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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Z09
審判 全部申立て  登録を維持 Z09
管理番号 1063427 
異議申立番号 異議2001-90845 
総通号数 33 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2002-09-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-10-30 
確定日 2002-07-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第4501268号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4501268号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4501268号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成12年5月23日に登録出願、商標の構成を標準文字により「HELLO KIT PC」の欧文字とし、指定商品を第9類「パーソナルコンピュータ,パーソナルコンピューター用ディスプレイ装置,パーソナルコンピューター用プリンタ,パーソナルコンピューター用モデム,パーソナルコンピューター用キーボード,パーソナルコンピューター用プログラムを記憶させた磁気テープ・磁気ディスク・CDーROM・その他の記憶媒体,パーソナルコンピューターと接続可能なファクシミリ送受信機」として、平成13年8月24日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が引用する次の(ア)ないし(ス)に示す登録商標(以下、「引用各商標」という。)と観念及び称呼を共通にする類似の商標であり、また、本件商標の指定商品と(ア)ないし(ウ)の引用各商標の指定商品とは同一又は類似のものである。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
(2)申立人は、1974年に図案化した子猫の図形のキャラクターを自社で開発し、このキャラクターを「Hello Kitty」「ハローキティ」と命名した。そして、これを文字単独でまたは図形と結合した形態で商品「文房具、日用雑貨」を初めとして、「衣服,書籍,化粧用具」などの生活用品や「玩具」などの娯楽用品、「テレビやパソコン」などの電化製品等の多種多用の商品群に付し、これらの商品を全国約150個所の直営店舗はもとより、高島屋、伊勢丹、大丸、三越などの各有名デパート、ダイエー、イトーヨーカ堂などの各有名スーパーマーケットさらに一般小売店などさまざまな経路で継続的に販売し、また各種媒体を通じて宣伝広告に努め、今日に至っている。その結果、「子猫を図案化した図形」、「HELLOKITTY」、「Hello Kitty」及び「ハローキティ」は、取引業者間において広く知られたばかりでなく、需要者または消費者において、直ちに申立人の商標及び取り扱いにかかる商品であることを認識するに至っているものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
〈引用商標〉
(ア)登録第4470690号商標は、平成12年6月26日登録出願、商標の構成を標準文字により「HELLOKITTY」の欧文字とし、指定商品を第5類、第9類、第10類、第16類、第20類、第21類、第22類、第24類及び第25類の各商品区分に属する商標登録原簿に記載の商品として、平成13年4月27日に設定登録されたものである。
(イ)登録第2394876号商標は、昭和63年10月28日登録出願、商標の構成を二段に表した「Hello Kitty」の欧文字と「ハローキテイ」の片仮名文字とし、指定商品を第11類に属する商標登録原簿に記載の商品として、平成4年3月31日に設定登録されたものである。
(ウ)登録第4011273号商標は、平成6年2月4日登録出願、商標の構成を別掲のとおりとし、指定商品を第9類に属する商標登録原簿に記載の商品として、平成9年6月13日に設定登録されたものである。
(エ)登録第2333106号商標は、昭和63年10月28日登録出願、商標の構成を二段に表した「Hello Kitty」の欧文字と「ハローキテイ」の片仮名文字とし、指定商品を第17類に属する商標登録原簿に記載の商品として、平成3年9月30日に設定登録されたものである。
(オ)登録第2304988号商標は、昭和63年10月28日登録出願、商標の構成を二段に表した「Hello Kitty」の欧文字と「ハローキテイ」の片仮名文字とし、指定商品を第19類に属する商標登録原簿に記載の商品として、平成3年4月30日に設定登録されたものである。
(カ)登録第2324266号商標は、昭和63年10月28日登録出願、商標の構成を二段に表した「Hello Kitty」の欧文字と「ハローキテイ」の片仮名文字とし、指定商品を第21類に属する商標登録原簿に記載の商品として、平成3年7月31日に設定登録され、その後、指定商品及び区分は指定商品の書換により第3類、第6類、第8類、第10類、第14類、第18類、第21類、第25類及び第26類を各商品区分とする商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として登録されている。
(キ)登録第2304938号商標は、昭和63年3月15日登録出願、商標の構成を二段に表した「Hello Kitty」の欧文字と「ハローキテイ」の片仮名文字とし、指定商品を第22類に属する商標登録原簿に記載の商品として、平成3年4月30日に設定登録され、その後、指定商品及び区分は指定商品の書換により第6類、第14類、第18類、第21類、第22類、第25類及び第26類を各商品区分とする商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として登録されている。
(ク)登録第2328988号商標は、昭和63年4月26日登録出願、商標の構成を二段に表した「Hello Kitty」の欧文字と「ハローキテイ」の片仮名文字とし、指定商品を第25類に属する商標登録原簿に記載の商品として、平成3年8月30日に設定登録され、その後、指定商品及び区分は指定商品の書換により第1類、第2類、第5類、第8類、第9類、第16類、第17類、第24類、第27類及び第34類を各商品区分とする商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として登録されている。
(ケ)登録第3302503号商標は、平成6年2月4日登録出願、商標の構成を別掲のとおりとし、指定商品を第16類に属する商標登録原簿に記載の商品として、平成9年5月9日に設定登録されたものである。
(コ)登録第4050103号商標は、平成8年2月29日登録出願、商標の構成を別掲のとおりとし、指定商品を第24類に属する商標登録原簿に記載の商品として、平成9年8月29日に設定登録されたものである。
(サ)登録第4094274号商標は、平成8年7月19日登録出願、商標の構成を別掲のとおりとし、指定商品を第18類に属する商標登録原簿に記載の商品として、平成9年12月19日に設定登録されたものである。また、本商標権には、防護標章登録第01号として、指定商品を第13類及び第19類に属する商標登録原簿に記載の商品とする防護標章が平成13年2月9日に登録されている。
(シ)登録第4236649号商標は、平成8年7月19日登録出願、商標の構成を別掲のとおりとし、指定商品を第28類に属する商標登録原簿に記載の商品として、平成11年2月5日に設定登録されたものである。
(ス)登録第4152731号商標は、平成8年2月29日登録出願、商標の構成を別掲のとおりとし、指定商品を第21類に属する商標登録原簿に記載の商品として、平成10年6月5日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本件商標は、構成前記のとおり「HELLO KIT PC」の欧文字とするところ、「PC」の文字部分は、申立人も主張しているように「PERSONAL COMPUTER(パーソナルコンピューター)」の略語を表したと認められるものであるから、自他商品の識別標識として機能するのは「HELLO KIT」の文字部分にあるものと認められる。
しかして、「HELLO」と「KIT」の各文字間は、一文字分の間隙を有しているものの、その構成に係る各文字は標準文字(同じ書体、同じ大きさ)をもって、まとまりよく一連に表されているものであるから、視覚上一体のものとして看取されるばかりでなく、これより生ずる「ハローキット」の称呼も平滑・流暢に称呼し得るものである。
そして、構成前半の「HELLO」の文字は挨拶言葉とする語として、また、同後半の「KIT」の文字は「(道具・教材などの)一セット、一そろい」等の意味を有す語として、共に我が国の世人一般に馴染まれた平易な英語といえるものであって、それぞれの語の意味合いは理解されるものの、熟語的には特定の意味合いを感得できるものでなく、観念上、係る構成文字全体をもって一種の造語を表したもの把握されるというのが相当である。
そうすると、本件商標は、全体として特定の観念をもって取引に資されるものでなく、前記一連の称呼をもって取引に資される商標といわなければならない。
(2)本件商標構成中の「KIT」の文字は、上記した意味の語である他、申立人提出に係る英語辞典によれば、「子ネコ」、「小型のバイオリン」「(子ネコ)、子ギツネ」及び「男子の名、女子の名」の意味を有するものとしての掲載があり、これを直ちに「子ネコ」の意味の語として認識するものとみるのは困難であって、むしろ、「PC」の文字及びその指定商品との関連からしては、世人一般に馴染まれた「(道具・教材などの)一セット、一そろい」等の意味を理解するとみるのが自然であるから、本件商標からは、「ハロー子ネコ」または「こんにちは子猫」の意味合いを生ずるものといい得ず、また、本件商標は、前記一連の「ハローキット」の称呼を生ずるものであり、いずれの音も明瞭に聴取され、これを「ハローキッ・・」と発音・聴取するものとも認め難く、まして「ハローキテイ(ィ)」と称呼され得るとする申立人の係る主張は採用し得ない。
してみれば、これを前提に本件商標と引用各商標との観念及び称呼上の類似を述べる申立人の主張は妥当でなく、その理由をもって、本件商標を引用各商標と類似のものとすることはできない。その他、本件商標と引用各商標とを類似のものとすべき理由は見出せない(なお、引用商標中、(ア)登録第4470690号商標は、平成12年6月26日登録出願とするものであり、平成12年5月23日登録出願とする本件商標の先願に係る商標登録ではない。)。
(3)更に、「Hello Kitty」と「ハローキテイ」の各文字とする引用商標(イ)(エ)ないし(ク)、又、別掲のとおりの「子猫を図案化した図形」と「HELLO KITTY」及び「ハローキティ」の各文字を構成要素とする引用商標(ウ)(ケ)ないし(ス)に示すこれら商標が、商品「文房具,日用雑貨」、「衣服,書籍,化粧用具」、「玩具」及び「テレビやパソコン」などの商品群に使用され、申立人に係るいわゆるキャラクター商標として、我が国の取引者、需要者間で広く認識される周知性を有する商標であるとしても、これらは引用各商標と構成主要素を同じくするものであって、本件商標と引用各商標とは類似するものでないこと上述のとおりであり、両者は十分に区別し得る別異の商標といえるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして直ちに引用各商標を含め、当該「子猫を図案化した図形」、「HELLOKITTY」、「Hello Kitty」及び「ハローキティ」のいずれの商標をも想起し連想するものでなく、その商品が申立人または申立人と何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について、取引者、需要者間に誤認・混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(4)以上に述べたとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号に違反して登録されたものとすることはできない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
別掲

〈別掲〉 引用商標


異議決定日 2002-07-01 
出願番号 商願2000-56236(T2000-56236) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (Z09)
T 1 651・ 271- Y (Z09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小松 孝 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 高野 義三
山口 烈
登録日 2001-08-24 
登録番号 商標登録第4501268号(T4501268) 
権利者 株式会社イーヤマ
商標の称呼 ハローキットピイシイ、ハローキット、ハローケイテイアイ、ハロー 
代理人 小谷 武 

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