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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない 007 |
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管理番号 | 1053896 |
審判番号 | 審判1998-1954 |
総通号数 | 27 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-03-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1998-02-06 |
確定日 | 2002-01-24 |
事件の表示 | 平成8年商標登録願第15822号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「SG SV」の文字を書してなり、第7類「プランジャーポンプ」を指定商品として、平成8年2月19日に登録出願されたものである。 2 原査定での拒絶の理由の要旨 これに対し、原査定は、「本願商標は、商品の規格、品番等を表す記号、符号等として普通に用いられているローマ文字二文字である「SG」及び「SV」を間隔を置いて書してなるにすぎないことから、結局、全体としても、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなるものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。 3 請求人の主張 請求人は、原審において、甲第1号証ないし甲第5号証(枝番を含む。)を提出し、原審の意見書及び当審の請求の理由において要旨次のように述べて、本願商標は、使用による顕著性を獲得していると主張している。 a)本願商標は、請求人により、「プランジャーポンプ又はプランジャ型ポンプ」に永年、継続使用をし、ユーザーによく知られているものである。 b)需要者が大企業などの法人であるこの分野では、品番・規格そのものが商品そのものを示すように作用して商標としての機能を持ち始めることは普通の現象であり、本願商標は、当初は、品番として使用されていたが、その後、本願出願人のプランジャ型往復動ポンプを言い表すようになった。 c)出願人の主たる業務は、全世界にまたがるボーリング工事であり、地盤改良のためのものも含み、該工事の効率をあげるために、本願ポンプが重要な役割を果たしている。 d)本願商標「SG SV」は、例えば「SG-75SV」のように使用される。本願商標はもともと品番であったため、SGシリーズの商品を細分化する必要があり、SVは、当初はインバータモータによる駆動を意味していたが、品質の同一性を保証するために不可欠な表示になっている。「SG」と「SV」の間に間隔があることの意味は、ユーザーに広く知れ渡っている。 e)レンタルカタログ(甲第4号証の2)には、出願人の超高圧ポンプのSG-200SVが品番としてでなく商品名称として掲載されており、この品番により商品が特定されている。 f)日経コンストラクション(甲第4号証の19)に、出願人ポンプのSGシリーズが出願人の製品として宣伝及び報道され、「SG-120SV」の文字が付されたポンプが掲載されている。 g)品番が昇格して商標化することが普通に行われる当該業界では、更に細分化した品番の第2商標化が行われる。SVがあるかないかは、当業者間では死活問題であり、工事後の地盤の沈下を起こすおそれを含んでいる。 h)「SG SV」は、現実の使用形態と少し違い、実際には両文字の間のスペースに数字が挿入される。「SG」部分に顕著性があり、したがって、「SG SV」にも顕著性がある。 4 当審の判断 (1)本願商標は、前記記載のとおり、ローマ文字2文字の「SG」と「SV」を一文字程度のスペースを設けて表示したものであって、全体として特定の意味合いを表す語ないし表示とも認められないものである。 そして、ローマ文字2文字からなる表示は、本願商標の指定商品について、もっぱら商品の種別、型式、規格などを表わすための記号、符号として取引上普通に採択・使用されている実情がある。 そうしてみれば、本願商標は、商品の記号・符号である「SG」及び「SV」からなるといえるものであるところ、これを本願商標の指定商品に使用する場合、これに接する取引者・需要者は、商品の種別・型式及び規格を表示する記号・符号の一類型として認識するにとどまるものといい得るから、本願商標は極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標といわなければならない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する商標である。 (2)請求人は、前記3のとおり、本願商標は使用による顕著性を獲得している旨を主張しているが、使用による識別力(顕著性)を有するに至った商標として登録が認められるのは、その商標と同一の商標及びその商標を使用していた商品と同一のものに限られると解される(商標審査基準改訂第7版15頁、発明協会発行、特許庁商標課編集)。したがって、出願に係る商標が、実際の使用に係る商標(以下「使用商標」という。)と同一でなくその一部に含まれる場合は、出願に係る商標については、原則として使用により識別力を有するに至った商標と認めることができない。 そこで、本願商標と使用商標との同一性についてみるに、本願商標は、ゴシック体で書された「SG SV」の文字であるのに対し、これら文字を含む使用商標は、請求人の提出に係る甲各号証において2点見出すことができるが、これらは、「SG-200SV」(甲第4号証の2)、「SG-120SV」(甲第4号証の19)であって、本願商標とこれら使用商標は同一とは認められないものである。 以上のとおり、請求人の提出した証拠によっては、本願商標と同一の商標が使用されている事実を認めることはできないものであり、他に、請求人の主張を認めるに足る資料又は証拠もないから、本願商標それ自体が使用による識別性を有するに至っているものとすることはできない。 (3)したがって、本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当し同法第3条2項には該当しないとした原査定の認定、判断は、妥当なものであって取り消すべき理由はない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2001-11-07 |
結審通知日 | 2001-11-20 |
審決日 | 2001-12-03 |
出願番号 | 商願平8-15822 |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(007)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 林 栄二 |
特許庁審判長 |
為谷 博 |
特許庁審判官 |
村上 照美 保坂 金彦 |
商標の称呼 | エスジイエスブイ |
代理人 | 円城寺 貞夫 |
代理人 | 富崎 元成 |