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審決分類 審判 全部無効 称呼類似 無効としない Z14
管理番号 1043495 
審判番号 審判1999-35711 
総通号数 21 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-09-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 1999-11-30 
確定日 2001-07-23 
事件の表示 上記当事者間の登録第4202964号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4202964号商標(以下、「本件商標」という。)は、標準文字による「デムスサンダーテックス」の文字を書してなり、第14類「貴金属、貴金属製食器類、貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振り出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ、貴金属製の花瓶及び水盤、貴金属製針箱、貴金属製宝石箱、貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て、貴金属製のがま口及び財布、貴金属製靴飾り、貴金属製コンパクト、貴金属製の喫煙用具、身飾品(「カフカボタン」を除く。)、カフスボタン、宝石及びその模造品、宝石の原石、時計、記念カップ、記念たて、キーホルダー」及び第26類「組みひも、テープ、リボン、房類、ボタン類、針類、被服用はとめ、衣服用き章(貴金属製のものを除く。)、衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。)、衣服用バッグル、衣服用ブローチ、帯留め、ボンネットピン(貴金属製のものを除く。)ワッペン、腕章、腕止め、頭飾品、靴飾り(貴金属製のものを除く。)、靴はとめ、靴ひも、靴ひも代用金具、造花」を指定商品として、平成9年7月7日に登録出願、同10年10月23日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張の要点
1 請求の趣旨
「本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする」旨の審決
2 請求の理由
(1)主位的請求の理由
審判請求書6請求の理由(ア)乃至(ク)記載のとおり、請求人は平成6年6月から「THUNDERTEX」又は及び「サンダーテックス」なる文字より成る商標を同書記載の商品に使用し、前記商標は、本件商標登録出願前請求人の製造・販売する前記商品を表示するものとして、広く需要者に知られていたものである。また、前記商標と本件商標との類否及び商品の類否については、同書(ケ)及び(コ)の記載のとおりである。
よって、本件商標は法第4条第1項第10号に該当し、商標登録を受けることができないものである。
(2)予備的請求の理由
仮に、上記が理由ないものとしても、請求人の既提出弁駁書記載6.理由中において補足主張したとおり、本件商標は同条同項第19号に該当し、商標登録を受けることができないものである。
(3)本件の経緯
(ア)請求人は、平成6年6月から、「THUNDERTEX」又は及び「サンダーテックス」なる文字より成る商標を使用して、健康法として有用である静電気防止繊維(銅メッキ合成繊維、前記商標は、その象徴的比喩として、請求人代表者の創案に係るものである。)を用いた商品として、人体(手根部、指根部、足根部、足指根部)に巻着する紐並びに5本指先ハーフソックス等の製造、販売を開始し、わが国の各地方にも販売するようになった(甲第1号証及び同第2号証「納品書」は、前記商標使用を開始した時期を証するものである。)。前記「THUNDERTEX」なる商標は、勿論「サンダーテックス」なる称呼を生ずる。
(イ)請求人は、平成7年11月株式会社マキノ出版から健康雑誌「ゆほびか」が創刊されるに際して、該創刊号が特集する「謎の静電気防止繊維」なる記事に関し、同社とタイアップして静電気防止繊維を用いた商品による健康増進に関する情報を提供し、該記事中、請求人の製造・販売する商品の写真の掲載を受けるとともに、「ゆほびか」誌毎月号に綴じ込み通信販売広告欄を設けることとなった株式会社壮快薬品の「通販カタログ」を介して、前記商標を使用して静電気防止繊維を用いた身飾品及び被服類の通信販売を開始するとともに、同社の本店、池袋店、町田店、吉祥寺店、横浜店、堂島店、なんば店、神戸店、福岡店、名古屋店、岐阜店、広島店、札幌店、千葉店を通じて全国的に販売し、このため、前記商標を使用した請求人の商品は、全国に知られるようになった(甲第3号証:ゆほびか創刊号(平成7年12月号)、甲第4号証:ゆほびか平成8年新年号参照)。
(ウ)静電気防止による健康法は、我が国で広く関心が寄せられるようになり、平成7年11月25日には、フジTV番組「土曜大好き」において取り上げられ、「放電Goods特集」として放映されてから同年12月3日日本テレビ「スーパージョッキー」、同月12日広島テレビなど相次いで紹介され(検甲第1号証)、静電気防止繊維を用いた商品が健康増進乃至維持の効果があることが前記「ゆほびか」誌の特集記事と相まち、広く需要者に知られるに至った(商品問い合わせ先として、テレビ局の外、前記株式会社壮快薬品が紹介されており、これらを通じて結局請求人が前記商標とともに需要者に告知された。なお、番組中請求人代表者も出演している。)。
(エ)請求人は、平成8年2月から(イ)に既述の株式会社壮快薬品を経由しての全国に対する通信販売に加えて、同年3月号上に静電防止繊維入り「サンダーテックス」シリーズとして編みひも、ネックレス(房付き)、アイマスク、ブリーフ、ショーツ、五本& 指先ソックス、ひじ・ひざサポーターの広告を開始し、これをその後も継続した。また、同誌同月号は、静電気防止繊維の特集を組み、請求人の製品の効果が引き続き広く紹介された(甲第5号証:ゆほびか同年3月号、甲第6号証乃至8号証はいずれも前記を継続した広告の一部)。
(オ)「ゆほびか」平成8年11月号は、「経絡ミサンガ」なる特集を組み、請求人の製造、販売する三つ編み紐を写真入りで取り上げ、その効能を明確にした。この特集に紹介されている商品が、請求人の前記商標を使用した請求人の商品であることは、同誌上の株式会社壮快薬品の綴じ込み広告及び請求人の広告により明らかとされているばかりか、前記特集記事中においても、「この記事に関する問い合わせは編集部まで、電話03・3818・5098」と掲載し、請求人の商品であることについて問い合わせに応ずる態勢がとられた(甲第9号証:ゆほびか同月号参照)。
(カ)「ゆほびか」平成8年12月号は、「除電健康法」なる特集を組み、請求人の商品を写真入りで掲載し、紹介した。その際、前記商品に加え、請求人の前記商標を使用した包装用箱と「除電ばんそうこう」なる商品を写真入りで掲載した(甲第10号証:ゆほびか同月号参照)。
(キ)「ゆほびか」平成9年6月号は、静電気防止繊維を用いた「イオン靴下」発見なる記事を掲載し、事実上請求人の製造、販売する商品を紹介した(甲第11号証:ゆほびか同月号参照)。
(ク)その後も、請求人は前記商標を使用し、前記商品等の販売努力を重ね、被請求人が本件「デムスサンダーテックス」なる文字よりなる商標登録出願前に、前記商標は請求人の製造・販売する商品を表示するものとして、需要者間に広く認識されていたものである。
この間に前記商標を付して販売された商品は、金189,935,000円にのぼる。
(ケ)商標の類否について
前記商標は、既述のとおり静電気防止繊維を用いた商品を比喩的に象徴する「THUNDERTEX」及び又は「サンダーテックス」なる文字からなり、請求人の製造・販売する商品を表示すものとして広く需要者に知られているものであり、観念、称呼、外観において要部をなすものである。
しかるに、本件商標は「サンダーテックス」なる文字に被請求人の商号の略称「デムス」を付加してなるものであり、従って、前記商標と本件商標は、その要部である「サンダーテックス」を同一にするものである。
(コ)また、前記商標は、請求人の製造、販売する身飾品、被服、サポーター、組みひも、房類等を表示するものである。従って、本件商標の商品及び役務の区分並びに指定商品は、第14類、第26類であり、類似の商品につき使用するものである。
3 弁駁
(1)被請求人は、請求人がいかなる理由により、本件商標につき登録の無効を主張するのか記載がないと主張するが、商標法所定の要件事実を明確に記載しているので、被請求人の主張は理由がない。
(2)被請求人は、請求人の使用する商標「THUNDERTEX」、「サンダーテックス」が広く需要者に知られていることを争うが失当である。
1)被請求人は、甲第1号証及び同第2号証が昭和なる文字を平成に訂正せずに授受されていることをいうが、その訂正を同証の作成者がうっかりしていたことは、容易に推認でき、その証明力を減殺するものではない。
2)被請求人は、商品の類否を論述しているが、「指定商品が類似のものであるかどうかは商品自体が取引上誤認混同の虞があるかどうかにより判定すべきものではなく、それらの商品が通常同一営業主により製造販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認される虞があると認められる関係にある場合には、たとえ商品自体が互に誤認混同を生ずる虞がないものであっても、それらの商標は(旧)商標法第2条第9号にい類似の商品にあたると解するのが相当である(最判昭和36年6月27日、昭和33年(オ)1104号)。」ことを正解しないものというべきである。
3)のみならず、被請求人の主張は、信義則に反するものである。即ち、既述のとおり、「THUNDERTEX」又は「サンダーテックス」なる文字から成る商標は、健康法として有用である静電気防止繊維を用いた商品に使用するため、需要者がイメージし易いよう考慮して、請求人代表者が「THUNDER」と「TEXTILE」とを基として創作したものである。甲第12号証「会計帳簿平成7年乃至平成8年分」に明らかなとおり、請求人の努力により全国的に販売して、前記商標を付した商品として広く知られるに至ったものである。このため、被請求人は請求人の販売する商品に興味をもちみずからもその販売を希望し、件外株式会社糸善から同種商品を仕入れ、販売することとした。請求人は、前記件外会社からその話を聞き、前記商標を使用されることによる、出所の混同を避けるため、被請求人が販売する際に用いる包装箱を製造して件外会社に納品した(甲第13号証)。しかるに、後日判明したことであるが、雑誌BIGLEADERSの1997年(平成9年)3月号において、被請求人代表者はあたかも自らが「ネックレス状に加工」して「デムスサンダーテックス」として販売した旨発言した記事を載せている(甲第14号証。傍線は申請人が記載)。しかし同記事中にある包装箱の写真は甲第13号証のものである。勿論、同包装箱には、「デムスサンダーテックス」なる商標は使用されていない。しかも、後日調査したところ、デイリースポーツ紙平成8年12月19日号の記事(甲第15号証)中に請求人販売に用いる包装箱の写真を登載させ、被請求人が「デムスサンダーテックス」なるネーミングで発売している旨コメントを付させている。しかし、同写真にあるのは、前記のように、請求人が販売用に用いている包装箱(甲第16号証)で、「THUNDERTEX」なる商標が使用され、「デムスサンダーテックス」なる商標は使用されていない。また、甲第17号証(1997年4月8日付フラッシュ)に桑田真澄投手と被請求人代表者とが並んで写っている写真つきの記事があるが、そこでも引用されているのは「サンダーテックス」であって、「デムスサンダーテックス」ではない。このように、被請求人は、「THUNDERTEX」又は「サンダーテックス」なる商標を付した商品が請求人の販売する商品であり、全国的に広く知られていることを知って、これに便乗したものである。
(3)被請求人は、請求人がいかなる理由により、本件商標につき登録の無効を主張するのか記載がないと主張するが、商標法所定の要件事実を明確に記載しているので、被請求人の主張は理由がない。
しかし、請求人はその主張を明確にする。即ち、請求人は、商標法第46条第1項第1号の規定に基づき本件審判を請求するものである。
4 証拠方法
請求人は審判請求書証及び弁駁書に記載のとおり甲第1号証ないし同第16号証及び検甲第1号証を提出した。

第3 被請求人の答弁の要点
1 答弁の趣旨
結論掲記の審決
2 答弁の理由
(1)本案前の申立て
審判請求書はその記載内容に不備があるから却下されるべきである。
1)被請求人は、審判請求書を精査したが、請求人が一体いかなる理由でもって本件商標に対して登録の無効を主張しているのか、審判請求書には何も記載されていないので全く理解できない。すなわち、本件商標「デムスサンダーテックス」が商標法第46条第1項所定のどの規定に違反して商標登録されたというのか、何も記載されていない。さらに言えば、本件商標が商標法第4条第1項第10号の規定に違反して登録されたというのか、それとも同第15号又は第16号の規定に違反しているというのか、という点さえも明らかではない。
2)このような状況であるから、被請求人は、審判請求に対して何も答弁することができず、また答弁をする必要性が認められない。審判請求は、その理由がないことは明らかであるから、商標法第56条で準用する特許法第133条第3項の規定により、審判長の決定によってただちに却下されるべきである。もしそうでないとしても、審判請求は不適法な審判請求であることが明らかであるから、商標法第56条で準用する特許法第135条の規定により、審決をもってすみやかに却下されるべきである。
(2)本案の答弁
請求人が提出した証拠を精査したが「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標はほとんど使用されておらず、周知商標とは認めることができない。
1)請求人は、甲第1号証から甲第11号証及び検甲第1号証をもって、「THUNDERTEX」又は「サンダーテックス」なる商標が本件商標の商標登録出願日(平成9年7月7日)の前から本件商標の指定商品と同一又は類似の商品に使用されておりかつ「THUNDERTEX」又は「サンダーテックス」なる商標が本件商標の商標登録出願日の時点で請求人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたという事実を証明しようとしているのかもしれない。
そこで被請求人は、上記の前提に立って、請求人が提出した全ての証拠を詳しく検討し、各証拠資料に対する被請求人の見解を以下に逐一説明する。
2)甲第1号証及び甲第2号証は、昭和6年6月22日と昭和6年9月14日に発行された伝票であり、このような古い時代から被請求人の商品が存在していた筈はなく、しかも甲第1号証及び甲第2号証には、いずれも伝票発行者の印鑑が押捺されていないので、伝票としての信癒性を欠くものである。したがって被請求人は、甲第1号証及び甲第2号証の証拠としての成立は認めない。
また、仮に証拠として成立するものであるとしても、甲第1号証の数量の項には何が記載されているのか判読できない(強いて読んでも「ダマ用サングロン」としか読めない)ので、甲第1号証が何を示す伝票であるのか全く理解できない。甲第2号証は「5本指先ハーフソックス」という名称の商品と「サンダテックス」という名称の商品に関する伝票である。しかし商品「ソックス」は、商品区分第25類に属する商品であり、本件商標の指定商品とは明らかに非類似の商品である。「サンダテックス」という表示は、仮にこれを商標と解しても、甲第2号証にはただ「サンダテックス」と書いてあるだけであるから、どのような商品についての商標であるのか全く理解できない。
以上の理由によって、被請求人は、甲第1号証及び甲第2号証について、これらがどのような商標についての資料であるにせよ、その商標の使用開始時期を立証する証拠として到底認めることができない。すなわち、甲第1号証及び甲第2号証によっては、「THUNDERTEX」又は「サンダーテックス」なる商標の使用に関して何も証明することはできない。
3)甲第3号証(雑誌「ゆほびか」の1995年12月号(創刊号)の記事)には、「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標を付した商品に関する説明も商品広告も、全く掲載されていない。請求人は、その製造・販売に係る商品の写真が掲載されている旨主張しているが、甲第3号証にはそのような説明は何も記載されておらず、そのことが理解できる写真は何も掲載されていない。
したがって仮に、甲第3号証に請求人の製造・販売する商品の写真が掲載されていたとしても、そのことは「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標を付した商品が販売されていたか否かということとは何も関係がない。その理由は、例えば、甲第3号証の115頁には5本指先ソックスの写真が掲載されているが、仮に、その写真が請求人の販売する5本指先ハーフソックスであったとしても、乙第12号証で立証するとおり、請求人の取り扱いに係る5本指先ハーフソックスの実物、包装袋(セロファン袋)、説明書には「THUNDERTEX」又は「サンダーテックス」なる商標は全く表示されていないからである。このことは、甲第3号証をはじめとする以下の全証拠資料についても言えることであるが、上記の一例が示すように、仮に、請求人の商品が雑誌に紹介されていたとしても、その商品に「THUNDERTEX」又は「サンダーテックス」なる商標が付されているとは限らないので、その雑誌に「THUNDERTEX」又は「サンダ一テックス」なる商標を付した商品が紹介されたことにはならないのである。
以上の理由によって、甲第3号証は「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標の使用に関して何も証明するものではない。
4)甲第4号証(雑誌「ゆほびか」の創刊2号(発行年月日不明)に掲載された壮快薬局の商品広告)には、「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標を付した商品に関する説明は何も掲載されていない。わずかにその広告の中に「サンダー三つ編紐」「サンダー5本指先ソックス」「サンダー房付きネックレス」「サンダーブリーフ」「サンダーショーツ」「サンダーアイマスク」などの「サンダー」印ともいうべき商品の売価などが紹介されているだけである。しかしながら、請求人が使用事実を証明しようとしているのは、「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標であって「サンダー」ではない。
以上の理由により、甲第4号証によっては、「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標の使用に関して何も証明することはできない。
5)甲第5号証(雑誌「ゆほびか」の1996年3月号(創刊4号)の記事)でには、甲第4号証と同様の「サンダー」印商品の広告が掲載されいるが、「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標を付した商品に関する説明は何も掲載されていない。わずかにその43頁に請求人の商品広告が掲載されていて、その上方に「THUNDERTEX」の文字が配してあり、その中ほどに「静電防止繊維入り/サングテックスシリーズ」と書いて、その下に「編みひも」「ネックレス(房付き)」「アイマスク」「ブリーフ(L・M)」「ショーツ(L・M)」「5本指先ソックス」「ひじ、ひざサポーター」と列記してあるだけである。しかしながら、請求人が使用事実を証明しようとしているのは、「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標であって「サングテックスシリーズ」ではない。 また、商品「アイマスク」と「サポーター」各商品は、本件商標の指定商品とは明らかに非類似の商品である。
以上の理由により、本件商標の指定商品に関連して甲第5号証から判明する事実は、1996年(平成8年)3月頃、雑誌「ゆほびか」に掲載された請求人の取り扱いに係る商品「ネックレス(房付き)」と「編みひも」の広告の中に、「THUNDERTEX」の文字と「サングテックスシリーズ」の文字が配されていたということだけである。
6)甲第6号証(雑誌「ゆほびか」の1996年4月号の記事)には、「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標を付した商品に関する説明は何も掲載されていない。わずかに請求人の商品広告が掲載され、その上方に「THUNDERTEX」の文字を配してあり、その中ほどに「静電防止繊維入り/サンダテックスシリーズ」と書いて、その下に「編みひも」「ネックレス(房付き)」「アイマスク」「ブリーフ」「ショーツ」「5本指先ソックス」「ひじ、ひざサポーター」と列記してあるだけである。しかしながら、請求人が使用事実を証明しようとしているのは、「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標であって「サンダテックスシリーズ」ではない。
また、商品「アイマスク」「ブリーフ」「ショーツ」「5本指先ソックス」及び「サポーター」は、いずれも本件商標の指定商品とは明らかに非類似の商品である。
以上の理由によって、本件商標の指定商品に関連して甲第6号証から判明することは、1996年(平成8年)4月頃、雑誌「ゆほびか」に掲載された請求人の取り扱いに係る商品「編みひも」と「ネックレス(房付き)」の広告に「THUNDERTEX」の文字と「サンダテックスシリーズ」の文字が配されていたという事実だけである。
7)甲第7号証(雑誌「ゆほびか」の1996年5月号の記事)には、「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標を付した商品に関する説明は何も掲載されていない。わずかに請求人の商品広告が掲載されていて、その上方に「THUNDERTEX」の文字を配してあり、その中ほどに「静電防止繊維入り/サンダテックスシリーズ」と書いて、その下に「編みひも」「ネックレス(房付き)」「アイマスク」「ブリーフ」「ショーツ」「5本指先ソックス」「ひじ、ひざサポーター」と列記してあるだけである。 しかしながら請求が使用事実を証明しようとしているのは、「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標であって「サンダテックスシリーズ」ではない。
また、商品「アイマスク」「ブリーフ」「ショーツ」「5本指先ソックス」及び「サポーター」は、いずれも本件商標の指定商品とは明らかに非類似の商品である。以上の理由によって、本件商標の指定商品に関連して甲第7号証から判明することは、1996年(平成8年)5月頃、雑誌「ゆほびか」に掲載された請求人の取り扱いに係る商品「編みひも」と「ネックレス(房付き)」の広告に「THUNDERTEX」の文字と「サンダテックスシリーズ」の文字が配されていたという事実だけである。
8)甲第8号証(雑誌「ゆほびか」の1996年7月号の記事)には、「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標を付した商品の説明は何も掲載されていない。わずかに請求人の商品広告が掲載されていて、その上方に「THUNDERTEX」の文字を配してあり、その中ほどに「静電放電繊維入り/サンダテックスシリーズ」と書いてあり、その下に婦人肌着の「ラン型キャミソール」「フレンチ袖キャミソール」「ショーツ」と紳士肌着の「ラン型シャツ」「半袖U首シャツ」「ブリーフ」、及び兼用肌着の「腹巻・ひじ、ひざサポーター」「五本指先ソックス」が列記してあるだけである。しかしながら、婦人肌着も紳士肌着も、兼用肌着の「腹巻」「ソックス」「サポーター」も本件商標の指定商品とは明らかに非類似の商品である。
以上の理由により、甲第8号証は本件商標の指定商品と同一又は類似の商品に「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」なる商標が使用されていたか否か、何も証明するものではなく、本件商標の有効性又は無効性を検討するには全く関係がない資料である。
9)甲第9号証(雑誌「ゆほびか」の1996年11月号の記事)には、「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標を付した商品に関する説明も商品広告も、何も掲載されていない。このように甲第9号証は「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標の使用に関して何も証明するものではなく、本件商標の有効性又は無効性を検討するには全く関係がない資料である。
10)甲第10号証(雑誌「ゆほびか」の1996年12月号の記事)には、「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標を付した商品に関する説明も商品広告も、何も掲載されていない。わずかにその106頁に「ツボに貼るための除電繊維つきばんそうこう」として「THUNDERTEX」と書いた箱とそのツボに貼るための紳創膏の写真が掲載されているだけである。しかしながら、商品「ばんそうこう」は、商品区分第5類に属する商品である。したがって、仮にこの写真が「THUNDERTEX」印のばんそうこうの写真であるとしても、本件商標の指定商品とは非類似の商品の写真にすぎない。すなわち、甲第10号証に掲載されている商品の写真は、本件商標の有効性又は無効性を判断するのに何も関係がないものである。
以上の理由により、甲第10号証は本件商標の指定商品と同一又は類似の商品に「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標が使用されていたか否か、何も証明するものではなく、本件商標の有効性又は無効性を検討するには全く関係がない資料である。
11)甲第11号証(雑誌「ゆほびか」の1997年6月号の記事)の中に「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標を付した商品に関する説明は何も掲載されていない。わずかに請求人の商品広告が掲載されていて、その上方に「THUNDERTEX」の文字を配してあり、その中ほどに「静電放電繊維入り/サンダテックスシリーズ」と書いて、その下に「四つ編みひも」「ネックレス」「アイマスク」「リフレッシュバン」「ひじ、ひざサポーター」「5本指先ソックス」「ブリーフ」「ショーツ」「長ズボン下」及び「五分長ショーツ」「長袖U首シャツ」「スラックス下」「腹巻(男女兼)」「七分袖スリーマ」と列記してあるだけである。しかし前記するとおり、これらの商品は「四つ編みひも」と「ネックレス」を除くと、いずれも本件商標の指定商品とは非類似の商品ばかりである。
以上の理由によって、本件商標の指定商品に関連して甲第11号証から判明することは、1997年(平成9年)6月頃に、雑誌「ゆはびか」に掲載された請求人の取り扱いに係る商品「四つ編みひも」と「ネックレス」の広告に「THUNDERTEX」の文字と「サンダテックスシリーズ」の文字が配されていたという事実だけである。
12)検甲第1号証には静電気の弊害とその防止法を紹介するいくつかのテレビ番組が収録されているだけであり、その中で「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標を付した商品の説明などは一切行なわれていない。わずかに「サンダーロン」という名称の繊維を材料として肌着類やソックスやサポーターやひも類などを作って身につけると、体内の静電気を排出しまたその滞留を防止できる旨の説明が行なわれていることが認められるにすぎない。しかしながら、検甲第1号証のテレビ番組の中で行なわれている説明は、「サンダーロン」という名称の繊維の効能についてであって、「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標を付したネックレスや編みひもなどの説明ではない。
以上の理由により、検甲第1号証によっては、「サンダーテックス」又は「THUNDERTEX」という商標を付した商品が販売されていたか否か、何も証明されるものではない。
13)以上のとおりであって、本件商標の指定商品と同一又は類似の商品に関して、請求人が提出した甲第1号証から甲第11号証及び検甲第1号証までの全ての証拠によって証明できる事実は、1996年(平成8年)3月、4月、5月及び1997年(平成9年)5月の4回、雑誌「ゆほびか」に、請求人の取り扱いに係る商品「編みひも」と「ネックレス」の広告が掲載され、その広告には「THUNDERTEX」の文字と「サンダテックスシリーズ」の文字が配されていたということだけである。
14)しかしながら上記4回の商品広告を見ても、「THUNDERTEX」の文字と「サンダテックスシリーズ」の文字が商品「編みひも」と「ネックレス」に関連して、この商品広告の中でどのような役割を奏しているのか、全く不明である。すなわち、この商品広告に接する者が、ここに表示されている「THUNDERTEX」の文字と「サンダテックスシリーズ」の文字が請求人の商品「編みひも」と「ネックレス」の商標であると理解し、これらの文字を商品「編みひも」又は「ネックレス」を選択する際の手掛かりにするとは到底認めることができない。
15)一般に、商標の周知性は、実際に当該商品にどのような態様の商標が付されていたのか、その商品の販売又は生産数量及び販売又は生産の期間はどれほどか、その広告宣伝はどの程度行なったのかなどを総合して決するものであって、本件のように、わずか4回程度の雑誌広告しか行なっておらず、商品へ付した商標の態様も(商品に商標を表示したという事実さえも)、その商品の販売又は生産数量も、その商品の販売又は生産の期間も、一切明らかにされていない状態では、その商標が周知性を帯びるほど十分に使用されていたと到底認めることができない。
16)商標の使用の事実を証明する資料として、雑誌広告以外のものは何ら提出されていない。このような状態では、「サンダテックスシリーズ」又は「THUNDERTEX」なる商標が本件商標の指定商品と同一又は類似の商品について本件商標の出願前から使用されていてかつ需要者の間に広く知られた状態なっていたという請求人の主張は全く立証されておらず、したがって被請求人が請求人の主張を認めることができないのは当然である。
17)尚、仮に「サンダテックスシリーズ」又は「THUNDERTEX」という商標が本件商標の指定商品と同一又は類似の商品に使用されていたとしても、そのことは本件商標「デムスサンダーテックス」とは何も関係がないことである。被請求人は、本件商標「デムスサンダーテックス」をその販売に係る商品の商標として、当然ながら商標登録をの態様で使用し続けている。本件商標は「デムスサンダーテックス」であり、「サンダテックスシリーズ」と類似しないことは勿論のこと、「THUNDERTEX」(サンダテックスの称呼を生ずるものと認められる)や「サンダテックス」とも非類似のものである。仮に「THUNDERTEX」という商標が「サンダーテックス」と称呼されることがあるとしても、本件商標は「デムスサンダーテックス」であって、まさにその態様で使用されているのであるから「THUNDERTEX」という商標とは当然非類似のものである。
18)以上の次第であり、請求人が甲第1号証から甲第11号証及び検甲第1号証を提出して、「THUNDERTEX」又は「サンダーテックス」なる商標が本件商標の商標登録出願日(平成9年7月7日)の前から本件商標の指定商品と同一又は類似の商品に使用されており、かつ「THUNDERTEX」又は「サンダーテックス」なる商標が本件登録商標の商標登録出願日の時点で請求人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたという事実を証明しようとしているとしても、そのような事実は、これらの証拠によっては到底証明し得ないことが明らかである。
19)したがって仮に、請求人が本件商標に対して、商標法第4条第1項第10号違反を主張しようとしているとしても、その理由がなく、請求人の主張が認められないことは明らかである。
尚、請求人が本件商標に対して、商標法第4条第1項第15号違反又は同16号違反を主張しているなどということは、請求人の提出している全証拠に照らしても、また被請求人の常識からすれば、全くあり得ないことであるから、被請求人はこの点については全面的に否認するが、詳しい理由の説明は省略する。
(3)むすび
以上のとおりであって、請求人の主張はあらゆる角度から検討しても不適切であり、その理由がないことは明らかである。
まず第1に、審判請求書はその記載内容に不備があって、被請求人は答弁致しかねるものであるから、本件審判請求はただちに却下されるべきである。
第2に、請求人が提出した全証拠によっては、1)本件商標の指定商品と同一又は類似の商品について、わずか4回の商品広告が認められるにすぎず、しかも2)その広告の中には「サンダーデックス」なる商標は使用されておらず、さらに3)広告の中の「THUNDERTEX」などの表示が商標として機能しているとは認められないので、請求人の『「サンダーデックス」又は「THUDERTEX」なる商標を本件商標の出願前から周知性認められるほど使用していた』という主張は到底認めることができない。したがって、請求人の商標が周知性を有するとの上記前提に立った請求人の主張は明らかに誤りであり、本件審判請求は何ら理由かない。
第3に、請求人が本件商標の登録出願前から「THUNDERTEX」なる商標を本件商標の指定商品と同一又は類似の商品に使用していたとしても、本件商標は「デムスサンダーデックス」であって、そのとおりの態様で指定商品に使用されており、マスコミや需要者にもその態様で認められており、「サンダーデックス」などと略称されたことはなく、またそのように略称されるおそれもないから、両者は混同されるおそれはない。したがって本件商標は「THUNDERTEX」なる商標とは明らかに非類似のものである。
したがって、請求人が本件商標に対して、商標法第4条第1項第10号違反又は同15号違反を主張しようとしているとしても、その理由がなく、請求人の主張が認められないことは明らかである。すなわち本件商標は、商標法第46条第1項各号に所定するいかなる規定にも該当するものではない。
3 証拠方法
被請求人は答弁書に記載のとおり乙第1号証ないし同第13号証を提出した。

第4 当審の判断
(1)本案前の申立てに対して、審判請求書記載の「請求の趣旨」及び「請求の理由」並びに弁駁書記載の「主位的請求の理由」を総合判断すれば、請求人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当し、登録することができないものとし、同法第46条第1項第1号に基づき、本件無効審判を請求していると認められる。
したがって、被請求人の本案前の申立ては、理由がない。
よって、本案に入って、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するか否かについて判断する。
(2)「THUNDERTEX」及び「サンダーテックス」なる文字よりなる商標の周知性について
「THUNDERTEX」及び「サンダーテックス」なる文字よりなる商標の使用開始の時期を立証するとして、請求人が提出した甲第1号証及び同第2号証(株式会社豊和の納品書である。そして、甲第1号証の納品日は昭和6年6月22日であり、甲第2号証の納品日は昭和6年9月14日である。)によれば、納品者である株式会社豊和の電話番号が03-864-0402と、03-を付してなるところからすると、これら納品書が昭和6年とあるのは誤記とみられるから、これら納品日の日付は前者が平成6年6月22日、後者は平成6年9月14日と推測できる。そして、前者の納品書には「サンダーテックス」が記載され、後者のそれには「五本指先ハーフソックス」「サンダテックス」がそれぞれ記載されているから、平成6年6月頃より商品5本指先ハーフソックスについて、サンダーテックス又はサンダテックスが使用されていたと推認し得る。しかしながら、「五本指先ハーフソックス」が静電気防止繊維を使用してなるものか否かは定かでないところである。
そして、「THUNDERTEX」及び「サンダーテックス」なる文字よりなる商標は請求人の製造販売する商品を表示するものとして需要者に広く知られていていることを立証するとして、請求人が提出した甲第3号証ないし同第11号証(「ゆほびか」)をみると、「ゆほびか」は株式会社マキノ出版に係る健康雑誌である。
しかして、「ゆほびか」(平成7年12月号、甲第3号証)には静電気防止繊維の効能を紹介した記事がみられ、「ゆほびか」(平成8年2月号、甲第4号証)には株式会社壮快薬局の通販カタログの取り扱い商品として「サンダー5本指先ソックス、サンダー房付きネックレス、サンダーブリーフ、サンダーショーツ、サンダーひざサポータ、サンダーひじサポーター、サンダーアイマスク」の記載がみられる。これらからすると平成7年の後半頃より、5本指先ソックス、房付きネックレス、ブリーフ、ショーツ、ひざサポータ、ひじサポーター、アイマスク等の静電気防止繊維を使用した商品が取り扱われたことが認められる。しかしながら、これらの商品にどのような商標が使用されたのか明らかでない。
そして、「ゆほびか」(平成8年3月号、甲第5号証)には、甲第4号証にみられる株式会社壮快薬局の通販カタログの取り扱い商品が紹介されるとともに、囲み枠内に「THUNDERTEX」「放電健康法」「静電気防止繊維入りサングテックスシリーズ」「編みひも、ネックレス(房付き)、アイマスク、ブリーフ、ショーツ、五本指先ソックス、ひじ、ひざサポーター」「株式会社シグマ」の記載がみられ、「ゆほびか」(平成8年4月号、甲第6号証)には、囲み枠内に「THUNDERTEX」「放電健康法」「静電気防止繊維入りサンダテックスシリーズ」「編みひも、ネックレス(房付き)、アイマスク、ブリーフ、ショーツ、五本指先ソックス、ひじ、ひざサポーター」「株式会社シグマ」の記載がみられ、「ゆほびか」(平成8年5月号、甲第7号証)には、囲み枠内に「THUNDERTEX」「放電健康法」「静電気防止繊維入りサンダテックスシリーズ」「編みひも、ネックレス(房付き)、アイマスク、ブリーフ、ショーツ、五本指先ソックス、ひじ、ひざサポーター」「株式会社シグマ」の記載がみられ、「ゆほびか」(平成8年7月号、甲第8号証)には、囲み枠内に「THUNDERTEX」「放電健康法」「静電気防止繊維入りサンダテックスシリーズ」「婦人肌着・ラン型キャミソール・フレンチ袖キャミソール・ショーツ、紳士肌着・らか型シャツ・半袖U首シャツ・ブリーフ・兼用肌着・腹巻・ひじ、ひざサポーター・五本指先ソックス」「株式会社シグマ」の記載がみられ、「ゆほびか」(平成8年12月号、甲第10号証)には、除電繊維を利用したグッズが紹介されてなり、「長年悩んでいた下痢と腹痛が除電ばんそうこうを貼ったらがぜん楽になった」記事がみられ、該記事に「ツボに貼るための除電繊維つきばんそうこう」の「THUNDERTEX」商標の写真が紹介されている。そして、「ゆほびか」(平成9年6月号、甲第11号証)には、囲み枠内に「THUNDERTEX」「放電健康法」「リフレッシュバン」「四つ編みひも」「五分長ショーツ、七分袖スリーマ」「長ズボン下、長袖Uシャツ」「静電放電繊維入りサンダテックスシリーズ」「四つ編みひも、ネックレス、アイマスク、リフレッシュバン、ひじ、ひざサポーター、五本指先ソックス、ブリーフ、ショーツ、長ズボン下、五分長ショーツ、長袖U首シャツ、スラックス下、腹巻(男女兼)、七分袖スリーマ」「株式会社シグマ」の記載がみられる。
そうしてみると、これら「ゆほびか」(甲第3号証ないし同第8号証、同第10号証そして同第11号証)によれば、請求人は、「THUNDERTEX」の文字よりなる商標を静電気防止繊維入りの編みひも、ネックレス(房付き)、アイマスク、ブリーフ、ショーツ、五本指先ソックス、ひじ、ひざサポーター、婦人肌着・ラン型キャミソール・フレンチ袖キャミソール・ショーツ、紳士肌着・らか型シャツ・半袖U首シャツ・ブリーフ、兼用肌着・腹巻、長ズボン下、五分長ショーツ、長袖U首シャツ、スラックス下、腹巻(男女兼)、七分袖スリーマ等の商品に使用し、これらの商品は、株式会社壮快薬品のカタログ販売によって取り扱いわれ、広告宣伝されていることを認められる。
ところで、「ゆほびか」(平成8年11月号、甲第9号証)には、手足に巻くだけでひざ痛、肩こり、腰痛が消える不思議な経絡ミサンガの紹介がされているのみであって、三つ編み紐の写真が請求人の製造、販売に係る商品であることを紹介している語句は発見できないのみならず、検甲第1号証をみるも、これはテレビのビデオテープであるところ、該テープには「土曜大好き(平成7年11月25日、フジTV)、スーパージョッキー(同年12月3日、日本テレビ)、同年同月12日、広島テレビ」によって紹介された静電気防止繊維を用いた商品が健康増進乃至維持に効果があることを紹介するにすぎず、請求人が如何なる商品について如何なる商標を使用しているかを確認することはできない。
そして、「会計帳簿平成7年乃至平成8年分」(甲第12号証)によれば、株式会社壮快薬品/本社:経理、池袋店、町田店、吉祥寺店、千葉店、横浜店、岐阜店、名古屋、大阪駅前店、なんば店、神戸店、広島店、福岡店、札幌店、仕入センター(本社壮快薬品)の記載がみられる。
そこで、上記事実を総合してみると、甲第1号証及び同第2号証によれば、平成6年頃より、5本指先ハーフソックスについて「サンダーテックス」又は「サンダテックス」が使用され、そして、甲第5号証ないし同第8号証、甲第10号証及び同第11号証によれば、静電気防止繊維入りの編みひも、ネックレス(房付き)、アイマスク、リフレッシュバン、ブリーフ、ショーツ、五本指先ソックス、ひじ、ひざサポーター、婦人肌着・ラン型キャミソール・フレンチ袖キャミソール・ショーツ、紳士肌着・らか型シャツ・半袖U首シャツ・ブリーフ・兼用肌着・腹巻、長ズボン下、・五分長ショーツ、長袖U首シャツ、・スラックス下・腹巻(男女兼)、七分袖スリーマ等の商品については「THUNDERTEX」の文字よりなる商標が使用され、かかる商品について甲第12号証によれば、各地において取り扱われているものと認められる。
しかしながら、「THUNDERTEX」の文字よりなる商標を広告、宣伝のために使用しているのは甲第5号証ないし同第8号証、甲第10号証及び同第11号証であるところ、株式会社マキノ出版に係る健康雑誌「ゆほびか」にみられるのは、平成8年3月号、平成8年4月号、平成8年5月号、平成8年12月号、平成9年6月号にすぎず、その広告、宣伝のための使用期間も決して長期期間とはいえず、その広告宣伝の方法も「ゆほびか」のみであり、その回数も5回と少なく、そして、取り扱いに係る各種商品の数量もどの程度あるのか明らかにされていないから、これらの証拠のみによっては、「THUNDERTEX」及び「サンダーテックス」なる文字よりなる商標は、本件商標の出願日前より請求人の製造販売する商品を表示するものとして需要者に広く知られてるにいたっているとは認めることはできない。
(3)本件商標と「THUNDERTEX」及び「サンダーテックス」なる文字よりなる商標との類否について
本件商標は、「デムスサンダーテックス」の文字を書してなるところ、該文字は同書、同大、等間隔でとまとまりよく一体に表してなるものであり、また、これより生ずると認められる「デムスサンダーテックス」の称呼も格段冗長というものでもなく、よどみなく一連に称呼されるものであって、他に構成中の「サンダーテックス」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は発見しない。
してみると、本件商標は、その構成文字に相応して「デムスサンダーテックス」と一連に称呼されるものであって、特定の観念を有しない造語というのが相当である。
しかして、乙第2号証ないし同第10号証によれば、静電気を緩和させるネックレスを対象とする商品を「静電気除去ネックレス」「静電気除去ひも」等と表示し、現に、これら商品を「デムスサンダーテックス」と表示していることが認められる。
一方、「THUNDERTEX」及び「サンダーテックス」なる文字よりなる商標は、その構成文字に相応して、「サンダーテックス」と称呼され、特定の観念を有しない造語というのが相当である。
そこで、両者の類否についてみるに、本件商標は、「デムスサンダーテックス」と書されるのに対し、請求人の商標は、「THUNDERTEX」と書しているものであるから、外観上明らかに区別し得る差異を有するものである。
ついで、称呼についてみるに、本件商標からは「デムスサンダーテックス」の称呼を生ずるのに対し、「THUNDERTEX」からは「サンダーテックス」の称呼を生ずるものである。そこで、両者より生ずる称呼を比較するに、両者は上記のとおり音構成において明らかな差異を有するから、称呼上互いに相紛れるおそれはないものである。
更に、観念については、前述したとおりであるから、比較すべくもないものである。
そして、本件商標の使用に係る商品は、「静電気除去ネックレス」、「静電気除去ひも」について使用されているのに対し、請求人の使用に係る商品は、上記したように、静電気防止繊維入りの編みひも、ネックレス(房付き)、アイマスク、リフレットバン、ブリーフ、ショーツ、五本指先ソックス、ひじ、ひざサポーター等の商品に使用するものであってみれば、両者の商品は静電気を緩和させる目的で製造された静電気除去用ネックレス、ひも等において、商品そのものの用途、用法、需要者層を共通にする類似の商品といえる。
してみれば、本件商標「デムスサンダーテックス」と請求人の使用する商標「THUNDERTEX」とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められるから、「静電気除去スックレス」「静電気除去ひも」等の商品において類似する商品であるとしても、両商標は互いに相紛れるおそれのない商標である。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(4)結び
請求人は、弁駁書において、予備的請求の理由として、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する旨主張するが、かかる主張は、請求の理由を追加するものと認められから、商標法第56条により準用する特許法131条2項の規定により採用できないものである。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものではなく、同法第46条第1項第1号に該当するものではないから、請求人の審判請求は、理由がないものとし、審判費用の負担については、商標法第46条第1項、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定を適用して、請求人の負担とすべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-05-23 
結審通知日 2001-06-01 
審決日 2001-06-12 
出願番号 商願平9-135202 
審決分類 T 1 11・ 252- Y (Z14)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 梶原 良子 
特許庁審判長 廣田 米男
特許庁審判官 江崎 静雄
大島 護
登録日 1998-10-23 
登録番号 商標登録第4202964号(T4202964) 
商標の称呼 デムスサンダーテックス 
代理人 小川 修 
代理人 吉見 京子 
代理人 藤野 清規 
代理人 藤野 清也 

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