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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない 028
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない 028
管理番号 1028729 
審判番号 審判1999-15127 
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-09-20 
確定日 2000-10-13 
事件の表示 平成 8年商標登録願第123150号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.本願商標
本願商標は、別掲に表示したとおり「AMORPHOUS CARBON FIBER」及び「アモルファスカーボンファイバー」の文字を二段に横書きしてなり、平成8年10月31日に登録出願、指定商品については、同10年12月18日付け手続補正書で第28類「炭素繊維を使用したビリヤード用具、炭素繊維を使用した運動用具、炭素繊維を使用した釣り具」と補正したものである。

2.原査定の拒絶理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『非晶質炭素繊維』を意味する英語である『AMORPHOUS CARBON FIBER』の欧文字とその片仮名表記『アモルファスカーボンファイバー』の文字を二段に書してなるところ、これを本願指定商品に使用しても、単にその商品の品質・原材料を表示するに過ぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認められる。また、出願人の商標法第3条第2項適用の主張については、本願商標と使用されている商標とはその態様を異にし、証拠提出された使用商品も指定商品の一部のみであるから、これを認めることは出来ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定判断して、本願を拒絶したものである。

3.請求人(出願人)の主張要旨
請求人(出願人)は「非晶質の炭素繊維は存在しておらず、通常の取引者・需要者が本願商標から直ちに『非晶質炭素繊維』を理解することはあり得ない。本願商標は、出願人及び使用権者による使用の結果周知となっており、商標法第3条第1項第3号に該当するとしても、同法第3条第2項の規定により登録されるべきものである。」旨主張している。

4.当審の判断
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなるものであるところ、構成文字中の「AMORPHOUS CARBON」及び「アモルファスカーボン」の文字部分は、「ガラス状カーボンとも呼ばれるもので、フェノール、ホルムアルデヒド樹脂、フラン樹脂などの熱硬化性樹脂を、不活性雰囲気中で摂氏1000〜2000度で焼結作成する、非結晶構造の高硬度で緻密なカーボン素材」を指す語である。また、カーボン素材は、フィルム状や、繊維状、パルプ状等様々な形状で供されることから、構成文字中の「FIBER」及び「ファイバー」の文字部分は、これが繊維であることを認識させるものである。更に、「CARBON FIBER」及び「カーボンファイバー」の文字部分をとっても、「炭素の層が積み重なったグラファイトから出来た高強度、高剛性等の機械的性質に優れた繊維」を指す語であって、「炭素繊維」の名でも一般に親しまれているものである。そうすると、本願商標「AMORPHOUS CARBON FIBER」及び「アモルファスカーボンファイバー」は、「非結晶構造の炭素繊維」の意味が容易に想起されるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標を、その指定商品に使用した場合、取引者、需要者は単に商品の品質・原材料を表示するものとして理解・把握するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たす文字とは認識し得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することは出来ない。
ところで、請求人(出願人)は、本願商標は商標法第3条第2項の規定に該当するものとして登録されるべき旨主張するが、使用の事実を示す甲各号証中に示された商標は「AMORPHOUS CARBON FIBER」あるいは「アモルファスカーボンファイバー」のいずれかの文字のみであって本願商標とはその態様を異にする。また、甲各号証中に示された使用者は全て他人であって、請求人による使用とは認められない。また、甲各号証中に示された使用に係る商品は指定商品の一部であり、他の指定商品についてはどのように使用したか不明である。したがって、商標の使用開始時期、使用期間、使用地域、広告宣伝の回数等が明らかでないことに言及するまでもなく、同人の主張は採用出来ない。
よって結論のとおり審決する。
別掲 本願商標

審理終結日 2000-07-17 
結審通知日 2000-08-01 
審決日 2000-08-28 
出願番号 商願平8-123150 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (028)
T 1 8・ 13- Z (028)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 奥冨 宏小俣 克巳 
特許庁審判長 板垣 健輔
特許庁審判官 山田 忠司
岩本 明訓
商標の称呼 アモルファスカーボンファイバー、アモルファスカーボン 
代理人 水野 勝文 
代理人 岸田 正行 

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