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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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取消2012300362 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 121 |
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管理番号 | 1063342 |
審判番号 | 審判1999-30878 |
総通号数 | 33 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-09-27 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 1999-07-01 |
確定日 | 2002-08-05 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2337071号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1.本件商標 本件登録第2337071号商標(以下、「本件商標」という。)は、「VOYAGE」の欧文字を横書きしてなり、平成1年5月10日に登録出願、第21類「化粧用具、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成3年9月30日に設定登録され、その後、平成13年7月31日に商標権存続期間の更新登録がされているものである。 2.請求人の主張 請求人は、「商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中『バンド類、かばん類、袋物、化粧用具』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第10号証を提出している。 (1)請求の理由 請求人は本件商標の登録後における使用状況につき調査をしたところ、本件商標が、過去3ヶ年の間にその指定商品中「バンド類、かばん類、袋物、化粧用具」について使用された形跡は見当たらなかった。 (2)弁駁の理由 乙第1号証ないし乙第4号証についてみると、これらに表示されている商標は「agnes b.VOYAGE」(「e」の文字にはアクサングラーブ「`」が付されている。以下に記す「agnes」の語についても同様である。)であって、本件商標「VOYAGE」ではない。 乙第4号証の第3頁の下の欄に表示されている「VOYAGE」の文字は、単に「(比較的長い)船旅に適した商品」を表示する語として使用されているのであって、商標として使用されているものではない。 したがって、乙第1号証ないし同第4号証を以っては、本件商標が本件審判予告登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品のいずれかについて使用されたということが立証されておらず、被請求人の主張には理由がない。 3.被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁しその理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第5号証(枝番を含む。)を提出している。 被請求人は、本件審判請求前3年以内に日本国内において本件商標を「バンド類、かばん類、袋物、化粧用具」について使用しているものである。 被請求人は、「株式会社サザビー」社を通じて、バッグ、袋物、化粧用具、化粧品などについて、上段側に前記「agnes b.」を表示すると共にその下段に本件商標である「VOYAGE」を表示した店舗を日本全国の各所で構え、該店舗における社員の名刺や案内カードにも同様の表示をなし、これらの店舗においては、前記と同様に「agnes b.」と「VOYAGE」とを二段書き表示してなる商標を付した革製・布製等のバッグ、袋物、財布、カード入れ、化粧品などを陳列販売している。 前記各商品に付されている商標の表示形態をみるに、書体の異なる「agnes b.」と「VOYAGE」を二段書きしていることから、その下段の「VOYAGE」は独立した形態で使用されているものと解すべきであり、よって、本件商標は商品「かばん類、袋物、化粧用具」等について使用しているものである。 4.当審の判断 本件商標は、「VOYAGE」の文字よりなるものであるところ、被請求人の提出した乙第4号証の商品カタログの表紙をみるに、「agnes b.」及び「VOYAGE」の文字が中心に大きく表示され、その下に、少し間隔をおいて、「printemps ete 99」(「ete」の語中の「e」の文字には、アクサンテギュー「´」が付されている。以下に記す「ete」の語についても同様である。)の文字が小さく表示されている。 これについて、請求人は、使用商標は「agnes b.VOYAGE」であって、本件商標「VOYAGE」ではない、また、「VOYAGE」の文字は、単に「(比較的長い)船旅に適した商品」を表示する語として使用されているのであって、商標として使用されているものではないと主張しているが、両文字は、上下二段に配置され、かつ、文字の大きさ及び書体を異にすることから視覚上自ずと分離して看取されるばかりでなく、観念上も両文字を常に一体のものとして把握しなければならないような格別の事情も認められない。また、「VOYAGE」の文字が「船旅」の意味を有するとしても、該商品カタログには船旅と直接関係があるとは認められないハンドバッグや化粧用具なども掲載されていることからすれば、表紙に表示された該文字は、商品の用途を表示したものとしてではなく、自他商品の識別標識として認識されるとみるのが相当である。 そして、「agnes b.」の文字は、被請求人の代表的出所標識(生産又は販売主体を表す標識)として、取引者・需要者間において広く認識されていると認められるものである。また、商取引の実際においては、代表的出所標識と個別商標(個別商品について使用される商標)を併記して商品に付すことが普通に行われていることからすれば、「VOYAGE」の文字部分は、該商品カタログに掲載された商品の個別商標として認識されるとみるのが相当である。 さらに、商品カタログの表紙下部に記載された「printemps ete 99」は、「1999年春夏」を意味する語であるから、該カタログは1999年春夏用の商品を掲載したものであると認められるものである。そして、春夏用の商品のカタログは通常その前年に頒布されることからすれば、該商品カタログは、1998年に頒布されたものと推認できる。 また、該商品カタログ中には「かばん類、袋物、化粧用具」が含まれていることが認められる。そして、その商品説明中に日本語文字が併記されていること、裏表紙に、「2-11-1,SENDAGAYA,SHIBUYAーKU,TOKYO 151-8575」(発行者の住所と認められる。)と、日本国内の住所が記載されていることが認められる。 以上のことからすれば、被請求人が、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を請求に係る指定商品中の「かばん類、袋物、化粧用具」について使用していたと認められる。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、本件審判の請求に係る指定商品について、その登録を取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-03-05 |
結審通知日 | 2002-03-08 |
審決日 | 2002-03-26 |
出願番号 | 商願平1-52683 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(121)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 中村 謙三、小松 裕 |
特許庁審判長 |
為谷 博 |
特許庁審判官 |
高野 義三 高橋 厚子 |
登録日 | 1991-09-30 |
登録番号 | 商標登録第2337071号(T2337071) |
商標の称呼 | ボワイヤージュ、ボヤージュ |
代理人 | 北村 修一郎 |
代理人 | 北村 修一郎 |
代理人 | 吉田 隆志 |
代理人 | 瀧野 秀雄 |