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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない 009
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない 009
管理番号 1061684 
審判番号 審判1997-19064 
総通号数 32 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1997-11-12 
確定日 2002-06-12 
事件の表示 平成7年商標登録願第112351号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「Microcellular」の欧文字を横書きしてなり、第9類「電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電池,電線及びケーブル」を指定商品として、平成7年10月31日に登録出願されたものである。

第2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、『小さい、超小型の』の意を有し、他の語と複合して用いられることの多い『Micro』の文字と、『電気通信機械器具』との関係において、無線通信に利用される方式の一つで、広い地域を蜂の巣状に細かく分割し、それぞれのセルごとに基地局を設置してセル内の端末との通信を行う方式として自動車電話や携帯電話等の『移動体電話』に利用される『cellular』の文字とを『Microcellular』と普通に書してなるものであるから、これをその指定商品中『移動体電話機』に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎず、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨の認定、判断をして、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 本願商標は、前記構成のとおりであって、「Micro」と「cellular」の欧文字を結合したと認められるものであるところ、前者の「Micro」の文字は、「小、微小(の)」の意味を有する英語(接頭語)として日本語化するほどに一般に親しまれているといい得るものである。また、後者の「cellular」の文字は、「移動電話(cellular phone)の」の意味を有する語として英和辞典(小学館ランダムハウス英和大辞典444頁、1999年1月10日株式会社小学館発行)に掲載されているばかりでなく、「現代用語の基礎知識1998」(1998年1月1日自由国民社発行)の「セルラー電話(cellular telephone)」の項(1470頁)に、「自動車電話や携帯電話。その通信システムからアメリカで呼ばれている名称。地域をセル(cell 細胞)に分けて電波で送信する。」と記載されていること、さらに「知恵蔵1998」(1998年1月1日朝日新聞社発行)の「移動体通信」の項(609頁)に、「・・・地域を小さなセル(細胞)に分割することにより、大量の端末へのサービスが可能になる。セル方式を使った電話をセルラー電話と呼んでいる。」、同じく「セルラー方式」の項(610頁)にも、「無線通信に利用される方式の一つで、広い地域を蜂の巣状に細かく分割し、それぞれのセル(細胞)ごとに基地局を設置してセル内の端末との通信を行う。」と記載されていることなどからみれば、本願指定商品中の「電気通信機械器具」との関係においては、「広い地域をセル(cell)状に細かく分割して、それぞれのセル(細胞)ごとに基地局を設置してセル内の端末との通信を行う無線通信システム」を意味するものとして容易に理解されるといい得るものである。
そうとすれば、本願商標をその指定商品中「自動車電話機、携帯電話機、その他の移動体電話機」に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、全体として「通信可能範囲(cell)を従来よりさらに細かく分割したセルラー(cellular)方式に対応した電話機」であることを表示したものとして把握するに止まり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。
2 そして、前示の認定、判断は、例えば、下記(1)ないし(4)の新聞や文献等の記事からみても妥当なものとして是認できる。
(1)「マイクロセル移動通信は、基地局を半径数百メートル程度の電波 をとらえる形で、キメ細かく設置する。現在の自動車電話が半径1から 10キロメートルの単位エリア(セル)であるのに対し、マイクロセル と呼ぶ。」(日刊工業新聞、1991年4月8日版)
(2)「郵政省は、・・・第3世代のマイクロセル移動体通信システムに 関する調査研究会報告をまとめた。・・・マイクロセル移動体通信シス テムは、一基地局のエリア(セル)を自動車・携帯電話システムなどに 比べ極端に小さくすることから命名されたもので、・・・」(日刊工業 新聞、1992年10月31日版)
(3)「PCNは従来のセルラー方式より高密度に中継局を配置するマイ クロセル方式で、次世代移動電話の主力とみる向きが多い。」(日経産 業新聞、1993年1月26日版)
(4)「セルラーという名前は、無線の基本エリア(一つの基地局がカバ ーするエリア)をセルといい、セルによる構成をセルラーと呼ぶことか ら由来している。」(37頁)、「マイクロセルとは、現在のセルラー システム(自動車電話など)のセルの大きさが半径数km程度以上であ るのに対して、セル半径を数百m以下と小さくした構成を指す。」(6 3頁)(「パーソナル通信のすべて」、1995年6月28日NTT出 版株式会社発行)
3 結局、本願商標は、その指定商品中「自動車電話機、携帯電話機、その他の移動体電話機」に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものであり、また、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-03-27 
結審通知日 2002-04-05 
審決日 2002-04-18 
出願番号 商願平7-112351 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (009)
T 1 8・ 272- Z (009)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 堀内 真一半田 正人 
特許庁審判長 小林 薫
特許庁審判官 平山 啓子
高野 義三
商標の称呼 マイクロセルラー、ミクロセルラー、セルラー 
代理人 神林 恵美子 
代理人 本城 雅則 
代理人 大貫 進介 

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