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審決分類 審判 一部無効 商4条1項11号一般他人の登録商標 無効としない 009
管理番号 1047314 
審判番号 無効2000-35383 
総通号数 23 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-11-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-07-14 
確定日 2001-09-21 
事件の表示 上記当事者間の登録第4198482号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4198482号商標(以下、「本件商標」という。)は、「FlexSys」の欧文字を横書きしてなり、第9類「配電用又は制御用の機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,火災報知機,盗難警報器」を指定商品として、平成9年2月12日に登録出願、同10年10月16日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の引用商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第2312068号商標(以下、「引用商標」という。)は、「FLEXISIS」の欧文字を横書きしてなり、第11類「電気通信機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和63年2月12日に登録出願、平成3年6月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について、その登録を無効にする、との審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証を提出している。
本件商標は、「FlexSys」の態様からなるものであり、「フレクシス」の称呼が生じるものである。
一方、引用商標は、「FLEXISIS」の態様からなるところ、前半部の「FLEXI」の文字部分からは「フレキ」の称呼が生じ、後半部の「SIS」の文字部分からは「英語逆引き辞典」(甲第4号証)において明らかなとおり、英語の語尾で使用される場合の「SIS」の文字は、いずれも「シス」と称呼される場合が殆どであり、該文字部分からは、「シス」の称呼が生じるものである。
してみれば、通常の取引者又は需要者は、引用商標全体として、「フレキシス」と称呼するものである。
そこで、本件商標から生じる「フレクシス」の称呼と、引用商標から生じる「フレキシス」の称呼を比較すると、両者はともに同数音の称呼からなり、相違する1音が50音図の同行に属することから、明らかに類似しているものである。また、本件商標の指定商品のうち、「電気通信機械器具、その他本類に属する商品」は、引用商標の指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」と同一である。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と重複した商品があるにもかかわらず登録されていることから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は、同法第46条の規定により、無効とされるべきものである。

4 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証を提出している。
本件商標は、「Flex」の欧文字と「Sys」の欧文字とを組合せて「FlexSys」としたものである。
これに対して、引用商標は、欧文字の「FLEXISIS」であり、字数が本件商標と大きく異なり、同じ大文字で書してなり、どこで区切るべきか判然としないもので、外観上、両者は明らかに非類似である。
次に、本件商標は、前半の「Flex」から「フレックス」、後半の「Sys」から「シス」等の称呼が生じ、これらを合わせた「フレックスシス」の称呼が生じるのが自然である。なお、請求人は本件商標の称呼を「フレクシス」としているが、本件商標の態様は前半と後半とが分けられている点等が考慮されておらず、このような称呼は困難である。
そうすると、本件商標の称呼「フレックスシス」と引用商標の称呼「フレキシス」とを比較すると、全体の音構成および音数に明らかな差異があり、称呼上、両者は十分に区別される。つまり、生ずる称呼の音数で本件商標は7音、引用商標は5音で、両者は2音の相違があり音数が異なる。また、本件商標と引用商標の先頭音は「フレ」が共通し、また、末尾の音「シス」が共通するとしても、中間の音において、本件商標は「ックス」の3音、引用商標は「キ」の1音であって両者は音数が異なり、しかも音構成も相違し、全体の称呼は類似せず、両者は相違する。
以上のとおり、本件商標は、全体が一体不可分の造語商標であって、引用商標とも異なる。

5 当審の判断
本件商標は、その構成前記したとおり、「FlexSys」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成中の第1文字目及び第5字目の文字を大文字により表してなり、これより「Flex」と「Sys」の文字とを組合せてなるものと容易に看取させるものである。そして、前半の「Flex」から「フレックス」、後半の「Sys」から「シス」の称呼が生じ、全体として「フレックスシス」の称呼を生じるとみるのが自然である。
そして、本件商標の前半「Flex」の文字部分を「フレク」と読む理由は見出せないから、全体として「フレクシス」の称呼が生じる旨、述べる請求人の主張は採用できない。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して「フレックスシス」の称呼のみを生じるものというべきであり、この一連の称呼をもって取引に資されるものとみるのが相当である。
一方、引用商標は、「FLEXISIS」の欧文字を横書きしてなり、これに相応して「フレキシス」の称呼を生じるものと認められる。
そこで、本件商標より生ずる「フレックスシス」の称呼と引用商標より生ずる「フレキシス」の称呼を比較するに、両者は、中間部において「ックス」と「キ」の音の明瞭な差異を有するものであり、明確に聴別できるものであるから、両商標は、称呼上相紛れるおそれはないものである。
さらに、両商標の構成は前記のとおりであるから、外観については区別することのできる差異を有し、また、観念においても両商標は、共に特定の観念を生じない造語と認められるものであるから、観念上比較できない。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれにおいても非類似の商標といわざるを得ない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項によりその登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 本件商標




引用商標


審理終結日 2001-06-29 
結審通知日 2001-07-05 
審決日 2001-07-23 
出願番号 商願平9-13914 
審決分類 T 1 12・ 26- Y (009)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 小松 裕
特許庁審判官 高野 義三
大川 志道
登録日 1998-10-16 
登録番号 商標登録第4198482号(T4198482) 
商標の称呼 フレックスシス 

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