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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない 003
管理番号 1050315 
審判番号 審判1998-8047 
総通号数 25 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-05-15 
確定日 2001-11-14 
事件の表示 平成8年商標登録願第89435号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「Hair Esthe」の文字と「ヘアエステ」の文字を二段に横書きしてなり、第3類「頭髪用化粧品,頭髪用シャンプー」を指定商品として、平成8年8月8日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定において、『本願商標は、英語若しくは外来語で「頭髪」を看取させる、“Hair”の欧文字と「ヘア」の仮名文字と、英語若しくは外来語で“AESTHETIC(SALOON)(英語では、BEAUTY SALOONと同義)”,「エステ(ティック)サロン」の略称として直感される、“Esthe”の欧文字と、「エステ」の仮名文字とを各態様に応じて二段に、普通に用いられる域を脱しない方法で書してなるところ、“Hair”の欧文字部分・「ヘア」の仮名文字部分は、指定商品の品質・用途(頭髪用)を表す部分であり、“Esthe”の欧文字部分・「エステ」の仮名文字部分は、指定商品の用途(エステ[ティック]サロン用、若しくは美容院(英:Beauty saloon)用)を想起させる部分であり、指定商品の品質・用途(例:「エステ用」,「エステ化粧品」等)を表す語としても、選択使用されていることから、本願商標全体としては、「エステティックサロン(美容院用)用の頭髪用化粧品・シャンプー」程の意味合いを表すに止まるものといわざるを得ない。しかして、このようなものを、本願指定商品中、例えば「エステティックサロン(美容院用)用の頭髪用化粧品・シャンプー」等に使用しても、単に商品の品質を表すにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。』旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、「Hair Esthe」とその表音と認められる「ヘアエステ」の文字を二段に横書きしてなるところ、その構成中の「Hair」及び「ヘア」の文字部分は、「頭髪、髪の毛」の意味を有する英語であって、他の文字との組み合わせにより、例えば、「hair care(髪の手入れ)」、「hair color(髪染め)」のように使用されている。
また、その構成中の「Esthe」及び「エステ」の文字部分は、「美学の、美的」の意味を有するフランス語「esthetique」の文字の略称であって、「美学、美容」の意味合いを表すものとして使用されているところである。
そうすれば、本願商標は、「Hair Esthe」とその表音と認められる「ヘアエステ」の文字を二段に横書きしてなるものであるから、これより、「頭髪の美容、髪の毛の美容」の如き意味合いを容易に理解し把握するというを相当とする。
そして以上のことは、例えば、1989年4月6日発行の日経流通新聞 16頁に『フェブライオ・ディ・アレスのシャンプー&トリートメント---髪を健康に(売れ筋)』の見出しで、『・・・・・息の長いブームになっているロングヘア。健康でつややかな髪であってこそ美しさが引き立つが、長時間に及ぶドライヤーの使用などで、枝毛などのトラブルに悩んでいる人が多いのが実情だ。
そうした悩みを持つ女性の間で話題になっているのが、美容サロンなどを経営しているフェブライオ・ディ・アレス(本社東京)が売り出したシャンプーとトリートメント「カピトリーノ」シリーズ。
サルビアやアロエなどの天然植物性保湿成分を含み、傷んだ髪を健康な状態によみがえらす特徴を持つといわれる。昨年十月に全国発売したが、特に「ヘアエステ・カピトリーノ」(二百五十グラム入り三千円)というトリートメントの売れ行きが良く「月に一方五千個のベースで売れている」(同社)。・・・・・』の記事が掲載されている。
また、1992年7月8日発行の日本経済新聞 地方面/首都圏A★に、『指圧や針でヘアエステ-悩み多きOLに人気(ビジネス新風)』の見出しで、『白衣を着た美容師が若い女性客の首筋に針を次々に打ち込んでいく。別室ではカウンセラーが客のストレス状態をチェックしている。この一風変わった美容院は、メンタルヘルスクリニックなどを経営する自然美が千代田区鍛冶町に開いている漢方美髪クリニック。パーマやカットなどに加えて、指圧や針、漢方薬、心理療法を使った青毛、白髪の改善、髪の健康維持などのクリニックを手掛けている。・・・・・』の記事が掲載されている。
さらに、1994年8月23日発行の毎日新聞 東京夕刊 3頁に、『[売れ筋仕掛け人]イオントリートメント 松下電工・神尾陽一氏(55)』の見出しで、『<プロジェクトを率いる、松下電工ビューテイ・ライフ事業部長>
◇スチームで髪(ヘア)エステ
《ヘアドライヤーとは、全くコンセプトが違う製品だが》
イオントリートメントは、髪形を整える器具ではない。スチームの分子(H20)を高電圧により、HプラスとOHマイナスにイオン化し、髪に当ててキューティクルを整えるヘアエステ器具だ。
《どんな機能がある?》
通常のスチームの4分の1、大きさ2ミクロンの粒子が髪の中まで染み込み、髪の水分率を最適な13%に保つようにする。パサパサしがちな髪が、夕方までしっとりとしている。また、シャンプーやパーマでアルカリ性になって傷みがちな髪を、弱酸性にし枝毛や切れ毛になりにくくする効果もある。・・・・・』の記事が掲載されている。
加えて、1994年10月19日発行の日経産業新聞 17頁に、『花王、業務用ヘアケア拡充、高級品の取扱店を倍増-新製品も相次ぎ投入。』の見出しで、『花王は美容室向けのヘアケア製品事業を強化する。昨年に投入した高級品の取扱店数の倍増を目指す一方、代理店ルートの美容室向け商品も刷新する。業務用ヘアケア市場が落ち込んでいる中で、花王は好業績を示している。積極的な新製品攻勢を軸に、四年後にも同事業の売り上げを百億円台に乗せる計画だ。
昨年春に投入したのは技術水準の高い美容室に的を絞ったヘアケア製品の「オークレール・システム・ヘアエステ」。顧客の髪への悩みに対応しコース別にシャンプーやトリートメントをそろえた。業務用市場では一般に代理店を経由して販売するが、ヘアエステは花王が代理店と共同の直販方式で営業活動を展開、美容師の技術講習なども行っている。・・・・・』の記事が掲載されていることからも十分に裏付けられるところである。
そうとすれば、本願商標をその指定商品「頭髪用化粧品,頭髪用シャンプー」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「頭髪用の化粧品,頭髪用のシャンプー」の意味合いの語として、商品の品質、用途を表示したものと認識するに止まり、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
請求人は、「商標法第4条第1項第16号に該当するとの拒絶理由は、本願の指定商品が化粧品、シャンプーを包括的に指定しているものではないので品質の誤認を表示させるおそれは全くない。」旨主張するが、前記のとおり、商標法第3条第1項第3号についての判断に誤りがない以上、同趣旨で拒絶した原査定の拒絶の理由は、妥当であるから、請求人の主張は、理由がない。
以上のとおりであって、本願商標は、全体として商品の品質を普通に用いられる方法により表示した標章のみからなるものといわなければならないから、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は、取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-08-30 
結審通知日 2001-09-11 
審決日 2001-09-25 
出願番号 商願平8-89435 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (003)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 八木橋 正雄 
特許庁審判長 廣田 米男
特許庁審判官 大島 護
柳原 雪身
商標の称呼 ヘアエステ 
代理人 光藤 覚 

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