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審決分類 審判 一部申立て  登録を取消(申立全部取消) Z30
管理番号 1029727 
異議申立番号 異議1999-90988 
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2001-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-08-02 
確定日 2000-08-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第4256659号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4256659号商標の指定商品中「ココア,茶,調味料,香辛料,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト」についての登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第4256659号商標(以下「本件商標」という。)は、平成9年9月2日に登録出願され、「優しい味」の文字を横書きしてなり、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,酒かす,ホイップクリーム用安定剤」を指定商品として平成11年4月2日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
本件商標は、その指定商品中「ココア,茶,調味料,香辛料,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト」については、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由の要点
「優しい(やさしい)」の語は、人の性質を意味するばかりでなく、近年は、物の品質を表現する言葉としても多用されており、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の提出に係る甲号各証によれば、食品業界においては、「やさしい味」の語は食品の味が「刺激的でない味、マイルドな味」等の意味合いを表すものであって、食品の品質を表すものとして普通に使用されている事実を認めることができる。
しかして、本件商標は、「やさしい」の文字中「やさ」の文字部分が漢字「優」をもって表されているが、漢字と平仮名とでその意味合いにおいて異なるところはないから、「優しい味」の構成からなる本件商標にあっても、上記した記述的意味合いを認識させるにすぎないものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品中「ココア,茶,調味料,香辛料,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト」について使用するときは、これに接する取引者・需要者をして、単に、商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと理解・認識させるに止まるものであるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、その指定商品中上記商品について、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見の要点
(1)商品の品質の特性を普通に用いられる方法で記述し表示する、いわゆる記述的標章は、商品取引の際に一般に使用されることの多い商標であって、自他商品識別機能を欠くことが多く、また、たとえ商品識別標識としての機能を有する場合であっても、何人もその使用を欲するものであるから、特定の人にのみ独占的に使用させることは公益上適当でなく、このことから、商標法第3条第1項第3号に該当する商標は、商標登録が認められないとされている。
他方、同号は商品の品質等に関連する全ての商標の登録を制限しているわけではなく、もともと商品の品質等に関連する商標は、需要者・取引者によって記憶され易く、商品の宣伝効果が大きいので商標としての価値が高いが、その中で商品の特性を暗示・連想する程度のものや、商品の特性を普通に用いられないような方法で表示する商標は、当該商品について一般的に用いられる名称ではないから、独占的使用を認めても何ら弊害はなく、また、暗示的あるいは連想的であるといっても、商品の品質そのものを具体的にではなく間接的に記述しているものは、自他商品識別機能を有する場合があり、そのような商標は登録が認められるべきであるというのが、近年の学説・判例も肯定しているところである。
(2)かかる観点に立って、本件商標を考察すると、食品業界の一部において、「やさしい味」の語が「口当たりの柔らかい味」「刺激のない味覚」等の意味合で商品の品質をアピールする上で、宣伝文中に使用されていることを否定するものではないが、だからといって、本件商標の指定商品につき、該語がいかなる品質を表し、又は、どのような味覚を意味するものか具体的に示すものとはいい難いものである。
したがって、本件商標は、前述した事情に照らせば、全体として商品の品質等を間接的に表示した語に該当するものとみるのが相当である。
(3)よって、本件商標は、その指定商品に使用しても、自他商品識別機能を十分果たし得るものであるから、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものではない。
(4)ちなみに、食品分野における審査・審判において、「創られた味」「蔵元の味酒粕」「通の味」「つちかわれた味」「手作りママの味」「知りたい味」「海の味」「自然の味/そのまんま」「秋の新味」「食通の味」「豆の味」「板前さんの味」「くろうとの味」「おてごろ味」「お母さんのかくし味」「古来味」「とっておきの味」「家庭の味」「料亭の味/ポン酢/しょうゆ」等(参考資料1乃至28)の各商標が全体として商品の品質等を具体的に表したものとはいえず、間接的表示に該当するものとし、識別力を有する商標であると認定されており、本件商標も同様に取り扱われてしかるべきである。

5 当審の判断
本件商標は、その指定商品中、取消理由通知において示した指定商品について使用した場合、商品の品質を表示するにとどまるものと認められるから、商標法第3条第1項第3号により該指定商品について本件商標の登録を取り消すべきものとした先の取消理由は、妥当なものであって、これについて述べる商標権者の意見は、以下の理由により、採用することができない。
(1)商標権者は、商品の特性を暗示、連想する程度のものや、商品の品質を間接的に記述しているものは登録が認められるべきである。また、「やさしい味」が食品業界の一部において宣伝文中に使用されていることを否定するものではないが、この語がいかなる品質を表し、どのような味覚を意味するものか具体的に示すものではないから、本件商標は、全体として商品の品質等を間接的に表示するものである旨主張する。
確かに、商標権者の提出に係る「商標審査基準[改訂第6版]」に、指定商品の品質等を間接的に表示する商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しないものとする、旨が記載されている。
しかし、食料品や料理について「優しい味」といえば、容易に「刺激的でない味」、「マイルドな味」等の意味合いを看取し得るものであり、しかも、申立人の提出に係る証拠によれば、商品の広告、新聞記事、商品のパッケージ或いはインターネットのホームページに、「生クリーム入りホワイトソースでやさしい味」、「新キャベツをたっぷり使ったやさしい味のスパゲッティです」、「幼児向けのやさしい味にしあげました」、「甘さをおさえたやさしい味」、「小ぶりなケーキたちは、やさしい味」、「お豆腐の、やさしい味をお楽しみ下さい」、「なめ茸のやさしい味のあんをかけます」、「やさしい味が女性に人気」、「やさしい味の生ビールです」、「やさしい味のミートソースに仕上げました」、「お茶にあうようなやさしい味」、「お茶のやさしい味がお口に広がります」、「やさしい味に煮上げました」、「くせのないひらめのやさしい味のおかゆです」(甲第3号証乃至同第20号証)など、「やさしい味」の語が食品について広範に使用されていることが認められる。
そうすると、「やさしい味」の語は、食品業界においては、「刺激的でない味」「マイルドな味」或いはこれに類する味を表現する語として普通一般に使用されているものというのが相当であるから、これに接する需要者は、食品の味覚を表す語として理解するにすぎず、商品を識別すべき標識とは認識しないものと判断せざるを得ない。また、これを漢字で「優しい味」と表しても変わるところはない。
(2)商標権者は、間接的表示で識別力を有する商標の登録例(参考資料1乃至28)を挙げ、本件商標も同様に扱われてしかるべきであると述べる。
しかし、商標権者の挙げる登録例は、本件商標とは事案の内容が異なるものであって、しかも、これらが「やさしい味」と同様に食品業界において商品の品質等を表示するものとして現に使用されていたかどうかの事情も不明であるから、これらの登録例は、上記判断を左右するものではない。
以上のとおりであって、本件商標は、結論掲記の商品について、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものといわざるを得ないから、商標法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2000-06-27 
出願番号 商願平9-154136 
審決分類 T 1 652・ 13- Z (Z30)
最終処分 取消 
前審関与審査官 水茎 弥 
特許庁審判長 寺島 義則
特許庁審判官 滝沢 智夫
為谷 博
登録日 1999-04-02 
登録番号 商標登録第4256659号(T4256659) 
権利者 ヤマサ醤油株式会社
商標の称呼 ヤサシイアジ、ヤサシイ 
代理人 白濱 國雄 
代理人 大房 孝次 
代理人 高田 健市 
代理人 清水 久義 
代理人 黒瀬 靖久 
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