• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 外観類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 111
管理番号 1028682 
審判番号 審判1999-35333 
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-04-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 1999-06-30 
確定日 2000-10-05 
事件の表示 上記当事者間の登録第2688770号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2688770号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2688770号商標(以下、「本件商標」という)は、別掲(1)に示す構成よりなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)、電気材料」を指定商品として、平成4年3月4日登録出願、平成6年7月29日に登録されたものである。

2 請求人の引用する商標
1)請求人が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第2487966号商標(以下、「引用A商標」という。)は、別掲(2)に示す構成よりなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)、電気材料」を指定商品として、平成1年7月11日登録出願、平成4年12月25日に登録されたものである。
2)請求人が、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用した商標は、上記引用A商標の外、登録第3113262号商標(別掲(3)に示す構成よりなり、以下、「引用B商標」という。)、登録第3113263号商標(別掲(4)に示す構成よりなり、以下、「引用C商標」という。)、及び、登録第3113263号商標防護標章登録第8号(以下、「引用D標章」という。)であって、引用B商標及び引用C商標は、ともに第38類「電話による通信」を指定役務として平成4年7月17日登録出願、平成8年1月31日に登録されたものであり、引用D標章は、政令で定める商品区分第9類の商品を指定商品とし、平成4年8月31日登録出願、平成9年3月10日に登録されたものである。

3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、証拠方法として甲第1号証ないし同第13号証(枝番を含む)を提出し、その理由を概要以下のように主張した。
1)本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
本件商標は、二つの楕円状リングの端が重なった状態の図形を表示してなるものである。
これに対し、引用A商標は、二つの楕円状リングの端を重ねた状態の図形を表示してなるものである。
そして、この両図形は、いずれも大小二つの楕円状リングの一端が重なっていることと、図形を構成する大小二つの楕円状リングの一端が肉厚で、順次反対側の端にゆく程に細くなるように描かれている点を共通にし、その構成の軌を同じくするものであり、外観上相紛らわしく類似する。
また、両商標は、その指定商品についても同一又は類似するものである。
2)本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
本件商標は、引用A商標乃至引用C商標及び引用D標章と類似し、これらは、請求人の商標として広く一般に知られ、周知・著名となっているので(甲第10号証乃至甲第13号証の2)、本件商標をその指定商品に使用する場合、あたかも請求人の業務に係る役務と誤認し、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

4 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を概要以下のように主張した。
1)本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとの主張について
a)引用A商標と本件商標を比較検討するに、引用A商標は大小二つの相似形の楕円状リングの組み合わせ図形であるのに対し、本件商標は大きな楕円状リングと小さな真円状リングの組み合わせ図形である。
b)引用A商標は楕円状リングの大小比率は長径で1.27:1と差が小さいのに対し、本件商標は楕円状リングの長径と真円状リングの径は2:1と差が大きな二つのリングの組み合わせとなっている。
c)二つのリングの組み合わせの配置について、引用A商標は右上方約45度の角度をもつ一直線上に二つの楕円状リングの長径を一致させ、大きな楕円状リングを左下部に、小さな楕円状リングを右上部に、かつ肉厚部をいずれも同方向の左方に位置して配置したのに対し、本件商標は楕円状リングの長径と真円状リングの径を略T字状とし、大きな楕円状リングは肉厚部を右方にして上部に、小さな真円状リングは肉厚部を下方にして下部に配置している。
d)二つのリングの組み合わせの重なりについて、引用商標1は大きな楕円状リングの肉細部と小さな楕円状リングの肉厚部とが深く重なり合っているのに対し、本件商標は互いのリングの肉細部が浅く重なり合っている。
したがって、引用A商標と本件商標とは図形を構成する二つのリングの形状及び大きさ比に加え、二つのリングの具体的な組み合わせの配置及び状態も明確に異なり、全体観察をしても引用A商標は二つの大小相似形の楕円状リングが整然と一方向へ動的に結合しているのに対し、大小差が明らかな楕円状と真円状のリングが格別の意義なく結合している本件商標とは、外観上類似する要素は全く存在しない。
又、請求人は図形商標はあらゆる方角から観察され、上下関係が無視されると言うけれど、指定商品との関係で商標は、商品、包装容器或いはパンフレット等に表示され、これ等の商品等には当然、上下、正背、表裏や他の表示等との各関係があり、斯かる関係を無意識の中に含んで商標を認識するものであり、請求人の主張は是認できない。
そして、例え本件商標の上下等の位置を無視しても引用A商標の大小二つの相似形楕円状リングが整然と一方向へ動的に結合している印象を本件商標より感得できるものでない。
2)本件商標は商標法第4条第1項第15号の規定に該当するとの主張について
a)引用A商標が「日本テレコム」の文字と共に指定商品について使用されているのを確認できるのは、甲第13号証の2のパンフレットにパソコン及びプリンターに関連して使用されているのみであり、当該掲載機器自体は複数の他の製造メーカーの商品を製造メーカーの商標を含めて転載されているにすぎず、販売者である請求人の存在は極めて弱く、引用A商標が指定商品について周知・著名である事実は見出せない。
b)次に、引用A商標と同一図形のみで構成する引用B商標は特例出願で登録されたものであるけれども、これをもって競合出願の有無や当該商標が周知・著名であることを立証・確認できるものと言えず、周知・著名性を推認できるものでない。
c)そして、引用C商標は、引用A商標、引用B商標と同一図形に「日本テレコム」の文字を結合して構成した商標であり、第38類の役務を指定し、防護標章を本件商標と同一の指定商品に有するものである。
しかし、引用C商標は図形と文字が一体に結合した商標であり、甲第10号証乃至甲第13号証の2に表示され確認できる商標は、すべてが図形と文字が一体に結合した同一の構成の使用態様であることから、商標全体として周知・著名であって、図形部分が独立して周知・著名であることを推認できるものではない。
d)このように請求人の主張においては、引用C商標のみが周知・著名と認められるにすぎず、しかも商標法第4条第1項第15号に該当するとの請求人の主張は、本件商標が各引用商標の図形部分と外観類似であることを前提とするものである。
したがって、前記1)で検討した通り、その前提とする根拠すら存在しないのであり、まして請求人の主張する周知・著名商標は外観の明らかに異なる図形と「日本テレコム」の文字の結合商標であるから、本件商標が商品の出所について混同を生ずるおそれは全くないものである。

5 当審の判断
本件商標と引用A商標の類否について検討するに、本件商標及び引用A商標の構成は、ぞれぞれ前記したものであるところ、両商標は、ともに大小二つのリング状図形を組み合わせてなるものであり、大きなリング状図形は両者とも肉太部分と肉細部分を有する楕円形状であって、その肉細部分付近に小さなリング状図形の一端が重なるように配置してなる点において構成の軌を一にするものである。
しかして、両商標は、大小二つのリング状図形の配置方向に差異が認められるものの、これが、両商標の外観上の印象において、互いを別異のものと明確に識別できる程の顕著な差とはいえないものである。
そうとすれば、両者の外観上の印象は極めて近似し、時と処を異にして接するときには、互いに混同を生ずるおそれがあるというのが相当である。
したがって、本件商標と引用A商標とは、その外観において類似する商標であって、指定商品も互いに同一又は類似するものである。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるか否かを判断するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項の規定により、その登録は無効とされるべきである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)本件商標



(2)引用A商標



(3)引用B商標


(色彩については原本参照)

(4)引用C商標


(色彩については原本参照)
審理終結日 2000-02-09 
結審通知日 2000-02-22 
審決日 2000-03-13 
出願番号 商願平4-23019 
審決分類 T 1 11・ 261- Z (111)
最終処分 成立 
前審関与審査官 渡辺 常雄内山 進 
特許庁審判長 小松 裕
特許庁審判官 芦葉 松美
宮川 久成
登録日 1994-07-29 
登録番号 商標登録第2688770号(T2688770) 
代理人 館石 光雄 
代理人 萼 経夫 
代理人 村越 祐輔 
代理人 宮田 正道 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ