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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Z29 審判 全部申立て 登録を維持 Z29 |
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管理番号 | 1038224 |
異議申立番号 | 異議2000-90940 |
総通号数 | 18 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2001-06-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-09-04 |
確定日 | 2001-03-23 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4388061号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4388061号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4388061号商標(以下「本件商標」という。)は、別記に示すとおりの構成よりなり、平成11年1月11日登録出願、第19類「住宅用プレキャストコンクリート製基礎部材,プレキャストコンクリート製基礎部材を充填材で接合した住宅用基礎,その他のセメント及びその製品」を指定商品として、平成12年6月2日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由 本件商標は、「ピカソ」の称呼を生ずる。「ピカソ」の名は、20世紀最高の画家として有名な「パブロ・ピカソ」を直ちに想起せしめる。このような商標を同人の遺族・同人の著作権を始めとする種々の知的財産権の承継者の承諾を得ていないのみならず、「ピカソ」の名声を冒認するものと認められるから、健全取引と公正秩序に反し、かつまた、係る行為は国際信義に反するものであり、また、本件商標をその指定商品について使用する場合、これに接する者は、パブロ・ピカソの遺族あるいはその知的財産権の承継者と何らかの関連を有するかの如き印象を取引者・需要者に与えることは必定であるから、本件商標は、商標法第4条第項第7号及び同第15号に該当する。 したがって、本件商標は、その登録を取り消されるべきものである。 3 当審の判断 本件商標は、別記に示すとおりの構成よりなるものであり、「ピカ礎」(「礎」の文字の上に「ソ」の振り仮名文字を付してなるものである。)の文字よりなるものであり、該構成文字に相応して「ピカソ」の称呼を生ずるものであり、該構成文字は特定の語義を有するものとして一般に知られ親しまれたものではなく一種の造語よりなるものと認められる。 申立人主張の「パブロ・ピカソ」は「ピカソ」と略称され、画家として著名であることは認め得るが、ピカソが絵画、版画、彫刻、陶芸を行っていたとしても、絵画において著名なものであり、本件の指定商品である、「住宅用プレキャストコンクリート製基礎部材,プレキャストコンクリート製基礎部材を充填材で接合した住宅用基礎,その他のセメント及びその製品」とは何らの関係、関連を有するものとは認められない。本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する者は、その構成文字の相違から「ピカソ」を想起・連想するとは認め難いものというべきである。さらに、本件商標は、矯激、卑猥、差別的な印象を与えるものでなく、本件商標をその指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものとすべき事実は認められず、他の法律によってその使用が禁止されているものとも認められない。 また、申立人提出の証拠によっても、パブロ・ピカソの遺族・申立人が本件商標の指定商品などに関連した商品、役務などを業として行っていると認め得る証左は見出せないものであり、本件商標をその指定商品について使用しても、パブロ・ピカソの遺族・申立人又は申立人と何らかの関連を有する者の業務に係るものであるかの如くその出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第15号に違反して登録されたものということはできない。 したがって、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別記 本件商標 (登録第4388061号商標) |
異議決定日 | 2001-03-05 |
出願番号 | 商願平11-939 |
審決分類 |
T
1
651・
22-
Y
(Z29)
T 1 651・ 271- Y (Z29) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 渡邊 健司、今田 三男 |
特許庁審判長 |
廣田 米男 |
特許庁審判官 |
宮下 行雄 江崎 静雄 |
登録日 | 2000-06-02 |
登録番号 | 商標登録第4388061号(T4388061) |
権利者 | 宇部興産株式会社 |
商標の称呼 | ピカソ |
代理人 | 富田 和子 |