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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない 025
管理番号 1050290 
審判番号 審判1998-14346 
総通号数 25 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-09-17 
確定日 2001-10-26 
事件の表示 平成6年商標登録願第43550号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(靴合わせくぎ、靴くぎ、靴の引き手、靴びょう、靴保護金具を除く),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く),乗馬靴」を指定商品として、平成6年5月2日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶理由
原審において登録異議の申立てがあった結果、原査定は「登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、『BURTON』の文字よりなる商標(以下、「引用商標」という。)を自己の取り扱いに係る商品であるスノーボード、スノーボード用被服・手袋、バッグ等について使用し、該商標が申立人会社及びその創始者である『ジェイク・バートン』(Jake Burton)の推奨するスノーボード等を表示するものとして商品に付され、発祥地であるアメリカ合衆国をはじめ、我が国を含む世界各国に輸出されており、我が国のこの種業界においても、本願商標の出願時には、取引者、需要者間に広く認識されていたものと認められる。そして、本願商標は、前記の構成よりなるところ、『BURTON』『CLUB』の文字部分が、飛翔している鳥のシルエットの図形の左右に分離して表されていて、この前半の『BURTON』の文字部分が、商品スノーボード、スノーボード用手袋・被服、バッグ等に使用して著名な申立人の引用する商標『BURTON』とは、その綴字を同じくし、称呼を同一にするものである。また、本願の指定商品と申立人の使用に係る商品とは、共に運動用品、ファッション関連の商品として、密接な関係があるものと認められる。してみれば、『BURTON』を含む本願商標を、その指定商品について使用するときは、取引者、需要者をして、該商品があたかも申立人あるいは同人と何らかの関連がある者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

第3 請求人の主張
請求人は、原査定を取り消す、本願商標は登録すべきものとする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第3号証(枝番を含む。)を提出した。
1 本願商標がアメリカのスノーボード・メーカー「The Burton Corporation(ザ・バートン・コーポレーション)」(申立人)の商品と混同すると指摘しているが、この見解に承服できないので次の理由を主張する。
2 請求人所有の商標「BURTON CLUB」(登録第3369956号、第25類)について、申立人より本願商標と同種の理由で「異議申立」を受けたが、特許庁より「理由なし」との審決が下され、申立人の主張は退けられた経緯がある。その他同様の判断を得た請求人所有の登録商標及び出願商標等が存在する。
3 請求人は事業を日本で問題なく行う為に1982年(昭和57年)6月1日から「バルトン/BURTON」商標(登録第664522号、旧第17類)及び「BURTON」商標(登録第1229927号、旧第21類)の「商標使用権許諾契約」を行っていた。
4 申立人は「BURTON」の商標名は自分達によって日本で有名になったと主張しているが、上記国内商標の実施権を請求人が旧第17類については11年間、旧第21類(新18類該当)については平成6年9月30日までの9年間使用していた事を考えると、申立人の主張が正しいとは思えない。
5 「BURTON」商標は請求人が昭和57年から日本国内で展開していたブランドである。ニューヨークの有名なブティック「BURTON Ltd.」社の代表者「BURTON HORN」氏と1982(昭和57)年1月25日にライセンス契約を締結し、現在まで継続して他の商標分類を含めた多数の商品展開を行っている。請求人が昭和61年(1986年)から12年以上に渡り、「BURTON」等商標を国内で使用した事が明らかである。
6 仮に、申立人の「BURTON」のスノーボードが現在日本で著名であるとしても、請求人が展開している「BURTON」の商品は純粋なファッション商品であり、申立人の展開する「スポーツ関連商品」とは売り場も全く異なる。販売店も一般の百貨店や小売店であり、スポーツ専門店を中心とする申立人の商品とは全く関連がない。
7 「BURTON」と言えば申立人であると考えるのは全くの誤りであり、請求人の国内ライセンス展開以外に、日本及び世界で下記の会社が有名である。
(1)「BURTON」は「プレッピー・ファッション」を代表するニューヨークの「ファッション・ブティック」名であって、「プレッピー・ファッション」の代表的ブランドであり、そのオーナー「BURTON HORN(バートン・ホーン)」氏は日本の雑誌でもよく紹介されている。
(2)アメリカで「BURTON」と言えば「バートン・マニュファクチュアリング・カンパニー・インコーポレイテッド社」(フロリダ州)の「ゴルフ・バッグ」が有名であり、日本においては「ダイワ精工株式会社」がその輸入代理店としてそれらの商品を販売している。
(3)イギリスで「BURTON」と言えば「BURTON MENSWEAR」ストア一が有名である。
(4)日本で「BURTON」と言えば「東洋ゴム工業株式会社」の「靴」のブランドとして有名である。
8 昭和57年度から開始した「BURTON」ブランドとは別に平成5年2月1日より展開した新商標の「BURTON CLUB」ブランドの展開は本願商標の出願日より前から行われていた。

第4 当審の判断
1 「BURTON」商標の周知、著名性について
申立人が登録異議申立時に提出した各号証によれば、申立人である「ザ・バートン・コーポレーション」は、米国で1977年に設立されたスノーボード、スノーボード用手袋・被服、バッグ等の製造、販売を中心とした会社であり、会社設立以来、全商品にハウスマーク「BURTON」を約20年間にわたり使用しており、平成8年2月当時において申立人の米国におけるスノーボードの市場(規模約750億円)の占有率は30%以上となっていたことが認められる。
そして、これらの商品は、日本でも1981年より販売が開始され、近時、スノーボードの人気は急激に高まってきているところであり、現在では、埼玉県浦和市所在のバートン・スノーボード・ジャパン(申立人の日本支社)から、全国6市(札幌、仙台、茅ヶ崎、名古屋、大阪、岡山)の販売代理店を通じて全国600の小売店で販売され、申立人の商標が使用されたスノーボードの日本におけるシェアは、第1位の20%以上となっていることが認められる。
そうとすれば、申立人の使用する商標「BURTON」は、遅くとも本願商標の出願時には、申立人の業務に係る商品「スノーボード及びスノーボード関連商品」を表示するものとして、その商品の取引者・需要者の間において広く認識され、その状態は現在に至っても継続しているものと認めることができる。
2 出所の混同の生ずるおそれについて
本件商標は、別掲のとおり、「BURTON」と「CLUB」の文字の間に黒塗りの飛翔している鳥の図形を配してなり、その構成中の「CLUB」の文字は、広く同好の士の集団を意味するごくありふれた日常用語にすぎないものであり、同好の士の種別を表すものと認識され、引用商標と綴りを同じくする「BURTON」の文字を含むものである。
そうとすると、本願商標の指定商品中には、運動用特殊衣服、運動用特殊靴等を含むものであり、これらの商品と引用商標が使用されている商品とは、共に運動用品、ファッション等に関連した商品を含む点において共通しており、請求人が本願商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、申立人の著名商標と共通の「BURTON」の文字に着目し、前記周知になっている申立人の使用に係る商標を連想、想起し、申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品の如くその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。そして、この出所の混同を生ずるおそれは、本願商標の出願時はもとより、現在(審決時)においても認められるものである。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、1982年(昭和57年)1月25日から「BURTON」商標を使用したブランド展開を行っていると述べるとともに、「BURTON」は「プレッピー・ファッション」の代表的ブランドであり、そのオーナー「BURTON HORN(バートン・ホーン)」氏は日本の雑誌でもよく紹介されていること、また、アメリカで「BURTON」と言えば「バートン・マニュファクチュアリング・カンパニー・インコーポレイテッド社」の「ゴルフ・バッグ」が有名であり、イギリスで「BURTON」と言えば「BURTON MENSWEAR」ストア一が有名であり、日本で「BURTON」と言えば「東洋ゴム工業株式会社」の「靴」のブランドとして有名である等、申立人が使用を始めるより前から使用されていたのであるから、申立人が、「BURTON」の名前を独占することはあり得ない旨主張するが、請求人の提出に係る上記に関する証拠をもってしても、引用商標の周知著名性が失われるものと認め難いというべきである。
(2)その他、請求人は、他の登録例、審査例等を挙げて種々主張するところあるも、過去にされた審査例等は具体的、個別的な判断が示されているのであって、必ずしも確立された統一的な基準によっているものとはいえず、仮にその中に矛盾や誤りがあるとしても、過去の審査例の一部の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、これらの点に関する同人の主張は採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するといわざるを得ないから、その理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別 掲


本願商標


審理終結日 2001-07-12 
結審通知日 2001-07-24 
審決日 2001-09-07 
出願番号 商願平6-43550 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (025)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中嶋 容伸涌井 幸一堀内 真一 
特許庁審判長 滝沢 智夫
特許庁審判官 田口 善久
酒井 福造
商標の称呼 バートンクラブ 

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