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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Z29 審判 全部申立て 登録を維持 Z29 |
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管理番号 | 1061920 |
異議申立番号 | 異議2001-90908 |
総通号数 | 32 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2002-08-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2001-11-28 |
確定日 | 2002-06-26 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4502962号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4502962号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4502962号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年6月12日に登録出願され、「おとなの納豆」の文字を標準文字により表してなり、第29類「納豆」を指定商品として、平成13年8月31日に設定登録されたものである。 2 異議申立ての理由 (1)商標法第3条第1項第3号について 本件商標は、「おとなの納豆」の文字を書してなるものであるところ、「おとな」の文字よりは、「成人」の意味を表す「大人」を容易に理解するものである。しかして、食品業界においては、新たな需要を喚起すべく、需要者のターゲットを絞り込み、そのターゲットの嗜好に適合させた品質の新商品を開発、製品化するとともに、その品質の特徴を端的に表すネーミングを施すことが広く行われている。 そこで、本件商標について考察してみると、敢えて「おとな」の文字を用いているということは、子供の嗜好と比較する意味で、例えば、一般的に辛い味のものを好まない子供に比し、大人は辛い味のものを好むことから、当該納豆が、大人が好む辛さに適した商品であるかの如くに理解できるものである。この点、「納豆」を製造、販売する業界において、「大人用」の表示がなされているものも見受けられ(甲第3号証ないし甲第10号証参照)、その中には、例えば、従来好みにより、「からし」を味付けに加えるのが一般的であったところ、従来になかった「わさび」を味付けに加えた「納豆」について、この「大人用」の表示が用いられていたりするものである(甲第4号証ないし甲第10号証参照)。 このような状況下においては、本件商標「おとなの納豆」は、単にその納豆が大人向けのものであることを表示するに過ぎず、商品「納豆」との関係においては、自他商品の識別力を有しないものである。 よって、本件商標は、その指定商品との関係において、単に商品の品質・用途を表示するにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号の規定に違反して登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「大人」の漢字を縦書きしてなり、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、昭和42年12月28日に登録出願、同45年7月14日に設定登録され、その後数次に亘り譲渡を原因とし分割された結果、指定商品を「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)、但し、すし、べんとう、サンドイッチ及びふりかけ、お茶づけのり、かつお節、削り節、とろろこんぶ、干しのり、焼きのり、干しわかめ、干しひじき、寒天及び肉製品、加工水産物(かつお節、削り節、とるろこんぶ、干しのり、焼きのり、干しわかめ、干しひじき、寒天を除く)、加工野菜及び加工果実、カレーライスのもと、スープのもとを除く」としてなる商標登録第864802号-111商標(以下「引用商標」という。)と類似し、その指定商品も同一又は類似のものである。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号について 商品「納豆」は、わが国において老若男女を問わず昔から多くの人々に親しまれ食されてきた伝統的な食品の一つである。そして、「納豆」には、「大人用」、「子供用」等の区別のない嗜好食品として認識されているのが実情である。 そうとすれば、本件商標の構成中、前半部の「おとな」の文字が「大人」に通じ、また、後半部の「納豆」が商品名を表す語であるところから、「大人用の納豆」の如き意味合いを暗示させる場合があるとしても、「納豆」自体には大人用と子供用の区別がなく、好みにより「たれ、醤油、からし」等で味付けを変えることができるのが普通の取引の実情であるから、かかる構成においては商品の用途、品質を直接表示したものというよりは、全体で一種の造語を表したものとみるのが相当である。 したがって、本件商標は、商品の用途、品質を表示したものとは認められないものである。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標は、上記したとおりの構成よりなるものであるから、外観上は明らかに相違するものである。 次に、これを称呼、観念上よりみると、本件商標は、「おとなの納豆」の文字をまとまりよく一体的に表してなるばかりでなく、これより生ずる「オトナノナットウ」の称呼もそれ程冗長なものとは言えず、淀みなく一連に称呼し得るものである。 そうとすれば、本件商標は、その構成文字全体より「オトナノナットウ」の一連の称呼を生じ、造語を表したものと判断するのが相当である。 してみれば、本件商標の「おとな」の文字部分より、「オトナ」(大人)の称呼、観念をも生ずるとし、その上で本件商標と引用商標とが「オトナ」(大人)の称呼、観念において類似するという登録異議申立人の主張には、理由がないものと言わなければならない。 (3)結論 したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第11号に違反してなされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持する。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2002-06-07 |
出願番号 | 商願2000-64619(T2000-64619) |
審決分類 |
T
1
651・
26-
Y
(Z29)
T 1 651・ 13- Y (Z29) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 堀内 仁子 |
特許庁審判長 |
田辺 秀三 |
特許庁審判官 |
小林 薫 岩崎 良子 |
登録日 | 2001-08-31 |
登録番号 | 商標登録第4502962号(T4502962) |
権利者 | 株式会社ミツカングループ本社 |
商標の称呼 | オトナノナットー、オトナノ、オトナ |
代理人 | 小出 俊實 |
代理人 | 石川 義雄 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 松田 治躬 |