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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 109
管理番号 1063157 
審判番号 取消2000-30679 
総通号数 33 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-09-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2000-06-14 
確定日 2002-07-24 
事件の表示 上記当事者間の登録第2069257号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2069257号商標の指定商品中「理髪用椅子その他の美容院用または理髪店用の機械器具及びこれらに類似する商品」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2069257号商標(以下、「本件商標」という。)は、商標の構成をゴシック風欧文字により「JAGUAR」と書し、指定商品を第9類「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)機械要素、ただし、動力機械器具(水車、風車を除く)蒸気暖房装置、温水暖房装置、温気暖房装置、放熱器、温気炉を除く」として、昭和56年3月25日に登録出願、昭和63年8月29日に設定登録され、その後、平成10年9月29日に存続期間更新登録がされているものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出している。
なお、請求人は、答弁に対する弁駁と同時に提出した手続補正書をもって、審判請求書の請求の趣旨を「商標登録第2069257号の指定商品中、「美容院用いす、理髪用いす、美容院用の機械器具(いすを除く。)及び理髪店用の機械器具(いすを除く。)」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と補正している。
(1) 本件商標は、その指定商品中の「理髪用椅子その他の美容院用または理髪店用の機械器具及びこれらに類似する商品」について、今日に至るまで継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した実績が認められない。
(2) したがって、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中「理髪用椅子その他の美容院用または理髪店用の機械器具及びこれらに類似する商品」について、登録は取り消されるべきである。
(3)平成12年9月7日付で提出された答弁書において、被請求人は、「請求の趣旨」が不明だから、棄却されるべきと主張している。
しかしながら、本件の取消審判で不使用取消しを求めている指定商品は、甲第1号証(特許庁商標課編「類似商品・類似役務審査基準」[改訂第8版]、平成8年12月20日、発明協会発行)の第60頁及び第99頁に記載されている類別表の「09E25」に記載されている商品であることは明らかである。
請求人は、同日に提出する手続補正書において、前記不使用取消しを求めている指定商品を明瞭化した。

3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。と答弁し、その理由及び請求人の弁駁に対する答弁を次のように述べている。
(1)以下の理由により、請求の趣旨が不明であるから、本件審判は当然に棄却されるべきものである。
(ア)取り消しに係る指定商品が「美容院用又は理髪用の機械器具」となっているため、「美容院用の機械器具」につき取り消しを求めているのか、「理髪用の機械器具」につき取り消しを求めているのか、不明である。
(イ)取り消しに係る指定商品が「これらに類似する商品」となっているため、具体的に如何なる商品につき取り消しを求めているのか、不明である。
(2)答弁(第2回)
以下の理由により、平成12年12月7日付けの手続補正書による「請求の趣旨」の補正は要旨変更であり却下されるべきものである。
請求の趣旨から「これらに類似する商品」を削除することは、取り消しに係る指定商品の減縮であるから要旨変更にならないように見えるが、審判請求後において被請求人の使用証明の可能性を狭めるものであるから[何らかのかたちで「類似する商品」が明らかになれば、被請求人はその商品につき使用証明を提出して、本審判を棄却することが可能であったかもしれない、その可能性を狭めるものであるから]である。

4 当審の判断
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
ところが、本件審判の請求に対し被請求人は、大旨、取消しに係る指定商品が「又は」により接続されていること、及び「これらに類似する商品」となっているため、具体的に如何なる商品につき取消しを求めているのか、不明であると答弁し、また、請求人の弁駁及び手続補正書に対し被請求人は、平成12年12月7日付けの手続補正書による「請求の趣旨」の補正は要旨変更であり却下されるべきものである。と述べるのみで、本件商標の使用の事実、又は使用をしていないことについての理由を明らかにするところがない。
(1)よって先ず、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品が不明であるから、本件審判は棄却されるべきものである旨主張しているので、この点について判断する。
(ア)本件審判の取消しに係る商品は、「理髪用椅子その他の美容院用または理髪店用の機械器具及びこれらに類似する商品」であるところ、該表示は、現行商標法施行規則別表 第20類9に例示の「理髪用いす」及び同第11類16に例示の「タオル蒸し器、美容院用頭髪乾燥機、美容院用頭髪蒸し器、理髪店用洗髪台」の各単品を列挙し、これら美容院・理髪店に供される装置を包括概念とする「美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。)」についての登録を取消すことを主旨としているものと十分に推認させるものである。
(イ)そして、当然のことながら、省令別表に列挙してある商品は、あくまで例示にすぎないものであって、その商品の範囲を把握し易いように例示してあると解されるものであり、これに掲げられていない商品が存することは、例えば、社団法人発明協会 平成8年12月20日発行の「類似商品・役務審査基準〔改訂第8版〕」において「美容院用いす、理髪用いす」の例示が、又、財団法人全国統計協会連合会、平成8年9月発行の「日本標準商品分類(平成2年6月改訂)」の「標準商品分類項目表 中分類57-商業及びサービス業用機器」において、該省令表示以外の「ドライヤーいす、シャンプーいす等の美容・理髪いす、又は蒸気消毒器、薬品消毒器等の美容・理髪消毒器」などの商品が掲げられているところから明かである。
(ウ)それゆえ、たとい省令別表に例示の商品ないしはこれにない具体的商品表示をもって登録商標を取消しても、その類似の商品が残存し、取消に係る商品についての商標の使用ないしは登録商標の取得もできないこと少なくないから、これを簡便に補完するには「(及び)これらに類似する商品」とする、個々具体的な商品表示を列挙しない表示方法でも差し支えないものというべきである。そして、この表示が却って取消しに係る商品の範囲を明確にさせると共に実際上の便宜も少なくないものである。
したがって、この点において本件審判の請求は適法なものといわなければならない。
(2)そこで、本件商標の登録に係る指定商品についてみるに、その指定商品は、昭和34年商標法施行規則に基づく第9類に属する「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)機械要素、ただし、動力機械器具(水車、風車を除く)蒸気暖房装置、温水暖房装置、温気暖房装置、放熱器、温気炉を除く」とするものであり、そして、例えば、前出の「類似商品・役務審査基準〔改訂第8版〕」の「新旧類似商品・役務対照表」又は、同「日本標準商品分類(平成2年6月改訂)」の「標準商品分類項目表 中分類57-商業及びサービス業用機器」の各記載に照らし判断すれば、本件審判請求の取消しに係る商品「理髪用椅子その他の美容院用または理髪店用の機械器具及びこれらに類似する商品」は、上記の指定商品中の大概念表示をもって指定する「その他の機械器具で他の類に属しないもの」中の「商業またはサービス業用機械器具」の下位になる商品と認められる「美容院用または理髪店用の機械器具」に関する商品概念として認められるものであって、自ずとその商品及びその類似商品の範囲は推認できるものというのが相当である。
してみれば、本件審判の取消しに係る商品が、不明であるとする被請求人の主張は採用できないものであり、これを理由に本件審判の請求を棄却することはできない。
(3)また、請求人の提出に係る平成12年12月7日付けの手続補正書をもってした本件審判請求書の「請求の趣旨」の補正は、本件審判の取消し請求に係る商品の内容を実質的に変更するものであるから、これを採用することはできない。したがって、本件審判は該補正前の請求の趣旨に基づき審理した(なお、該表示については、本件審判請求書の「請求の趣旨」と「請求の理由」とは、その表示中「・・・理髪用・・・」と「・・・理髪店用・・・」との僅かな違いがあるが、単なる誤記と認め、後者の表示とした。)。
(4)以上のとおり、本件審判の請求は適法なものであって、被請求人の主張は採用できないものである。
そうすると結局、被請求人は、上記した旨の答弁するのみで、本件審判請求の登録前3年以内に日本国において、本件商標をその取消し請求に係る指定商品について使用していることを証明しないばかりか、使用していないことについて正当な理由があることも明確にしていないから、その登録の取消しを免れない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-02-20 
結審通知日 2002-02-25 
審決日 2002-03-13 
出願番号 商願昭56-23824 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (109)
最終処分 成立  
前審関与審査官 佐藤 敏樹田中 照雄 
特許庁審判長 為谷 博
特許庁審判官 高橋 厚子
高野 義三
登録日 1988-08-29 
登録番号 商標登録第2069257号(T2069257) 
商標の称呼 ジャガー 
代理人 池内 寛幸 
代理人 乕丘 圭司 
代理人 大西 哲夫 
代理人 鎌田 耕一 
代理人 佐藤 公博 

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