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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない 009 |
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管理番号 | 1052050 |
審判番号 | 不服2000-8151 |
総通号数 | 26 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-02-22 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-04-24 |
確定日 | 2001-12-18 |
事件の表示 | 平成8年商標登録願第51866号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「INTERWORLD」の欧文字を書してなり、第9類「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク,その他の電子応用器具及びその部品」を指定商品として、平成8年5月14日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定において、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして引用した登録第3250789号商標(以下、「引用商標」という。)は、後掲に示すとおりの構成よりなり、平成6年7月15日に登録出願、第9類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路,磁気ディスク,磁気テープその他の周辺機器を含む。)」を指定商品として、平成9年1月31日に設定登録されたものである。 3 審判請求の理由(要旨) 本願商標は、「〜間の」、「〜の中で」等の語義を有する接頭語「INTER」が付された英語であり、「INTERNATIONAL」や「INTERNET」の英語が、それぞれ「国家間の・国際上の」や「通信ネットワーク相互の結合体」を意味する言葉として「インターナショナル」や「インターネット」のように通常の日本語として使用されている今日において、「世界間を結ぶもの」あるいは「地球的規模」を意味するであろうと誰にでも認識される語からなる。 一方、引用商標は、英語には無い「INTA」の文字を英語「WORLD」の頭に付した造語であると思われる。人や土地その他の名前を「WORLD」の頭に付けて、その名前と関係の深い事柄や作品を「〜の世界」を名乗ることはよく行われており、引用商標もそうした語として、例えば「印田の世界」のように認識される可能性がある。 本願商標と引用商標に対する需要者による認識の相違は、単に観念においてのみ言えることではなく、称呼においても同様である。すなわち、称呼において、「インター」の付された語に慣れ親しんでいる需要者にとって、「インター」の付された本願商標は、素直に受け入れられるのに対し、「インタ」が付された引用商標は、需要者にとって聞き慣れない語として受けとめられ、両者は、単に第3音が長音であるか否かの相違以上の差異を需要者に印象付けるものである。また、第4番目5番目の文字が「E」「R」である本願商標と、第4番目の文字が「A」である引用商標とは、外観において相互に非類似である。 4 当審の判断 本願商標は、その構成前記のとおり「INTERWORLD」の文字よりなるものであるところ、その構成文字に相応して「インターワールド」の称呼を生ずるものである。そして、請求人が述べるが如く、全体として、常に「世界間を結ぶもの」あるいは「地球的規模」の意味合いをもって取引者・需要者に理解、把握されるものともいい難く、むしろ、格別親しまれた語義、観念を看取し得ない一種の造語商標として認識され、取引に資されるとみるのが自然である。 これに対して、引用商標は、後掲に示すとおり、やや図案化してなるとはいえ、容易に「INTAWORLD」の欧文字により構成されてなるものと看取できるから、その構成文字に相応し「インタワールド」の称呼を生ずるものであり、かつ、特定の語義、観念を生じ得ない造語商標といえるものである。 そこで、本願商標より生ずる「インターワールド」と、引用商標より生ずる「インタワールド」の両称呼を比較検討するに、両者は、「インタ」「ワールド」の音を同じくし、異なるところは、前者の第3音目「タ」の音に長音を伴う点を異にするほか、他の音の配列を悉く同じくし、かつ、長音となる部分は弱く響くものであって、必ずしも明確に発音、聴取されにくい場合の多いものであるから、かかる音構成にあっては該長音の有無は称呼の聴別において微差といえるものである。 そうすると、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合、両者は全体の語感・語調が酷似し、彼此聞き誤るおそれのあるものであるから、本願商標と引用商標とは、称呼において互いに紛れ易く、また、観念の点については比較すべくもなく、その外観の差異を考慮するとしてもなお、その出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。 そうすると、本願商標は、引用商標と商標において類似し、かつ、指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、結局、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといわざるを得ない。したがって、これを理由に本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。 なお、請求人(出願人)は、原審における上申書において、引用商標の譲渡交渉を理由に審査の猶予を求め、さらに、審判請求理由において、商標法第50条に規定された審判を請求すべく準備を進めているところである旨述べるているが、相当期間が経過した現在に至るも、その進展がないことは、引用商標に係る登録原簿に該審判請求がなされないところから明かであり、今後の不確定要因を理由にこれ以上本件の審理を遅滞させるべき理由はないものと判断し、結審した。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
引用商標 |
審理終結日 | 2001-07-10 |
結審通知日 | 2001-07-13 |
審決日 | 2001-07-27 |
出願番号 | 商願平8-51866 |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(009)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 柳原 雪身、池田 光治 |
特許庁審判長 |
小松 裕 |
特許庁審判官 |
大川 志道 高野 義三 |
商標の称呼 | インターワールド |
代理人 | 大橋 邦彦 |