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審決分類 審判 一部無効 商4条1項16号品質の誤認 無効としない 109
管理番号 1029513 
審判番号 審判1999-35131 
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-04-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 1999-03-23 
確定日 2000-12-13 
事件の表示 上記当事者間の登録第2257694号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2257694号商標(以下、「本件商標」という。)は、昭和62年3月4日に登録出願され、商標の構成を後掲に示すとおり「インバーテッド」の片仮名文字とし、指定商品を旧第9類(平成3年9月24日政令第299号による改正前の商標法施行令第1条に基づく商品の区分、以下、「旧類別」という。)「産業機械器具、その他本類に属する商品」として、平成2年8月30日に設定の登録、該登録に係る権利は同12年4月11日に存続期間の更新登録がされているものである。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標に関し、その指定商品中「コンベヤー及びその各部(但し、インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー及びその他のインバーテッド・コンベヤーシステムより成るコンベヤー並びにそれらの各部を除く)」に対する登録はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至甲第13号証(枝番を含む)を提出した。
1.無効事由
本件商標の指定商品中「コンベヤー及びその各部(但し、インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー及びその他のインバーテッド・コンベヤーシステムより成るコンベヤー並びにそれらの各部を除く)」に対する登録は、商標法第4条第1項16号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項1号により、無効とされるべきものである。
2.無効原因
本件商標の「インバーテッド」なる語は、以下に順次立証する通り、その登録査定日である平成2年5月18日前から、以下に述べる特定のコンベヤーシステム或いは同システムより成るコンベヤーを表す語として、少なくともコンペヤー業界や自動車業界において認識されていた語である。従って、本件商標は、これをその指定商品中上記システム以外のコンベヤー及びその各部に使用するときは、その商品の品質について誤認を生ぜしめる虞れのあったものである。
以下、本件商標の「インバーテッド」なる語が、特定のコンベヤーシステム或いは同システムよりなるコンベヤーを表す語であることを立証する。
(1)先ず第一に、本件商標の指定商品には、1945年-1950年頃にアメリカにおいて開発された「運搬物を吊り下げたフリートロリが走行するフリーラインと、このフリートロリを押し進める推進用の爪を持ったチェーンが走行するパワーラインとよりなる『パワーアンドフリー』或いは『パワーアンドフリー・コンベヤー』と呼ばれている複動式トロリーコンベヤー」が含まれている。
上記コンベヤーは、流れ作業を生産方式として取り入れたマス・プロ的自動車生産の開始を契機にアメリカで開発され、物の製造工程と運搬作業とを結び付けたコンベヤーであり、「POWER AND FREE」或いは「POWER AND FREE TOROLLY CONVEYOR」と呼ばれているコンベヤーである。
1958年-1959年頃導入されたが、適当な翻訳語がないためそのまま英語の発音通り「パワーアンドフリー」または「パワーアンドフリー・コンベヤー」と呼ばれている。
上記事実は、「POWER&FREE」及び「パワーアンドフリー」の文字を二段に表示してなる登録第545832号商標について、その指定商品中「コンベヤー及びその各部(但し、パワーアンドフリー・コンベヤーを除く)」に対して行った更新登録無効審判”平成5年審判第3970号”の審決(甲第2号証)において既に認められている。
(2)次に、本件商標の「インバーテッド」なる語は、上記「パワーアンドフリー・コンベヤー」を逆さまにしたシステム、即ち運搬物を吊り下げて走行するのではなく、床或いは床上方に設置したコンベヤーに運搬物を乗せて走行するように改良した複動式トロリーコンベヤーを表す語として、或いは上記のようなコンベヤー・システムを表す話として,本件商標の登録査定日である平成2年5月18日前から、少なくともコンベヤー業界や自動車業界において認識されていた語であることを立証する。
(ア)甲第3号証(1981年9月21日発行の雑誌「Modern Materials Handling」)第53頁には「パワーアンドフリー・コンベヤー」を逆さまにしてコンベヤーラインを床に設置したコンベヤーの写真が掲載されており、その説明として、「”パワーアンドフリー・コンベヤー”の広範囲にわたる使用がGMの特徴である。このインバーテッド・システムにより、構成品の塗装段階で、濡れた外面に触れたり潤滑油を構成品の上に垂らしたりする危険がなくなった。」と記載されている。
(イ)甲第4号証(1981年12月7日発行の雑誌「Modern Materials Handling」)第56頁第4段落目には「それらの厳密な作業要求事項にあう様に、プラスチック成型設備に独特のコンベヤー輸送システム”インバーテツド・パワーアンドフリー・コンベヤー”(Jervis B Webb社、Unibuilt Div.)を取り入れた。」と記載されている。また、第58頁にはインバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤーの写真が掲載されており、その説明として、「各キャリヤはインバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤーの上部の溝を移動する。突起物は下部の溝の中のパワーチェーンの係合したプッシャドッグへ落ちる。」と記載されている。
(ウ)甲第5号証(1983年8月5日発行の雑誌「Modern Materials Handling」)第9頁第3段落目に「何れのモデルもインバーテッドの形態で利用できる。」と記載されている。
(エ)甲第6号証(1984年7月6日発行の雑誌「Modern Materials Handling」)第56頁にパワーアンドフリー・コンベヤーを逆さまにしてコンベヤーが床を走行するようにした自動車組立用コンベヤーの写真が掲載されており、その説明として、「効率性のためのインバーテッド。この上下逆さまのモノレールシステムに取り入れられたキャリヤは、たいてい製品の外面を見て接することができる状態を保ち、ワークステーションで生産性が向上する。」と記載されている。第57頁第4段落目には「最近の技術革薪は、生産ワークステーション間で使用するための上下を逆にしたインバーテッド・モノレールシステムの導入である。」と記載されている。
(オ)甲第7号証(「Modern Materials Handling」1985年1月号第40巻NO.1)第24頁第1段落目には「オートメーション化した工場及びフレキシブルな製造システムの今日の傾向は、マテリアル・ハンドリングにおける全く新しいコンセプトの開発に向かっており、つまりそれは、Jervis B Webb社のインバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤーである。インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤーは、伝統的なDog Magicオーバーヘッド・パワーアンドフリー・コンベヤーが持つ効率性及び柔軟性と、標準的なフロアコンベアーが持つ機能的利点を合わせ持っている。」と記載されている。また、同24頁の第2段落目において「Dog Magicオーバーヘッド・パワーアンドフリー・コンベヤーに見られる同様の正荷重コントロールがインバーテッドパワーアンドフリー・コンベヤーに組み入れられている。」と記載されている。更に、同頁の第3段落目には「インバーテッド・システムにおける運搬物はコンベヤーの下で吊り下げられるのではなく、コンベヤーの上で運搬される。これによって、インバーテッド・パワーアンドフリーは迅速且つ効率よく、しかもコンベヤーそのものを邪魔することなく生産ラインの作業をすることが可能になる。」「リニアインダクションモーターを組み込むことにより、インバーテッド・パワーアンドフリーは制御された加速或いは減速モードにおいて高速のインデキシングも可能である。」と記載されている。また同頁の第4段落目、5段落目に「インバーテッド・パワーアンドフリーは、標準的なフロアーコンベヤーに必要不可欠であるバーチカルリフト、エレベーター、スキッド・トランスファー及びチェーン・オン・エッジ・トランスファーの様な高価なオートメーション設備の代わりをすることができる。」「インバーテッド・パワーアンドフリーは、床に或いは床と同一の高さに(ビットの中に)、さらに天井から支持して頭上に配備することができる。」「インバーテッド・パワーアンドフリーはフロアーコンベヤー以上である。」と記載されている。
(カ)甲第8号証(「Modern Materials Handling」1985年3月号第40巻NO.3)第61頁に「インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤーのキャリヤは生産工程途中の組立品をワークステーションに集結し、ほとんど全ての組立品外面への接近を容易にする。」と記載されている。また同頁の図の説明に「ワーク・イン・プロセス・コンベヤー(生産工程途中の作業用コンベヤー):タイプライター或いはプリンターのためのインバーテッド・パワーアンドフリー・キャリヤ」と記載されている。
(キ)甲第9号証(1984年Jervis B.Webb Company発行の”インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤ”のパンフレット)に以下のような記載がある。
◇インバーテッドパワー&フリー・コンベヤーは、従来のフロア・コンベヤー・システムが提供できるよりも高い多目的性と効率を要求する産業用途に適応するように設計された。
◇インバーテッド・パワー&フリー・コンベヤーは自動車整備ショップ、部品ショップ、エンジン組立等を含む幅広い用途に対応することができる。
◇インバーテッド・パワー&フリー・コンベヤーは、急速に、今日のフレキシブルな生産システムにおける主要な構成要素になりつつある。
◇オーバーヘッド・パワー&フリー・コンベヤーのように、インバーテッド・パワー&フリー型はシステムの中の全てのキャリヤに対し正荷重コントロールをする。
◇フロア・コンベヤーのように、インバーテッド・パワー&フリー型は輸送される材料に対して、より大幅にアクセスするために床部に据え付けられる。
◇インバーテッド・パワー&フリー型なら、通常フロア・コンベヤーに付属する高価なオートメーション設備の必要がなくなる。
◇インバーテッド・パワー&フリー型では、エレベー夕やロワレー夕は取り除かれ、製品の撤去又は保管のために材料を持ち上げるための標準的な垂直のカーブと取り替えられる。
◇サイド・トランスファー・コンベヤー、電動インデキシング装置、及びチェーン・オン・エッジ・システムにより要求される扱いにくい補助インデキシング及びプッシャメカニズムは標準的なスイッチとがインバーテッド・パワー&フリー型に本来備わっている蓄積能力によって省かれる。
◇インバーテッド・パワー&フリー型は、チェーンのスピード変更、生産速度コンベヤー、製品の再循環、作業工程の調整、及び変動吸収及除去能力を全て可能にする。
◇インバーテッド・パワー&フリー・コンベヤーは床部のピットの中にも置くことができる。又は、長い製品送り出し運転か空のキャリヤの戻りのために、トラスの高さに傾けることができる。
◇インバーテッド・パワー&フリー型では、サポートと運搬媒体の全体が製品の下に置かれ、コンベヤーシステムから汚れを除去する。
◇インバーテッド・パワー&フリー型の開放されたトラックの設計により、破片が床部へ抜け落ちて、作業場が浄化され、ごみが工場の他の部分へ持ち込まれるのを最小限に止めることができる。
◇インバーテッド・パワー&フリー・システムでは、通常、キャリヤのコストが削減される。
◇高速のインデキシング及びキャリヤの移送はインバーテッド・パワー&フリー型によって経済的及び効率的に行われる。
◇インバーテッド・パワー&フリー型のその他の利点として完全な万能性が挙げられる。
◇6インチのインバーテッド・パワー&フリー・コンベヤーは、特に、重荷重容量のために設計されており、注文設計により大容量にも対応が可能である。
◇6インチから3インチまでの4つのインバーテッド・パワー&フリー・コンベヤーの各々は、その荷扱能力の特徴を示す独自の構成要素の設計使用を組み込まれたものである。
◇各々は、集積、正荷重コントロール、製品への接近可能性等広範囲にわたる標準的なインバーテッド・パワー&フリー型の性能を実現する。
◇トロリー、チェーン及びトラック等のインバーテッド・パワー&フリー・コンベヤーの構成要素は、特に互換できるように設計されている。
◇インバーテッド・パワー&フリー型の用途は構成要素の互換性により拡大される。
◇4つの標準的なインバーテッド・パワー&フリー・コンベヤーは様々なマテリアルハンドリングの要求を満たす一方、構成要素を相互交換することによって、さらに広範囲の要求を満たすことができる。
◇どのインバーテッド・パワー&フリー・コンベヤー・システムがあなたの特定のニーズに最も適しているかを知るには、Webb社のセールスエンジニアの知識と経験が必要である。
◇インバーテッド・パワー&フリー型は、オートメーション化されたワークステーションと様々な工程設備を提供するように設計された。
◇それ(インバーテッド・パワー&フリー型)は、作業や材料の流れのコンピュータ化された順序づけに特によく適している。
◇インバーテッド・パワー&フリーは組立流れ作業工程に理想的に適している。なぜなら、荷は作業工程を行う上で完全に自由な状態でコンベヤーの上部に載せられるからである。
◇インバーテッド・パワー&フリー型は、今日のオートメーション化された工場におけるオートメーション化及びロボット化されたワークステーションの材料の流れの要求を満たすものである。
◇インバーテッド・パワー&フリー・コンベヤーは、クリーニング作業によく適している。
◇インバーテッド・コンベヤーは塗装の準備のためにクリーニング作業工程を通して材料を運ぶ。
◇同様のことがインバーテッド・パワー&フリー型の塗装作業工程を扱う能力についても言える。
◇インバーテッド・パワー&フリー型はオートメーション化又はロボット化された塗装作業工程の場合には、さらにより有益である。
◇インバーテッド・パワー&フリー型は、製品をより近いセンターに置き、チェーンのスピードを変化させ、製品をオープンチェーンへ簡単に移行でき、その結果、オーブンの長さが最小になる。
◇用途によっては、インバーテッドのキャリア集積能力により、製品をより近いセンターに置き、オーブンの長さを短くすることも可能である。
◇床上や床と同一面の取り付けに加えてインバーテッド・パワー&フリー型がトラスの高さに傾けることができることによって、製品は後で必要になる時まで高架の駆動ストレージラインに置くことができる。
◇マニュアル及びオートメーション化された組立流れ作業工程はインバーテッド・パワー&フリー・コンベヤーによってより効率的に進めることができる。
◇これらのステーンョンは完全な製品への接近可能性と荷の安定性を要求するが、それはインバーテッド・パワー&フリー型によって実現できる。
(3)上記甲各号証は、アメリカの刊行物であるが、これら業界誌や商品パンフレットは、甲第10号証の1乃至4から明らかなように、日本においてもほぼ同時期に取り寄せられ一般に公開されている。
即ち、甲第10号証の1は大阪府立大学図書館に収蔵されている甲第6号証と同一の1984年7月6日発行の雑誌「Modern Materials Handling」の表紙のコピーであり、これに押印されている受入日のスタンプから、同雑誌が昭和59年(1984年)8月16日に日本において公知となっていたことが明かである。また、上記雑誌「Modern Materials Handling」は発行毎にその多くが、アメリカにおける発行とほぼ同時期に大阪府立大学図書館に取り寄せられていることを、甲第10号証の2乃至4から知ることができる。
また、この種のアメリ力で発行されている書物は、上記の様に図書館等で一般に公開されている他、日本のコンベヤー業界や自動車業界では多くの会社で定期購読されている。特に上記甲第3乃至9号証の業界紙「Modern Materials Handling」は、日本のコンベヤー業界や自動車業界で広く購読されている雑誌であり、このことは1984年8月6日、同年9月7日及び同年11月5日発行の「Modern Materials Handling」(甲第11号証の1乃至3)に、日本企業或いはその子会社や関連会社の商品の広告が多数掲載されていることからも充分推認される。
以上の事実から、少なくとも、コンベヤー業界や自動車業界では、パワーアンドフリー・コンベヤー或いはその他のコンベヤーに関し「インバーテッド」の表示を使用した場合には、パワーアンドフリー・コンベヤーであれば運搬物を吊り下げて走行するのではなく、床または床上方に設置したコンベヤー上を運搬物を乗せて走行するように改良した移動式トロリー・コンベヤーを認識させるものであり、その他のコンベヤーであれば、そのコンベヤーシステムの上下を逆にしたシステムより成るコンベヤーを認識させるものである。即ち、該「インバーテッド」なる語はコンベヤーの品質、機能を表すものであると言える。
(4)以上の次第で、本件商標の登録査定がなされた平成2年(1990年)5月18日においては、本件商標は、その指定商品中「『インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤーその他のインバーテツド・コンべヤシステムよりなるコンベヤー』以外の『コンベヤー』」について使用すると、その商品の品質について「インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー、或いはインバーテッド・コンベヤシステムよりなるコンベヤー」であるかの如く誤認を生ずる虞のあったものであるから、商標法第4条第1項第16号に該当するものであると言わざるを得ない。
よつて、本件商標の商標権は、その指定商品中「コンベヤー及びその各部(但し、インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー及びその他インバーテッド・コンベヤシステムよりなるコンベヤー並びにそれらの各部を除く)」についてなされた登録について、商標法第46条第1項1号の規定により、その登録を無効とすべきである。
3.弁駁の理由
(1)被請求人は、答弁書の(3)において、「本件商標『インバーテッド』が『(上下が)逆さまになった』の意味を有する英語の『inverted』を片仮名で表記したものであるとしても、これは形容詞であるから特定の商品を表示するものではなく、従って、『インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー』或いはその他の『インバーテッド・コンベヤーシステム』を指標することはない。ましてや商品の品質、機能を表示することはあり得ない。」旨主張している。
しかしながら、被請求人の上記答弁は、「インバーテッド」の語が”商品標識”としてどのように理解されるかという点が考慮されておらず失当である。
即ち、本件審判において問題としているのは、本件商標を構成している英語が形容詞であるか名詞であるかとか、またその有する語義を厳密に検討することよりも、本件商標がその指定商品であるインバーテツド・パワーアンドフリー・コンベヤー或いはその他のインバーテツド・コンベヤシステムに使用された場合に、当該指定商品の取引者、需要者にどのように理解されるか、ということである。
請求人は、本件商標「インバーテッド」がその指定商品である「インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー」或いはその他の「インバーテッド・コンベヤーシステム」に使用された場合には、その使用された商品が「パワーアンドフリー・コンベヤー」を逆さまにしたシステム即ち、「運搬物を吊り下げて走行するのではなく、床或いは床上方に設置したコンベヤーに運搬物を乗せて走行するように改良した複動式トロリーコンベヤー或いは上記のようなコンベヤー・システム」であると、少なくとも本件商標の登録査定時には、当該指定商品の需要者、取引者に理解される様になっていたと主張しているのである。
甲第1号証乃至甲第8号証は、上記主張を裏付けるため提出したものであるが、これに対し被請求人は「各甲号証には『インバーテッド(inverted)』なる語は単独で使用されておらず、『インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー』であることが前後のつながりから明確であるときのみ省略して『インバーテッド・システム』等の用法で使用されている」旨答弁している。
しかしながら、上記甲各号証は、上記の如く「インバーテツド」の語が「インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー」或いは「インバーテッド・コンベヤーシステム」の略語として使用されていることを示すために提出したのではなく、「パワーアンドフリー・コンベヤー」を上記の如く改良したコンベヤー、或いはコンベヤーシステムが、この種商品の業界において「インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー」或いは「インバーテッド・コンベヤーシステム」なる名称で、少なくとも本件商標の登録査定時には既に広く知られていたことを証明するために提出したのである。そして、それ故「インバーテッド」の語は、その指定商品である「インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー」或いはその他の「インバーテッド・コンベヤーシステム」に商標として使用された場合に、当該商品の需要者、取引者をしてその付された商品の品質、機能を直感せしめると主張したのである。
(2)次に被請求人は、答弁書の(4)において、甲第3号証乃至甲第8号証は日本において一般公開されているという証明がない旨主張するので、上記各甲号証が日本において一般公開されていることを甲第12号証により証明する。
甲第12号証は、関西文献センター振興会が発行している「欧文科学技術雑誌所在目録・改訂版」であるが、甲第3号証乃至甲第8号証雑誌は大阪府立大学工学部の図書室に収録されていることが凡例及び第123頁から明らかである。なお、同目録の発行日は1992年であるが、該目録は改訂版であり、これら雑誌は殆どすべて、それぞれ収録機関にその発行後数日で収録されている。近年における技術や市場のボーダレス化、グローバル化を改めて述べるまでもなく、甲第12号証文献目録や、今日コンベヤ業界、自動車業界の各メーカーがアメリカの専門雑誌を購読しているのが当たり前の現状から明らかなように、コンベヤーに関してもアメリカにおける知識、技術は即日本における知識、技術となっている。
(3)被請求人は、甲第9号証商品パンフレットについて配布時期、入手経路等が不明である旨答弁しているが、同甲号証パンフレットは、甲第7号証「Modern Materials Handling」1985年1月号第24頁に掲載されている「Inverted Power and Free」の詳細資料として請求人が同雑誌社に送付依頼して入手した商品パンフレットである。同雑誌は、掲載商品等について更に興味のある読者が、同雑誌に添付されている切り取り式に綴じ込まれた郵便切手不要の読者サービスカード(甲第13号証の1参照)を用いて詳細情報を得ることができる様になっている。
例えば、「Modern Materials Handling」1985年1月号第157頁(甲第13号証の2)の左上段の「NEW PRODUCTS」の表示の下に、「商品について更に詳細情報が必要の場合には、バックカバー内の読者サービスカードの該当商品番号を丸で囲ってください」との説明が付けてあり、商品番号は各商品の掲載頁に”For more information circle 280”或いは請求人がパンフレット請求に参照した甲第7号証「Modern Materials Handling」1985年1月号第24頁の”CIRCLE NO.19”の如く表示されているので、詳細情報が必要な読者は同雑誌に綴り込まれている甲第13号証の1のような読者サービスカードの該当サークルNO.を丸で囲んで住所氏名を記入して投函すれば、日本の読者でも商品パンフレット等の資料を簡単に入手出来るようになっている。
甲第9号証商品パンフレツトは請求人が上記のようにして1985年に入手したものである。
(4)以上の次第で、本件商標は、その登録査定時、指定商品中「インバーテツド・パワーアンドフリー・コンベヤーその他のインバーテツド・コンベヤーシステム以外のコンベヤー」について使用すると、その商品の品質について「インバーテツド・パワーアンドフリー・コンベヤー」或いは「インバーテッド・コンベヤーシステムよりなるコンベヤー」であるかの如く誤認を生ずる虜のあったものである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べた。
1.請求人は、本件商標はその指定商品中の「インバーテツド・パワーアンドフリー・コンベヤーその他のインバーテツド・コンベヤーシステム以外のコンベヤー」(以下、「本件商品」という。)について、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により無効にされるべきものであると主張する。
しかしながら、本件商標はその指定商品のいずれの商品についても、決して商品の品質を表示するものでなく、また、本件商品に使用しても、係る商品の品質について誤認を生ずるおそれは全くないため、審判請求人の引用する法条に該当しないものである。
以下にその理由を詳述する。
2.本件審判事件において、請求人の引用する甲第1号証は本件商標の登録原簿ならびに公告公報の写であり、そこに記載されている事実には何の疑義もないものである。また、本件商標の指定商品中には「荷役機械器具」が包含されていることは明らかであり、その中の「コンベヤ」の数ある種類の中の一つとして「パワーアンドフリー・コンベヤー」あるいは「パワーアンドフリートロリーコンベヤー」と呼ばれる「複動式トロリーコンベヤー」が存在することは甲第2号証を挙げるまでもない事実である。
3.しかし、本件商標の構成である「インバーテッド」の片仮名文字が「(上下を)逆にする、さかさにする」を意味する英語「invert」の過去分詞「inverted」の発音を仮名書きしたものであるとしても、これは形容詞であって特定の商品を表示するものでないことは明白であり、単に「インバーテッド」なる表示のみで、これが「インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー(inverted power and free conveyor)」あるいは「インバーテッド・コンベヤーシステム」を指標することは決してない。
ましてや、この「インバーテッド」が商品の品質、機能を表示することはありえないことである。例えば、「パワーアンドフリー・コンベヤー(Power and Free conveyor)」のレールと運搬物との位置関係の上下を逆さまにしたコンベア・システムを表示するときには必ず「インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー(inverted Power and Free conveyor)」と記載されており、かつ、呼ばれている。
すなわち、請求人提出の甲各号証を詳細に精読するも「インバーテッド(inverted)」なる語を単独では使用されておらず、「パワーアンドフリー・コンベヤー(power and free conveyor)」の高架(overhead)または通常(normal)タイプに対して、上下を逆さまにした(upside down)タイプであることを表現するため、「インバーデッド・パワーアンドフリー・コンベヤー(inverted power andfree conveyor)」と使用されており、この「インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー(inverted power and free conveyor)」であることが前後のつながりで明確であるときにのみ省略して「インバーテッド・システム(inverted system)」などの用法で使用しているのが実情であって、これをもって「インバーテッド」なる語がいわゆる改良型複動式トロリーコンベヤーを表す語として、或いは上記のようなコンベヤー・システムを表す語として、本件商標の登録査定日である平成2年5月18日前からコンベヤー業界や自動車業界において認識されたものということはできない。
これについて、請求人は、甲第5号証において「何れのモデルもインバーテッドの形態で利用できる。」と記載されていると引用しているが、これは雑誌の広告の中の極めて制約された狭いスペースであり、それも実際には「Availability in Power & Free and Continuius Flow models.」と太い文字で記述した文章に続いて細い文字で記載されている「Either model is available in normal or inverted configuration.」の部分のみを引用しているのであり、しかも、一部に誤訳もみられる。
また、甲第6号証(前出雑誌第56頁)の前半部において、「効率性のためのインバーテッド。(Inverted for efficiency,)」と記載されてはいるが、これは掲載写真図の簡略な説明のための記載で、それに続いて「この上下逆さまのモノレールシステムに取り入れられたキャリアは、たいてい製品の外面を見て接することができる状態を保ち、ワークステーションで生産性が向上する。(this”upside‐down monorail system has carries that keep mostproduct surfaces visible and accessible,incresing productivity at work stations.)」と前の語句を説明しているのである。
そして、前出雑誌第57頁の翻訳も正確さを欠く。
4.請求人提出の甲第10号証の1乃至4(米国雑誌表紙)は、本件審判に関連するものは甲第6号証だけであって、他の表紙は何ら関係のないものであるから、これをもって米国雑誌「Modern Materials Handling」が大阪府立大学図書館にアメリカにおける発行とほぼ同時期に取り寄せられ、一般に公開されていることを示すものとはいえない。
また、甲第3号証乃至甲第8号証として提出している当該雑誌あるいは業界紙が当該大学図書館にて一般に公開されているのであれば、この甲第6号証を含めて何故かかる一般に公開されたことが明らかな証拠を甲各号証の証拠資料として使用しないのか疑義がある。
更に、甲第9号証(製品パンフレット)は「Inverted Power & Free Conveyors」の表題でつくられたものである。それにもかかわらず、このコンベヤーシステムを決して「インバーテッド(Inverted)」と略称はせずに、必ず、「インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー(Inverted Power&Free conveyor)」あるいは「インバーテッド・パワーアンドフリー(Inverted Power&Free)」と記述しているのである。しかも、当該パンフレットが、いつ配付されたものかの配付時期、配付部数、入手経路など全く不明である。
また、甲第11号証の1乃至3(米国雑誌)は、その3冊合わせて300に近い多数の企業広告リスト中、日本企業に関する広告は僅かに三菱、小松、TCM、日産、トヨタのフォークリフトの広告が見られるに過ぎず、それをもって該雑誌が日本のコンベヤー業界や自動車業界で多数定期購読されているとする主張の根拠に乏しい。
5.上記のように、本件商標の構成である片仮名文字「インバーテッド」が商品「コンベヤー」の品質、機能を表示することはあり得ず、ましてや、本件商品に本件商標を使用しても当該商品の品質について誤認を生ずることは決してないため、本件商標は請求人主張の法条には該当しないものである。

第4 当審の判断
本件審判における請求人、被請求人両当事者の主張の論点は、本件商標がその登録を受けた平成2年当時、荷役・搬送機器又はコンベヤー機器の商品分野において、特定のコンベヤーシステム或いは同システムよりなるコンベヤーを表示するものとして直ちに認識・理解される程度に定着していた用語であるか否か、また、その結果、本件商標をそれら構造・機能を備えたコンベヤー以外のコンベヤーシステム又は同システムよりなるコンベヤーについて使用した場合、需要者をして、その品質について誤認を生ぜしめるものであったか否かの点にある。以下、請求人主張の当否について判断する。
本件商標は、その構成前記したとおり「インバーテッド」の文字よりなるところ、該文字は、一般に、「逆(さかさ)にする」等の意味合いの英語「invert」(インバート)の過去分詞形である「inverted」の語の片仮名表記と理解されるものと認められる。
ところで、荷役・搬送機器ないしはコンベヤー機器業界において、「POWER & FREE」、「パワーアンドフリー」の語がいわゆる従来型複動式トロリーコンベヤーの品質・機能表示或いはその通称として用いられていたことは、請求人主張の全趣旨並びにその提出に係る甲第2号証(登録商標「POWER & FREE/パワーアンドフリー」に関し商標法第4条第1項第16号該当を理由にその指定商品中の「コンベヤー及びその各部」についての存続期間更新登録を無効とした審決写し)の記載に徴して認め得るところである。また、これらコンベヤーが本件商標の指定商品中に含まれる点については両当事者間に争いはない。
請求人は、本件商標の「インバーテッド」なる語は、上記「パワーアンドフリー・コンベヤー」を逆さまにしたシステム、即ち運搬物を吊り下げて走行するのではなく、床或いは床上方に設置したコンベヤーに運搬物を乗せて走行するように改良した複動式トロリーコンベヤー若しくは同コンベヤー・システムを表示するものとして、本件商標の登録時前においてすでにコンベヤー業界や自動車業界において認識されていた旨主張し、甲第3号証乃至甲第9号証(枝番を含む)その他の書証を提出しているので、これについて検討する。
甲第3号証乃至甲第8号証は、1981年から1985年にかけて発行された「Modern Materials Handring」なる表題の米国雑誌掲載の当該コンベヤー機器に関する紹介記事写しと認められるところ、これら雑誌記事(いずれも英文のみ)によれば、なるほど、パワーアンドフリー・コンベヤー(power and free conveyor)と呼ばれる高架式(overhead)又は従来方式(normal)のタイプのものに対して、上下を逆さまにしたタイプ(upside down)のコンベヤー(以下、「アップサイドダウン式コンベヤー」という。)を「inverted power and free conveyor(インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー)と呼び、前述「POWER & FREE」(パワーアンドフリー)と同様に該文字(語)をアップサイドダウン式コンベヤーの機能(品質)表示又は呼称名として使用している事実が一定程度認められるものである。
しかしながら、「インバーテッド」(inverted)の文字(語)のみが単独でアップサイドダウン式コンベヤーを意味し又はそれを指称するものとして使用されている事実はなく、また、たとえ、それら記事中に、「インバーテッド・システム(inverted system)」等の表示(略記)を用いる場合があるとしても、その前後関係よりして、当該報道テーマがアップサイドダウン式コンベヤーであることを前提に記事スペース等の関係で便宜的に用いたにすぎず、それ以上に該文字(語)が当該コンベヤー若しくはその構造・機能等を表示するものとして取引上普通に使用されていたとする状況は見出せない。
さらに、これら雑誌記事によれば、アップサイドダウン式コンベヤーは前記表示のほか、「(a)floor mounted power and free (conveyor)」(甲第4号証,第56頁「前書き記事」及び同第57頁「写真解説」)、「”upside-down”monorail system」(甲第6号証,第56頁「写真解説」)又は「inverted”upside down”monorail system」(甲第6号証,第57頁左下「本文記事」)等の表示も用いられていることが認められるように、必ずしも一定の表示が用いられているものでなく、むしろ、当該メーカー等によりそれぞれ任意的に用いられている状況を否定し得ないから、これら事情よりすれば、請求人主張の「inverted power and free conveyor」(インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー)がいわゆる改良型複動式トロリーコンベヤー若しくは同コンベヤー・システムを表示するものとして、当業界において定着していたとみるのは困難であって、まして、「inverted」(インバーテッド)の語が単独で当該コンベヤーを指称するものとして直ちに認識し得る程度に定着していたとみるのは到底困難といわなければならない。
そして、また、前出雑誌及びパンフレットに取り上げられたコンベヤー機器メーカーは、「Jervis B.Webb Co.」若しくはその関連会社に係るものが殆どであって(甲第4号証,甲第5号証,甲第7号証及び後出甲第9号証)、このほか、僅かに「GM」(甲第3号証)、「IBM」(甲第8号証)に関連したものが一二紹介されている程度であるから、これら雑誌への掲載事実をもって、直ちに「inverted power and free conveyor」(インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー)又は「inverted」(インバーテッド)に関する荷役・搬送機器ないしはコンベヤー機器分野における一般的な取引事情とみるのは適切でなく、したがって、請求人主張の「インバーテッド」なる語が改良型複動式トロリーコンベヤーないしは同コンベヤー・システム(前出アップサイドダウン式コンベヤー)を表示し認識させるとする点は客観的に証明されない。
さらに、甲第9号証は、1984年米国会社「Jervis B.Webb Company」発行に係る「Inverted Power & Free Conveyors...」なる表題のアップサイドダウン式コンベヤーの製品パンフレット写しと認められるところ、同パンフレット中の当該説明箇所(都合35箇所)は、専ら「Inverted Power & Free Conveyor(s)」、「Inverted Power & Free System」又は「Inverted Power & Free」等の表示により当該コンベヤーを紹介しているものであって、「インバーテッド(inverted)」の文字(語)が単独にその構造・機能等を表示するものとして用いられているケースは皆無といえるものであるから、同パンフレットをもって請求人主張の「インバーテッド(inverted)」が特定のコンベヤーシステム或いは同システムよりなるコンベヤーを表示するものとして直ちに認識・理解されるとの点を客観的に示すものとはいえない。
以上によれば、請求人提出の甲第3号証乃至甲第9号証をもってしては、請求人主張の改良型複動式トロリーコンベヤー又は同コンベヤーシステム(前出アップサイドダウン式コンベヤー)がこの種商品の業界において「インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー」或いは「インバーテッド・コンベヤーシステム」なる名称で本件商標の登録時において広く知られていたとする点は客観的に明らかでなく、まして、「inverted」(インバーテッド)の語がわが国の荷役・搬送機器又はコンベヤー機器の分野において特定のコンベヤーシステム或いは同システムよりなるコンベヤーを表示し或いは直感させるとの点を客観的に認め得る証左とすることはできない。 また、請求人は、前出米国雑誌(甲第3号証乃至甲第8号証)がわが国において一般に公開され或いは国内コンベヤー業界や自動車業界で多数定期購読されているとして、甲第10号証乃至甲第13号証(枝番を含む)を提出しているが、たとえ、前出米国雑誌がわが国において一般に公開され或いは国内コンベヤー業界や自動車業界で一定程度購読されている状況にあるとしても、公知刊行物であるからといって直ちに前述「インバーテッド(inverted)」に関するコンベヤー業界の取引事情を客観的に示すものとはいい難く、また、その主張にも拘わらず該雑誌のわが国における購読事情は必ずしも明らかでないから、それら主張をもって前記認定を覆すことはできない。このほか、請求人の主張を認めるに足りる証拠はない。
してみれば、本件商標(「インバーテッド」)は、その登録を受けた平成2年当時、荷役・搬送機器又はコンベヤー機器の商品分野において、特定のコンベヤーシステム或いは同システムよりなるコンベヤーを表示するものとして直ちに認識・理解される程度に定着していたものとはいい難く、また、そうである以上、これを請求人主張のコンベヤーを除くそれ以外のコンベヤー又は同コンベヤーシステムについて使用しても、需要者をして、その品質について誤認を生ぜしめる虞はないと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、その指定商品中の「コンベヤー及びその各部(但し、インバーテッド・パワーアンドフリー・コンベヤー及びその他のインバーテッド・コンベヤーシステムより成るコンベヤー並びにそれらの各部を除く)」について、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものとはいえないから、同法第46条第1項により、これを無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 本件商標


審理終結日 2000-09-07 
結審通知日 2000-09-19 
審決日 2000-10-12 
出願番号 商願昭62-23336 
審決分類 T 1 12・ 272- Y (109)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田中 照雄高野 義三 
特許庁審判長 原 隆
特許庁審判官 宮川 久成
野口 美代子
登録日 1990-08-30 
登録番号 商標登録第2257694号(T2257694) 
商標の称呼 インバーテッド 
代理人 清末 康子 
代理人 森本 義弘 
代理人 岸本 瑛之助 
代理人 渡辺 彰 
代理人 日比 紀彦 
代理人 岸本 守一 

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