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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない Z3637
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z3637
管理番号 1029325 
審判番号 審判1999-10201 
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-06-18 
確定日 2000-11-29 
事件の表示 平成 9年商標登録願第101702号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、商標の構成を別掲に示すものとし、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有理証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,有価証券・金融先物取引・ゴルフ会員権に係る投資に関する情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金」、第37類「建築一式工事,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,石工事,ガラス工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,建具工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・土工又はコンクリートの工事,内装仕上工事,板金工事,防水工事,屋根工事,管工事,機械器具設置工事,さく井工事,電気工事,電気通信工事,熱絶縁工事,建築設備の運転,映写機の修理又は保守,写真機械器具の修理又は保守,エレベータの修理又は保守,火災報知機の修理又は保守,機械式駐車装置の修理又は保守,浄水装置の修理又は保守,照明用器具の修理又は保守,製材用・木工用又は合板用の機械器具の修理又は保守,暖冷房装置の修理又は保守,バーナの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,貯蔵槽類の修理又は保守,電気通信機械器具(電話機・ラジオ受信機及びテレビジョン受信機を除く。)の修理又は保守,ラジオ受信機又はテレビジョン受信機の修理,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,発電機の修理又は保守,電動機の修理又は保守,土木機械器具の修理又は保守,民生用電気機械器具の修理又は保守,家具の修理,ガス湯沸かし器の修理又は保守,加熱器の修理又は保守,なべ類の修理又は保守,金庫の修理又は保守,錠前の取付け又は修理,洗浄機能付き便座の修理,浴槽類の修理又は保守,畳類の修理,煙突の清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,し尿処理槽の清掃,貯蔵槽類の清掃,道路の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃,電気洗濯機の貸与,床洗浄機の貸与,モップの貸与」を指定役務として、平成9年4月1日に立体商標として登録出願されたものである。

2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、建築物(住宅)を表した構成よりなるものであるから、これをその指定役務中、第36類「建物の貸与、建物の売買」等、建物を取引の対象とする役務、第37類「建築一式工事、左官工事、大工工事」等、建築物に関連する「工事」に使用するときは、単に役務の提供の用に供する物、役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標は、前記役務以外の役務との関係でみた場合、これに接する需要者・取引者をして、一般の住宅そのものを表したものと認識されるにとどまるものであって、役務の提供の用に供する物の外観、店舗あるいは事業所の形状を表したものともいえず、また、看板・広告等としての使用も想定し難いものであるから、これを前記以外の役務に使用しても、自他役務識別標識としての機能を発揮し得ないものであるといわざるを得ず、何人かの業務に係る役務であるのかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定して本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)平成8年法律第68号により改正された商標法は、立体的形状若しくは立体的形状と文字、図形、記号等の結合又はこれらと色彩との結合された標章であって、商品又は役務について使用をするものを登録する立体商標制度を導入した。
立体商標も商品又は役務に使用されるものでなければならないことは、平面商標と異ならないところ、不動産である建築物も立体商標を構成し得るものであるということができる。
しかしながら、商標の本質的機能は、商品・役務(以下、「役務等」という。)の出所を明らかにすることにより、自己の業務に係る役務等と他人の業務に係る役務等との品質・質等の相違を認識させること、即ち、自他商品・役務(以下、「自他役務等」という。)の識別機能にあるということができるところ、一般的に家屋や店舗、事業所等の建築物は、住居や商品の製造・販売の場又は役務の提供の場等として利用されるものであることから、本来、役務等の出所を表示し、自他役務等を識別するために使用をする標識として採択されるものではない。
そして、このような建築物の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは建築主又は事業主が自己の好みに合わせ他の建築物との差別化を図るためや、建築物としての美感を際だたせることを目的として施されたものであって、前示したように、自他役務等を識別するための標識として採択されるものではなく、全体としてみた場合、家屋や店舗、事業所等の建築物の形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は当該建築物のある所で商品の販売又は役務の提供が受けられるものと認識するに止まり、自他役務等を識別するための標識として認識し得ないものといわなければならない。
また、このように本来的には自他役務等を識別するための標識として採択されるものではない立体商標については、登録によって発生する商標権が全国的に及ぶ更新可能な半永久的な独占権であることを考慮すれば、その自他役務等の識別力について厳格に解釈し、適用することが役務等の取引秩序を維持するということを通じて産業の発達に貢献するという商標法の目的に沿うものといえるところである。
そうとすれば、建築物全体が立体的識別標識(広告塔)と認識されるような場合などはともかくとして、建築物の形状として認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標のみをもって、取引者、需要者間において自他役務等の識別標識として明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、自他役務等の識別力を有しないものとして商標法第3条第1項の規定に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。
(2)これを本願についてみれば、本願商標は、2階部分の中央部にバルコニー及び寄せ棟屋根を有する2階建ての建物の立体的形状からなるといえるものである。
そして、本願商標の指定役務中、第36類「建物の貸与、建物の売買」等、建物を取引の対象とする役務、第37類「建築一式工事、左官工事、大工工事」等、建築物に関連する工事においては、一般に取引に係るその建築物の全体像をイメージしやすいように、例えば、売買の対象となる建築物や工事(改築・改装)後の建築物を示して広告され、取引されている実情が認められるものである。
そうとすれば、本願商標を前記役務に使用するときは、取引者、需要者は、単に取引の対象となる建築物であること、すなわち、役務の質を表したことと認識するにすぎないものと判断するのが相当である。
また、前記以外の役務との関係において、前記以外の役務を取り扱う店舗の形状としてその一形態を表したものとみられるものであって、当該建築物の形状が立体的識別標識(広告塔)として機能しているとは認められないから、これを前記以外の指定役務について使用しても、取引者、需要者は、単に当該建築物のある所で役務の提供が受けられるものと認識するに止まり、自他役務を識別するための標識としての機能を有するものとは認識し得ないものであるから、結局、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと判断するのが相当である。
(3)請求人は、本願商標は、特殊形状で表現され、通常形態の住宅とは識別可能であって、特に、請求人の販売に係る住宅は同一形態のプレハブ住宅であり、その販売数の多さにより、形態自体に自他役務識別力が発揮される、また、Gマークを取得している旨主張している。
しかしながら、本願商標の指定役務中、第36類「建物の貸与、建物の売買」等、建物を取引の対象とする役務、第37類「建築一式工事、左官工事、大工工事」を取り扱う業界においては、特に多様な工法を用い、建物の多様なデザインを採択し、役務の提供をしていることが一般に行われているところであって、その特徴は、建築物そのものの美感(見た目の美しさ)を効果的に際立たせるための範囲のものというべきである。
しかして、本願商標は、その形状が特徴的なものであっても、それは美感をより発揮させるために施されたものであることは(1)で述べたとおりであり、それをもって直ちに本願商標に関し自他役務の識別性に影響を与えるものとは認め難く、これに接する取引者・需要者もまた、取引の対象となる建築物の形状の範囲のものと認識するに止まり、前示の形状をもって自他役務の識別標識として機能するとは認め難いというべきである。
(4)請求人は、本願商標は、宣伝広告的な使用(縮小モデル、キーホルダー)が考えられるので、自他役務識別力を発揮する旨主張するが、本願商標は、前記のとおり建物と認められるものであり、たとえ、建物の縮小モデルであっても、取引の対象となる建築物のデザインや細部の構造そのものの宣伝広告であると認識するに止まり、自他役務を識別するための標識としての機能を有するとは認め難いものである。
(5)請求人は、本願商標は、同業者間で周知であり、自他役務識別力を有する旨主張し、参考資料(IIIないしX)を提出しているが、その証明書に表示された商標は、本願商標と同一のものとはいえないばかりでなく、他に請求人の主張を証する公的機関等による客観的な証明もないから、当該形状のみをもって取引者、需要者間において自他役務の識別標識として明らかに識別されているとも認められないものである。
したがって、本願商標は、自他役務を識別するための標識としての機能を果たしているとは認められないものであるから、請求人の主張は採用できない。

4 結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第6号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標

審理終結日 2000-09-12 
結審通知日 2000-09-26 
審決日 2000-10-11 
出願番号 商願平9-101702 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z3637)
T 1 8・ 16- Z (Z3637)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 久保田 正文和田 恵美 
特許庁審判長 三浦 芳夫
特許庁審判官 寺光 幸子
宮川 久成
代理人 木下 實三 
代理人 中山 寛二 
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