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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z25 |
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管理番号 | 1037389 |
審判番号 | 審判1999-10259 |
総通号数 | 18 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2001-06-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-06-21 |
確定日 | 2001-03-05 |
事件の表示 | 平成10年商標登録願第17904号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」を指定商品として、平成10年3月6日に登録出願されたものである。 2 原査定の理由 原査定は、「本願商標は、普通に使用される程度で書された『smart』の文字をもってなるが、該語は、『こぎれいな』『きちんとした』『しゃれた』など意味する英語であり、本願指定商品との関係においては、その商品が『形のよい商品』あるいは『格好のよい商品』であるなどの際に用いられるものであるから、これを本願指定商品に使用しても、その商品の品質について誇示・誇称するものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、別掲のとおり、「smart」の欧文字を白抜きで一文字ずつ立体感を持たせて書してなるものであるところ、該文字は、普通に用いられる方法の域を脱しない程度に書されたものであると認められ、「身なりの整った、さっそうとした、しゃれた、流行の」等の意味を有する英語であり、「smart」の読み方を片仮名で表記した「スマート」という語は、各種辞典に「気のきいた、いきな、しゃれた、かっこいい」等の意味を有するものとして記載されており、英語及び外来語として日常的に広く用いられているものである。 また、「smart」又は「スマート」の文字は、株式会社同文書院発行「新・田中千代 服飾事典」(1998年5月3日第一版新訂第1刷 566頁)において、「スマート[Smart]」の項に「こぎれいな、きちんとした、現代ふうの、りゅうとした、気のきいた、しゃれた、などの意味である。おもに人物や服、装いについてのほめ言葉であるが、・・・」と記載されているほか、例えば、1992年1月20日付け日本経済新聞(大阪夕刊30頁)において「男性の服選び--既婚者の3分の1『決めるのは妻』」の見出しで「男性がおしゃれになったといわれて久しい。街角はスマートな服を着こなした若者であふれている。」、1992年10月7日付け読売新聞(東京朝刊30頁)において「平成6年春から警察官の制服一新 ソフト&アメリカン 都道府県のエンブレム」の見出しで「・・・警察庁は六日、新制服を発表した。・・・同庁では『ファッション性も取り入れ、二十一世紀に向けて力強く、さわやかでスマートなものにした』としている。・・・これまで腰に下げていた手錠、警棒のベルト(帯革)を上着の下に隠すなど、スマートさとソフトさもアピール。・・・」、1998年10年22日付け繊研新聞(4面)において「ジョイックスコーポ『ポール・スミス』来春夏 アーティスト風に」の見出しで「ジョイックスコーポレーションが手掛ける『ポール・スミス』の九九年春夏コレクションのテーマは、一九六〇〜七〇年代に活躍したロード・スノードンの写真集『プライベート・ヴュー』に登場するアーティストとそのディーラーたち。・・・メーンラインのアーティスト風表現では、・・・。またディーラー風表現ではスマートなスーツスタイルが特徴。パイピングやステッチなどハンドメードのディテールが使われ、胸ポケットにクレジットカードやチケットを入れる小さいポケットをつけた上着など。」と報道されており、服飾用語として「いきな」「格好良い」「しゃれた」等の意味合いで使用されていることが認められる。そして、本願の指定商品は、スマートさを比較的重視する商品である。 現に、「スマート」の語が、本願指定商品中の商品について、上記の意味合いで使用されていることは、例えば、「洋服」については上記記述の新聞記事により、さらに、1991年7月7日付け朝日新聞(東京朝刊21頁)において「靴も『足にやさしい』時代 有力メーカー、こぞって発売」の見出しで「これまでの女性用は、はきごこちがよければ、スマートさに欠けがちだった。その点をふまえて改まった仕事の場でも通用する、若い人向けにおしゃれの面も配慮したデザインが多い。」、1992年6月2日付け流通サービス新聞(7頁)において「今秋冬の婦人靴新商品チェック。足にやさしく、美しく、安定した時代へ」の見出しで「ヒールを真っすぐ立てて重心を安定させる一方、幅が広く甲が高い日本人の足の特徴をカバーしようと、甲の見える部分が小さいデザインでスマートに仕上げた。」と報道されていることより認められるところである。 してみると、本願商標は、その指定商品について使用された場合、これに接する取引者、需要者は、その商品が「格好良い、しゃれた」品質、形状のものであることを誇示して表したものと認識するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと言わなければならない。 したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は妥当なものであって、取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
本願商標 |
審理終結日 | 2000-12-19 |
結審通知日 | 2001-01-05 |
審決日 | 2001-01-17 |
出願番号 | 商願平10-17904 |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(Z25)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 豊田 純一 |
特許庁審判長 |
大橋 良三 |
特許庁審判官 |
田口 善久 酒井 福造 |
商標の称呼 | スマート |
代理人 | 岩堀 邦男 |