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審決分類 審判 一部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Z303242
審判 一部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Z303242
管理番号 1058784 
異議申立番号 異議1999-91009 
総通号数 30 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2002-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-08-03 
確定日 2001-12-11 
分離された異議申立 有 
異議申立件数
事件の表示 登録第4260078号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4260078号の1商標の指定商品中第30類「コーヒー豆」の商標登録、登録第4260078号の2商標の指定商品中第30類「菓子及びパン、アイスクリームのもと、シャーベットのもと、アイスクリーム凝固剤」、第32類「清涼飲料、果実飲料」、同指定役務中第42類「コーヒーを主とする飲食物の提供」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品及び指定役務についての商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件商標登録第4260078号に係る商標(以下「本件商標」という。)は、黒く塗り潰した正方形内に「ブルーマウンテン」の片仮名文字と「BlueMountain」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成9年4月1日登録出願、第1類ないし第6類、第8類ないし第12類、第14類ないし第18類、第20類ないし第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として及び第35類ないし第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として平成11年4月9日設定登録、そして、本件商標の商標権は、その指定商品及び役務中第30類「茶,みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム凝固剤,酒かす」第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」第42類「飲食物の提供」については商標登録第4260078号の2に及びその余の指定商品及び役務については商標登録第4260078号の1にそれぞれ分割され、その分割移転の登録が同12年5月9日にされているものである。

第2 登録異議申立ての要点
1 申立ての趣旨
本件商標の指定商品中第30類、第32類及び指定役務中第42類「飲食物の提供、食品の試験・検査又は研究、農業に関する試験又は研究、機械器具に関する試験又は研究」についての登録を取り消す。
2 申立ての理由
(1)本件商標「ブルーマウンテン」「BlueMountain」は、ジャマイカ国で生産されたコーヒー豆として、世界的著名であることは周知の事実である。
(2)本件商標は、これをその指定商品中第30類「コーヒー豆」及び第32類「清涼飲料」に属する「缶コーヒー」について使用するときには、商品の品質を表示するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、コーヒー豆、缶コーヒー以外の第30類及び第32類において指定する商品に使用するときには、ブルーマウンテンのコーヒー豆を原材料とした商品であるかのように商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)本件商標は、コーヒー及びコーヒー豆について著名であり、公正競争規約施行規則において厳格にその適正表示が定められているものであるので、その指定役務第42類「飲食物の提供」中「コーヒーを主とする飲食物の提供」について使用するときは、その役務の質(内容)を表示するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「コーヒーを主とする飲食物の提供」以外の「飲食物の提供」について使用するときは、役務の質(内容)について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(3)本件商標は、これをその指定役務中第42類「コーヒー及びコーヒー豆の試験・検査又は研究、コーヒー豆の育成に関する試験又は研究、コーヒー焙煎器具に関する試験又は研究」に使用するときは、その役務の室(内容)について表示するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の「コーヒー及びコーヒー豆を除く」食品の試験・検査又は研究、農業「コーヒー豆の育成に係るものを除く」に関する試験又は研究、機械器具「コーヒー焙煎器具を除く」に関する試験又は研究について使用するときは、その役務の質(内容)について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
3 証拠方法
登録異議申立人は、証拠方法として申立書記載のとおり甲第1号証ないし同第15号証を提出した。

第3 本件商標に対する取消理由の要点
本件商標は、黒地正方形の中央部に「ブルーマウンテン」及び「BlueMountain」の文字を白抜きに表示してなるものであるところ、
(1)これらの文字はジャマイカ産に係るコーヒーの産地ないしは品質を表すものであるから、これを指定商品中第30類「コーヒー豆」(設定登録後平成12年4月19日に放棄の登録)に使用するときは、商品の産地又は品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものである。
(2)これらの文字はジャマイカ産に係るコーヒーの普通名称ないしは品質を表すものであるから、これを指定商品中前記コーヒーを原材料とする第30類「菓子及びパン、アイスクリームのもと、シャーベットのもと、アイスクリーム凝固剤」及び第32類「清涼飲料、果実飲料」に使用するときは商品の品質又は原材料を、指定役務中第42類「コーヒーを主とする飲食物の提供」に使用するときは役務の質(内容)を、それぞれ普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。また、前記コーヒーを原材料としない第30類「菓子及びパン、アイスクリームのもと、シャーベットのもと、アイスクリーム凝固剤」及び第32類「清涼飲料、果実飲料」に使用するときは、前記コーヒーを原材料とするかのように商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。

第4 商標権者の意見の要点
1 商標法第3条第1項第3号について
(1)コーヒー産業において「ブルーマウンテン」「BlueMountain」の表示は、コーヒーとして自他商品識別機能を有する著名標章であり(乙第10号証、同第11号証)、高級プレミアムコーヒーとして著名である(乙第12号証、同第13号証)。
(2)本件商標の商標権者コーヒー・マックス・リミテッド(乙第14号証、同第15号証)は、ジャマイカ国政府機関であるコーヒー・インダストリー・ボード(乙第16号証、同17号証)の委任を受けて、全てのジャマイカ産コーヒーに係る一切の管理を行っている。本件商標権者は、同管理に係る権利を所有する世界で唯一の団体であり、本件商標権者以外の団体・組織は、ジャマイカ産コーヒーに係る管理は一切行っておらず、行う権利も与えられていない。
1950年代以降、本件商標権者は、「ブルーマウンテン」「BlueMountain」の表示に係るコーヒーに関する世界中のラベリング、広告及びマーケティングの一切を委任された唯一の団体(乙第18号証ないし同第25号証)、ジャマイカ国ブルーマウンテン地域産のコーヒーの高い品質、名声及び市場における位置付けを維持するため、該コーヒーの生産及び世界的な流通に関して厳格な管理を行っている(乙第26号証、同第27号証)。本件商標権者は、世界中で取引されるジャマイカ国ブルーマウンテン地域産のコーヒーの唯一の供給元であり、「ブルーマウンテン」「BlueMountain」の表示は、同供給元を特定するものとして自他識別機能を有している。
(3)本件商標権者は、米国及び英国で、商品の品位・品質を保証するために使用される証明標章として「Jamaica Blue Mountain Coffee」の商標権を所有する(乙第28号証)。これらの登録は、本件商標権者が永年に亘り築き上げたジャマイカ国ブルーマウンテン地域産のコーヒーの名声による自他識別機能に基づくものである。日本においては、証明標章としての登録に関する特別の規定は存在しないが、同様の保護が与えられるべきである。
(4)本件商標権者は、ジャマイカ国ブルーマウンテン地域産のコーヒーの輸出量の継続的な増加並びに該コーヒーに関連する商品及び役務から受けるそれに伴う利益を予期している。それらの例として、ジャマイカ国ブルーマウンテン地域産のコーヒーを原材料として含む菓子及びパン、同アイスクリームのもと、同シャーベットのもと、同アイスクリーム凝固剤、同清涼飲料、同果実飲料、ジャマイカ国ブルーマウンテン地域産のコーヒーの提供などがある。著名な「ブルーマウンテン」「BlueMountain」の表示は、需要者によりジャマイカ国ブルーマウンテン地域産のコーヒーを原材料として含む商品とそれ以外の商品とを区別することを意味し、顧客吸引力・販売力を向上させるものである。
(5)本件商標が取り消されることは、該商品を許可なく生産する者および提供する者に、本件商標の名称及び名声を自由に使用させることになり、本件商標権者の努力の積み重ねの末に需要者の間に確立された本件商標の識別機能や品質保証の機能を損なわせるものである。このような行為を許すことは、当該表示の信用力・顧客吸引力への「ただ乗り」及び「希釈化」を促すものであり、商標法の精神に反するものである。
2 商標法第3条第2項の適用について
仮に、本件商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとしても、本件商標に係る指定商品・指定役務中少なくとも、第30類「ジャマイカ国ブルーマウンテン地域産のコーヒーを原材料として含む菓子及びパン、同アイスクリームのもと、同シャーベットのもと、同アイスクリーム凝固剤」第32類「ジャマイカ国ブルーマウンテン地域産のコーヒーを原材料として含む清涼飲料、同果実飲料」第42類「ジャマイカ国ブルーマウンテン地域産のコーヒーの提供」に関しては、商標法第3条第2項にいう「使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの」に該当する。
3 商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、第30類「ジャマイカ国ブルーマウンテン地域産のコーヒーを原材料として含む菓子及びパン、同アイスクリームのもと、同シャーベットのもと、同アイスクリーム凝固剤」第32類「ジャマイカ国ブルーマウンテン地域産のコーヒーを原材料として含む清涼飲料、同果実飲料」に使用された場合は、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはない。
4 証拠方法
商標権者は、証拠方法として意見書記載のとおり乙第1号証ないし同第30号証を提出した。

第5 当審の判断
1 本件商標は、後記のとおり黒く塗り潰した正方形内に「ブルーマウンテン」の片仮名文字と「BlueMountain」の欧文字とを二段に横書きしてなるものである。
2 甲第1号証ないし甲第10号証、乙第2号証ないし乙第9号証並びに登録異議申立人及び商標権者の主張の全趣旨によれば、次の事実が認められる。
(1)「BlueMountain」は、西インド諸島ジャマイカ東部の山脈名であり、その南斜面はブルーマウンテンコーヒー豆の栽培地として世界的に有名である。
(2)コーヒー豆に係るジャマイカにおいては、「BlueMountain」表示及び商品輸出業者に関しては、法律により規制され、ジャマイカのコーヒー生産はコーヒー工業会(coffee industry board)及び同会の承認に基づいた農業組合などが生産、輸出等を管理している。
(3)我が国においても、コーヒーに係る表示については、景品表示法関係及び共通法規に係る「レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約施行規則」に、「第3条(特定事項の表示基準)第1項(ウ)コーヒー生豆の産地、品種、銘柄等については、別表二に定めるとおりとする。」と規定、(別表二)では、「産地、品種、銘柄の区分及び範囲の例一、ブルーマウンテン:ジャマイカ・ブルーマウンテン地区にて生産されたコーヒー豆をいう。」と規定されている。
そして、上記規約を受けて、社団法人全国清涼飲料工業会平成11年6月発行の「清涼飲料ブランド別価格一覧表」にも、「コーヒー飲料等・・・コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約等による。」とし、商品名として「ブルーマウンテン」の語が用いられている。
(4)ブルーマウンテンのコーヒー豆は、ジャマイカでコーヒーができることを知らない人でもブルーマウンテンを知らない人はいないだろうとまでいわれており、味は甘美で芳醇、香気が強く世界産出コーヒーの中でも最優秀品として定評があり、世界最高級のコーヒーとして知られている。現在では、ブルーマウンテンコーヒーの大部分が日本へ輸入されているほどである。
また、現在の日本においてブルーマウンテンコーヒーは、一部からは「異常」とまでいわれるほど高級品扱いをされているものもある。
以上の事実が認められ、これを覆すに足りる証拠はない。
3 上記事実によれば、「ブルーマウンテン」「BlueMountain」の文字は、取引者、需要者の間では、ジャマイカを産地とするコーヒーの品質表示として認識され、我が国において周知、著名なものといわなければならない。
4 商標権者は、世界中で取引されるジャマイカ国ブルーマウンテン地域産のコーヒーの唯一の供給元であり、「ブルーマウンテン」「BlueMountain」の表示は、同供給元を特定するものとして自他識別機能を有している旨主張する。
しかしながら、商標権者提出の証拠を精査しても、本件商標「ブルーマウンテン」「BlueMountain」の文字が商標権者の出所を表示する自他商品又は役務の識別標識として機能しているとする事実を見出すことはできない。のみならず、本件商標は、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものとなっている事実も認めることはできない。
5 したがって、本件商標は、前記第3において示した商標登録の取消しの理由のとおりであって、商標登録第4260078号の1の指定商品中第30類「コーヒー豆」については、商標法第3条第1項第3号に違反して商標登録されたものであり、商標登録第4260078号の2の指定商品中第30類「菓子及びパン、アイスクリームのもと、シャーベットのもと、アイスクリーム凝固剤」、第32類「清涼飲料、果実飲料」、同じく指定役務中第42類「コーヒーを主とする飲食物の提供」については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して商標登録されたものであり、同法第43条の2第1号に該当する。
よって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定により結論掲記の指定商品及び指定役務については取り消すべきものとし、同条第4項の規定によりその余の指定商品及び指定役務については同法第43条の2各号の一に該当すると認められないから維持すべきものとし、結論のとおり決定する。
別掲 本件商標

異議決定日 2001-07-26 
出願番号 商願平9-100613 
審決分類 T 1 652・ 13- ZC (Z303242)
T 1 652・ 272- ZC (Z303242)
最終処分 一部取消 
前審関与審査官 中嶋 容伸 
特許庁審判長 廣田 米男
特許庁審判官 宮下 行雄
大島 護
登録日 1999-04-09 
登録番号 商標登録第4260078号の2(T4260078-2) 
権利者 株式会社ダイエー コーヒー・マークス・リミテッド
商標の称呼 ブルーマウンテン、マウンテン 
代理人 長沼 要 
代理人 山本 秀策 
代理人 大岡 啓造 
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