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審決分類 |
審判 全部無効 商4条1項11号一般他人の登録商標 無効としない 025 |
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管理番号 | 1047526 |
審判番号 | 審判1998-35639 |
総通号数 | 23 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2001-11-30 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 1998-12-16 |
確定日 | 2001-10-11 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4110533号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4110533号商標(以下、「本件商標」という。)は、「NBB」の文字を横書きしてなり、平成8年7月23日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,帽子,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、同10年2月6日に設定登録されたものである。 2 請求人の引用商標 請求人が本件商標の登録の無効理由に引用する登録第1542353号商標(以下、「引用A商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和52年6月21日に登録出願、第22類「はき物、その他本類に属する商品」を指定商品として、同57年9月30日に設定登録され、同じく、登録第1563388号商標(以下、「引用B商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和52年6月13日に登録出願、第24類「運動具、その部品及び付属品」を指定商品として、同58年1月28日に設定登録され、同じく、登録第1601769号商標(以下、「引用C商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和54年10月2日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、同58年7月28日に設定登録されたものであり、いずれも現に有効に存続しているものである。以下、これらの登録商標を一括して述べるときは、単に「引用商標」という。 3 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を無効にする、との審決を求めると申立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第4号証を提出した。 (1)本件商標は、その構成のとおりに「エヌビービー」の称呼を生じ、引用商標もその構成から「エヌビー」の称呼を生ずるものと考えられる。本件商標の称呼「エヌビービー」において最後の「ビー」は直前の「ビー」の繰返しにすぎないから、聴覚上印象に残るのは「エヌ」と「ビー」である。したがって、本件商標と引用商標は、音声を媒介として、かつ、時と所を異にして使用される場合には、需要者等にとって称呼において又は聴覚上において混同を生ずるおそれのある相紛らわしい類似の商標である。 本件商標の指定商品のうち、「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,帽子」は、引用C商標の指定商品と、「靴類,げた,草履類」は、引用A商標の指定商品と、そして「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」は、引用B商標の指定商品とそれぞれ同一又は類似の商品である。 してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条の規定により、その登録は無効とされるべきである。 (2)被請求人による主張は、商標法第3条の規定に基づいての主張を誤って陳述しているとの観を免れがたく、商標法第4条第1項第11号の規定に基づく請求人の理由に反論し得ているものとはいえず、又請求人の理由を覆すものとは考えられない。 4 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求める、と申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第4号証を提出した。 (1)引用商標は、横ストライプ・ローマ文字「N」と、ベタ・ローマ文字「B」とをそれぞれの右ラインと左ラインとで合体させ、全体としてモノグラム(図案化)したものと認識でき、識別標識としての引用商標の主要素は、図案化した外観形状にあるというべきである。 元来、ローマ文字の1字若しくは2字は、識別力のないものとして、また、一個人に独占させることが不適当なものとして登録を受けることができない(商標法第3条第1項第5号)ものであり、それにも拘わらず、引用商標が登録され独占的効力を認められているのは、図案化された外観形状に識別標識としての価値を認められたからであって、ローマ文字の「NB」自体に、或いはその称呼「エヌビー」自体に識別力が認められ独占的権利が認められたものでもない(乙第1号証)。 したがって、引用商標は図形商標として認識されるべきであり、その商標としての識別要素はモノグラム化された外観にあり、観念及び称呼は識別要素として生じ得るものでも、認識判断するべきものでもない。 (2)本件商標は、通常書体(ゴシック体)からなるローマ文字3字「NBB」で構成されており、引用商標と異なり特異な外観形状を有するものではない。 したがって、本件商標は、図形商標ではなく文字商標として認識されるべきであり、その商標としての識別要素は「エヌビービー」なる称呼にあり、観念及び外観は識別要素として生じ得るものでも、認識判断するべきものでもない。 (3)対比する商標が類似するか否かの判断基準として、両商標の外観・称呼・観念の三つの要素が一般的に挙げられているが、引用商標の識別要素は外観にあり、それに対して本件商標の識別要素は称呼にあり、両商標の識別要素に共通するものはなく、外観・称呼・観念の何れの類否判断要素においても、その同一性又は類似性を比較する余地はない。 (4)仮に、引用商標から称呼が生じるものとし、敢えて両商標の称呼について比較すると、「エヌビー」と「エヌビービー」とでは、音数・音調・音節の何れも異なり、比較的短音構成からなる両商標の特質を勘案すれば、相類似するものでないことは明白なところである。 5 当審の判断 本件商標は、前記のとおり「NBB」の文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して「エヌビービー」の称呼を生ずるものであって、特定の観念を有しないものとみるのが相当である。 他方、引用商標は、別掲に示すとおりの構成よりなるところ、やゝ右傾斜した欧文字の「B」と認識される部分の左側に欧文字の「N」を表現したものと認識される十数本の水平方向に延びる黒と白の交互横縞模様を描き、その模様も右方が太く、左方に行くほど細くなるように表し、「N」の右縦字画と「B」の左縦字画を兼ねるように表してなるものであり、全体として「N」の文字と「B」の文字とが極めて一体的に表されている特徴を有するものである。 そして、前記のような特徴を有する構成からなる引用商標に接する取引者、需要者は、特段の事情のない限りその商標の外観構成をもって取引に資するというのが自然であって、引用商標より特定の称呼、観念を生ずるものではないとみるのが相当である。しかして、引用商標が「エヌビー」の称呼をもって取引に資されているとの証拠は提出されていないし、また、見出すこともできない。 そうとすれば、両商標は、外観、称呼、観念のそれぞれを総合的に考察しても、類似するとみるべき要素はないといわなければならない。 また、仮に、請求人の主張するように、引用商標から「エヌビー」の称呼が生じた場合を想定しても、「エヌビー」の称呼と本件商標から生ずる「エヌビービー」の称呼とは、両商標のそれぞれの外観構成の相違を考慮すれば、相違する音構成の差により十分区別できるというべきであり、結局、両者は非類似の商標といわざるを得ないものである。 してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼、観念のいずれの点においても類似しないものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。 したがって、本件商標は、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効にすることはできない。 よつて、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別 掲 引用A・B・C商標 |
審理終結日 | 2001-04-20 |
結審通知日 | 2001-05-08 |
審決日 | 2001-05-31 |
出願番号 | 商願平8-82040 |
審決分類 |
T
1
11・
26-
Y
(025)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 岩浅 三彦 |
特許庁審判長 |
三浦 芳夫 |
特許庁審判官 |
中嶋 容伸 滝沢 智夫 |
登録日 | 1998-02-06 |
登録番号 | 商標登録第4110533号(T4110533) |
商標の称呼 | エヌビイビイ |
代理人 | 風間 弘志 |
代理人 | 倉内 基弘 |
代理人 | 野原 利雄 |