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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) 020 |
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管理番号 | 1029789 |
異議申立番号 | 異議1998-91764 |
総通号数 | 16 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2001-04-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1998-09-02 |
確定日 | 2000-10-13 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4142249号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4142249号商標の登録を取り消す。 |
理由 |
理由 1 本件商標 本件登録第4142249号商標(以下「本件商標」という。)は、「ROYAL POLO LEAGUE」のローマ字を表示した構成からなり、平成7年12月28日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年5月1日に設定登録されたものである。 2 本件登録異議の申立て 本件登録異議の申立人は、本件商標の登録は商標法第4条第1項第11号又は第15号の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである旨主張している。 3 取消理由の通知及び商標権者の意見 (1) 本件商標 本件商標の構成及び手続の経緯は前記1のとおりである。 (2) 引用商標の周知、著名性について (株)講談社昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」及びサンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド辞典’84ザ・ブランド」の記載によれば、次の事実が認められる。 アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは、1967年ネクタイのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、巾広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立し、ポロ・ファッションズ社(以下、「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。 その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字、「by RALPH LAUREN」の文字、馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形からなる各商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。下記参照)が用いられ、これらは「ポロ」の略称でも呼ばれている。 そして、(株)洋品界昭和55年4月15日発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」の「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月25日発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述並びに昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、例えば、前記「男の一流品大図鑑」(昭和53年7月20日発行)をはじめ、昭和53年2月16日付け日本経済新聞(夕刊)の広告、(株)講談社昭和54年5月20日発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月20日発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月20日発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年6月20日発行)、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月20日発行)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年6月25日発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、メガネについては、前記「世界の一流品大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。 また、ラルフ・ローレンの「POLO」、「Polo」、「ポロ」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決として、東京高等裁判所平成2年(行ケ)第183号(平成3年7月11日言渡)及び東京地方裁判所平成8年(特わ)第1519号(平成9年3月24日言渡)判決をはじめ、東京高等裁判所平成11年(行ケ)第250号、同第251号、同第252号、同第267号、同第290号(以上平成11年12月16日言渡)、同第268号、同第289号(以上平成11年12月21日言渡)、同第288号(平成12年1月25日言渡)、同第298号、同第299号(以上平成12年2月1日言渡)、同第192号(平成12年2月29日言渡)、同第333号、同第334号(以上平成12年3月29日言渡)等の一連の判決がある。 さらに、引用商標を模倣した偽ブランド商品が市場に出回り刑事摘発を受けた旨が、例えば、平成1年5月19日付朝日新聞夕刊、同4年9月23日付読売新聞(東京版)朝刊、同5年10月13日付読売新聞(大阪版)朝刊、同10年6月8日付朝日新聞夕刊等において報道され、これらの記事中では引用商標が「ポロ」、「Polo」、「POLO」等と称されている。 以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、引用商標は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品等に使用する標章として、遅くとも本件商標の登録出願時までには既に我が国において取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は、本願商標の出願時はもとより、現在においても継続しているものである。 (3) 商品の出所の混同のおそれについて 本件商標は、前示のとおりの構成よりなるものであるところ、「POLO」の文字を顕著に有してなるものである。 そして、本件商標の指定商品は、引用商標を使用している被服類と販売店及び需要者を同じくするものである。 そうすると、本件商標をその指定商品に使用する場合は、これに接する取引者、需要者は本件商標中「POLO」の文字に注目するときも少なくないと認められ、上記周知、著名な引用商標を連想、想起し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。 (4) 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。 (5) 前示の取消理由を通知したが、商標権者は、意見書を提出するところがない。 4 当審の判断 前記3の取消理由に対して、商標権者は何ら意見を述べるところがないのは前示のとおりである。そして、該取消理由は正当なものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものといわざるを得ず、その登録は同法第43条の3第2項の規定により取り消すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 別掲 引用商標 |
異議決定日 | 2000-08-28 |
出願番号 | 商願平7-135760 |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Z
(020)
|
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 飯山 茂 |
特許庁審判長 |
工藤 莞司 |
特許庁審判官 |
宮下 行雄 江崎 静雄 |
登録日 | 1998-05-01 |
登録番号 | 商標登録第4142249号(T4142249) |
権利者 | 株式会社八木商店 |
商標の称呼 | ローヤルポロリーグ、ローヤル、ロイヤル、ロイアル、ポロリーグ |
代理人 | 田中 秀佳 |
代理人 | 城村 邦彦 |
代理人 | 植木 久一 |
代理人 | 白石 吉之 |
代理人 | 小谷 悦司 |
代理人 | 江原 省吾 |