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審決分類 |
審判 査定不服 登録しない Z37 |
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管理番号 | 1063220 |
審判番号 | 不服2000-14354 |
総通号数 | 33 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-09-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-09-07 |
確定日 | 2002-06-27 |
事件の表示 | 平成10年商標登録願第103535号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、商標法第10条第1項の規定による平成9年商標登録願第13277号の分割出願として、第37類「ガソリンスタンド」を指定役務として、平成10年12月4日に登録出願されたものである(遡及日平成9年2月12日)。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「指定役務は、商標とともに権利範囲を定めるものであるから、その内容及び範囲は明確でなければならないところ、本願に係る補正後の指定役務『ガソリンスタンド』は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 請求人の主張の要旨 請求人は請求の理由において次の点を主張し、証拠として甲第1号証ないし甲第3号証を提出している。 1)請求人が、「ガソリンスタンド」という概念によって求めようとしている保護は、車輌運転者の便宜のため「ワン・ストップ・ショップ」形式で享受することができる総合的サービスであり、例えば、セルフスタンド方式によるガソリンの販売、車輌整備・洗浄のための自動洗車機やタイヤ圧測定装置の設置、洗車後の拭き上げ場所の提供、コンビニエンスストアの併設である。そして、これらは全て車輌運転者の便宜のための総合サービスであり、「ガソリンスタンド」の表示以外に表現しがたいものである。 2)「Vehicle service stations」の役務表示は、英国、オーストラリア、ベネルクス等多くの国々で受け入れられており、我が国のみこれを不適切な表示として認めないのは国際調和の観点からも好ましくない。また、マドリッド・プロトコル経由の国際商標登録出願についても「Vehicle service stations」の役務表示を認めている。 4 当審の判断 1)「ガソリンスタンド」について 「ガソリンスタンド」は、「街頭にある自動車用ガソリンの販売所」(広辞苑第5版参照)を意味する語であって、我が国のガソリンスタンドにおいては、一般にガソリンの販売のほか、車輌の洗浄・修理・整備等の役務を提供しているのが実情である。 そうとすれば、ガソリン販売の施設名である前記「ガソリンスタンド」を指定役務とした場合、その役務の概念には、ガソリンの販売(商品区分第4類「ガソリン」)や車輌の洗浄・修理・整備等の役務(役務区分第37類)等が含まれるものといわなければならない。 してみれば、本願指定役務の「ガソリンスタンド」は、その表示が不明確であって、役務の内容、範囲が把握できないものと判断するのが相当である。 なお、請求人は、「ガソリンスタンド」の概念によって求める保護は、車輌運転者の便宜のため「ワン・ストップ・ショップ」形式で享受することができる総合的サービスであり、例えば、セルフスタンド方式によるガソリンの販売、車輌整備・洗浄のための自動洗車機やタイヤ圧測定装置の設置、洗車後の拭き上げ場所の提供、コンビニエンスストアの併設である旨主張しているところ、これらサービス中には、商品区分第4類「ガソリン」の販売や役務区分第37類に属しない役務(例えば、コンビニエンスストアの併設)を含むものといえるから、前記認定を左右することはできない。 2)国際調和の観点について 請求人は、日本を指定国とする国際商標登録出願において、「Vehicle service stations」の役務表示を認めていると主張しているところ、該英語表記における役務は、請求人の主張する「ガソリンスタンド」の役務と同一のものとみるべき特段の理由や証拠もなく、また、該英語表記の役務は、あくまでも区分第37類の範囲内での役務と解すべきものである。そして、「商品・サービス国際分類表(第7版)」(特許庁商標課編)において、前記「Vehicle service stations」の役務は、その日本語訳が「ガソリンスタンドにおける自動車などの洗浄・修理・整備」となっている。 加えるに、出願に係る指定商品又は指定役務をその表示で採用し得るか否かは、各国取扱いに任せられていると解される。このことは、「どのようなものを登録を認めるべき役務とするかの判断は、各国の法制に任せられた事項であり(ニース協定2条1項参照)、各国の取扱い自体が、ある役務について登録を認めるか否かについての我が国の商標法の解釈に直接影響を及ぼすことはあり得ず、これをも考慮して、従来認められなかったものを認めることにするかどうかは、立法者が種々の考慮の下に決定すべき事柄に属するというべきである。」旨の判決(東京高裁 平成12年8月29日判決参照 平成11行(ヶ)390)によっても明らかといえるものである。 3)結論 以上のとおり、本願の指定役務「ガソリンスタンド」は、ガソリンの販売や車輌の点検・整備等の役務を提供する施設名を表示する文字(語)であり、第37類に属する役務の範囲を定めることのできない不適切な表示といわなければならない。 したがって、本願を商標法第6条第1項に規定する要件を具備しないものとして拒絶をした原査定の判断は妥当であって、これを取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
本願商標 |
審理終結日 | 2002-01-17 |
結審通知日 | 2002-01-25 |
審決日 | 2002-02-05 |
出願番号 | 商願平10-103535 |
審決分類 |
T
1
8・
61-
Z
(Z37)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 佐藤 久美枝、薩摩 純一 |
特許庁審判長 |
為谷 博 |
特許庁審判官 |
村上 照美 保坂 金彦 |
商標の称呼 | ビイピイ |
代理人 | 照嶋 美智子 |
代理人 | 神林 恵美子 |