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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) 042 審判 一部取消 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) 042 |
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管理番号 | 1058461 |
審判番号 | 取消2000-31430 |
総通号数 | 30 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-06-28 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2000-11-29 |
確定日 | 2002-03-29 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第3242376号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 「コンピュータプログラムのオンラインによる提供,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,コンピュータ・コンピュータ用プログラムその他のコンピュータ用周辺機器のためのオンライン又は電話による技術的サポート」に対する本件審判の請求は、却下する。 登録第3242376号商標の指定役務中「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与及びそれらに類似する役務」については、その登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第3242376号商標(以下「本件商標」という。)は、「ペンギン」の片仮名文字を横書きしてなり、平成4年6月19日に登録出願、第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,一般廃棄物の収集及び処分,産業廃棄物の収集及び処分,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),建築物の設計,測量,地質の調査,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,通訳,翻訳,施設の警備,身辺の警備,個人の身元又は行動に関する調査,あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,家畜の診療,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,編機の貸与,ミシンの貸与,衣服の貸与,植木の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,祭壇の貸与,自動販売機の貸与,消火器の貸与,超音波診断装置の貸与,展示施設の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,布団の貸与,ルームクーラーの貸与」を指定役務として、同8年12月25日に登録されたものである。 2 請求人の主張 請求人は、「本件商標の登録は、指定役務中の役務『コンピュータプログラムのオンラインによる提供,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータ・コンピュータ用プログラムその他のコンピュータ用周辺機器のためのオンライン又は電話による技術的サポート,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む)の貸与及びそれらに類似する役務』についてこれを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べた。 請求人の調査によると、本件商標は商標権者であるサンスター株式会社によって上記の取消しを請求した指定役務について日本国内で継続して3年以上使用されていない。 また、本件商標の商標権には専用使用権は設定されていない。 加えて、通常使用権も登録されていないことから、本件商標権には通常使用権者も存在しないことが推認し得る。したがって、本件商標の登録は商標法第50条の規定により取消しを免れない。 3 被請求人の答弁 被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求める」と答弁し、その理由を以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。 (1)本件商標は、以下に示す証拠方法からも裏付けられるように、被請求人のグループ企業の一つであるサンスター技研株式会社によって、前記指定役務中「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」(以下「本件役務」という。)について使用されていると解釈されるものである。したがって、本件審判の請求は成り立たないものである。 (2)被請求人は、本件商標が本件役務について使用されていると解釈されることを裏付ける証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出する。 乙第1号証は、「機械発泡型不定形ガスケット/PENGUIN FOAM SYSTEM 」と題されたパンフレット写し(1999年1月発行)である。このパンフレットは、機械発泡型不定型ガスケットを発泡・成形するシステム(以下「本件システム」という。)に関するものであり、本件システムは、被請求人のグループ企業の一つであるサンスター技研株式会社が1997年から製造及び販売をしているものである。本件システムは、(a)材料、ガスの供給ユニット、(b)混合ユニット、(c)吐出ユニット、(d)前記(a)〜(c)を制御するコントロールユニットからなり、前記(d)のコントロールユニット(以下「本件コントロールユニット」という。)には、コンピュータープログラムが組み込まれている。 乙第2号証は、本件システムの本件コントロールユニットに組み込まれたプログラムに関する説明書であり、この説明書の対象となっている本件コントロールユニットは1998年6月1日に製造されたものである。 乙第3号証は、本件商標を使用しているサンスター技研株式会社が、被請求人たるサンスター株式会社のグループ企業の一つであることを示す案内冊子「SUNSTAR GROUP GUIDE 」の抜粋写しである。 これらの資料において、まず、本件商標と同一の商標又は社会通念上同一と認められる商標が使用されている点について述べる。乙第1号証のパンフレットでは、表紙において、「PENGUIN FOAM SYSTEM 」の文字だけでなく、中央部に大きく英文字「PENGUIN」が表示されると共に、数羽のペンギンの写真が示されている。我が国における英語の浸透度を考慮すると、「ペンギン」に相当する英単語が「PENGUIN」であることは良く知られているということができ、ペンギンの写真も示されていることから、表紙の英文字「PENGUIN」部分は、容易に「ペンギン」の観念、称呼を生じるものであり、本件商標とは社会通念上同一と認められる商標であるとみるのが妥当である。さらに、表紙の「PENGUIN FOAM SYSTEM 」の文字部分及びパンフレットの2ページ目の「ペンギンフォームシステム」の表記についても、これらの表記中「FOAM SYSTEM 」、「フォームシステム」の文字部分は商品の内容等を表すにすぎず「PENGUIN 」、「ペンギン」の文字部分が自他商品識別力を有する部分であるので、これらの表記に関しても本件商標「ペンギン」と同一又は社会通念上同一と認められる商標を表示したものとみるのが相当である。 次に、本件役務について本件商標が使用されている点について述べる。乙第1号証のパンフレットに示された本件システムは、ガスケットの材料をコンピュータープログラムの制御により、その吐出量を微調整して発泡、成形させ用途に応じたガスケットを生産するシステムである。本件システムは、前記のように、(a)材料、ガスの供給ユニット、(b)混合ユニット、(c)吐出ユニット、及び本件コントロールユニットからなり、本件コントロールユニットにはコンピュータープログラムが組み込まれて前記(a)〜(c)の制御を行うことを特徴としており、前記(a)〜(c)の設計変更等の要望に応じて、本件コントロールユニットのプログラムの設計・作成及び保守が、装置とは独立して行われて取引の対象とされることもあるものである。したがって、プログラムの設計・作成又は保守の役務が単独でも取引の対象となる点で、本件役務に属する役務であり、プログラムの設計・作成又は保守の役務が単独でも取引の対象となる点で、本件役務に属する役務であり、本件商標は本件役務について使用されているものであると思料する。 さらに、本件商標を使用している主体については、まず、直接的に使用している主体は、乙第1号証のパンフレット末尾に記載されているように、サンスター技研株式会社である。サンスター技研株式会社は、乙第3号証からも明らかなように、被請求人のグループ企業の一つであり、被請求人が本件商標の使用を許諾した通常使用権者である。さらに、乙第1号証のパンフレット末尾、及びパンフレット中の装置において、被請求人を示す「SUNSTAR」のロゴマークが示されており、前記装置にはコンピュータープログラムが組み込まれているものであり、本件商標の商標権者である被請求人が本件商標の使用主体であるとみることも可能である。前記ロゴマークは、被請求人たるサンスター株式会社の名称をモチーフとした商標であり、旧第4類の商品を指定した登録第2376863号商標が需要者間において著名であると共に、本件役務の分野においても登録第2376863号防護第7号(商公平7-80559号、乙第4号証)及び登録第3118665号(商公平7-34106号、乙第5号証)として登録されている。したがって、本件商標は、通常使用権者であるサンスター技研株式会社だけでなく被請求人自身すなわち商標権者によっても使用されていると解釈されるものである。 (3)以上のとおり、本件商標は、商標権者及び通常使用権者によって、本件役務について使用されているものである。したがって、本件商標の登録を取り消すべきであるとする請求人の請求は根拠を有しないものである。 4 請求人は、被請求人の答弁に対し何ら弁駁をしない。 5 当審の判断 (1)本件商標の指定役務は、上記1に示すとおりであって、その指定役務中に「コンピュータプログラムのオンラインによる提供,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,コンピュータ・コンピュータ用プログラムその他のコンピュータ用周辺機器のためのオンライン又は電話による技術的サポート」を含んでいないところ、請求人は、これらに対しても商標登録の取消しを請求しているから、この部分の請求は、存在しない対象物についてなされた不適法な請求であり、その補正をすることができないものである。 したがって、この部分の本件審判の請求は、商標法第56条において準用する特許法第135条の規定により、却下をすべきものである。 (2)次に、被請求人は、「本件商標は、商標権者及び通常使用権者によって、本件役務について使用されている」旨主張するので、これについて以下、検討する。 乙第1号証及び乙第2号証によれば、本件システムは、用途に応じた形状のガスケットをコンピューター制御により生産するシステムであって、(a)材料、ガスの供給ユニット、(b)混合ユニット、(c)吐出ユニット、及び本件コントロールユニットからなり、本件コントロールユニットには、コンピュータープログラムが組み込まれているものと認められる。 そして、被請求人は、乙1号証のパンフレットに示された本件システムは前記(a)〜(c)の設計変更等の要望に応じて、本件コントロールユニットのプログラムの設計・作成及び保守が、装置とは独立して行われて取引の対象とされることもあるから、プログラムの設計・作成又は保守の役務が単独でも取引の対象となる点で、本件役務に属する役務であり、本件商標は本件役務について使用されているものと主張する。 しかしながら、乙第1号証のサンスター技研株式会社のパンフレットには、本件システムの製造、販売とは別に、本件コントロールユニットに組み込むコンピュータープログラムの設計・作成又は保守の役務が、独立の役務として業として提供されているとの事実を窺わせる記載はないものであり、また、被請求人が提出した他の乙各号証を総合しても、その事実を認めることはできない。 よって、この点の請求人の主張は採用できない。 そうすると、被請求人は、上記役務について本件商標を使用した事実を立証していないものである。 (3)したがって、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その指定役務中「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与及びそれらに類似する役務」のいずれかについて使用したということはできないから、これら指定役務についての商標登録を商標法第50条の規定に基づき、取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 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審理終結日 | 2001-10-29 |
結審通知日 | 2001-11-01 |
審決日 | 2001-11-16 |
出願番号 | 商願平4-127658 |
審決分類 |
T
1
32・
04-
ZC
(042)
T 1 32・ 1- ZC (042) |
最終処分 | 一部成立 |
前審関与審査官 | 滝沢 智夫 |
特許庁審判長 |
寺島 義則 |
特許庁審判官 |
上村 勉 山下 孝子 |
登録日 | 1996-12-25 |
登録番号 | 商標登録第3242376号(T3242376) |
商標の称呼 | ペンギン |
代理人 | 柳野 隆生 |
代理人 | 中田 和博 |
代理人 | 青木 博通 |
代理人 | 柳生 征男 |
代理人 | 足立 泉 |
代理人 | 森川 正仁 |