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審決分類 |
審判 一部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 121 |
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管理番号 | 1042130 |
審判番号 | 審判1992-12599 |
総通号数 | 20 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2001-08-31 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 1992-07-03 |
確定日 | 2001-04-16 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2099693号商標の商標登録無効審判事件についてされた平成9年2月24日付け審決に対し、最高裁判所において審決取消の判決(平成10年(行ヒ)第85号、平成12年7月11日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第2099693号商標の指定商品中「化粧用具、身飾品、頭飾品、かばん類、袋物」についての登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第2099693号商標(以下、「本件商標」という。)は、「レールデュタン」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和61年5月21日に登録出願、第21類「装身具、その他本類に属する商品」を指定商品として、同63年12月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 第2 請求人の引用商標 請求人の引用する登録第661424号商標(以下、「引用商標」という。)は、「L'AIR DU TEMPS」の欧文字を横書きしてなり、昭和38年11月30日に登録出願、第4類「香水類、その他本類に属する商品」を指定商品として、同39年12月12日に設定登録され、その後、3回に亘って商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 第3 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、本件商標は、その指定商品中「化粧用具」については商標法第4条第1項第11号、「化粧用具、身飾品、頭飾品、かばん類、袋物」については商標法第4条第1項第15号の規定に違背して登録されたものであるから、本件商標は指定商品中「化粧用具、身飾品、頭飾品、かばん類、袋物」に関しその登録は同法第46条第1項第1号の規定により無効とされるべき旨理由を述べた。 第4 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、本件商標は、「化粧用具」に関し商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものでないと共に、「化粧用具、身飾品、頭飾品、かばん類、袋物」に関しても商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものではなく、その登録を無効とすべき理由は存在しない旨理由を述べた。 第5 当審の判断 本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するか否かについて以下のとおり判断する。 1 商標法第4条第1項第15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には、当該商標をその指定商品又は指定役務(以下「指定商品等」という。)に使用したときに、当該商品等が他人の商品又は役務(以下「商品等」という。)に係るものであると誤信されるおそれがある商標のみならず、当該商品等が右他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれ(以下「広義の混同を生ずるおそれ」という。)がある商標を含むものと解するのが相当である。 けだし、同号の規定は、周知表示又は著名表示へのただ乗り(いわゆるフリーライド)及び当該表示の希釈化(いわゆるダイリューション)を防止し、商標の自他識別機能を保護することによって、商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り、需要者の利益を保護することを目的とするものであるところ、その趣旨からすれば、企業経営の多角化、同一の表示による商品化事業を通して結束する企業グループの形成、有名ブランドの成立等、企業や市場の変化に応じて、周知又は著名な商品等の表示を使用する者の正当な利益を保護するためには、広義の混同を生ずるおそれがある商標をも商標登録を受けることができないものとすべきであるからである。 そして、「混同を生ずるおそれ」の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきである。 2 本件商標は、請求人提出に係る各使用商標(以下、「本件各使用商標」という。)のうち「レール・デュ・タン」の商標とは少なくとも称呼において同一であって、外観においても類似しており、しかも、引用商標の表記自体及びその指定商品からみて、引用商標からフランス語読みにより「レールデュタン」の称呼が生ずるものといえるから、本件商標は、引用商標とも称呼において同一である。 また、本件各使用商標及び引用商標は、香水を取り扱う業者や高級な香水に関心を持つ需要者には、請求人の香水の一つを表示するものとして著名であり、かつ、独創的な商標である。 さらに、本件商標の指定商品のうち無効審判請求に係る「化粧用具、身飾品、頭飾品、かばん類、袋物」と香水とは、主として女性の装飾という用途において極めて密接な関連性を有しており、両商品の需要者の相当部分が共通する。 以上の事情に照らせば、本件商標を「化粧用具、身飾品、頭飾品、かばん類、袋物」に使用するときは、その取引者及び需要者において、上記商品が請求人と前記のような緊密な関係にある営業主の業務に係る商品と広義の混同を生ずるおそれがあるということができる。 なお、本件各使用商標及び引用商標がいわゆるペットマークとして使用されていることは、本件各使用商標等の著名性及び本件各使用商標等と本件商標に係る各商品間の密接な関連性に照らせば、前記判断を左右するに足りない。 したがって、本件商標は、その指定商品中「化粧用具、身飾品、頭飾品、かばん類、袋物」については商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものであるから、その余の無効事由につき検討するまでもなく、同法第46条第1項第1号に該当し、その登録を無効とすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 1997-01-31 |
結審通知日 | 1997-02-14 |
審決日 | 1997-02-24 |
出願番号 | 商願昭61-52335 |
審決分類 |
T
1
12・
271-
Z
(121)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 吉村 公一 |
特許庁審判長 |
小松 裕 |
特許庁審判官 |
田口 善久 小池 隆 関根 文昭 滝沢 智夫 |
登録日 | 1988-12-19 |
登録番号 | 商標登録第2099693号(T2099693) |
商標の称呼 | レールデュタン |
代理人 | 本田 ゆたか |
代理人 | 照嶋 美智子 |
代理人 | 野原 利雄 |