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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z25
管理番号 1060019 
審判番号 不服2000-4277 
総通号数 31 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-03-27 
確定日 2002-05-02 
事件の表示 平成10年商標登録願第107220号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.本願商標
本願商標は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成10年12月14日に登録出願されたものである。

2.原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、フランスの首都名として良く知られた『Paris』の欧文字を書してなるものであるから、これを本願指定商品に使用しても、その商品がフランスで製造・販売されたものと認識するものであり、単に商品の産地・販売地を表示するものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、本願商標は、需要者の間で広く認識され、自他商品識別力を有するに至っている旨述べているが、提出に係る資料を検討しても、取扱数量、広告宣伝の回数、内容等が不明確であるばかりでなく、使用に係る商品以外の商品をも指定商品としているから、前記主張は採用することができない。」旨判断し、本願を拒絶したものである。

3.当審の判断
(1)本願商標は、別掲に示したとおり、「Paris」の文字よりなるものであるところ、当該文字が、フランスの政治・金融・商工業・文化・観光の中心地であり、特に世界のファッション・芸術の中心地として知られるフランスの首都名「パリ」を表す語であって、我が国においても広く知られて親しまれたものである。(1990年6月30日株式会社三省堂発行「コンサイス外国地名辞典」)
そして、本願商標を構成する文字が、「全体に丸みをもたせると共に、『a』と『r』の文字を下部にて結合させた特徴ある書体で欧文字『Paris』を表してなる」としても、近時、商品の広告、宣伝等において、レタリング文字の使用形態の多様化が進展している実情、また、フランスの首都名を欧文字で表記する場合、第1文字目を大文字、第2文字以下を小文字で表すことは通常行われていることを考慮すれば、本願商標は、普通に用いられる方法の範疇で表示されたものといわざるを得ない。
しかして、「Paris」(パリ)は、フランスの首都名として知られているばかりでなく、本願の指定商品の被服、ベルト等のいわゆるファッション関連分野においては、翌年のファッション傾向を決定するといわれる世界的なオートクチュール(高級注文服)、プレタポルテ(高級既製服)の新作デザイン発表会であるパリコレクション(Paris Collection)が、毎年2回(春夏もの、秋冬もの)、フランスのパリで開催されていること、被服、カバン、化粧品等をはじめとするフランス高級ブランド品の情報発信地としてのパリが世界的に知られていることが認められる。(1992年4月10日株式会社小学館発行「例文で読むカタカナ語の辞典」)
そして、「Paris」は、その指定商品との関係においては、一般に商品の産地、販売地(取引地)等を表すためのものとして、商品の下げ札等にブランドと共に付され、取引上普通に採択・使用されているのが実情である。
そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、単に、指定商品の産地、販売地(取引地)を認識させるに止まるものであるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有しないものといわざるを得ない。
(2)請求人(出願人)は、本願商標は、使用された結果、需要者の間で広く認識され、自他商品識別力を有するに至っているから、登録されるべきである旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし同第46号証(枝番号を含む。)を提出している。
しかしながら、本願商標が、商品「ベルト、眼鏡、カフスセット及びタオル」等の商品に使用されていることは認め得るが、商品の販売数量、売上高、広告宣伝の回数等の書証は何ら提出されていないものである。
また、本願商標が需要者や取引者の間で周知、著名となっていることを立証するものとして提出した「証明書」(甲第42号証ないし同第46号証(枝番号を含む。))は、記載内容の一部(1.私は、・・・年・・・月頃より上記勤務先にて広告(営業)に関する勤務を担当しております。)について証明者による違いはあるとしても、他の文言はいずれも同一の文言からなり、請求人の依頼事項について「下記のとおりであることを証明いたします。」という型式のものであって、いかなる資料に基づいて証明したか明らかでなく、証明者が客観的に記載し証明したものと直ちに認めることはできないものである。
そうとすれば、本願商標は、使用により自他商品の識別力を存するに至ったものということはできない。
(3)したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標


審理終結日 2002-02-28 
結審通知日 2002-03-05 
審決日 2002-03-18 
出願番号 商願平10-107220 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z25)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 加園 英明豊田 純一 
特許庁審判長 三浦 芳夫
特許庁審判官 中嶋 容伸
久我 敬史
商標の称呼 パリ、パリス 
代理人 西川 惠清 
代理人 森 厚夫 

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