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審決分類 審判 査定不服 商4条1項11号一般他人の登録商標 登録しない 038
管理番号 1036973 
審判番号 審判1999-1903 
総通号数 18 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-02-08 
確定日 2001-02-14 
事件の表示 平成 8年商標登録願第131575号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話・ファクシミリその他の通信機器の貸与,インターネットを利用するための接続,インターネットを利用するための接続に関するサポート・コンサルティング・ソフトウエアの提供・技術開発・調査研究,通信衛星等を利用したデータの配信又は放送」を指定役務として、平成8年11月25日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は以下の3件である。
(1)登録第3273493号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成5年5月13日に登録出願、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として、平成9年4月4日に設定登録され、現在も有効に存続しているものである。
(2)登録第3327800号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第5条第1項の規定による使用に基づく特例の適用を主張し、平成4年9月18日に登録出願、第38類「電話による通信,ファクシミリによる通信」を指定役務として、平成9年7月4日に特例商標として設定登録され、現在も有効に存続しているものである。。
(3)登録第3328029号商標(以下「引用C商標」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、引用B商標に係る出願を原出願とし、商標法第10条第1項の規定に基づく分割出願として、平成7年3月17日に登録出願、第38類「電子計算機端末による通信」を指定役務として、平成9年7月4日に設定登録され、現在も有効に存続しているものである。。

3 当審の判断
本願商標は、別掲(1)のとおり、「ADPARK」「MEDIA ACCESS」の文字を2段に横書きし、「ADP」の文字の上下及び[AD」の文字に重ねて各1本づつの曲線及び「ADP」部分の上と「ACCESS」部分の下に各1本づつの曲線を描いてなるものである。上段の「ADPARK」の文字は、特別な意味を有するものでなく、下段は「マスコミ、媒体」の意を有する「MEDIA」の文字と、「接近(する)、電算機にアクセスする」の意を有する「ACCESS」の文字からなり、「マスコミがアクセスする」の観念を生ずるものと認められる。
そして、下段に較べ大きく書された上段部分より「アドパーク」の称呼も生ずるといえるものであり、この点については、請求人も認めるところである。
他方、引用A商標は、別掲(2)のとおり、「ADPack」の欧文字よりなるものである。そして、この「ADPack」の文字は、特別な意味を有するものとは認められず、これよりは「アドパック」「エイディーパック」の称呼を生ずるものである。
また、引用B及びC商標は、別掲(3)及び(4)のとおり、同一の構成よりなり、「ITJ ADVANTAGE PACKAGE BILLING PLAN」の欧文字と「アドパック」の片仮名文字を2段に横書きしてなるものである。これらの商標は、構成上、「アドパック」の称呼を生ずるものであり、この点については、請求人も認めるところである。
そこで、本願商標から生ずる「アドパーク」と引用各商標から生ずる「アドパック」の称呼を比較すると、両称呼は中間に位置する「パー」と「パッ」の音に差異を有するのみで、他の音を共通にするものであり、当該差異音にしても、強い破裂音である「パ」に続く長音と促音の微差にすぎない。そして、これらの称呼を生ずる「ADPARK」[ADPack」「アドパック」の文字は、共に特定の意味合いを有しないものであって、とりたてて「PARK」「Pack」「パック」の部分に着目することをせず、一連に称呼するといえるから、両称呼は音調音感が近似して聴覚されるというのが相当である。
請求人は、本願商標中の「パーク」及び引用各商標中の「パック」は、他の語と組み合わせた「・・・パーク」「・・・パック」の用語で日常使用されているから、「パーク」は「広場、公園」の意を、「パック」は「詰める、詰まった」の意を直ちに理解し、両語を明確に聞き分けることができると主張する。
確かに、「・・・パーク」「・・・パック」の用語が、全体として特定の意味を有する場合は、これらに接する者は、「パーク」及び「パック」の部分の意味を理解して称呼することもあると思われるが、本願商標及び引用各商標の「ADPack」及び「アドパーク」は、上記認定のとおり、特定の意味を有しないものであって、とりたてて「Pack」「パック」の部分に着目することなく、一連に称呼するといえるから、請求人の主張を採用することはできない。
そうしてみると、本願商標と引用A商標は、共に特定の観念を生じないことから、この点においては比較することはできず、外観において差異を有するとしても、称呼においては、前に述べたとおりであるから、両商標は、称呼において、互いに紛れるおそれのある類似の商標といえるものである。
また、本願商標と引用B及びC商標は、外観及び観念において差異を有するとしても、称呼においては、前に述べたとおりであるから、両商標は、称呼において、互いに紛れるおそれのある類似の商標といえるものである。
そして、本願商標の指定商品は、引用AないしC商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができないとした原査定は妥当であって、これを取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(1)本願商標

別掲(2)引用A商標

別掲(3)引用B商標 色彩については原本を参照して下さい。

別掲(4)引用C商標 色彩については原本を参照して下さい。

審理終結日 2000-11-22 
結審通知日 2000-12-05 
審決日 2000-12-20 
出願番号 商願平8-131575 
審決分類 T 1 8・ 26- Z (038)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 久美枝小林 由美子 
特許庁審判長 佐藤 敏樹
特許庁審判官 保坂 金彦
村上 照美
商標の称呼 アドパークメディアアクセス、アドパーク、エイデイパーク 
代理人 小林 正治 

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