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審判番号(事件番号) データベース 権利
取消200131081 審決 商標

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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 117
管理番号 1057277 
審判番号 取消2000-30979 
総通号数 29 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-05-31 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2000-08-22 
確定日 2002-04-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第2699903号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2699903号商標の指定商品中第17類「被服(運動用特殊被服を除く)」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
商標登録第2699903号に係る商標(以下、「本件商標」という。)は、後記のとおりの構成よりなり、昭和61年8月1日登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として平成6年11月30日設定登録されたものである。

第2 請求人の主張の要点
1 請求の趣旨
結論同旨の審決
2 請求の理由
本件商標は、その指定商品中「被服(運動用特殊被服を除く)」について、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用された事実がないから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
3 弁駁
(1)乙第2号証(その一部分の右側は欠落している)には、アンダーラインの箇所に「CAMEL」の文字に続いて「Trophy」、同様に「CAMEL」の文字に続いて「Collec」と記載、中央部右側に「TROPHY 計」「COLLECTION 計」と記載がある。
乙第1号証には、矢印をもって指摘された箇所に「CAMEL COLLECTION」(以下「使用商標」という)とあるものの、その4枚目下部に「CAMEL BRAND 96F/W COLLECTION CATALOG【CAMEL TROPHY/CAMEL COLLECTION】」とある。
ところで、「CAMEL TROPHY」の文字よりなる商標は、登録第2179451号(甲第3号証)及び同第2647243号(甲第4号証)として、「CAMEL COLLECTION」の文字よりなる商標は、登録第2376468号(甲第5号証)、同第2719968(甲第6号証)及び同第4002212号証(甲第7号証)として被請求人の所有するものである。
そうすると、乙第2号証は、「CAMEL TROPHY」商標分と「CAMEL COLLECTION」(甲第7号証に係る商標の構成と使用商標とは一致)商標分とに分けて集計、作成し、三菱商事商事株式会社に報告したとみるのが普通である。
よって、株式会社フォークナーは、「本件商標の通常使用権者」ではない。
(2)乙第1号証のようなこの種のカタログは、コレクションの開催当時にだけ頒布するするものであり、流行に敏感な被服業界において翌年以降も引き続き頒布することはあり得ない。
よって、使用商標の使用は、遅くとも平成8年までである。
(3)「CAMEL(キャメル)」の語は、「らくだ色、らくだの毛の色に似た薄い褐色」を意味し、色名であり、他に、「らくだの毛で作る毛織物」の意味がある。「CAMEL」の文字は、自他商品の識別力がない。
そうすると、使用商標は、「CAMEL」の文字と「COLLECTION」の文字とが結合して初めて自他商品の識別標識としての機能を果たすものである。
一方、本件商標は、「CAMEL」の文字と図形とが一つのまとまりのあるものとして構成上の特徴を形成している。
よって、使用商標は、本件商標の図形部分を欠落させた構成であり、本件商標との同一性を失っているから、使用商標と本件商標とは、社会通念上同一の商標ではない。
4 証拠方法
請求人は、甲第1号証ないし同第13号証を提出した。

第3 被請求人の答弁の要点
1 答弁の趣旨
本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする旨の審決
2 答弁の理由
(1)本件商標は、乙第1号証(商品カタログ)のとおり、通常使用権者である株式会社フォークナーによって「被服」に使用されている。乙第1号証は、1996年(平成8年)に作成され、掲載されている商品の販売は1998年(平成10年)2月まで行われていた。
(2)乙第2号証(月間販売集計表)は、前記通常使用権者が中間ライセンシーである三菱商事株式会社宛に作成、当該集計表中の「品名」の項目に記載されたアルファベット及び4桁又は5桁の数字は、商品コード番号を意味し、前記商品カタログに記載された各商品毎のコード番号と対応する。
なお、乙第1号証が作成された平成8年の後、同第2号証が作成された平成10年までの間に、商品に若干の変更(色彩等)がある。そのため、同じ商品であっても、前記コード番号の下一桁が変更され、乙第2号証中の品名「G06301」は乙第1号証中の「4オフィシャル・パンツG06300」と、同様に、品名「N26508」は「38ロールネックニットN26507」と実質的に同一の商品である。
(3)乙第1号証に使用の商標(以下「使用商標」という。)は、図案化された「CAMEL」の文字と通常の書体の「COLLECTION」の文字とを上下二段に書してなるところ、「COLLECTION(コレクション)」の語は、商品「被服」との関係において一連の商品群(例えば「秋冬コレクション」等)を表すことから、自他商品の識別力を有しないから、使用商標の要部は、「CAMEL」の文字部分にある。使用商標は、「CAMEL」の文字部分に相応して「キャメル」の称呼及び「駱駝」の観念を生じる。
一方、本件商標は、図案化された「CAMEL」の文字と駱駝の図形からなるものであるから、「キャメル」の称呼及び「駱駝」の観念を生じる。
(4)したがって、本件商標と使用商標とは、社会通念上同一の商標である。
よって、請求人の本件審判請求は、理由がない。
3 証拠方法
被請求人は、乙第1号証及び同第2号証を提出した。

第4 当審の判断
1 本件商標の使用の有無
(1)本件商標は、後記のとおり、駱駝の左側面を大きく描いた図形とその上部にやや図案化した「CAMEL」の文字を幾分円弧状にして駱駝の図形の頭部から尻尾に沿わせる様に表示した結合商標である。そして、「CAMEL」の文字は、「駱駝」を意味する英語として我が国において親しまれた語であり、図形部分は、背中の瘤等駱駝の特徴ある構図が写実的に描かれていることから見て、一見して駱駝であると看取し得るものである。
(2)ところで、登録商標の使用か否かについては、使用商標が登録商標の構成部分に変更を加えた場合には、その使用商標は、その変更が登録された際の形態における商標の識別性に影響を与えず、かつ、商標の同一性を損なわないときに、当該登録商標と社会通念上同一の商標の使用であると解すべきである。そして、具体的には、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含むものである(商標法第50条第1項括弧書き参照)。
(3)そこで、これを本件についてみると、本件商標は、前記(1)で認定したとおりの構成であって、文字と図形とで構成されているものではあっても、当該「CAMEL」の文字と駱駝の図形の観念が同一であり、かつ、前記したとおりその全体が外観上において緊密な一体性を有しているものである。
他方、使用商標は、乙第1号証によれば、図案化された「CAMEL」の文字と通常の書体の「COLLECTION」の文字とを上下二段に書してなるものである(被請求人が矢印をもって指摘された箇所)ことが認められる。また、乙第2号証によれば、アンダーラインの箇所に「CAMEL」の文字に続いて「Trophy」、同様に「CAMEL」の文字に続いて「Collec」(その文字の右側部分は欠落している)と記載されている。
そうすると、使用商標は、「CAMEL」の文字と一体性を有し、かつ、本件商標において顕著な構成要素を占める駱駝の図形を欠如する商標であって、本件商標の同一性を損なうものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であるといえないことは明らかである。
(4)したがって、本件商標は、その指定商品中「被服(運動用特殊被服を除く)」について、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用された事実の立証がなく、かつ、使用をしていないことについて正当な理由がないものである。
2 結語
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により「結論掲記の商品」についての登録を取り消すべきものである。
よって、本件審判請求は、認容することとし、審判費用の負担について商標法第56条第1項、特許法第169条第2項、民事訴訟法第61条を適用して結論のとおり審決する。
別掲 本件商標

審理終結日 2001-11-13 
結審通知日 2001-11-16 
審決日 2001-11-28 
出願番号 商願昭61-81004 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (117)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鈴木 茂久山田 清治 
特許庁審判長 廣田 米男
特許庁審判官 柳原 雪身
井出 英一郎
登録日 1994-11-30 
登録番号 商標登録第2699903号(T2699903) 
商標の称呼 キャメル、ラクダ 
代理人 戸村 隆 
代理人 山崎 行造 

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