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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 110 |
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管理番号 | 1053919 |
審判番号 | 取消2000-30635 |
総通号数 | 27 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-03-29 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2000-06-06 |
確定日 | 2002-02-01 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2256883号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第2256883号商標の「測定機械器具」についての登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第2256883号商標(以下、「本件商標」という。)は、「Locator」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年10月13日に登録出願、第10類「極低温生物学用凍結保存器、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成2年8月30日に設定登録され、その後、同12年8月1日に商標権存続期間の更新登録がなされたものである。 2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。 (1)請求の理由 本件商標は、その指定商品中「測定機械器具」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、商標法50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきである。 請求人は、「ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー」の子会社であり、請求人の兄弟会社にあたるアメリカの法人「ダウ・アグロサイエンス・エル・エル・シー」は、甲第1号証に示す如く、商標「LOCATOR/ロケーター」を商品区分第9類「木材を、シロアリその他の害虫が食害しているかどうかを検知する機械器具」を指定商品として平成11年1月4日に出願(平成11年商標登録願第000125号)したが、甲第2号証に示す如く本件商標を引用して拒絶理由の通知を受けたものである。 請求人は、上記出願に係る商標「LOCATOR/ロケーター」が登録された場合、その使用権のライセンスを受け、日本国内においてその商標を付した商品の販売を計画しているものである。よって、請求人は本件取消審判の請求について利害関係を有している。 上記出願の指定商品は、「測定機械器具」に属するものと思われ、その拒絶の理由を除くため、本件商標の指定商品中の「測定機械器具」の取り消しを求めるものである。 (2)答弁に対する弁駁 答弁書添付の商品カタログには、たしかに本件商標「LOCATOR」及びその類似の称呼を生ずるとみられる「ローケーター」の表示がみられるがその説明に「細口容器」、および英文の「STORAGE VESSELS」とあるように、この商品の用途が「保存容器」であることは明らかで、「測定」機能を目的とする商品である証拠はみられない。 したがって、本件商標が使用されている商品が、本件審判の取消請求に係る「測定機械器具」に属するものとは考えられない。 このことは、本件商標の出願時に、その指定商品を「極低温生物学用凍結保存器、その他本類に属する商品」と、ことさらに本来の目的を特記したとみられる記述の方法からも推察できる。 3 被請求人の答弁 被請求人は、「本件審判請求は成り立たない旨の審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び同第2号証を提出した。 答弁の理由 (1)被請求人は、乙第1号証「商品カタログ」中に本件商標及びその表音片仮名文字「ローケーター」を使用していることを示す。したがって、本件商標が使用されていることは明らかである。 (2)上記商標は、商品カタログから明らかなように、「低温生物学用凍結保存装置」に使用されている。この商品の用途は測定対象となる試料を正確かつ迅速に格納し、取り出しを可能にし、曝露時間と試料の損傷を最小限に止めるものである故に、本件審判において取消請求に係る「測定機械器具」に属するものであると解される。 (3)添付の乙第1号証「商品カタログ」及び同第2号証「インボイス(送り状)」には、本件商標権者の名称及び住所がローマ字表記で記載されている。これにより、本件商標が商標権者により使用されていることは立証されている。 我が国では、乙第2号証「インボイス」から明らかなように、本件商標が付された「低温生物学用凍結保存装置」が請求外「東栄株式会社」に引き渡され、同社が輸入代理店として販売している。これらの事情に鑑みれば、本件商標は通常使用権者によって使用されているともいえる。「インボイス」においては、低温生物学用凍結保存装置の金額は第三者に知られるのを防ぐために黒く塗りつぶされているが、添付の商品カタログから明らかなように、低温生物学用凍結保存装置の基本的な商品番号は「C509」であり、その1999年8月31日付インボイス上には「C509×2-70」「C509×5-70」「C509×8-70」「C509×12-70」の如く「C509◯◯◯」の如くなる商品記号が見出せる。また、1999年9月30日付インボイス上には、商品カタログ中の型番「C509×12A」が見出せる。このように、商品カタログ及びインボイスから、商標権者の本件商標が付された低温生物学用凍結保存装置が通常使用権者によってわが国に輸入され、その後販売されていることは明らかである。なお、その記載から明らかなように、商品カタログは通常使用権者によって作成されたものである。 (4)上記1999年8月31日付インボイス及び1999年9月30日付インボイスで明らかなように、本件予告登録前3年以内に本件商標が付された低温生物学用凍結保存装置が輸入されたことは明らかである。このように、本件予告登録前3年以内に本件商標の使用が立証されている。 (5)以上述べたことから明らかなように、被請求人が本答弁書とともに提出した証拠方法によって、本件商標が商標権者ないしは通常使用権者によって本件審判の予告登録日前3年以内に本件審判の取消請求に係る商品について使用されていたことが立証された。ついては、本件審判の請求は成り立たない旨の審決がされるよう期待する。 4 当審の判断 商標法第50条による不使用取消審判にあっては、その第2項において、「その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消を免れない。」と規定されている。 そこで、被請求人提出に係る各書証を検討するに、乙第1号証は「商品カタログ」であるが、本件商標を使用しているものとして示された商品は、当該カタログ中の「ローケーターシステムはーー(省略)ーー優れた断熱性を有するアルミニューム細口容器」「ローケーターの優れた断熱性は容器内の液体窒素がーー(省略)ーー維持します。」等の記載及びカタログに示された商品の形状に照らして、本件審判の請求に係る指定商品「測定機械器具」の範疇に属するものとは認められない。 そして、被請求人の提出に係るその他の乙各号証を採用しても、本件商標が当該指定商品のいずれかについて使用されている事実を見いだし得ない。 以上により明らかなように、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明したものと認められない。 5 むすび したがって、本件商標は、商標法50条第1項の規定により、その指定商品中「測定機械器具」について登録を取り消すべきである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2001-09-04 |
結審通知日 | 2001-09-10 |
審決日 | 2001-09-21 |
出願番号 | 商願昭62-114484 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(110)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 上田 克已、有阪 正昭 |
特許庁審判長 |
廣田 米男 |
特許庁審判官 |
柳原 雪身 大島 護 |
登録日 | 1990-08-30 |
登録番号 | 商標登録第2256883号(T2256883) |
商標の称呼 | ロケーター |
代理人 | 青木 朗 |
代理人 | 宇井 正一 |
代理人 | 勝部 哲雄 |