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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない 001
管理番号 1059985 
審判番号 不服2000-7328 
総通号数 31 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-05-17 
確定日 2002-05-16 
事件の表示 平成9年商標登録願第34764号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「NEUROMINS」の欧文字を横書きしてなり、商品及び役務の区分を第1類とし、願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年3月28日に登録出願されたものであるが、平成10年10月22日付けの手続補正書をもって、同補正書のとおりの指定商品に補正、同じく、平成11年6月18日付けの手続補正書をもって、第1類「食品添加剤(化学品に属するものに限る。),食品用品質改良剤,その他の化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,原料プラスチック,パルプ,工業用粉類,肥料,写真材料,試験紙,人工甘味料,陶磁器用釉薬」と補正されたものである。

2 原査定の引用商標
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第1421819号商標は、「ノイロミン」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和51年7月14日に登録出願、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和55年6月27日に設定登録、その後、平成2年8月29日及び同12年2月1日の二回にわたり、商標権存続期間の更新登録がされたものである。

3 請求人の主張
請求人は、本願商標からは、「ニューロミンス」のみの称呼を持って商取引が行なわれるものと考る。抵触商品である「化学品」は、取引者層・需要者層が広範に及び、特定の取引者層・需要者層に限定されているわけでもない。我が国における外国語教育の現状においては、英語以外の言語、例えば独語・仏語・中国語等は大学の教養課程で自由科目のひとつとして任意に履修されているにすぎず、一般の日本国民は、英文字の表現に対しては、英語の知識、つまり英語の発音様式をもとにして発音するのが常である。NEUで始まる英単語は全てニューという称呼で始まっており、ノイの称呼で始まる英単語は見当たらない。また、取り引きにおいて化学品全般をみたとき、特に英文字表現を仏語あるいは独語形式の発音で取引されているという社会的事実は見当たらず、日本における一般の国民は、英語式の発音でのみ「ニューロミンス」と発音して取引すると考えるのが一般的である。今日、neuronは通常ニューロンと称呼されているのであって、学問的用語として使用する場合はともかく、「ノイロン」とこと更発音されなければならない特段の理由は見出せない。本願の商品は特定の学問をする者(専門家)を対象としたものではなく、広く一般の取引者・需要者を対象としたものであって、ことさらドイツ語読みしなければならない必然性は全くない。以上により、本願商標「NEUROMINS」からは「ニューロミンス」のみの称呼しか考えられず、引用登録商標「ノイロミン」との間には称呼上何ら類似性は見出せない。従って、本願商標は商標法第4条第1項第11号の規定には該当するものではない旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第2号証を提出している。

4 当審の判断
そこで、本願商標と引用商標との類否について判断するに、本願商標は、「NEUROMINS」の文字を書してなるものであるが、これは特定の語義を有する成語とはいえないところ、本願商標の指定商品が「化学品」であってみれば、この種商品を取り扱う業界にあっては、英語のみならず、ドイツ語も多く使用されており、また「化学品」を使用する需要者であれば、その専門的な知識を有している場合が多いといえるから、本願商標に接する取引者、需要者は、ドイツ語風の読みをもって称呼する場合も決して少なくないものというのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、請求人主張の如く「ニューロミンス」の称呼を生ずる場合があるとしても、その構成文字に相応して、「ノイロミンス」の称呼をも生ずるものである。
他方、引用商標は、その構成文字に相応して、「ノイロミン」の称呼を生ずること明らかである。
そこで、本願商標より生ずる「ノイロミンス」の称呼と引用商標より生ずる「ノイロミン」の称呼とを比較すると、両称呼は、称呼上重要な要素を占める語頭音を含む5音の構成音を同じくし、異なるところは、語尾の「ス」の音の有無にあるところ、この差異音「ス」は、無声摩擦音であるところから明確に聴取し難いばかりでなく、聴者の印象に残りにくい語尾音であることとも相俟って、該「ス」の音の有無の差が称呼全体に及ぼす影響は、決して、大きいものということはできず、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語感が近似したものとなり、両商標は、称呼において、互いに紛れるおそれのあるものというべきである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較すべきところがないとしても、両商標は、称呼において類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-12-04 
結審通知日 2001-12-07 
審決日 2001-12-19 
出願番号 商願平9-34764 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (001)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 茂久小川 有三堀内 仁子 
特許庁審判長 廣田 米男
特許庁審判官 柳原 雪身
井出 英一郎
商標の称呼 ニューロミンズ、ニューロマインズ 
代理人 福田 秀幸 

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