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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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取消200130333 | 審決 | 商標 |
取消200630868 | 審決 | 商標 |
取消2009301023 | 審決 | 商標 |
取消200330505 | 審決 | 商標 |
取消2009301094 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 040 |
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管理番号 | 1051990 |
審判番号 | 取消2000-31176 |
総通号数 | 26 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-02-22 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2000-10-04 |
確定日 | 2001-12-25 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第3249637号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第3249637号商標(以下「本件商標」という。)は、「こども写真城」の文字を書してなり、平成5年11月4日登録出願、第40類「写真用フィルムの現像,写真の引き伸ばし,写真の焼付け,映画用フィルムの現像,布地・被服又は毛皮の加工処理(乾燥処理を含む。),裁縫,ししゅう,電気めっき,フライス削り,焼きなまし,焼戻し,溶融めっき,製本」を指定役務として、平成9年1月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 2 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。 (1)本件商標は、請求人の確認したところ、原簿に使用権者の登録もなく(甲第1号証参照)、本請求前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれもが、その請求にかかる役務について使用していないものである。 したがって、本件登録商標は商標法第50条の規定により取り消されるべきものである。 (2)被請求人は、写真の引き伸ばし並びに写真のカレンダーやハガキ等への仕上げに本件商標を使用している証拠として、乙各号証を提出し、本件商標が少なくとも役務「写真用フィルムの現像」、「写真の引き伸ばし」及び「写真の焼付け」について使用されていると主張している。 ところで、第40類の役務は、社団法人発明協会発行の「商品及び役務区分解説改訂第3版」に記載されているとおり、「物品の加工その他の処理」であるが、この区分に含まれている「写真用フィルムの現像、写真の焼付け、写真の引き伸ばし」とは、顧客が自分で撮影した写真用フィルムを店舗等に持参し、顧客の依頼に応じてそのフィルムを現像したり、焼付けたりまたは引き伸ばしたりする役務である。 これらの写真は、一般に、顧客自身のカメラ、フィルムを用いて撮影されるものであり、現像後のフィルムは顧客に返却されるもので、顧客はネガを用いて自由に焼き増しや引き伸ばしの注文を行うことができる。 しかしながら、被請求人の提出した乙各号証に示されている役務は、顧客がスタジオに出向いてカメラマンに撮影してもらい、その写真を受け取るというものであるから、このような役務は第42類「写真の撮影」に該当する。 第42類の「写真の撮影」において、例えば写真館における「写真の撮影」の場合には、専用のスタジオにおいてカメラマンが専用の機材で撮影し、それを焼き付けた写真が顧客に提供される。また、一般に、四つ切りや八つ切りといった大きさの違いなどに応じて価格が設定されており、撮影に用いられたフィルムは顧客に返却されず、その代わりに、一定の期間、顧客の依頼に応じて写真の焼き増しを行う。 したがって、乙各号証にあるように、スタジオに撮影用衣装を用意し、着付けやメイクを無料で行ったのちに多数のホースでの撮影をカメラマンが行い、顧客の希望する画像を焼き付けて提供するというシステムは、写真館で提供される役務、すなわち第42類の「写真の撮影」に該当するものであり、無料で提供される衣装やヘアメイク、またアルバムやカレンダーという写真の仕上がりについての種類の豊富さは、役務「写真の撮影」の付加価値を高めるための付属的なものであるとするのが相当である。 実際、乙第3号証には、「従来の写真館にはなかった新しいシステム。」との記載があり、写真館であることが示唆されているし、乙第4号証の下部に記載された「撮影したフィルムの著作権は当スタジオにございます。」との文言からは、一般の写真館と同様、撮影済フィルムを返却しない方式であることが推測される。 (3) また、被請求人は、乙第7号証のキーホルダーを、「顧客の注文に応じて写真をキーホルダーの形に仕上げたもの」と主張しているが、一般に、顧客の写真を加工してキーホルダーを作成する場合、加工店の店名は表示されないか、もしくは小さく表示されるものであり、乙第7号証に示されるようにキ一ホルダーの裏面全体に大きく表示されることは少ない。このことから、乙第7号証は、乙各号証のパンフレット類に記載されているような、被請求人の役務「写真の撮影」の提供を受けた顧客に対する、役務の広告のためのフレゼントであるものと推測する。 更に被請求人は、乙第5号証及び乙第6号証が、乙第3号証の出荷明細及び請求書の写しであると主張しているが、乙第3号証と「グランドパンフレット」を結びつける記載がなく、乙第3号証は、いつどこに配布されたものか特定し得ない。 (4)以上の理由により、本件商標は審判請求の登録前3年以内に、「写真用フィルムの現像」、「写真の引き伸ばし」、「写真の焼き付け」、その他本件請求にかかる役務について使用されていないものであり、商標法第50条の規定により取り消されるべきものとするのが相当でる。 3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求め、請求の理由に対する答弁を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第19号証(枝番を含む)を提出した。 (1)本件商標の使用について (ア)本件商標「こども写真城」は、被請求人である(株)スタジオアリスが平成4年に第1号店を開店し、以後全国展開を開始した子供写真館において、被請求人所有の登録商標「スタジオ・アリス」(登録第3249639号)及び「AIice」(登録第3249638号)とともに使用されているものである。 この写真館は、撮影場所を外部からオープンにし、被請求人の所有に係る特許発明に係る機器を用いることにより、独自のシステムを採用するなど、その従来までの写真館にはないユニークさも相俟って、以後全国的に急成長を遂げ、平成12年11月現在、直営店及びフランチャイズ店を合わせて212店舗を数えるに至る(乙第1号証)。 (イ)本件商標の使用の態様 本件商標は被請求人及び被請求人から使用許諾を受けたフランチャイズ店が、役務「写真用フィルムの現像」、「写真の引き伸ばし」及び「写真の隣付け」について継続して使用をしているものである。 (a)まず、被請求人が全国展開する上記子供写真館は、いずれの店舗もショッピングセンター内に在ることから、店舗入口がオープンな形になっており、この入口上部には、本件商標「こども写真城」が大きく表示されている(乙第2号証)。 また、店舗入口のカウンターには全店舗共通のパンフレット(以下「グランドパンフレット」という)及び店舗名が記載された各店独自のカードが置かれている(乙第3号証及び同第4号証)。 これらには、写真の引き伸ばし並びに写真のカレンダーやハガキ等への仕上げについての広告がなされており、本件商標が少なくとも役務「写真用フィルムの現像」、「写真の引き伸ばし」及び「写真の焼き付け」について使用されていることを明示するものである。 そして、このパンフレットが全国各店舗に大量に頒布されていることを示す資料として、グランドパンフレットの出荷明細の写し及び印刷会社からの請求書の写しを提出する(乙第5号証及び同第6号証)。 これによれば、グランドパンフレットは平成12年10月分のみで74000枚が全国34店舗に出荷されている。 なお、ここに本件商標が上記役務に使用されている事実を示す資料として、顧客の注文に応じて写真をキーホルダーの形に仕上げたものの写真及び焼き増した写真を顧客に手渡す際に入れる袋の写真を提出する(乙第7号証及び同第8号証)。 (b)また、被請求人は、七五三、端午の節句等にあわせてキャンペーンを行い、チラシを大量に頒布しており、これについても上述のグランドパンフレット等と同様に、写真の引き伸ばし等の値段が明示されている。 これらチラシは全国各地の店舗の単独の形、あるいは複数の店舗の連名の形で定期的に発行されている。 このことを証明する資料として、平成12年の七五三キャンペーンチラシ(乙第9号証)、並びに平成10年10月の福井店単独で発行した七五三キャンペーン用のチラシ写し(発行枚数8,365,000枚)と、平成9年10月の宇都宮店、小山店、久喜店、春日部店、大宮店、川口店、所沢店が連名となって発行した七五三キャンペーン用チラシの写し(発行枚数11,6 23,710枚)と、平成11年10月の天白焼山店のりニューアルオープン及び七五三キャンペーン用のチラシの写し(発行枚数8,138,320枚)を提出する(乙第10号証乃至同第12号証)。 そして、これらのチラシについての印刷会社からの請求書の写しを提出する(乙第13号証乃至同第15号証)。 さらに、被請求人は、新店舗のオープンに際しても、キャンペーンを行い、チラシを大量に頒布しており、これについても上述のグランドパンフレット等と同様に、写真の引き伸ばし等の値段が明示されている。 なお、新店舗オープンキャンペーン時には、近隣の店舗についても併せて同一のチラシにて広告をしている。 このことを証明する資料として、平成12年10月の近江八幡店オープンの際に発行したチラシ(発行枚数271,000枚)及び平成12年10月の青森イトーヨーカドー店オープンの際に発行したチラシ(発行枚数282,715枚)を提出する(乙第16号証及び同第17号証)。 そして、これらのチラシについての印刷会社からの請求書の写しを提出する(乙第18号証)。 以上から明らかなように、被請求人は、各店舗について、定期的に本件商標を表示したチラシを大々的に頒布することにより、本件商標を役務「写真用フィルムの現像」、「写真の引き伸ばし」及び「写真の焼増し」について使用しているものである。 (c)また、被請求人が展開する各店舗は、独自にインターネット等の媒体を用いて広告宣伝をしており、この中においても本件商標は使用されている(乙第19号証)。 (2)以上のように、被請求人は審判請求の登録前3年以内に、本件商標を少なくとも役務「写真用フィルムの現像」、「写真の引き伸ばし」、「写真の焼き付け」について使用していることが証明され、商標法第50条の取消事由は何ら見当たらない。 4 当審の判断 被請求人の提出の乙第号10証「全国に広がる…こども写真城 スタジオ・アリス 七五三キャンペーンのチラシ」によれば、その中央部左に「こども写真城」の表示があり、その右下に「12月1日(月)〜平成10年1月31日(土)までの期間中、七五三写真2,500円以上お買い上げの方に…」の記述が認められる。 また、乙第号3証「グランドパンフレット」によれば、裏面の中央部に七五三用のパンフレット部分が認められる。 さらに、乙第5号証の「出荷明細」によれば、2000年10月分として各出荷店名の記載が認められ、同第6号証の広告代理店「株式会社アドビジョン」から「株式会社スタジオアリス」への「請求書」によれば、「グランドパンフレット、各店カード(キャンペーン掲載分)」等の具体的単価、金額の掲載が認められるものである。 以上の各乙号証を総合勘案すれば、本件商標は、被請求人によって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標を指定役務中の「写真用フィルムの現像,写真の引き伸ばし,写真の焼付け」について使用していたものといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、商標法50条の規定によりその登録を取り消すことはできない。 なお、請求人は、被請求人の提出した乙各号証によれば、被請求人の行っている役務は第42類「写真の撮影」であって、該役務の付加価値を高めるための付属的なものが含まれている趣旨の主張をしている。 しかしながら、被請求人の提出に係る乙第号10証「…七五三写真2,500円以上お買い上げの方に…」及び乙第号3証「グランドパンフレットの写真選び」中の「…お好きな組み合わせ・枚数でご注文いただけます。…」の記述並びに市場において日々新しい役務、複合的役務等が出現している実情よりすれば、請求人の主張は、採用することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2001-10-15 |
結審通知日 | 2001-10-18 |
審決日 | 2001-11-09 |
出願番号 | 商願平5-111721 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(040)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 今田 三男 |
特許庁審判長 |
野本 登美男 |
特許庁審判官 |
宮下 行雄 米重 洋和 |
登録日 | 1997-01-31 |
登録番号 | 商標登録第3249637号(T3249637) |
商標の称呼 | コドモシャシンジョー |
代理人 | 森 厚夫 |
代理人 | 西川 惠清 |