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審決分類 審判 全部無効 商4条1項7号 公序、良俗 無効としない 121
審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない 121
審判 全部無効 商4条1項10号一般周知商標 無効としない 121
審判 全部無効 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 無効としない 121
管理番号 1061607 
審判番号 無効2000-35390 
総通号数 32 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-08-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-07-17 
確定日 2002-06-24 
事件の表示 上記当事者間の登録第2724319号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2724319号商標(以下、「本件商標」という。)は、昭和62年4月9日に登録出願、「LEYTON HOUSE」の欧文字を横書きしてなり、第21類「装身具 ボタン類 かばん類 袋物 宝玉およびその模造品 造花 化粧用具」を指定商品として、平成11年4月23日に設定の登録がされたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第19号証(枝番号を含む。)を提出している。
1.請求の理由
本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号及び同第15号に違反し、登録されたものである。
(1)「LEYTON HOUSE」の著名性について
本件商標に関しては、株式会社レイトンハウスより登録異議の申立てがされ、平成3年2月21日付けで拒絶査定がされているところであって、該異議事件において、申立人である株式会社レイトンハウスは、本件商標が商標法第4条第1項第8号、同第10号及び同第15号に該当すると主張し、本件商標の出願前に、レストラン「LEYTON HOUSE」が「an・an」や「ELLE」といった有名雑誌に紹介されていた事実、「LEYTON HOUSE」の関連グッズが多数販売されていた事実、「LEYTON HOUSE」がアパレル業界に進出していた事実、あるいはカーレースのF1レースに進出した事実などを立証し、本件商標の出願日である昭和62年4月9日には「LEYTON HOUSE」が著名であったことを立証した。この申立に対し、特許庁は、「本願商標は、レイトンハウス原宿店 外多数の店舗を所有し「レストラン」経営をはじめ、商品「バッグ、ポーチ、ベルト、アクセサリー等」多種にわたって長年事業を営んでいる・・・株式会社レイトンハウスの著名な略称である「レイトンハウス」の文字を欧文字で「LEYTON HOUSE」と表したものであることは申立人の提出の証拠によって認め得るところである。してみれば、本願商標は他人の著名な略称よりなるものといわなければならない。」との決定をした(甲第2号証の1及び同2)。
この決定が、正当なものであることを以下に述べる。
(ア)株式会社レイトンハウス(名称は何度か変わっているが、実体は同じであるので、まとめて、以下、「株式会社レイトンハウス」とする。甲第3号証の1及び同2)は、東京六本木にあったレストランの店名として、本件商標と同じ「LEYTON HOUSE」を使用していた。このレストランは、旧与謝野晶子邸を利用して作られたレストランであったことなどで話題となり、雑誌などでも紹介された(甲第4号証)。該レストランが、紹介されている雑誌は、「an・an」「ELLE」といった若者の間で非常に人気の高い雑誌であり(甲第4号証ないし同第7号証)、レストラン「LEYTON HOUSE」は、昭和61年当時の若者の間で「おしゃれな店」として高い支持を得ていた。
(イ)株式会社レイトンハウスは、当初から、レストラン経営と平行して、「LEYTON HOUSE」の商標を付して、「バッグ、ポーチ、ベルト、アクセサリー」等の関連グッズの販売も行っていたが(甲第8号証)、昭和59年以降、レース活動に進出するようになり、同時に、アパレル・ファッション業界にも進出した(甲第9号証、甲第10号証)。
このレース活動は、株式会社レイトンハウスがアパレル業界に進出する宣伝活動として始められたものであったが、このような宣伝活動の方法は当時のアパレル業界には例のないユニークな活動であり、これが功を奏し、雑誌で特集を組まれるなど、「LEYTON HOUSE」の名は、短期間に飛躍的に著名になった(甲第10号証ないし同第12号証)。
(ウ)昭和60年8月には、社名変更をして、商号(社名)も「株式会社レイトンハウス」とした。また、同社は、人気俳優の木村一八などの出演した映画「ウエルター」の制作(昭和62年5月16日から上演開始、甲第13号証)なども行い、カーレース以外にも多様な商業活動・宣伝活動を行った。
(エ)さらに、株式会社レイトンハウスは、昭和62年からは、世界的な人気を誇るF1レースのスポンサーとなり、F1マシンに大きく「LEYTON HOUSE」の文字を表示したことにより、「LEYTON HOUSE」の名は日本のみならず、世界的にも著名となった。
雑誌「GENROKU」(1987年5月号、甲第11号証)が、「プロの美人モデルが、‘レイトン・カラー’のサーキットコートをはおり、颯爽と歩を運ぶ。野暮ったい雰囲気が根強くはびこっていたレース界は、‘レイトンハウス’の出現に目を見張った。」としているように、ある色が一つの会社を示すものとして認知されていたのは、「LEYTON HOUSE」が著名であったからに他ならない。
「LEYTON HOUSE」のマシンは、例えば、1986年(昭和61年)8月31日のレースでは、6位、7位、10位に入賞するめざましい活躍をしており(甲第15号証)、レース活動から撤退した後である1997年の時点でさえ、人気投票で6位に付けている(甲第16号証)。
因みに、甲第9号証、同第13号証ないし同第16号証は、インターネットから得た資料であり、検索エンジンで「レイトンハウス」をキーワードに検索すれば、たちどころに多数の情報がヒットする。
(オ)なお、「LEYTON HOUSE」は、株式会社レイトンハウスが、経営するレストランを英国の雰囲気をコンセプトに営業しようということから、ロンドン郊外の「LEYTON」という地名に「家」を表す英単語の「HOUSE」を付けた商号商標であって(甲第4号証)、株式会社レイトンハウスによる全くの造語であり、偶然にせよ他人が同じ商標を案出・採用することは到底あり得ない。
(カ)さらに、本件商標の出願は、株式会社レイトンハウスがF1に参加し、世界的に著名になっていた時期であることも考えれば、出願人自身も、株式会社レイトンハウスの商標である「LEYTON HOUSE」を知っていたことは明らかであり、これは、「LEYTON HOUSE」の著名性を裏付けるものである。
よって、「LEYTON HOUSE」は、本件商標の出願日である昭和62年4月9日には、著名であった。
(2)商標法第4条第1項第7号について
商標「LEYTON HOUSE」は、株式会社レイトンハウスが案出・採択した全くの造語商標であり、これと全く同一の商標を他人が偶然に案出・採用することはあり得ない。
したがって、本件商標の出願は、株式会社レイトンハウスの商号商標である「LEYTON HOUSE」の存在を熟知した上でなされた出願であり、株式会社レイトンハウスがこれを出願していないことを奇貨として、他人の著名な商標にフリーライドすべく冒用し、自己の商標として出願されたものである。
よって、本件商標は、他人の商号権を侵害する公序良俗を害するものである。
(3)商標法第4条第1項第8号について
「株式会社レイトンハウス」の名称の主たる部分は、「レイトンハウス」にあるから、これを英語表記した「LEYTON HOUSE」は、株式会社レイトンハウスの略称である。
したがって、「LEYTON HOUSE」は、株式会社レイトンハウスの略称であることは明らかである。
また、前記したとおり、「LEYTON HOUSE」は、ロンドン郊外の地名に「HOUSE」を付けた造語である。このような造語を、出願人が偶然に出願することなど常識的にあり得ないことであるから、本件商標は、株式会社レイトンハウスが商標出願をしていないのを奇貨として出願された商標であることは明らかであり、まさに、株式会社レイトンハウスの人格権を侵害するものである。
甲第3号証が示すように、「株式会社レイトンハウス」の設立日は、本件請求商標の出願日より前である。
よって、本件商標は、株式会社レイトンハウスの人格権を侵害するものであり、また、株式会社レイトンハウスの同意を得たものでもない。
(4)商標法第4条第1項第10号について
株式会社レイトンハウスは、ファッション業界にも進出し、自社製品を「LEYTON HOUSE」の商号商標を付けて製造販売していた。
特にライトグリーンを基調とした製品は、同社のシンボルカラーとなっており、カーレースを宣伝に用いたユニークな戦略と併せて、「レイトンブルー」といわれるほどに需要者の間で親しまれていた。
したがって、商標「LEYTON HOUSE」は需要者の間で周知であり、本件商標は、該商号商標と同一であって極めて紛らわしいものであることは明らかである。
なお、ありふれた既成語から成る商標と比較し、「LEYTON HOUSE」のような造語商標が極めて強い識別力を発揮することは明らかであり、他人により、これと同一の商号や商標が使用された場合、需要者がその出所を混同する可能性は著しく高いものといわざるを得ない。
また、平成3年の異議決定の後、8年の歳月を経て請求された本件商標の無効審判では、実に13年も前の証拠を必要とされるのであり、請求人に余りに過酷な負担を強いるものである。その原因は審理の遅延であるから、この点も十分に斟酌されるべきである。
よって、本件商標は、その出願日前より周知であった他人の商標と類似する商標である。
(5)商標法第4条第1項第15号について
本件商標がその指定商品に使用された場合、請求人が株式会社レイトンハウスから譲渡された商標「LEYTON HOUSE」の著名性、本件商標の指定商品がファッション関連であることなどに照らし、その出所について混同が生じることはさけがたい。
(6)請求の利害関係について
請求人は、かねてより株式会社レイトンハウスよりライセンスの許諾を受け、「LEYTON HOUSE」ブランドのウェアを製造販売してきたが(甲第17号証)、平成10年10月、株式会社レイトンハウスの要請により、同社の商標権の全てを譲り受け、現在、アパレル商品を中心に商品展開しているものであり、本件審判請求に利害関係を有するものである(甲第18号証1ないし同4)。
2.被請求人の答弁に対する弁駁
本件商標の出願経過は、不服審判請求から審決までに7年、出願からは実に11年も経過しているのであって、この審理の遅延のため、請求人には出願から13年も前の証拠を収集するという困難が生じたのである。
また、本件商標は特に移り変わりの激しいアパレル関連の商標であり、当該分野においては、一時著名であった商標が数年後には全く忘れられることなどはよくあるところである。そのために証拠の収集が他の分野以上に困難となっている事情も挙げられる。
これらの事情は本件無効審判の判断にあたり当然に考慮されるべき事情である。
さらに、本件においては、出願後10年以上も経過した後になされた審決と比較して、出願後2年以内に行われた異議決定がより出願当時の著名性の判断として妥当であったことは容易に理解されるのである。
したがって、本件無効審判で請求人が提出した証拠が前記異議申立に係る証拠と重なることをもって異議申立の蒸し返しとはいえないし、また前記平成3年審判第11816号によって正しい判断が為されているともいえないのである。
(1)証拠(甲各号証)についての被請求人の主張に対する反論
(ア)請求人提出の甲第4号証ないし同第7号証は、レストラン「LEYTON HOUSE」が自ら出した広告ではなく、雑誌が書いた紹介記事であり、「an・an」などの著名な雑誌がレストランを紹介する記事をくむ場合、既に話題になっている店を紹介するのが通常であることは、この種の雑誌を購読したことのある者であれば何人でも理解するところであって、短期間に繰り返しレストラン「LEYTON HOUSE」が紹介されている事実は、同レストランの評判が高かった事実を裏付けているのである。
(イ)甲第8号証は、雑誌にプレゼント広告を掲載したものであって、本件商標出願前レストラン経営などにより若者の間で著名となっていた株式会社レイトンハウスが本件商標の指定商品に使用していた事実を証明するために提出した証拠であり、それが掲載された雑誌は自動車関係の雑誌である。そして、商品はいずれもF1レースでの「LEYTON HOUSE」の著名性を前提としていることから、そのファン層がプレゼントの第一の対象者とされていることが理解されるものであり、これらファン層にとって、本件商標が本家である「LEYTON HOUSE」とは無関係のものによって使用された場合、誤認混同のおそれが非常に高いことは明らかな事実である。
(ウ)甲第10号証ないし同第12号証は、モータースポーツという特定の読者を対象とした雑誌であるが、その記事内容は、ファッション業界の会社である株式会社レイトンハウスがF1レースという人気スポーツに進出したという衝撃的なニュースである。そして、文字どおり世界最速を競うF1レースは、世界各地でテレビ放映される世界的人気の高いモータースポーツであり、これにより、カーレースを使用した奇抜な広告戦略によって、株式会社レイトンハウスがモーターファンのみならず幅広く世間に知られ、著名性を獲得したことは明らかとなっている。
この点、被請求人は、甲第11号証の発行日を問題にしているが、この雑誌の発行日は、昭和62年5月1日であり、本件商標の出願日より約1ヶ月ほど後になるとしても、現実に発行されるのが雑誌に記載された発行日より以前であることは多数の雑誌、新聞類で見られることであるし、何よりも雑誌の制作には2,3ヶ月の期間を要していることを被請求人は見逃しており、発行日が本件商標の出願日より僅か1ヶ月程度後であるからといって、そこに掲載された記事の内容の価値までもが否定されるものではない。
同様に、甲第12号証の発行日が出願日から13ヶ月以上経過後であるとの被請求人の批判も本質的なものではない。
(エ)被請求人は、その他の証拠についても作成日も明らかでなく、著名性の証拠にはならないと主張するが、現在においてもインターネットの検索エンジンで「レイトンハウス」を検索すると数百件ものヒットがあり、その中では多数の人がレースチームのレイトンハウスについて、あるいは株式会社レイトンハウスが製造販売していた服について書いているのであり、甲第9号証や甲第14号証はこのうちのほんの一部である。
今は存在しない一企業について、現在においても多数の人間がホームページに掲載している事実は、まさにレイトンハウスの著名性を裏付けている。
(2)商標法第4条第1項第10号について
株式会社レイトンハウスがレース活動に進出したのが昭和59年であり、「レース活動と平行してアパレル業界にも本格的に進出した」のであるから、株式会社レイトンハウスは、本件商標の出願よりかなり前からファッション業界に進出していたことは証拠上からも明らかである。また、レイトンハウスのレースファツションが「新しいスポーツウェア」として「確実に広がっている。」のであるから、出願当時には、レイトンハウスが提案するファッションが新しい分野のファッションとして高い人気があったことも証拠上示されている。
さらに、甲第10号証の記事からわずか11ヶ月程度後の昭和63年5月12日発行のスポーツ新聞(甲第12号証)には、「いまやレイトンブルーのマシンはF1からツーリングカーまで日本だけでなく、海外のサーキットでも走り回っており、レイトン・ブルーのファッションはサーキット・ファッションからタウン・ファッションへと広まりつつある。日本国内の販売拠点も東京・原宿店、竹下通り店をはじめ、北は札幌から南は福岡まで全国二十二店を数えるようになった。」とあり、レイトンハウスのファッションが急速に普及した事実を示している。
このような株式会社レイトンハウスのアパレル業界における急成長の背後には、アパレル業界の会社がカーレースを広告に使用するという異例の戦略(甲第12号証参照)があったことは疑いようのない事実であり、レース活動の広告効果の高さを如実に示している。
したがって、株式会社レイトンハウスがレース業界に参加した昭和59年頃から急速に著名性を獲得し、本件商標の出願当時において既に著名であったことは証拠上からも明らかである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
株式会社レイトンハウスは、昭和62年のシーズン以前から本格的にカーレースに参加しており、「野暮ったい雰囲気が根強くはびこっていたレース業界はレイトンハウスの出現に目を見張った。」(甲第11号証)とあるように、その独特のファッションにより本件商標の出願前にはレイトンハウスというチームはマスコミの注目を集めていたのである。この事実は甲第12号証や同第13号証の記事からも十分に読み取ることができる。事実、甲第10号証は昭和62年2月9日に行われた87年度のレース計画発表会の記事であるが、「この他にもF1やル・マンのサポートなどもウワサされており、実に幅広いレース活動になる。」として、既にF1進出のウワサがニュースになっていたことが示されているのである。
したがって、昭和62年度のF1シーズンの開幕が4月12日であるからといって、株式会社レイトンハウスがFIレースのスポンサーになったことが本件商標出願当時の著名性とは無関係であるとはいえないのである。
(4)商標法第4条第1項第7号について
「LEYTON」がイギリスの地名であることは事実であるが、本件商標は非常に著名性の低い地名を使用している商標なのであり、他人が偶然同じ商標を同一分野に使用することなどは常識的にあり得ないのである。
本件商標の出願時期がレース活動を通じて株式会社レイトンハウスが著名となっていた時期であることも合わせて考慮すれば、出願人が「レイトンハウス」の存在を知りながら、本件出願を行った可能性が高いことは否定し得ない事実である。
本件商標「LEYTON HOUSE」が造語商標であることは顕著な事実である。たとい、被請求人が請求人の活動とはまったく無関係に商標「LEYTON HOUSE」という造語を案出し、商標として採択したというのであれば、その経緯を説明して頂きたい。
また、たとい造語商標でないとしたら、自社の顔となるべき商標の採択には隠された思い入れやネーミングの由来、動機などがあるはずであるから、この点について説明されたい。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第9号証(枝番号を含む。)を提出している。
1.答弁の理由
(1)請求人提出の証拠によって立証されるのは、本件商標の登録出願日である昭和62年4月8日以前の事実としては、a)昭和61年2月から11月の期間に限って若者向けのファッション誌にレストランの名前として4回掲載された事実(甲第4号証ないし同第7号証)、b)自動車関係という極限られた層のみを対象とする雑誌において、プレゼント広告1回(甲第8号証)、c)参加台数12台で、観客数も不明な国内カーレースにおいて、「レイトンハウススカイライン」なる車名の車が、参加12台中、6位、7位、10位に入ったという事実(甲第15号証)。そして、昭和62年4月9日以降の事実としては、d)昭和62年5月1日発行の、自動車関係の雑誌において、「レイトンハウスレーシングチーム」のオーナーへのインタビュー記事があり、オーナーが、主に今後のチーム構想について語ったという事実(甲第11号証)、e)昭和63年5月12日発行のスポーツ新聞のカーレース記事として、株式会社レイトンハウスがスポンサーをしていたレースチームの紹介と宣伝広告が1回掲載されたという事実、f)昭和62年5月16日から、株式会社レイトンハウスが制作に携わった映画が上演されたという事実、g)1990年代に入ってから制作された、インターネット上のホームページにおいて、「レイトンハウス」ないし「LEYTON HOUSE」という文字が3回表れているという事実に過ぎない(甲第9号証、同第14号証及び同第15号証)。
以上の甲各号証における「LEYTON HOUSE」なる略称の紹介は、その扱われ方の規模や回数、アピールする層の年齢層ないしファン層の偏り方から見て、上記各証拠によって上記略称が著名となっているとは認められない。
(2)1987年度(昭和62年)のF1レースのシーズンは、4月12日が開幕第1戦であり(乙第4号証、同第5号証)、株式会社レイトンハウスがスポンサーとなった車がF1レースの表舞台に登場したのも、当然それ以降であって、本件商標の登録出願日である昭和62年4月8日の後の話に過ぎない。また、日本でF1レースのテレビ放送が開始されたのも、1987年の開幕戦からであり(乙第6号証)、これも、当然、本件商標の登録出願日の後である。そして、当時は勿論のこと、国内におけるF1レースの認知度が上がった現在においても、ごく一部のトップドライバーの名前はともかくとして、チームのスポンサー名まで認知しているのは、一部の熱心なF1レースのファンに限定される。
以上のように、株式会社レイトンハウスがF1レースのスポンサーになったことと、昭和62年4月8日当時の、「LEYTON HOUSE」という名称の著名性とは全く無関係であるといえる。
(3)「LEYTON」というのは、イギリスの地名であって、また、「〜HOUSE」なる造語は一般的にありふれたものであり、請求人の、「『LEYTON HOUSE』なる造語を出願人が偶然案出することがあり得ない」旨の主張は、何の根拠もないものである。したがって、それが著名性についての根拠にはなり得ない。そして、例えば、「HOTEL LEYTON NISEKO」なる商号のホテルも存在する(乙第7号証)。また、「〜HOUSE」など、「HOUSE」「ハウス」等を使った造語商標がごく一般的にみられることは顕著な事実であるといえる(乙第8号証)。
このように、客観的地名である「LEYTON」に、一般的によく使われる「HOUSE」という言葉を組み合わせて造語を案出することは、株式会社レイトンハウスないしその商標を知らなくとも、十分可能である。
そして、本件商標の登録出願日である昭和62年4月8日当時、「LEYTON HOUSE」なる表示が周知されておらず、著名なものでもなかったことは、前述のとおりである。
(3)してみれば、本件商標が請求人の主張する商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号及び同第15号に該当するものでないこと明かである。

第4 当審の判断
本件商標は、上記のとおり「LEYTON HOUSE」の文字を書してなり、第21類「装身具 ボタン類 かばん類 袋物 宝玉およびその模造品 造花 化粧用具」を指定商品とするものであるところ、請求人は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたとする無効事由が存在すると述べているので、その当否について判断する。
1.「LEYTON HOUSE」(レイトンハウス)標章の周知・著名性について
本件審判請求において請求人が本件商標の無効理由に掲げる上記各法条の規定のうち、商標法第4条第1項第8号、同第10号及び同第15号該当の当否については、その登録出願が、査定時(審決時)において該当しなければならないことは勿論のこと、出願時においても該当するものでなければならない(商標法第4条3項)。
そして、これに関する周知性ないし著名性の立証方法及び判断については、ア)実際に使用している商標並びに商品又は役務、イ)使用開始時期、ウ)使用期間、エ)使用地域、オ)生産、証明若しくは譲渡の数量又は営業の規模(店舗数、営業地域、売上高等)、カ)広告宣伝の方法、回数及び内容、のような各事実を総合勘案して判断することが必要と解される。
そこで、請求人提出の証拠(甲各号証)についてみるに、以下の点を認めることができる。
(1)甲第4号証は、1986年(昭和61年)11月号の題号を「JUNON」とする雑誌であって、レストラン「レイトンハウス」について「川合隆くん」とする者の情報として、東京六本木に所在の他の飲食店ととともに紹介した記事であり、甲第5号証は、昭和61年9月15日号の題号を「ELLE JAPON」とする雑誌であって、他の店舗とともにレストラン「LEYTON HOUSE(レイトンハウス)」を紹介した記事である。また 、甲第6号証は、1986年(昭和61年)10月号の題号を「X-MEN」とする雑誌であって、他のレストランとともに「六本木・レイトン・ハウス」を紹介した記事であり、甲第7号証は、昭和61年2月7日発行の題号を「an・an」とする雑誌であって、レストランバーについての利用の方法に関する記事に「レイトンハウス」の店舗写真等、が各雑誌にそれぞれ掲載されていることが認められる。
(2)甲第8号証は、1986年(昭和61年)12月号の題号を「OPTION」とする雑誌であって、これにプレゼント広告として「OPTION BIG PRESENT」「ALL LEYTON HOUSE GOODS」の表題の下、「コリゃ何て色なんだろう?」「LEYTON HOUSEはマイアミ・ブルー」等の各記載があり、かつ、「LEYTON HOUSE」の文字が付された「シャツ、Tシャツ、シャンプー、リンス、タオル、帽子、各種ステッカー」が掲載されており、これらの商品を株式会社レイトンハウスがプレゼント商品として提供していることが認められる。
(3) 甲第9号証は、インターネット上の個人書き込みによるホームページの日記的な情報であって「レイトンハウスはいきている?」1996.8.28(水)「それは『LEYTON HAOUSE』。かつてバブルの時代にF1チームを買い取ったアパレルメーカーです。〜レイトンの服も何着か買ったんだよナア・・・あの、鮮やかなレイトンブルーのヤツを・・・」等の記載が認められる。
(4)甲第10号証は、1987年(昭和62年)4月号の題号を「AutoSport」とする雑誌であって、その表紙に「レイトンハウス・チームの'87レース参戦計画」とする見出し及び「LEYTON HOUSE」の文字を付したレースカーの写真の掲載、そして、2月9日、東京の赤坂プリンス・ホテルで株式会社レイトンハウスによる87年度のレース計画発表会を紹介する記事に加え、「(株)レイトンハウスは、レース活動と平行してアパレル事業にも本格的に進出し、ファッションの分野でも新たな展開を広げる。この日の発表会でも、レイトンブルーを基調にしたカラフルなウェアがミニ・ファッションショーで紹介され、サーキットでのスタッフウェアから、新しいスポーツウェアへと確実に広がっていることを示した。」等の記載が認められる。
(5)甲第11号証は、昭和62年5月1日発行の題号を「GENROKU」とする雑誌であって、これに「赤城 明氏に聞く」とする見出しの下、「レイトン旋風の目」と題し、「・・・あれから2年たって、この色をレーシング・ファミリーは『レイトン・カラー』というまでになった・・・」と記載され、下方部分に「LEYTON HOUSE」「RACING TEAM」の表示がされている。そして、「プロの美人モデルが、”レイトン・カラー”のサーキット・コートをはおり、颯爽と歩を運ぶ。野暮ったい雰囲気が根強かったレース界は”レイトンハウス・レーシング・チーム”の出現に目を見張った。・・・」と記載されていることが認められる。
(6)甲第12号証は、昭和63年5月12日付の新聞「スポーツニッポン」の「タイムへの挑戦 モータースポーツ特集」とする特集記事で「世界をかけるレイトンハウス」「赤城社長ビッグな構想」「青い疾風」等の見出しや、「・・・今やモータースポーツは日本でもようやくマイナーからメジャーのスポーツに昇格しようとしている。その足がかりを作ったのがレイトンブルー旋風といえるのではないか。レイトンハウスの正式な発足は四年前だが、以降レイトン・ブルーのマシンは、日本のサーキットはもちろん世界各地のサーキットで走り回っている。・・・」、LEYTON HOUSEの文字をフロントに付した全日本耐久第3戦に優勝したレイトンハウス・ポルシェ962Cの写真が掲載されている等、モータースポーツにおけるレイトンハウス・レーシング・チームに関する紹介記事のほか、「ファッション界でもバク走」の見出しで「いまやレイトンブルーのマシンはF1からツーリングカーまで日本だけでなく、海外のサーキットでも走り回っており、レイトン・ブルーのファッションはサーキット・ファッションからタウン・ファッションへとひろまりつつある。日本国内の販売拠点も東京・原宿竹下通り店をはじめ、北は札幌から南は福岡まで二十二店を数えるようになった。・・・」との記載が認められる。
また、これらの記事下段には、「株式会社レイトンハウス」に係る広告記事として、宣伝文句のほか「LEYTON HOUSE 16 march」「LEYTON march HOUSE」の表示がされたレースカーの写真とその下に「LEYTON HOUSE」の表示が掲載され、併せて「LEYTON HOUSE SHOP LINE-UP」として、東京8店舗と札幌、旭川、秋田、仙台、市川、名古屋、吹田、鈴鹿、福岡、浜松、高槻、尼崎、大阪、橿原の各店舗名及び所在地が掲載されていることが認められる。
(7)甲第13号証ないし同第16号証は、インターネットのホームページ情報とみられるもので、ア)「ウェルター」をタイトルとする映画が「レイトンハウス」により「1987.05.16」に制作されたこと(甲第13号証)、イ)表題を「カぺリってなんじゃい?」として、「・・・元F1ドライバーです。レイトンハウス(マーチ)やフェラリーなどに所属してました・・・私は当時の愛車であるリード80をレイトンカラーに、ヘルメットはカぺリ仕様に塗ってしまったほど・・・」の記載(甲第14号証)、ウ)1986年8月1日に筑波サーキットにおける「競技結果」の情報として、参加台数12台中、6位、7位、10位にレイトンハウススカイラインが入賞したことの記載(甲第15号証)及び、ウ)「RANKING」とする表題をもって、1996年から1997年12月31日までカウントした情報として、総投票数2367票とする「コンストラクター人気投票・97年総合」「6位 レイトンハウス 31票 1.310%」(甲第16号証)等の「レイトンハウス」に関する各記載が認められる。
(8)甲第17号証は、平成7年7月に請求人の発行に係る商品カタログであって、「LEYTON HOUSE/RACING TEAM」及び「LEYTON HOUSE」の表示の下、「ポロシャツ、トレーニングウェア、スウェットシャツ及びパンツ、パーカー」等が掲載されていることが認められる。
(9)甲第18号証の1ないし同4は、株式会社レイトンハウスと請求人との間における商標登録第2125937号外11件に係る当該商標権に関する譲渡証書及び移転登録通知等であることが認められる。
(10)甲第19号証は、インターネットのホームページ情報とみられるもので、レーシングドライバー星野一義(50歳)のプロフィール等に関する記事である。
2.上記1.の(1)及び(2)の各認定事実により「LEYTON HOUSE」(レイトンハウス)標章の本件商標出願時における著名性を認め得るものか否かについて、請求人主張の使用ケース毎に、以下、検討する。
(1)レストランの名称としての「LEYTON HOUSE」(レイトンハウス)標章について
甲第4号証ないし同第7号証の各雑誌の紹介記事から、本件商標の登録出願時(昭和62年4月9日)に、東京六本木に「LEYTON HOUSE」(レイトンハウス)の名称をもってレストランが営業されていた事実を認め得るとしても、これら若者向けの雑誌に限らず、各種雑誌には、このような飲食店等の紹介記事は普通にみられるところであって、何らかの店の特徴を有することをもって紹介されるものであり、僅かに昭和61年の2月ないし11月までの期間において、若者向けの雑誌4誌に各1回ずつの紹介記事が掲載された事実のみをもって、当時の若者に高い支持を得たものと俄に認め難く、かつ、これと前後する期間のレストランの営業内容も明らかでないから、東京六本木に所在のレストラン名としての「LEYTON HOUSE」(レイトン ハウス)標章が需要者(若者)の間に広く認識され、著名になっていたものと認めることは困難である。また、このレストランの経営主体が「株式会社レイトンハウス」であるとする点も、該各誌の記事からは不明であって、これら甲各号証からは、「LEYTON HOUSE」(レイトンハウス)標章が当該会社の商号の著名な略称であるとまでは認めることはできない。
(2)自動車レースのスポンサーとしての「LEYTON HOUSE」(レイトンハウス)標章について
甲第8号証ないし同第12号証及び甲第14号証ないし同第16号証の各雑誌、新聞記事及びインターネットのホームページ情報によれば、1986年(昭和61年)ないし1988年(昭和63年)頃に「株式会社レイトンハウス」が自動車レースのスポンサーとして「レイトン・ハウス・レーシング・チーム」を運営し、国際レースF1クラスでの「イバン・カペリ」が乗る「LEYTON HOUSE march」として「LEYTON HOUSE」の名称(標章)を冠した車で参戦したこと、国内レースでのF3000、富士GCにおける各レースにおいて「レイトン」、「レイトン・カラー」及び「レイトン・ブルー」等の標章及び当該色彩を付したステッカーやサーキットでのスタッフウェアが取扱われ、或いは、レーシングドライバー星野一義との契約を交わしたこと等、モータースポーツファンの間において、上記期間において話題を集めたことを窺わせるとしても、これ以降の自動車レースのスポンサーとしての活動等の証左は何ら示されておらず、また、必ずしも一般に広く馴染まれているとはいい難いモータースポーツの世界という特殊事情をも考慮すれば、一般の取引者、需要者の間にまで、本件商標登録出願時ないし登録審決時(平成10年9月10日)においてモータースポーツファンと同様に広く認識せられたものとみるのは困難である。してみれば、請求人に係る「LEYTON HOUSE」(レイトンハウス)標章は、アパレルメーカー若しくはレストランの事業主体と関連づけてこれを「株式会社レイトンハウス」の著名な略称として認識されていたものと認めることはできない。
(3)アパレル業界における「LEYTON HOUSE」(レイトンハウス)標章の著名性について
甲第10号証ないし同第12号証の各雑誌及び新聞記事によれば、「株式会社レイトンハウス」がレース活動と平行してアパレル事業にも進出との掲載記事はみられても、甲第8号証によりプレゼント商品(ノベルティグッズ)として「LEYTON HOUSE」等の文字が付された「シャツ、Tシャツ、シャンプー、リンス、タオル、帽子、各種ステッカー」が広告掲載され、これを提供していることが認められる程度であり、このほか、甲第12号証の新聞記事及び同広告記事によっては、「日本国内の販売拠点も東京・原宿竹下通り店をはじめ、北は札幌から南は福岡まで22店を数えるようになった。・・・」、「LEYTON HOUSE SHOP LINE-UP」として、東京8店舗と札幌、旭川、秋田、仙台、市川、名古屋、吹田、鈴鹿、福岡、浜松、高槻、尼崎、大阪、橿原の各店舗名及び所在地が掲載されているに止まり、その店舗の規模を含め、宣伝、広告方法、取扱商品、取引高等、具体的に「LEYTON HOUSE」(レイトンハウス)標章が如何なる態様でそれら商品について使用され提供されたのかという全体の状況は不明といわざるを得ないから、結局、これら証拠によっては「LEYTON HOUSE」(レイトンハウス)標章が当該取り扱いに係る特定商品の商標として、或いはその店舗名称として、需要者等の間に広く認識され、著名になったとする点を認め得る証左とはなし難い。
したがって、アパレル業界において「LEYTON HOUSE」(レイトンハウス)標章が本件商標登録出願時に「株式会社レイトンハウス」の著名な略称ないしは当該取り扱いに係る商品の商標として認識されていたとの点はこれを認めるに十分でない。
(4)その他の使用ケース(場面)について
甲第13号証は、「木村一八」に係るインターネットのホームページ情報であるところ、「レイトンハウス」が題名を「ウェルター」とする映画を制作したことを認め得ても、一般の映画鑑賞者がその製作者を常に意識し記憶するかどうか疑問であり、また、これをその取扱いに係る商品ないしは請求人に係る「LEYTON HOUSE」(レイトンハウス)標章と関連づけて認識・把握されるものとはいい難い。また、甲第19号証は、レーシングドライバー星野一義に関するインターネットのホームページ情報でしかなく「LEYTON HOUSE」(レイトンハウス)標章との関連性は何ら見出せない。その他のインターネットのホームページ情報は、モータースポーツファンの個人的な過去の思いを綴った程度のもので、「株式会社レイトンハウス」との関連を直接窺わせるような状況は見出せない。
さらに、その他の甲号証からは、作成された時期において「LEYTON HOUSE」(レイトンハウス)標章が本件商標登録出願時に「株式会社レイトンハウス」の名称の著名な略称ないしはその取扱いに係る商品を表示する商標として認識されていた事実を明らかにするものとはいえない。
3.上記1.及び2.の各認定に立って、請求人主張の本件商標の無効事由の存否について、さらに、検討する。
(1)商標法第4条第1項第8号について
請求人提出の甲各号証を総合して判断すると、本件商標登録出願時、すなわち、昭和62年4月9日の時点において、商号を「株式会社レイトンハウス」とする請求人とは別個の事業者が存在し、その事業者が商号の略称としてレストランの店舗名、自動車レースのスポンサー名ないしはアパレル事業の標章として「LEYTON HOUSE」(レイトン ハウス)標章を使用した事実を窺い知ることができる程度のものであって、これが前記会社名称の著名な略称であったと認められないこと前示認定のとおりである。
してみれば、「LEYTON HOUSE」の文字よりなる本件商標は、他人の名称若しくは他人の著名な略称を含む商標とはいい得ないものであるから、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものということはできない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
請求人提出の甲各号証を総合して判断すると、本件商標登録出願時(昭和62年4月9日)前後に、株式会社レイトンハウスが自動車レース活動と平行してアパレル事業にも進出との掲載記事がみられ、また、日本国内において「LEYTON HOUSE」(レイトンハウス)からなる商標を商品「シャツ、Tシャツ、シャンプー、リンス、タオル、帽子、各種ステッカー」に使用していたことは認め得るとしても、該商標が「株式会社レイトンハウス」の業務に係る上記商品を表示するものとして、実際の商取引において使用されたとする点を客観的に示す証左はなく、同商標の周知事情は明らかでないから、かかる請求人の主張ないし前記証拠によっては、需要者の間に広く認識されていたものとは、俄に認め難いものといわざるを得ない。
してみれば、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標ということはできないから、本件商標がその登録出願時において、株式会社レイトンハウス又はその関連の者の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあったということもまたできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反して登録されたものということはできない。
(3)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、「LEYTON HOUSE」の文字よりなるところ、その構成中の「LEYTON」の文字部分がイギリスの地名を表すものであることは請求人も認めるところである。しかしながら、該地名は我が国においては一般に殆ど知られておらず、特定の地名とは直ちに認識されてないものであり、また、この種の地名に他の文字を組み合わせるなどして商標を採択することは、しばしば見受けられるところである。そして、請求人主張の本件商標を被請求人が剽窃的に使用するものとの点は、証拠に基づいて具体的に述べるものでないから、客観性に欠けるものであって妥当でなく、また、該事実を窺わせる状況も見出せない。
そして、本件商標は、矯激、卑猥あるいは差別的な印象を与えるようなものでなく、また、本件商標をその指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものとすべき事実は認められず、他に法律によってその使用が禁止されているものともいえない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものということはできない。
4.結び
以上のとおり、本件商標は、請求人の主張する前記各法条の規定のいずれにも該当するものではないから、その登録は、商標法第46条第1項の規定により、無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-04-09 
結審通知日 2002-04-12 
審決日 2002-05-13 
出願番号 商願昭62-38397 
審決分類 T 1 11・ 25- Y (121)
T 1 11・ 22- Y (121)
T 1 11・ 271- Y (121)
T 1 11・ 23- Y (121)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 栗原 清一吉村 公一 
特許庁審判長 原 隆
特許庁審判官 高野 義三
野上 サトル
登録日 1999-04-23 
登録番号 商標登録第2724319号(T2724319) 
商標の称呼 レイトンハウス 
代理人 立石 邦男 
復代理人 木下 貴博 
代理人 小谷 武 
代理人 岡田 秀一 
代理人 増田 政義 
代理人 牧野 知彦 
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