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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Z09
管理番号 1055634 
異議申立番号 異議2000-91237 
総通号数 28 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2002-04-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-11-24 
確定日 2002-02-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第4412381号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4412381号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第4412381号商標(以下、「本件商標」という。)は、「QUANTAL」の欧文字と「クオンタル」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、平成11年4月20日に登録出願、第9類「電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同12年8月25日に設定登録なされたものである。

2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、「クォンテル」の文字を横書きしてなり、平成元年12月8日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)、電気材料」を指定商品として、同9年4月25日に設定登録された登録第2720731号商標(以下、「引用A商標」という。)及び別記に示すとおりの構成よりなり、平成元年12月8日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)、電気材料」を指定商品として、同9年6月13日に設定登録された登録第2722033号商標(以下、「引用B商標」という。)と類似する商標であり、かつ、その指定商品も類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 本件商標に対する取消理由
本件登録異議の申立てがあった結果、通知した取消理由は、つぎのとおりである。
<取消理由>
本件商標は「クォンテル」の文字を横書きしてなる登録第2720731号商標及び別記に示すとおりの構成よりなる登録第2722033号商標と類似であって、その指定商品も、同一又は類似の商品と認められるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見
本件商標と引用A・B商標の構成及び指定商品等は、上記及び別記に示すとおりである。
そこで、本件商標と引用A・B商標を比較するに、両商標の構成は上記及び別記に示すとおりであり、外観上においては互いに区別出来る差異を有するものである。
次に称呼についてみるに、本件商標は「QUANTAL」と「クオンタル」の文字よりなるものであり、構成中の片仮名文字部分が欧文字部分の称呼を確定しているものであり、本件商標は「クオンタル」の称呼を生ずるも
のである。
他方、引用A商標は「クォンテル」の文字よりなるものであるから「クォンテル」の称呼を生じ、引用B商標は「QUANTEL」の文字よりなるものであるから英語読みにした「クォンテル」若しくは「クァンテル」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、本件商標より生ずる「クオンタル」の称呼と引用A・B商標より生ずる「クォンテル」の称呼を比較するに、本件商標は「ク」「オ」「ン」「タ」「ル」の5音より構成されているのに対し、引用A・B商標は「クォ」「ン」「テ」「ル」の4音より構成されているものと認められる。
してみれば、両者の差異音は語頭部分における「クオ」と「クォ」という差異及び中間音における「タ」と「テ」という差異を有するものと認められる。
而して、語頭部分における「クオ」は明瞭に「ク」「オ」と発せられるのに対し「クォ」は「コ」の音に近い比較的不明瞭な音として聴取されるものであり、又、中間音における「タ」と「テ」の音は共に破裂音であり明瞭に発せられる音として聴取されるもので、しかも該差異音の前音「ン」が鼻音で極めて弱く発せられる為、この事と相俟ってその後に続く「タ」と「テ」の音がとりわけ印象的に聴別されるものである。
従って、本件商標より生ずる「クオンタル」の称呼と引用A・B商標より生ずる「クォンテル」の称呼とは上記した理由により、差異音の相違がそれぞれ一連に称呼した場合、明らかに聴別出来る音の関係において語感、印象が相違し、称呼上においても非類似の関係にあるといわざるを得ない。
又、引用B商標から「クァンテル」の称呼を生ずるとした場合においては、語頭音に於ける「クオ」と「クァ」という差異及び中間音における「タ」と「テ」の音の差異により、上記した「クォンテル」の称呼との比較以上に称呼上においては区別出来るものである。
更に、本件商標及び引用A・B商標は共に観念上においても何等特定の意味合いを有しない造語商標と認められるので比較する迄もなく別異のものと認められる。
そうとすれば、本件商標と引用A・B商標とは外観、称呼、観念のいずれにおいても区別出来る非類似の商標であるといわざるを得ない。
よって、本件商標が引用A・B商標と類似するとして商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとの取消理由は妥当なものではない。

5 当審の判断
本件商標は、「QUANTAL」及び「クオンタル」の文字を二段に横書きした構成よりなるものであるから、これよりは、該文字に照応する「クオンタル」の称呼を生ずるものであること明らかである。
他方、引用A商標は、「クォンテル」の文字よりなるものであるところ、第2文字「オ」が拗音、促音を表す如く他に比して小さく表してなるが、語頭の「クォ」と表記される音が発音し難いところから、引用A商標に接する取引者、需要者は、これを「クオンテル」と称呼し、かかる称呼をもって取引にあたる場合も少なくないものと認められる。
したがって、これよりは、「クオンテル」の称呼をも生ずるものというを相当とする。
また、引用B商標は、「QUANTEL」の文字よりなるものであるところ、「quant」を「quant(舟ざお)」「quanta(quantumの複数形)」「quantic(同次整関数)」等、「クオント」と発音する場合があるところから、これよりは、「クオンテル」の称呼をも自然に生ずるものというべきである。
そこで、本件商標より生ずる「クオンタル」の称呼と、両引用商標より生ずる「クオンテル」」の称呼とを比較するに、両称呼は、共に5音よりなり、称呼上重要な要素を占める語頭音を初めとする第4音以外の全ての音をその配列を含めて同じくし、相違する第4音「タ」と「テ」にしても、同行に位置する近似音であってみれば、その位置が称呼上影響の少ない中間に位置することとも相俟って、該差異が称呼全体に及ぼす影響は大きいものということができず、両称呼を一連に称呼するときは、語調、語感が近似し、相紛れるおそれがあるものというを相当とする。
してみれば、外観において若干の差異があり、観念において比較すべきところがないとしても、本件商標と両引用商標とは、称呼において類似するものであり、かつ、本件商標の指定商品は両引用商標の指定商品中に包含されるものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとして、その登録を取り消すべきものとした上記3の取消理由は、妥当なものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、商標第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 引用登録第2720731号商標

異議決定日 2001-12-20 
出願番号 商願平11-35008 
審決分類 T 1 651・ 262- Z (Z09)
最終処分 取消  
前審関与審査官 小出 浩子 
特許庁審判長 為谷 博
特許庁審判官 上村 勉
柳原 雪身
登録日 2000-08-25 
登録番号 商標登録第4412381号(T4412381) 
権利者 株式会社光吉研究所
商標の称呼 クオンタル、クアンタル 
代理人 朝日奈 宗太 
復代理人 岡村 憲佑 
代理人 長門 侃二 
代理人 佐木 啓二 

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