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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない 018 |
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管理番号 | 1047245 |
審判番号 | 審判1998-12583 |
総通号数 | 23 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2001-11-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1998-08-10 |
確定日 | 2001-08-29 |
事件の表示 | 平成 6年商標登録願第 11873号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「ジャン フランコ アルマーニ」の片仮名文字と「GIAN FRANCO ARMANI」の欧文字を二段に横書きしてなり、第18類「かばん類、袋物、携帯用化粧道具入れ、かばん金具、がま口口金、傘」を指定商品として、平成6年2月10日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原審において、登録異議の申立てがあった結果、原査定は、「本願商標は、イタリアの服飾デザイナーとして世界的に知られているジョルジョ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)及び同人の設立に係る関連会社等(以下、申立人等という。)がその取扱いに係る商品『紳士服』等に使用し、取引者、需要者の間に広く認識されている『ARMANI/アルマーニ』の文字をその構成中に有してなるものであるから、本願商標その指定商品について使用するときは、前記実情よりして該商品が申立人等あるいは同人と何等かの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。 3 請求人の主張の要点 本願商標を構成する「ジャン フランコ アルマーニ/GIAN FRANCO ARMANI」は、上段の文字は同じ書体、同じ大きさで、また、下段の文字は同じ間隔で書記されているものであるから、本願商標は、「ジャンフランコアルマーニ」と一連に称呼される商標である。また、本願商標を称呼した場合、淀みなく「ジャンフランコアルマーニ」と称呼し、その意味を推考したとき、イタリア人の名前であろうと推察させるものであるから、フルネームで称呼し、理解されるものと判断するのが妥当である。 本願商標の登録出願前に使用されている商標は、「GIORGIO ARMANI」であって、「ARMANI」「アルマーニ」が商標と使用され著名となっている事実はない。 本願商標の指定商品と「GIORGIO ARMANI」が使用されている商品「衣料」とは、材料、製造過程、流通等をみても両商品間に関連性は認められない。 したがって、本願商標と申立人等の使用に係る商標とは非類似であり、本願商標は著名な標章を含むものではなく、また、両商標の商品間には何らの関連性も認められないから、商標法第4条第1項第15号には該当しないものである。 4 当審の判断 原審における登録異議の申立てにおいて、申立人が提出した証拠(甲第1号証ないし同第35号証)を総合勘案するに、「GIORGIO ARMANI」(我が国では、「ジョルジョ アルマーニ」又は「ジョルジオ アルマーニ」と片仮名表記されている。)は、イタリアの服飾デザイナーであり、「ARMANI」、「アルマーニ」とも略称され、また、同人のデザインした商品は「紳士服、婦人服、ジャケット、ネクタイ、帽子」等の広範囲のファッション関連商品に及ぶということができる。そして、これらの商品は、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジョ・アルマーニ」、「ジョルジオ・アルマーニ」の各文字をからなる商標(ブランド)を使用した商品として紹介され、我が国においては、遅くとも本願商標の登録出願時までには、これらの商品の取引者、需要者の間において広く認識され、その状態は現在も継続しているものと認めるのが相当である。 また、同人は、若者向けの普及版ブランド(いわゆる「兄弟ブランド」)として「EMPORIO ARMANI」、「エンポリオ・アルマーニ」(以下、前記の商標と併せて単に「ARMANI」商標という。)を同様にファッション関連商品に使用し、これも取引者、需要者の間において広く知られているということができる。 そして以上のことは、例えば、「服飾辞典」(昭和54年3月5日第1刷文化出版局発行)、「田中千代服飾事典」(1981年4月25日新増補第1刷同文書院発行)、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月25日株式会社講談社発行)、「男の一流品大図鑑’85年版」(昭和59年12月1日株式会社講談社発行)、「世界の一流品大図鑑’85年版」(昭和60年5月25日株式会社講談社発行)、「Hanako」(1988年11月24日号株式会社マガジンハウス発行)、「英和商品名辞典」(1990年第1刷株式会社研究社発行)、「世界の一流品大図鑑’98」(1998年5月30日株式会社講談社発行)、「外国周知商標集(伊編)」(独立行政法人工業所有権総合情報館備え付け)のそれぞれの「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジョ・アルマーニ」、「ジョルジオ・アルマーニ」、「EMPORIO ARMANI」、「エンポリオ・アルマーニ」に関する記述、掲載事項、紹介記事等により十分に裏付けられるところである。 しかして、本願商標は、「ジャン フランコ アルマーニ」及び「GIAN FRANCO ARMANI」の文字よりなるところ、これは、外国人の特定の者の名前として知られているとはいえないものであるから、外国人の名前として常に一連に称呼されるものとは認められず、むしろ、前記の事情からすれば、構成中の「アルマーニ」及び「ARMANI」の各文字に注意を惹かれるということができる。 そうすると、本願商標は、その構成中に「アルマーニ」、「ARMANI」の各文字を有するものと容易に認識させるものであり、前記のように我が国において、遅くとも本願商標の登録出願時までに、「GIORGIO ARMANI」(ジョルジョ アルマーニ)のデザインに係る商品を表示するものとして「ARMANI」商標が紳士服、婦人服等のファッション関連の商品分野の取引者、需要者の間において広く認識されていたものと認められる以上、かかる取引者、需要者が本願商標に接した場合には「アルマーニ」、「ARMANI」の各文字部分に着目して商品の出所について識別するとみるのが相当である。 してみれば、本願商標をファッション関連の商品と認め得る「かばん類、袋物」を含む本願の指定商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、イタリアの著名なデザイナーである「GIORGIO ARMANI」(ジョルジョ アルマーニ)のデザインに係る商品を表示するものとして広く知られる「ARMANI」商標を連想、想起し、同人又は同人の事業と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品(「ARMANI」商標の兄弟ブランドに係る商品)であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれが少なからずあるといわなければならない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2001-06-13 |
結審通知日 | 2001-06-26 |
審決日 | 2001-07-10 |
出願番号 | 商願平6-11873 |
審決分類 |
T
1
8・
271-
Z
(018)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大島 護、涌井 幸一 |
特許庁審判長 |
三浦 芳夫 |
特許庁審判官 |
中嶋 容伸 今田 三男 |
商標の称呼 | ジャンフランコアルマーニ |
代理人 | 石原 庸男 |