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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Z30
管理番号 1054063 
異議申立番号 異議2001-90291 
総通号数 27 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2002-03-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-04-20 
確定日 2002-01-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第4446372号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4446372号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4446372号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年2月8日に登録出願され、「BOURBON」の文字と「とろける」の文字とを二段に横書きしてなり、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年1月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、特定の品質を有するウイスキーの普通名称である「BOURBON」の文字を有してなるから、これをバーボンウイスキーを含有するもの、あるいはバーボンウイスキー風味を有するもの以外の指定商品に使用した場合には商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)本件商標は、「BOURBON」及び「とろける」の両文字よりなるものであるところ、商品「ウイスキー」は、「大麦・ライ麦・トウモロコシなどを麦芽で糖化し、酵母を加えて発酵させ、蒸留した酒」(岩波書店発行「広辞苑」参照)であって、我が国においても、「スコッチウイスキー」、「カナディアンウイスキー」、「バーボンウイスキー」等が一般に知られており広く飲用され親しまれている洋酒であり、ウイスキーについて「スコッチ」といえば「スコッチウイスキー」を指すように「バーボン」といえば「バーボンウイスキー」を指すことは周知の事実と認められる(例えば、上掲「広辞苑」の「バーボン」の項参照)。
しかしながら、英語の「bourbon」の語は、これのみをもって直ちに「バーボンウイスキー」を意味するものとして一般に理解されているとまでは認めることができず、その証左もない。
また、これと同じ綴りの「Bourbon」が「(フランスの)ブルボン王家の人」(例えば三省堂発行「EXCEED」英和辞典参照)をも意味する語であり、我が国の国語辞典に「ブルボン王朝」(上掲「広辞苑」及び講談社発行「日本語大辞典」参照)、「ブルボン家」(小学館発行「国語大辞典」参照)等の項が設けられ、「ブルボン」に関連する語が掲載されている事実を考慮すると、「BOURBON」の語は、「バーボンウイスキー」を表すものと理解される場合があることを必ずしも否定するものではないが、一般的には、「ブルボン王家」、「ブルボン王朝」、「ブルボン家」等の「ブルボン(ブルボン王朝のブルボン)」の意味合いを表すものとして理解されると判断するのが相当である。
(2)また、本件商標の指定商品の中には、その製造過程においてウイスキーやブランデー等の洋酒が使用される場合があるとしても、それは、主要な原材料としてではなく、単に香り付け、風味付けのために使用される添加物の一つとして使用されるに止まり、しかも、その添加物としてバーボンウイスキーが使用されていることが広く知られているという事実は認め難い。
また、本件商標の指定商品中の「酒かす」に「バーボンウイスキーの搾り粕」が包含されることがあるとしても、「バーボンウイスキーの搾り粕」が食品の一種として取り引きされ、かつ、「BOURBON」の文字表示が「バーボンウイスキーの搾り粕」であることを意味するものとして取引上普通に使用され、一般に知られていると認め得る事実も見出せない。
してみれば、本件商標の指定商品について、「BURBON」の文字が「バーボンウイスキーを含有する商品」、「バーボンウイスキーの風味を有する商品」を表すものとして、普通に使用され、一般に知られているものとは認められない。
他に、本件商標が商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあると認めるに足りる証左はない。
なお、本件商標の商標権者は、ビスケットのトップメーカーであって、「BOURBON」、「ブルボン」の商標を使用し、我が国において「BOURBON」、「ブルボン」商標は、需要者の間に広く認識され、著名となっているものであり、同者は、近時、焼菓子、米菓、スナック菓子、チョコレート、キャンディー、ココア、ミネラルウォーター、茶飲料等の商品の製造、販売を行っているものであり、その業務の拡大を図っていることは顕著な事実である。
(3)そうすると、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者・需要者は、「BOURBON」の文字部分を捉えて「バーボンウイスキー」を表すものと理解し、その商品が「バーボンウイスキーを含有するもの、あるいは、バーボンウイスキー風味を有するもの」と把握、認識しないものと判断するのを相当とするから、本件商標をその指定商品について使用しても、「バーボンウイスキーを含有するもの、或いは、バーボンウイスキーの風味を有するもの」であるかの如く、その商品の品質について誤認を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではない。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
異議決定日 2001-12-21 
出願番号 商願2000-19897(T2000-19897) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (Z30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 吉野 晃弘 
特許庁審判長 三浦 芳夫
特許庁審判官 滝沢 智夫
中嶋 容伸
登録日 2001-01-19 
登録番号 商標登録第4446372号(T4446372) 
権利者 株式会社ブルボン
商標の称呼 バーボン、ブルボン、トロケル 
代理人 一色 健輔 
代理人 町田 真喜 
代理人 原 秋彦 
代理人 黒川 恵 
代理人 原島 典孝 
代理人 鈴木 知 

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