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審決分類 |
審判 全部無効 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 無効としない Z25 |
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管理番号 | 1045558 |
審判番号 | 無効2000-35555 |
総通号数 | 22 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2001-10-26 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2000-10-12 |
確定日 | 2001-09-03 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4231114号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4231114号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成9年9月26日に登録出願、同11年1月14日に設定登録されたものである。 2 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 (1)本件商標は、上半部が同一幅にて角ゴシック風に湾曲して描かれ、かつ、下半部は三角形に描かれており、図案化が僅かに施されている。 しかしながら、この程度の図案化では、文法記号(grammatical symbols)としての「クエスチョンマーク」を直感させる表示である。 したがって、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標として商標法第3条第1項第5号に該当し、同法第46条の規定により、無効とされるべきである。 (2)答弁に対する弁駁 被請求人の提出した乙第1号証及び乙第2号証によって、「GUESS」「GUESS?」、又は、「倒立三角形の囲い枠と?との組合せ」が、商標法第3条第2項の「使用による特別顕著性」を主張できたと仮定しても、クエスチョンマークのみからなる本件商標とは無関係である。 乙第3号証の1ないし乙第3号証の6には、「クエスチョンマーク」のみから構成されたものは存在せず、「GUESS」の文字との結合、又は、「倒立三角形の囲い枠」との結合が商標法第3条の要件を充足し登録を受け得たことを示すにすぎない。 3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証(枝番を含む。)を提出した。 (1)特許庁の審査基準の商標法第3条第1項第5号の項に挙げられている例で言えば、単なる○△□といった単純な図形のみならず、月桂樹や盾の図形といったものも、これらのみからなる商標は識別力がないとされている。だからといって、「月桂樹」、「盾」という称呼、観念を生ずる商標は全て識別力がないということにはならない。なぜなら、これらの図形を含み、その称呼、観念を生ずる商標であっても、図案化の度合いや他の構成要素と組み合わせることによって、商標全体として識別力を発揮し得る商標として登録適格性を得るからである。 本件商標の場合も、クエスチョンマークの土台の部分を三角形とすることによって、全体として特徴的な商標としての識別力を発揮しているものである。なぜなら、請求人は、乙第1号証に示すように著名商標,「GUESS」と逆三角形の図形を組み合わせた商標を長年使用してきており、本件商標は、それらの使用商標の中のクエスチョンマークの部分のみを抜き出して登録したものである。これは、クエスチョンマークの部分のみも被請求人の商標として現実に使用され識別力を発揮しているからである(乙第2号証)。 (2)被請求人は、クエスチョンマークを含む図形商標を1980年代から登録して使用しているものである(乙第3号証)。被請求人の「GUESS」商標及びクエスチョンマーク商標は、その業務にかかる商品「被服、靴、バック」等の商標として需要者の間において広く認識されているものであり、現実に識別力を発揮しているものである。 以上のとおり、本件商標は極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標というものではなく、その採択趣旨及び構成が特徴的なものである。したがって、本件商標の登録は商標法第3条第1項第5号に違反してなされたものではない。 3 当審の判断 本件商標は、別掲に表示したとおりの構成よりなるものである。 しかして、その構成は、我が国でも一般に使用され親しまれている、クエスチョンマーク(疑問符)を変形図案化したものであると想起することは否定しないが、通常疑問符として使用されるクエスチョンマークは下半部分を黒丸で描くのに対し、本件商標の構成は、この部分を黒塗の三角形に置き換えて構成された特殊の態様よりなるものであり、全体としてみるときは特異な図形との印象を与えるものである。 してみれば、本件商標より「クエスチョンマーク」の称呼、観念を生ずるか否かはともかく、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標ということはできないものであり、係る構成が自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとも認められない。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第5号に違反して登録されたものではないから、本件商標の登録は商標法第46条第1項の規定により無効とすべきでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
本件商標 |
審理終結日 | 2001-06-27 |
結審通知日 | 2001-07-03 |
審決日 | 2001-07-17 |
出願番号 | 商願平9-161385 |
審決分類 |
T
1
11・
15-
Y
(Z25)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田中 亨子 |
特許庁審判長 |
小松 裕 |
特許庁審判官 |
大川 志道 高野 義三 |
登録日 | 1999-01-14 |
登録番号 | 商標登録第4231114号(T4231114) |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 中谷 武嗣 |