes(甲第12号証)』、『Fuji』と『Nurse』と『Shoes』が結合した一般的な名称を含む『Fuji Nurse Shoes(甲第13号証)』、『FUJI』と『NURSE』と『SHOES』が結合した一般的な名称を含む『FUJI NURSE SHOES(甲第14号証)』であり、引用商標Aの使用の記載はない。
なお、「ナースシューズ」が一般的な名称であることは、例えば、シューズワンのホームページ抜粋(乙第5号証の1)、株式会社ダイイチのホーム14ページ抜粋(乙第5号証の2)、株式会社ゼントウの「スニーカーランドのお店のホームページ抜粋(乙第5号証の3)、ナースメイト株式会社のホームページ抜粋(乙第5号証の4)より明らかである。
甲第15号証ないし甲第19号証においては、引用商標Bの使用の記載はあるものの、「NURSE」については、『ナース』と『サンダル』が結合した一般的な名称である『ナースサンダル(甲第15号証、甲第17号証、甲第18号証、甲第19号証)』、『ナース』と『シューズ』が結合した一般的な名称である『ナースシューズ(甲第15号証)』、『NURSE』と『SANDAL』が結合した一般的な名称である『NURSE SANDAL(甲第16号証、甲第17号証、甲第18号証、甲第19号証)』、『NURSE』と『SHOES』が結合した一般的な名称である『NURSE SHOES(甲第16号証)』であり、引用商標A及び引用商標Cの使用の記載はない。
なお、「ナースサンダル」 が一般的な名称であることは、例えば、株式会社ダイイチのホームページ抜粋(乙第5号証の2)、株式会社中薬のホームページ抜粋(乙第5号証の5)、エステZANMAI(乙第5号証の6)より明らかである。
甲第20号証の1の第1頁においては、月刊「看護」掲載広告1961年〜1970年 富士ゴムナース株式会社と記載され、次頁の左上に1961年2月号、以下頁の右上又は頁の左上に1961年3月号(1961年4月号、1962年12月号、1963年1月号、1964年1月号、1965年1月号、1966年1月号、1966年6月号〜1968年1月号、1968年3月号、1970年1月号欠如)〜1970年12月号を添付され、頁の右上又は頁の左上に付された1961年2月号(1961年4月号、1962年12月号、1963年1月号、1964年1月号、1965年1月号、1966年1月号、1966年6月号〜1968年1月号、1968年3月号、1970年1月号欠如)〜1970年12月号をもって、月刊「看護」に掲載された広告であることを立証しているが、実際に掲載された月刊「看護」の表紙及び広告のコピーが添付されていないため、審判被請求人は、甲第20号証の2の頁の右上又は頁の左上に付された1961年2月号(1961年4月号、1962年12月号、1963年1月号、1964年1月号、1965年1月号、1966年1月号、1966年6月号〜1968年1月号、1968年3月号、1970年1月号欠如)〜1970年12月号を証拠資料と認めることはできない。
百歩譲歩して、証拠資料と認めたとしても、1962年1月号には、商品の記載がなく、商標の使用に該当しない。
また、1961年2月号〜1965年3月号にあっては、何れも同一性ががなく、1961年2月号〜1965年3月号の資料には、引用商標A、引用商標B及び引用商標Cの使用の記載はない。また、1965年4月号〜1966年5月号にあっては、引用商標Bの使用の記載はあるものの、引用商標A及び引用商標Cの使用の記載はない。また、1968年2月号〜1970年4月号にあっては、「ナース印」の使用は認められるものの、引用商標C『ナース』の使用に該当せず、引用商標A、引用商標B及び引用商標Cの使用の記載はない。
また、1970年5月号〜1970年12月号にあっては、引用商標B及び引用商標Cの使用は認められるものの、引用商標Aの使用の記載はない。
なお、1962年1月号には、商品の記載がなく、商標の使用に該当しない。
甲第20号証の2の第1頁においては、月刊「看護」掲載広告1971年〜1980年 富士ゴムナース株式会社と記載され、次頁の右上に1971年1月号、以下頁の右上又は頁の左上に1971年3月号〜1972年11月号、1974年9月号〜1980年6月号、’80 7の「看護」、1980年8月号、’80 9の「看護」、1980年10月号、’80 11の「看護」、1930年12月号を添付され、頁の右上又は頁の左上に付された1971年3月号〜1972年11月号、1974年9月号〜1980年6月号、1980年8月号、1980年10月号、1930年12月号(1971年2月号、1972年12月号〜1974年8月号欠如)をもって、月刊「看護」に掲載された広告であることを立証されているが、実際に掲載された月刊「看護」の表紙及び広告のコピーが添付されていないため、審判被請求人は、甲第20号証の2の頁の右肩に付された1971年3月号〜1972年11月号、1974年9月号〜1980年6月号、1980年8月号、1980年10月号、1980年12月号を証拠資料と認めることはできない。
百歩譲歩して、証拠資料と認めたとしても、1971年1月号、1972年1月号にあっては、商品の記載が全くなく、商標の使用には該当しない。 また、1971年3月号〜1972年11月号にあっては、引用商標B及び引用商標Cの使用は認められるものの、引用商標Aの使用の記載はない。また、1974年9月号〜1976年3月号にあっては、引用商標B及び「ナース印」の使用は認められるものの、引用商標C『ナース』の使用に該当せず、引用商標A及び引用商標Cの使用の記載はない。
また、1976年4月号〜1980年12月号にあっては、引用商標Bの使用が認められるだけで、引用商標(ナース)Cの使用でなく、ナースとシューズが一体化した一般的な名称である『ナースシューズ』の使用であり、引用商標(NURSE)Aの記載もない。
甲第20号証の3においては、1983 1、1984 1、1985 1の「看護」にあっては、商品の記載がないと共に、引用各商標の記載も全くなく、また、1981 1、2(欠如)、3、4(欠如)、5、6、7、8(欠如)、9、10、11(欠如)、11(臨時増刊号)、1981 12(欠如)1982 1〜1982 3(欠如)、4、5、6(欠如)、7、8、9(欠如)、10、11、12(欠如)、1983 2、3(欠如)、3(臨時増刊号)、4、5、6、7、8、9、10、11、11(臨時増刊号)、12、1984 2、3、3(臨時増刊号)、4、5、6、7、8、9、10、1 1、11(臨時増刊号)、12、1985 2、3、3(臨時増刊号)、4、5、6、7、8、9、1 0、1 1、11(臨時増刊号)、12の「看護」にあっては、引用商標Bの使用が認められるだけで、引用商標(ナース)Cの使用でなく、「ナース」と「シューズ」が一体化した一般的な名称である『ナースシューズ』の使用であり、引用商標A及び引用商標Cの記載もない。
甲第20号証の4においては、1986 1、1987 1、1988 1、1989 1、1990 1の「看護」にあっては、商品の記載がないと共に、引用各商標の記載も全くなく、1986 2、3、3(臨時増刊号)、4、5、6、7、8、9、10、11、11(臨時増刊号)、12、1987 2、3、3(臨時増刊号)、4、5、6、7、8 、9、10、11、12、 1988 2、3、3(臨時増刊号)、4、5、6、7 、8、9、10、11、11(臨時増刊号)、12、 1989 2、3、3(臨時 増刊号)、4、5〜1 2(欠如)、の「看護」にあっては、引用商標Bの使用が認められるだけで、引用商標(ナース)Cの使用でなく、「ナース」と「シューズ」が一体化した一般的な名称である『ナースシューズ』の使用であり、引用商標A及び引用商標Cの記載もない。
甲第20号証の5において、1991 1、1995 1の「看護」にあっては、商品の記載がないと共に、引用各商標の記載も全くなく、
1991 2〜1994 5(欠如)、1994 6、7、8、9、10、11、12 1995 2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12の「看護」にあっては、引用商標(ナース)Cの使用でなく、「ナース」と「シューズ」が一体化した一般的な名称である『ナースシューズ』の使用であり、引用商標A、引用商標B及び引用商標Cの記載もない。
甲第20号証の6において、1996 1、1997 1、1998 1の「看護」にあっては、引用各商標の記載は全くなく、 1996 2、3、4、5、6、7、8、9、1 0、1 1、12、1997 2、3の「看護」にあっては、引用商標(ナース)Cの使用でなく、「ナース」と「シューズ」が一体化した一般的な名称である『ナースシューズ』の使用であり、引用商標A、引用商標B及び引用商標Cの記載もない。
また、1997 3、4、5、5(特別臨時増刊号)、6、7、8、9、10、11、11、(特別臨時増刊)、12、 1998 2、3、4、5、5(特別臨時増刊号)、1998の 10、11、12の「看護」にあっては、引用商標Bの使用が認められるだけで、引用商標 (ナース)Cの使用でなく、「ナース」と「シューズ」が一体化した一般的な名称である『ナースシューズ』の使用であり、引用商標A及び引用商標Cの記載もない。
また、1998 6、7、8、9の「看護」にあっては、引用商標Cの記載もない。
甲第20号証の7において、引用商標(ナース)Cの使用でなく、「ナース」と「シューズ」が一体化した一般的な名称である『ナースシューズ』の使用であり、また、引用商標A〜引用商標Cが、著名商標でないことは、指定商品に『カーディガン、靴下』、標章に『NURSE(ナース)』をそれぞれ含む商標が一連の結合商標として、本件商標「NURSE CLOG」以外に、『ナーストップ (乙第4号証の2)、プリティ ナース (乙第4号証の3)、NURSEKITTY(乙第4号証の4)、NURSE’S CLUB/ ナースクラブ(乙第4号証の12)、ナースステーション/NURSE STATION(乙第4号証の13)、home nurse(乙第4号証の14)』が、引用商標A〜引用商標Cとは非類似商標と判断され、登録されていることからも理解できるものである。
以上のことから明らかなように、引用各商標は、著名性を獲得するに至っておらず、本件商標「NURSECLOG」は商標法第4条第1項第15号に全く該当しないものである。

第4 当審の判断
(1)本件商標は、前記に示すとおり、「NURSECLOG」の欧文字を標準文字で表してなるところ、構成中前半の「NURSE」の文字は、「看護婦」を意味し、構成中後半の「CLOG」の文字は、「障害物、じゃま物、足かせ」を意味するほか、各種英語の辞書によれば「木靴」の意味を有するものであることは格別否定するところでない。
しかしながら、「CLOG」の語は、請求人提出の「英和中辞典(小学館)」によれば、3番目、また、被請求人提出の「新クラウン英和辞典(三省堂)」によれば2番目の語意として、「木靴」「木底ぐつ、木ぐつ」と掲載され、紹介されているものであり、かつ、比較的最近の辞書である「デイリーコンサイス英和・和英辞典 第5版(三省堂)」を徴するに、重要な語7,000及び最重要の語2,000にも該当していないことよりすれば、英語教育が相当程度普及している我が国の現状に照らして、一般的には、第一次的な語意である「障害物、じゃま物、足かせ」と認識されるものというべきであって、専門的知識を有する者は格別、これに接した場合、本願指定商品の平均的需要者が、直ちに、該文字が「木靴」「木底ぐつ」のみを指すものと把握し、認識することはないものというを相当とする。
また、請求人は、「『クロッグ(clog)』は、元々は、ヨーロッパで履かれていた靴底が木製のクツ、サンダル、オーバーシューズ等のことを指称するものであったが、今日においては、甲第40号証の1ないし甲第41号証から明らかなように、木製のものに限定されず、様々な素材が使用されており、サンダルと靴の中間に位置する履きやすく履き心地が楽な履物を指称するものとして、商取引の実際において普通に使用されているものである。」と述べているように、「クロッグ(clog)」が、我が国において、特定の商品を指すものといえないから、該「CLOG」もまた、商品の品質を表すにすぎないものといい得ないものである。
してみれば、本件商標は、「看護婦」を意味する「NURSE」と「障害物、じゃま物、足かせ、木靴、木底ぐつ」を意味する「CLOG」とが、バランス良く、観念上も軽重の差がなく結合し、「看護婦の足かせ」「看護婦の木靴」ともいうべき新たな、商標全体で固有の観念を有する、造語を形成しているものといわざるを得ない。
そして、本件商標の構成各文字は、同書体、同じ大きさで等間隔に外観上まとまりよく表してなるものであり、これより生ずる「ナースクロッグ」の称呼もさほど冗長なものでなく、その他、これを「NURSE」と「CLOG」に分離して観察しなければならないとする特段の事情は見出し得ない。
したがって、本件商標より生ずる称呼は、「ナースクロッグ」のみであるというべきであるから、本件商標より「ナース」の称呼をも生ずるものとする請求人の主張は採用できず、引用各商標から、「ナース」の称呼を生ずるとしても、本件商標と引用各商標を称呼上類似するということはできない。
また、本件商標と引用各商標とは、外観上相紛れるおそれがない程度に相違し、また、本願商標が「看護婦の足かせ」「看護婦の木靴」ともいうべき観念が生ずるものであるのに対し、引用各商標は、「NURSE」「Nurse」又は「ナース」の文字より、「看護婦」の観念を生ずるにすぎないものであるから、両商標は、観念上相違する。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標であるから、本件商標は、商標法4条第1項第11号に該当しない。
なお、請求人は、分離観察されたとする審決例を挙げているが、これらは、すべて、要部となり得る文字と、明らかに品質を表す語との結合によりなる(軽重の差がある)ものであって、本件の場合と事案を異にし、同列に論ずることはできない。
(2)また、引用各商標が、請求人の提出に係る各書証によって、周知、著名であることを認め得るとしても、上記のとおり、本件商標と引用各商標とは、何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標であるから、商品の出所について混同を生ずるおそれはなく、本件商標は、商標法4条第1項第15号に該当しない。
なお、請求人は、特許庁商標課編「商標審査基準(改訂第7版)」(甲第22号証)の商標法第4条第1項第15号の項の解説の例を根拠として、本件商標が本号に該当する旨述べるところがあるが、この例は、商品又は役務の出所の混同を生ずるおそれがあるものと推認し得るものの例として挙げているのであって、出所の混同を生じ得ない本件商標は、この例に該当しないものである。
けだし、請求人提出に係る各書証を徴するに、請求人の使用商標は、一部に「NURSE SHOES」等がみられるものの、圧倒的に「ナース」「ナースサンダル」「ナース印」等(以下、「ナース等」という。)であって、本件商標の構成中の「NURSE」の文字において周知、著名であるということができないからである。
また、請求人が挙げる裁判例「昭和39年(ワ)第12182号商標権侵害停止等請求事件(甲第21号証)」も、前記同様に、本件とは異なるその構成文字自体が周知、著名であると認定し得た場合であって、本件と同列に論ずることはできない。
しかして、請求人は、「看護婦(ナース)向けの商品を昭和初期から製造、販売している、業界きっての老舗であり、日本で初めて看護婦向けのクツを製造したパイオニアである。請求人は、創業から数年を経た昭和13年頃、看護婦向けに日赤型と呼ばれるクツ(看護婦グツ)を開発し、その製造、販売を本格的に開始して以来、請求人の製造、販売に係る看護婦グツは、今日に至るまでの60有余年の長きにわたり、全国津々浦々の病院、看護学校等において広く使用され、好評を得ている。そして、請求人は、当初より、看護婦グツについて、「ナース」「NURSE」等の商標を使用していたため、請求人の製造、販売に係る看護婦グツは、ナース印の商品として、需要者に親しまれてきた。請求人は、上記事実を立証するためにナース印商品のカタログ等を甲第11号証ないし甲第19号証として提出する。」として、ナース等が請求人の業務に係る商標として、周知、著名に至っているものであると主張しているが、「ナース」「NURSE」は、前述のとおり、「看護婦」を意味する親しまれた語であり、また、請求人にみられるナース等の商標の採択の意図が「看護婦(ナース)向けの商品」にあったことよりすれば、元来、それ自体のみでは、強い自他商品識別力を保有していたものということができず、このような場合、ナース等が永年の請求人の使用によって、周知、著名性を獲得し得たとしても、その周知、著名性が、これと異なる「ナース」「NURSE」を一部に有する商標にまで及ばないことは、被請求人の示す登録例によっても明らかなところである。
(3)さらに、本件商標の構成中の「CLOG」の文字が、上記したとおり、特定の商品の品質を表したものということができないから、その指定商品中の「靴類」について使用しても、これをもって、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものということができず、本件商標は、商標法4条第1項第16号に該当しない。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第16号のいずれにも違反して登録されたものでないから、その登録を無効とすべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 引用に係る登録第997695号商標


審理終結日 2002-06-25 
結審通知日 2002-06-28 
審決日 2002-07-09 
出願番号 商願平11-2705 
審決分類 T 1 11・ 272- Y (Z25)
T 1 11・ 262- Y (Z25)
T 1 11・ 271- Y (Z25)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 榎本 政実 
特許庁審判長 三浦 芳夫
特許庁審判官 柳原 雪身
瀧本 佐代子
登録日 2000-03-17 
登録番号 商標登録第4369354号(T4369354) 
商標の称呼 ナースクロッグ、ナース 
代理人 入江 一郎 
代理人 加藤 静富 
代理人 野末 寿一 
代理人 水谷 安男 
代理人 島田 義勝 
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