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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Z28
管理番号 1057401 
異議申立番号 異議2000-91138 
総通号数 29 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2002-05-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-10-27 
確定日 2002-03-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第4404002号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4404002号商標の商標登録を取り消す。
理由 1.本件商標
本件登録第4404002号商標(以下、「本件商標」という。)は、後掲の(1)に示すとおりの構成よりなり、平成11年11月25日に登録出願され、第28類「ゴルフ用具」を指定商品として、平成12年7月28日に設定の登録されたものである。

2.登録異議の申立ての理由
本件登録異議の申立て理由は、要旨つぎのとおりである。
<申立理由>
本件商標のS字状図形は、本件商標の図形部分の一要部であるが、甲各号証が示すとおり、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)引用のゴルフクラブについて世界的に著名な蛇の図形商標と同一である。このような本件商標がゴルフクラブ等について使用されると、需要者は前記S字状図形に着目して、そのゴルフクラブ等は申立人又は申立人と何らかの関係をもつものにより取り扱われる商品であるかのように誤信し、その結果、商品出所について混同を生ずるおそれがある。また、万一、本件商標のように、他人の著名な図形商標をそのまま利用する商標が登録され、使用を認められるならば、やがて前記著名な図形商標のもつ顧客を吸引する力は薄められ、商標のもつ財産権としての価値は失われる。そして、他人の努力や出費を利して権利を取得することを許すことは、公正な競争によって産業の健全な発展を目指す法の精神に合致しない。このような行為により取得される商標は、公の秩序又は善良の風俗を害する商標ととらえることができる。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号及び同第7号に該当し、その登録は取り消されるべきものである。

3.本件商標の取消理由
当審において、商標権者に対して平成13年6月5日付取消理由通知書をもって通知した本件商標の取消理由は、要旨つぎのとおりである。
<取消理由>
申立人 コブラ ゴルフ インコーポレーテッドの提出に係る証拠によれば、申立人は、1974年に創設されたゴルフクラブ及びその他のゴルフ関連商品を製造販売している米国法人であり、申立人の製造販売に係るゴルフクラブには、「cobra」の文字よりなる商標及び後掲の(2)に示すとおり、頸部を広げ鎌首を掲げ胴と尻尾の部分で「の」の字を描くような態様で毒蛇のコブラが威嚇する姿勢を表現した如き蛇の図形(以下、「コブラ図形」という。)よりなる商標が使用されてきたものであり、1992年以降は、「KING cobra」の文字及び後掲の(3)に示すとおり、「王冠を戴くコブラ図形」よりなる商標を使用し、例えば、申立人の取り扱うアイアンクラブを使用するプロゴルファーが賞金ランキングの上位を占めていること、1994年8月には米国のアイアン市場で第1位となったこと、及びグレッグ・ノーマン、タイガー・ウッズなどの有名プロが使用していることなどが認められるところである。また、申立人の「ゴルフクラブ」は、わが国においても1976年から輸入され、現在では申立人の子会社の日本支店が輸入総代理店としてゴルフクラブ等の販売をするとともに、雑誌、新聞などを通じて頻繁に広告、宣伝を行っていることが認められる。
そうすると、申立人がゴルフクラブなどに使用する「cobra」の文字、「コブラ図形」、「KING cobra」の文字と「王冠を戴くコブラ図形」よりなる商標は、本件商標登録出願時には、既に、申立人の業務に係る「ゴルフクラブ」等を表示するものとして、ゴルフに関係する者は勿論のこと、本件商標の指定商品に係る取引者、需要者の間において広く認識されるに至っていたものといえるものである。
そこで、本件商標についてみると、本件商標は、後掲に示すとおり、全体的に欧紋章風図形よりなるものであるところ、その構成の中心部に位置する盾内上部に白抜き風に表された「蛇図形」は、それ自体顕著に描かれていて看者の印象に強く残る部分といえるものであり、かつ、この蛇図形は頸部を広げ鎌首を掲げてなる部分及び胴と尻尾の部分で「の」の字を描くように表された蛇図形である点において、前記申立人に係るコブラ図形とその構成の軌を一にするものであって、外観、印象において近似するものである。そして、本件商標に係る指定商品と申立人に係る前記ゴルフクラブとは、その販売場所等及び需要者層の範囲も同じくするものであるから、結局、本件商標に接する者は、容易に申立人の商標を連想、想起させるものである。
してみれば、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ない。

4.商標権者の意見
商標権者は、上記3の取消理由通知書に対し、所定の期間を徒過するも、何ら意見を述べるところがない。

5.当審の判断
本件商標についてした先の取消理由は妥当なものと認められる。したがって、本件商標の登録は、前記法条の規定に違反してされたものといわざるを得ないから、商標法第43条の3第2項により、これを取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 (1)本件商標

異議決定日 2001-11-06 
出願番号 商願平11-107450 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (Z28)
最終処分 取消  
前審関与審査官 和田 恵美 
特許庁審判長 原 隆
特許庁審判官 高野 義三
野上 サトル
登録日 2000-07-28 
登録番号 商標登録第4404002号(T4404002) 
権利者 中日▲かん▼條股▲ふん▼有限公司
商標の称呼 シュアウエー、シュアウエイ 
代理人 小沢 慶之輔 

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