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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない Z05
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Z05
管理番号 1059979 
審判番号 不服2000-9752 
総通号数 31 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-06-29 
確定日 2002-05-16 
事件の表示 平成10年商標登録願第107476号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「REPORCIN」の文字を標準文字で書してなり、第5類「豚成長ホルモン剤,その他の動物成長促進剤,その他の薬剤」を指定商品として、平成10年12月17日に登録出願されたものである。

2 原査定の引用商標
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第832243号商標は、「リポルジン」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和42年11月4日に登録出願、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)、薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和44年9月24日に設定登録、同じく登録第1829612号商標(以下、「引用商標」という。)は、「リポルジン」及び「RIPORSINE」の文字を二段に横書きしてなり、昭和58年3月1日に登録出願、第1類「薬剤、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和60年12月25日に設定登録されたものである。

3 請求人の主張
請求人は、本願商標からは、「リポーシン」若しくは「レポーシン」の称呼が生じるとするのが自然であるから、実際の取引の実情に徴するも、これが引用商標の称呼「リポルジン」と彼此混同されることがあるとは到底思われず、仮に、本願商標から「リポルシン」の称呼が生じるとしても、顕著な差異を有する両商標は決して類似するものではなく、両商標は非類似であると判断する。従って、本願商標は商標法第4条第1項第11号の規定には該当するものではない旨主張し、証拠方法として、参考資料第1号ないし同第3号を提出している。

4 当審の判断
本願商標の拒絶の理由に引用した登録第832243号商標の商標権は、商標登録原簿の記載に徴すれば、平成11年9月24日に存続期間満了により消滅し、同12年6月7日にその抹消の登録がなされている。
そこで、本願商標と引用商標の類否について判断するに、本願商標は、「REPORCIN」の文字を横書きしてなるものであるが、これは特定の読み及び特定の意味合いを有する成語とは言えないところ、本願商標の指定商品が「薬剤」であってみれば、この種商品を取り扱う業界にあっては、英語のみならず、ドイツ語も多く使用されており、また、一般の消費者から見れば、英語・ドイツ語風の読みに加え、ローマ字風の読みをもって、あるいはそれらが混在した読みをもって称呼する場合も決して少なくないものと判断するのが相当である。
そして、医薬品名の収載された「常用新薬集」(平成10年8月10日第35版日本新薬株式会社発行)によれば、例えば以下の医薬品名が掲載されている。
(1)「RE・・・・・・」の医薬品名について:「Recombinate」「リコネイト」,「Restol」「リストール」,「Resectol-T」「リセクトール・T」,
(2)「・・PO・・・・」の医薬品名について:「Apodel」「アポデール」,「Epogin」「エポジン」,「Keiponal」「ケーポナール」,
(3)「・・・・R・・・」の医薬品名について:「Arlanto」「アルラント」,「Irzaim」「イルザイム」,「Urso」「ウルソ」,「Ersibon」「エルシボン」,
(4)「・・・・・CIN」の医薬品名について:「Ilotycin」「アイロタイシン」,「Gramycin」「グラマイシン」,「Sagamicin」「サガマイシン」,
そうしてみると、前記実情及びこれら医薬品名の読みを踏まえれば、本願商標は、請求人主張の如く「レポーシン」若しくは「リポーシン」の称呼を生じる場合があるとしても、その構成文字に相応して、「リポルシン」の称呼をも生ずるものである。
他方、引用商標は、「リポルジン」及び「RIPORSINE」の文字を二段に書してなり、その構成文字に相応して、「リポルジン」の称呼を生ずること明らかである。
そこで、本願商標より生ずる「リポルシン」の称呼と引用商標より生ずる「リポルジン」の称呼を比較すると、両称呼は、いずれも5音構成であって、称呼上重要な要素を占める語頭音をはじめとする第4音以外の音を、その配列も含めて同じくし、異なるところは「シ」と「ジ」の音のみである。そして、該差異音である「シ」と「ジ」の音にしても、舌端を前硬口蓋に寄せて発する清音と濁音の微差にすぎないから、称呼上影響の小さい中間に位置することとも相俟って、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調・語感が近似したものとなり、両商標は、称呼において、互いに紛れるおそれのあるものというべきである。
また、本願商標の「REPORCIN」と引用商標の欧文字部分「RIPORSINE」とは、比較的字数の多い8文字と9文字であり、外観の識別上重要な要素を占める冒頭の文字を含め「RPORIN」の6文字が、両者とも共に第1・3・4・5・7・8番目に位置するという同じ配列であるから、両商標は、時と処を異にして接する場合には、上記構成文字よりみて、外観上も近似した印象、記憶、連想等を生ずることは否定し難い。
してみれば、本願商標と引用商標とは、観念においては特定の意味を生じないものであって比較することができないが、前記認定のとおり称呼及び外観において互いに誤認混同を生ずるおそれがあるものであって、全体として類似する商標である。
そして、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-12-04 
結審通知日 2001-12-07 
審決日 2001-12-19 
出願番号 商願平10-107476 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Z05)
T 1 8・ 261- Z (Z05)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小川 有三清川 恵子 
特許庁審判長 廣田 米男
特許庁審判官 井出 英一郎
柳原 雪身
商標の称呼 リポーシン、レポーシン、レポルチン 
代理人 醍醐 邦弘 
代理人 清水 徹男 

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