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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 101
管理番号 1055591 
審判番号 取消2000-31274 
総通号数 28 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-04-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2000-10-25 
確定日 2002-01-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第672304号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第672304号商標の指定商品中「化学品(但し、のりおよび接着剤を除く。)」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第672304号商標(以下「本件商標」という。)は、「リポモント」の片仮名文字及び「LIPOMONT」の欧文字を上下二段に書してなり、昭和38年5月28日に登録出願、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として、同40年4月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
2 請求人の主張の要点
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る商品についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。
3 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次ぎのとおり述べ、証拠方法として検証物検乙第1号証及び書証乙第1号証ないし同第5号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)本件商標は、その指定商品「(旧)第1類 化学品(但し、のりおよび接着剤を除く。)」について、審判の請求の登録(平成12年11月15日)前3年以内に日本国内において商標権者たる被請求人により使用されているものである。
(2)被請求人による使用商標(以下、「使用商標」という。)は、被請求人製造医薬品(脂質代謝・末梢血行障害異常改善剤、承認番号55AM第1666号、以下「本件医薬品」という。)における包装用外箱において、「リポモント「カプセル」」のカタカナで横書きされた文字の下部に「LIPOMONT」と欧文字で横書きされているものである。
本件商標は、外観において「リポモント」の横書き文字とその下部における「LIPOMONT」の横書き文字から構成されている。
使用商標において本件商標と構成文字及びその配列が同じくしながら、ローマ字の字体は大文字と変わることなく、単に頭文字が他の文字に比して拡大されているに過ぎないのであるから、当該登録商標と自他商品の識別標識として同一の機能を果たしている以上、本件商標と使用商標は社会通念上同一のものと認識し得るものである。
(3)被請求人が本件医薬品を特約店に販売するに当たり、1000カプセル(1000ピース)単位で出荷する際には、右包装用外箱に梱包して出荷するものである(検乙第1号証)。
この点、被請求人の入出荷明細表(乙第2号証)によると、1例を挙げれば、2000年10月13日に中北薬品(株)四日市支店に本件医薬品が1000カプセル(1000ピース)出荷されている。右入出荷明細表における品名欄を参照すれば、本件医薬品にかかる入出荷明細表であることは明らかである。
そして、右入出荷明細表における2000年10月13日中北薬品(株)四日市支店に本件医薬品1000カプセル入り外箱1箱出荷した事実について、被請求人の中北薬品(株)四日市支店に対する売上伝票の写し(乙第3号証の1)及び出荷報告書の写し(乙第3号証の2)により裏付けられているものであり、右事実に疑義を挟む余地は存しない。
(4)(イ)なお、本件医薬品の製造を裏付ける事実に関して、右入出荷明細表中央部及び右端欄におけるロット番号は製造年度・包装月・包装順位を示すものであり、被請求人作成の被請求人代理人弁護士小松陽一郎に対する報告書(乙第4号証)に記載のとおりである。右入出荷明細表における「OZPIO」とは、上記医薬品が1997年に製造され、12月に包装されたもののうち初回包装品を示すものである。本件医薬品にかかる製造指図書・記録書の写し(乙第5号証、全7枚、以下「本件製造指図書・記録書」という。)を参照すれば、上記製造・包装における事実は明瞭となる。
(ロ)まず本件製造指図書・記録書1枚目は、原料名欄における原料の混合調製過程を指図するものであり、指図年月日は1997年11月7日と記載されている。
本件製造指図書・記録書2枚目は、右混合調製されたものをカプセルに充填する過程を指図するものであり、指図年月日は1997年11月7日で、作業日として同月21日、27日、28日を記録している。
本件製造指図書・記録書3枚目は、右充填されたカプセルを外気に触れぬようアルミ箔の収納パッケージに分包する過程を指示するものであり、指図年月日は1997年11月7日、作業日として同年12月1日を記録している。なお、製造工程欄における「P.T.P」の記載は「Press Through Package」の略を意味している。
本件製造指図書・記録書4ないし7枚目は、右パッケーンに分包されたものを100カプセル及び1000カプセル単位で包装する過程を指図するものであり、上記4、5枚目につき指図年月日は1997年12月2日、作業日は同年12月2日、上記6、7枚目につき指図年月日は同年12月15日、作業日は同年12月17日を記録している。
本件製造指図書・記録書1ないし7枚目通して、製造番号(ロット)・管理番号欄において「9711-10」の記載が存することから一連のものであり、また同4ないし7枚目における製造番号欄に「ZPIO」の記載が存在する。
(5)以上のとおり、被請求人が本件商標を、本件医薬品における包装用外箱につき、少なくとも2000年10月13日に、自他商品の識別標識として本件商標と同一の機能有する商標を使用しているのであるから、本件商標は本件審判請求登録前3年以内に日本国内において使用されていたものである。
したがって、本件審判の請求が成り立たないことは明らかである。
4 当審の判断
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
ところで、被請求人提出の検乙第1号証及び乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)をみるに、被請求人は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、「脂質代謝・末梢血行障害異常改善剤」に使用している事実は認められる。しかしながら、被請求人が使用しているとしている商品は、本件指定商品中の「薬剤」の範疇に属する商品と認められるものであって、本件取消請求に係る「化学品(但し、のりおよび接着剤を除く。)」についての使用は何ら立証していない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により指定商品中の「化学品(但し、のりおよび接着剤を除く。)」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-10-30 
結審通知日 2001-11-05 
審決日 2001-11-21 
出願番号 商願昭38-22376 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (101)
最終処分 成立  
特許庁審判長 三浦 芳夫
特許庁審判官 中嶋 容伸
滝沢 智夫
登録日 1965-04-06 
登録番号 商標登録第672304号(T672304) 
商標の称呼 1=リポモント 2=ライポモント 
代理人 石田 昌彦 
代理人 小松 陽一郎 
代理人 池下 利男 
代理人 村橋 史雄 
代理人 村田 秀人 
代理人 宇田 浩康 
代理人 福田 あやこ 

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