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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない 025 |
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管理番号 | 1058597 |
審判番号 | 審判1997-10965 |
総通号数 | 30 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-06-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1997-07-01 |
確定日 | 2002-04-30 |
事件の表示 | 平成7年商標登録願第127025号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願商標は、「MARCO VALENTINO」の欧文字を横書きしてなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,運動用特殊衣服」を指定商品として、平成7年12月11日に登録出願されたものである。 第2 原査定の拒絶理由 原査定において『本願商標は、イタリア国ローマ市在住の「Valentino Garavani」(オランダ国在の関連企業「バレンチノ クロープ ベスローテン フェンノートシャップ社」)が「婦人・紳士物の衣料品」等に使用している著名な商標「Valentino」の文字を含むものであるから、これを出願人が指定商品に使用するときは需要者は上記会社もしくは上記会社と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。』と認定し、本願を拒絶したものである。 第3 当審の判断 1.当審において、「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ(VALENTINO GARAVANI」について行った職権による証拠調べによれば、次の事実が認められる。 (1)「世界の一流品大図鑑ライフカタログVOL.1」(昭和51年6月5日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ・ガラバーニ」が、「イタリアファッション界の旗手と呼ばれ、女性を最高に美しく見せるデザイナーとして高く評価されている。」こと、及びその経歴等を紹介する内容とともに「ブラウス、セーター、ネクタイ」の商品の写真が掲載されていること。 (2)「EUROPE一流ブランド」(昭和52年12月1日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ ガラバーニ」の所有する店舗の紹介と簡単な経歴が「婦人服」の商品と共に掲載されていること。 (3)「服飾辞典」(昭和54年3月5日第1刷文化出版局発行)の、ヴァレンチイーノ ガラヴァーニ[Valentino Garabani、1932〜]の項に、「イタリア北部の都市(ヴォゲラ)に生まれる。17才でリセオ(中学)を中退、パリに行く。スチリストになるため、パリのサンジカ(パリ高級衣装店組合の学校)で技術を身につける。1951年、ジャン・デッセ(オート・クチュール)のもとで5年間アシスタントとして仕事をする。その後2年間、ギ・ラローシュのアシスタントをし、1958年独立、ヴァレンティーノ・クチュールの名でローマに店を開いた。このころ、イタリアのモードは世外的に有名になりつつあった。彼の最初の仕事は、フィレンツェのピッティ宮殿でのコレクションである。このコレクンョンは、〈白だけの服〉という珍しい演出であったが、その美しさはジャーナリストの間で評判となり、「ニューズ・ウィーク」「ライフ」「タイム」「ウィメンズ・ウェア・デイリー」各誌紙で取材、モードのオスカー賞を獲得した。1967年、ヴァレンティーノの名は世界に知れわたった。1972年には紳士物も始め、その他アクセサリー、バッグ、宝石類、香水、化粧品、家具、布地、インテリアと、その仕事の幅はたいへん広いが、すべてヴァレンティーノ独特のセンスを保っているのはみごとである。ヴァレンティーノの洋服に対する考えは、まず個性が第一で、彼のコレクションからは、デテールでなくそのエスプリをくみ取ってもらうことに重きをおく。ローマの高級住宅地、アッピア・アンティカに母親とたくさんの犬と暮らしている。仕事でパリとローマを行き来するが、世界中を旅行するなど忙しい日々である。物をつくる人は誰でも波があって、いつも傑作が続くとはかぎらないが、ヴァレンティーノは現在、ローマのオート・クチュール界で最も好調なデザイナーといえる。以前から東洋風なエキゾティシズムが好きで、時によってトルコ風、アラブ風の特色がみられるが、最近はキモノのセクシーさを1950年代のハリウッドの雰囲気に表現、あやしく美しいヴァレンティーノの世界をつくり出している。」との紹介記事が掲載されていること。 (4)「朝日新聞」(昭和57年11月20日夕刊)において、世界の服をリードする3人のうちの1人として「バレンチノ」の紹介記事が掲載されていること。 (5)「男の一流品大図鑑’85年版」(昭和59年12月1日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO GARAVANI」「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」の文宇とともに、「スーツ、ブルゾン、シャツ、ネクタイ、ベルト及びバッグ」の商品が掲載されていること。 (6)雑誌「non‐no」1989年 No23号(平成元年12月5日株式会社集英社発行)及び「marie claire」(1996年2月1日中央公論社発行)において、「ヴァレンティノ ガラバーニ」が単に「ヴァレンティノ」と略称され、商品「婦人服」等と共に掲載されていること。 (7)「英和商品名辞典」(1990年株式会社研究社発行)[Valentino Garavani]の項において、「イタリア RomaのデザイナーValentino Garavani(1932-)のデザインした婦人・紳士物の衣料品・毛皮・革製バッグ・革小物・ベルト・ネクタイ・アクセサリー・婦人靴・香水・ライター・インテリア用品など。Roma,Firenze,Milanoなどにあるその店の名称はVa1entino(vは小文宇でかくこともある)。・・・」との記事及びデザイナーとしての紹介記車が掲載されていること。 (8)「世界の一流品大図鑑’93年版」(平成5年5月20日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO」ブランドの香水が掲載されていること。 (9)「世界人名辞典」(1997年11月21日株式会社岩波書店発行)の[ガラヴァーニ]の項において「ヴァレンティノ Garavani,Valentino通称ヴァレンティノ Valentino(伊 1933-)服飾デザイナー・・・・」との紹介記事が掲載されていること。 同じく、[ヴァレンティノ Valentino]の項において、「ガラヴァーニ、ヴァレンティノ」を見よとの表示があること。 2.「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ(VALENTINO GARAVANI」の著名性について 上記1.で認定した事実を総合すれば、「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」は、単に「VALENTINO(ヴァレンティノ)」とも呼ばれ、また、その取り扱いに係る被服等ファッション関連商品に使用される商標も、「VALENTINO GARAVANI 」、「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」のほか、単に、「VALENTINO(ヴァレンティノ)」とも表示されて、本標の登録出願日前より、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものということができる。そして、該「VALENTINO(ヴァレンティノ)」の著名性は、現在においても継続しているものと認められる。 3.出所の混同について (1)本願商標は、前記したとおりの構成よりなるものであるところ、その構成全体をもって、特定の意味合いを持つ熟語や氏名を表すものとして、一般の需要者等に知られているという事情は認められない。 そして、本願商標の指定商品と「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」の取り扱いに係る商品とは、いずれもファッションに関連する商品といえるものである。 (2)してみると、前記2.で認定した事情からすると、本願商標をその指定商品について使用したときは、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「VALENTINO」の文字部分に極めて強く印象づけられ、著名なデザイナーである「VALENTINO GARAVANI(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)」ないしその取り扱いに係る商品に使用される商標を想起し、該商品がヴァレンティノ・ガラヴァーニ、または同人と何らかの関係を有する者の取り扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同するおそれがあると判断するのが相当である。 4.むすび 以上のとおりであるから、本願商標を商標法第4条第1項第15号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-02-18 |
結審通知日 | 2002-03-01 |
審決日 | 2002-03-12 |
出願番号 | 商願平7-127025 |
審決分類 |
T
1
8・
271-
Z
(025)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 岩浅 三彦 |
特許庁審判長 |
小松 裕 |
特許庁審判官 |
高野 義三 前山 るり子 |
商標の称呼 | マルコバレンチノ、マーコバレンティノ |