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審決分類 審判 全部無効 商標の周知 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 016
審判 全部無効 商品(役務)の類否 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 016
審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 016
審判 全部無効 観念類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 016
管理番号 1025521 
審判番号 審判1998-35483 
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 1998-10-06 
確定日 2000-09-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第3357270号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第3357270号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第3357270商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、平成7年1月24日に登録出願、第16類「印刷物・写真・ポスター貼着用パネル」を指定商品として、平成9年11月7日に登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を概要下記のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第24号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1)本件商標は、平仮名文字「のりぱね」、片仮名文字「ノリパネ」、欧文字「NORIPANE」を三段書きされているのに対し、請求人の使用商標(以下「引用商標」という。)は、平仮名「のり」、片仮名「パネ」とを合わせ「のりパネ」としているから、本件商標と引用商標の称呼は「ノリパネ」で同一である。外観及び観念においても、字体の相違があるとしても、明らかに類似している。
(2)本件商標は、「印刷物・写真・ポスター貼着用パネル」を指定商品としている。他方、引用商標も商品カタログ(甲第2号証)に記載されているように、「写真・POP・ポスター等を貼り付ける発砲スチロールボード」に使用している。したがって、本件商標と引用商標が使用する商品は共に「貼着用パネル」であり、類似の商品である。
(3)引用商標は、本件商標が登録出願される6年以上前から使用を開始し、現在も使用中である。そのことは、引用商標が、1990年以降、種々のカタログ(甲第4号証ないし甲第15号証)において宣伝広告を行っており、また、「国際文具・紙製品・事務機器展」にも引用商標が付された商品を「株式会社アルテ(のり付きパネル:のりパネ)」として毎年出展しており(甲第16号証)、さらに、取引実績(納品書写し)は、引用商標が取引者の間で周知となっていることを立証する(甲第17号証ないし甲第22号証)。そして、平成4年8月から平成10年5月までの延べ70ヶ月間における引用商標の付された商品は、「のりパネ年(月)別売上高・売上枚数一覧表」(甲第23号証)によれば、120万枚以上の売上げをあげており、その取引先は、全国に広がっている。
以上から「のりパネ」といえば「株式会社アルテ」の商品であるということが本件商標の登録出願日以前から取引業者間において周知の事実であることは明らかである。
(4)したがって、本件商標は、「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの」と規定する商標法第4条第1項第10号に該当するものであるから、その登録を無効とされるべきである。

3 平成10年12月16日提出の答弁書に対する弁駁の理由
請求人は、概要下記のように述べ、証拠方法として甲第25号証ないし甲第28号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1)被請求人は、引用商標中の「Rに○を囲った記号(以下『マルR』という。)」(乙第1号証)は、虚偽的表示であり、この虚偽的表示なる商標構成をもって証拠とする甲号証は、引用商標の周知性の証明として採用されるべきではない旨を主張されるが、マルRの有無は、無効審判とは別次元の問題であり、本件商標の登録を無効とするための証拠能力に何ら影響を与えるものではない。また、引用商標中の「JAPAN ART CO.,」は、引用商標が付された商品の製造会社である「株式会社ジャパンアート企画」を表したものである。「株式会社ジャパンアート企画」は、請求人の親会社であり、「株式会社ジャパンアート企画」が製造したものを、請求人が仕入れて販売するという、私企業としてはごく一般的な、製造と販売の分離形態をとっているものである。したがって、商品に製造会社を表した「JAPAN ART CO.,」が付されていることは何ら問題となるものではない。 この点を明らかにするために、請求人の会社経歴書(甲第25号証)、「株式会社ジャパンアート企画」の登記簿謄本(甲第26号証の1)、請求人の登記簿謄本(甲第26号証の2)を以って、その関係を立証する。
(2)被請求人は、甲第7号証の一部、甲第8号証、甲第9号証、甲第11号証ないし甲第14号証及びに甲第16号証に記載されている商標が「のり付きパネル」のみの文字しかない旨を述べてるが、甲第16号証を除く各甲号証とも、写真が掲載されており、その写真には「のりパネ」の商標が付されている。甲第16号証においては「株式会社アルテ(のり付きパネル:のりパネ)」と記載されており、「のり付きパネル」のみの文字しかない旨の被請求人の主張は失当である。さらに、取引実績を証明するために提出した納品書(甲第17号証ないし甲第22号証、甲第27号証)を見れば「のりパネ」と記載し取引を行っている。このように、引用商標は、本件商標の登録出願以前から「のりパネ」として取引を行っている。
(3)被請求人は、本件商標と引用商標とは類似しない旨主張されるが、甲第3号証を見れば引用商標で最も注意を引くのは「のり」と「パネ」であり、「のりパネ」と一連で認識するのが普通である。したがって、本件商標の称呼は「ノリパネ」であり、引用商標「のりパネ」と称呼が同一である。また、納品書(甲第17号証ないし甲第22号証、甲第27号証)にも、「のりパネ」と記載して取引されており、長年の取引で請求人の商品は「のりパネ」として通用していることから、仮令、「のり」と「パネ」の間に「jA」のモノグラム化図形があったとしても、出所表示機能に何ら影響を与えるものでない。
(4)被請求人は、平成7年1月から平成10年5月迄の使用実績が証拠の大部分を占めているものであるから、引用商標の周知性が認められないと主張されている。確かに、平成7年以降の証拠資料も添付しているが、それは、本件商標の登録出願以降も使用を続けており、平成1年からの営業努力の積み重ねを示すものに他ならない。
(5)被請求人は、甲第23号証によると、平成4年が65,815枚、平成5年が164,861枚、平成6年が181,499枚と極めて少ない数量であって、この売上枚数程度の数量では請求人の引用商標が広く知られる商標と認識されるものということはできないと主張されるが、平成4年から平成6年までの売上枚数を合計すれば、40万枚以上の売上枚数であり、この数は極めて少ない数量ということはできない。
(6)被請求人は、引用商標について、その取引関係の範囲が極めて限られたものであり、本件商標の指定商品を取り扱う業界の広い範囲で知られているものとは認め難いと主張されるが、少なくとも甲第24号証として提出した「問屋/協同組合」が全国に広がっている。そして、納品書の納品先(甲第17号証、甲第18号証)を見れば実際の納品先は各グループのメンバーとなっており、決して狭い範囲に限られるものではない。したがって、被請求人の主張は、引用商標の周知性を否定する根拠とはなり得ない。

4 平成11年10月13日提出の答弁書に対する弁駁の理由
請求人は、概要下記のように述べている。
(1)被請求人は、乙第6号証及び乙第7号証で、請求人「株式会社アルテ」が平成2年1月に設立され、「株式会社ジャパンアート企画」は、「株式会社アルテ」と社名変更した旨記載されているが併存しており、請求書で提出されている甲号証の商品には、旧社名を示す「JAPAN ART CO.,」が表示されているだけであり、請求人「株式会社アルテ」の業務に係る商品であることの表示は皆無であから、使用者が不同一であるとのことであるが、甲第4号証ないし甲第15号証のカタログに、一部社名の記載が無いものもあるが、そのほとんどに「アルテ」ないし「株式会社アルテ」と記載されてある。取引の実績を示す甲第17号証以下の取引書類にも、「株式会社アルテ」の商品として取引されている。「株式会社ジャパンアート企画」を表示する「JAPAN ART CO.,」の記載があっても、取引関係者の間で「のりパネ」は、「株式会社ジャパンアート企画」の子会社である「株式会社アルテ」の業務に係る商品として流通している。
(2)被請求人は、引用商標の使用態様からして本件商標の登録を無効とする理由とならないとしているが、引用商標中のマルRの有無は、本件無効審判の理由である商標法第4条第1項第10号が「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの」と規定されており、商標が需要者の間に広く認識されているか否かの周知性を問題としているのであり、本件商標の登録を無効とするための証拠能力に何ら影響を与えるものではない。
(3)被請求人は、取引数量について大量の取引とはいい難い旨を主張しているが、平成4年が65,815枚、平成5年が164,861枚、平成6年が181,499枚の売上げがあり、この3年間だけで40万枚に上っている。40万枚という数量が何故に少ない数量といえるのか、その根拠が答弁において示されていない。
(4)被請求人は、取引数量だけを捉えているが、請求書に添付した甲第4号証ないし甲第16号証のカタログ、国際文具・紙製品・事務機器展ガイドブックも周知性を示す根拠となるものである。

5 被請求人の主張
被請求人は、平成10年12月16日提出の答弁書において本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を概要下記のように述べ、証拠方法として乙第1号証を提出している。
(1)甲第4号証、甲第5号証、甲第6号証の一部、甲第7号証の一部では、引用商標は、「のり」の平仮名文字と「パネ」の片仮名文字を分離して配置し、その中間部分に「jA」のモノグラム化図形とその下部に「JAPAN ART CO.,」を配してなる構成であり、さらに、その商標構成の右側には一般的に登録商標であることを認識させるためにしばしば用いられる[Registered]の略記号「マルR」を付してなる商標を引用商標としている(乙第1号証)。この紛らわしい記号が付されている商標に接する需要者は、あたかも、その商標が請求人によって設定登録された商標であるかのごとく、誤認するおそれが十分にある虚偽的表示といわなければならない。したがって、この虚偽的表示なる商標構成をもって証拠とする甲号証は、その数量の多さをもってしても何ら引用商標の周知性の証明として採用されるべきではない。
(2)甲第7号証の一部、甲第8号証、甲第9号証、甲第11号証ないし甲第14号証では、「のり付きパネル」のみの文字からなる引用商標であるから、本件商標とは明らかに異なる。
(3)甲第6号証の一部、甲第10号証、甲第15号証ないし甲第22号証における引用商標は、「のりパネ」の文字を表示してなるものであるが、この「のりパネ」にも、一部ではあるがマルRの記号が付されて使用されている。このよな虚偽的表示なる引用商標もまた本件商標を無効とするための証拠として採用されるべきではない。
(4)本件商標は、「ノリパネ」、「のりぱね」、「NORIPANE」の文字を三段にして横書きしてなるものであるから、甲第2号証ないし甲第24号証に表示された引用商標の構成態様及び上記使用方法をもって本件商標の登録を無効とするための証拠とはならない。
(5)請求書によれば、証拠に記載されている引用商標の使用時期は、本件商標の登録出願前の平成1年からとされている。しかしながら、その使用時期をみれば本件商標の登録出願日以降の使用実績が証拠の大部分を占めているものであるから、引用商標の周知性が認められない。
(6)甲第23号証で示す「のりパネ年(月)別売上枚数一覧表」によれば、大部分は本件商標の登録出願日以降の使用実績を示すものである。そして、引用商標の付された商品の総売上げ枚数が約120万枚とあるが、大量の売上枚数とはいえず、本件商標の登録出願日以降の売上げ年数及び売上げ枚数を除けば、僅か2年半の実績しかなく、その売上げ枚数にしても「平成4年が65,815枚、平成5年が164,861枚、平成6年が181,499枚」と極めて少ない数量であって、この売上枚数程度の数量では請求人の引用商標が広く知られる商標と認識されるものということはできない。
(7)引用商標の付された商品は、証拠によれば、その取引関係の範囲が極めて限られたものであり、本件商標の指定商品を取り扱う業界の広い範囲で知られているものとは認め難い。したがって、本件商標の登録を無効としなければならない程に引用商標が需要者間で広く認識されているものということはできない。
(8)以上のとおり、引用商標の使用態様、使用時期、使用数量及び使用範囲を検討すれば、本件商標は請求人の請求理由によって、その登録を無効とされるべきものではない。

6 平成11年7月12日提出の弁駁書に対する答弁の理由
被請求人は、概要下記のように述べ、証拠方法として乙第2号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1)「ノリパネ」に関する過去の登録商標
登録商標「ノ リ パ ネ
NORIPANE」 (乙第2号証の1、2、3)
商標登録 第1383143号
指定商品 第26類 「印刷物(文房具類に属するものを除く)その他本類に属する商品」
登録日 昭和54年6月29日
権利者 有限会社インテリアハルタ
登録抹消日 平成2年9月20日(存続期間満了)
(2)請求人が本件商標の登録を無効の理由とする引用商標
引用商標「のりパネ」
使用者 株式会社ジャパンアート企画
使用時期 昭和58年頃から(乙第9号証)
(3)株式会社ジャパンアート企画は、上記(1)の登録商標の権利存続期間中も正当な権利に基づくかのような表示方法で引用商標の使用を継続している(乙第3号証ないし乙第5号証)。
(4)株式会社ジャパンアート企画は、提出の乙第6号証及び乙第7号証によれば、株式会社アルテと社名変更した旨記載されているが、併存している。
(5)請求書で提出されている甲号証の商品には、請求人「株式会社アルテ」の業務に係る商品であることの表示は皆無である。
(6)引用商標の使用をみれば、不当な使用、使用者と請求人との不同一性による周知性の欠如の点で未登録商標の既得の権利を主張するのは失当である。
(7)甲第27号証及び甲第28号証についてみるに、これらは全て「受領書(売上入力表)」であるが、その取引き相手はせいぜい十数社にすぎず、一枚の受領書の取引き数量も数個から数十個であって総合計しても大量の取り引きとはいい難いものである。そして、使用する商標は一部に「ノリパネ」も見受けられるが大部分が「のりパネ」の構成態様である。
(8)以上の通り、請求人と「引用商標」の使用者との不同一性、該商品表示の希薄な周知性、及び証拠書類に表示された正当性を欠く使用態様などを総合勘案すれば、これらをもって本件商標の登録を無効としなければならない理由とはならない。

7 当審の判断
(1)本件商標と引用商標の類否について、
本件商標は、前記に示したとおりの構成であって、「のりぱね」の平仮名文字、「ノリパネ」の片仮名文字、「NORIPANE」のローマ字を三段にして横書きしてなるものであるから、「ノリパネ」と称呼されることは明らかである。
他方、引用商標は、甲第2号証(商品カタログ)及び甲第3号証(商品の写真)によれば、「のりパネ」の文字を表示してなり、写真・ポップ広告・ポスター等を貼り付ける「のり付きのパネル」に使用しているものと認められる。
なお、甲第3号証の写真をみると、「のりパネ」の文字部分は、各文字毎に正四角形内に白抜きで大きく横に並べて表してなり、その「のり」の文字部分と「パネ」の文字部分の間の上部に「jA」のモノグラムとおぼしき図形及び下部に「JAPAN ART CO.,」の横書きした欧文字を小さく表してなる構成のものであって、その「パネ」の文字部分の横にマルRの記号が表されているが、その「のりパネ」の文字部分は、取引者・需要者に強い印象を与えるものと認められるものであって、この文字部分を捉えて取引に資されることが多いものと認められるから、この文字部分は、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものということができる。
したがって、商品「のり付きのパネル」について「のりパネ」の商標が使用されているものといえるものである。
また、甲第4号証ないし甲第15号証(枝番号を含む。)の商品カタログをみると、前記甲第3号証の構成のものを掲載しているものと認められる。
さらに、甲第16号証の「国際文具・紙製品・事務機器展ガイドブック」、甲第17号証ないし甲第23号証、甲第27号証(枝番号を含む。)の納品書をみると、「のりパネ」の文字が商標として使用されているものと認められる。
以上の事実からすると、引用商標は、「のりパネ」の文字よりなり、その「のりパネ」の文字は、請求人の商品「のり付きのパネル」について商標として自他商品の識別標識の機能を果たしているものと認められるから、引用商標は、「ノリパネ」の称呼を生ずるものといえる。
そうすると、本件商標と引用商標は、「ノリパネ」の称呼を共通にする類似する商標といわなければならない。
さらに、本件商標は、「印刷物・写真・ポスター貼着用パネル」を指定商品とするものであり、引用商標は、写真・ポップ広告・ポスター等を貼り付ける「のり付きのパネル」の商品に使用しているものであるから、本件商標と引用商標は使用する商品においても同一又は類似するものと認めることができる。
(2)引用商標の周知、著名性について
請求人提出の甲第4号証ないし甲第24号証、甲第27号証(枝番号を含む。)をみると、引用商標は、請求人が写真・ポップ広告・ポスター等を貼り付ける「のり付きのパネル」の商品に使用している商標として、本件商標の登録出願前において印刷物・写真・ポスター貼着用パネルを取り扱う取引者・需要者に広く認識されていたものであることが以下の事実から認められる。
すなわち、甲第17号証ないし甲第24号証、甲第27号証の納品書、「のりパネ年(月)別売上枚数一覧表」、「問屋/協同組合メンバー表・他」をみると、引用商標は、請求人が本件商標の登録出願前に「のりパネ」の文字を商標として取引に使用し、多数の取引者と取引されていることが認められる。その取引実績は、平成4年8月から平成10年5月迄の総売上げ枚数が約120万枚であり、本件商標の登録出願日以降の売上げ枚数を除いても、その売上げ枚数は、平成4年が65,815枚、平成5年が164,861枚、平成6年が181,499枚と大量に取引されていることが認められる。
また、取引先も全国に及んでいることが認められる。
さらに、引用商標は、甲第4号証ないし甲第15号証(枝番号を含む。)として提出した「クローバーチェーン文具・事務用品総合カタログ」(発行所 クローバー卸商業協同組合)’90年版(1989年11月1日発行)、同’94年版(1993年12月発行)、同’95年版(1994年12月発行)、「アケボノ事務用品総合カタログ」(発行所 アケボノ株式会社)’90年版(1990年1月1日発行)、同’91年版(1991年1月1日発行)、同’92年版(1992年1月1日発行)、同’95年版(1995年1月1日発行)、「クラウンオフィス用品カタログ」(株式会社クラウングループ)’94年版(1994年1月発行)、同’95年版(1995年1月発行)、「エコール文具・事務機総合カタログ」(発行元 エコール連合)’93年版(1993年1月1日発行)、同’94年版(1994年1月1日発行)、同’95年版(1995年1月1日発行)、「ワイエス事務用品・事務機器文具総合カタログ」(発行元 柳田商事株式会社)’91年版(1991年1月1日発行)、同’92年版(1992年1月1日発行)、同’94年版(1994年1月1日発行)、「DD文具・事務機カタログ」(企画・編集 TSURUGEN)’93年版(1993年1月1日発行)、同’94年版(1994年1月1日発行)、同’95年版(1995年1月1日発行)、「新日本造形図工・美術カタログ」(発行元 新日本造形株式会社)’92年版(平成4年3月発行)、同’93年版(平成5年3月発行)、同’94年版(平成6年3月発行)、「文具・オフィス用品総合カタログ」(発行元 東京文具卸商業協同組合)’91年版(平成3年1月1日発行)、同’92年版(平成4年1月1日発行)、同’93年版(平成5年1月1日発行)、同’94年版(平成6年1月1日発行)、同’95年版(平成7年1月1日発行)、「オフィス用品・文具総合カタログ」(発行元 ISグループ)’92年版(1992年1月1日発行)、同’93年版(1993年1月1日発行)、同’94年版(1994年1月1日発行)、同’95年版(1995年1月1日発行)、「YUKI事務用品総合カタログ」(発行元 ユーキ株式会社)’91年版(1991年1月1日発行)、同’92年版(1992年1月1日発行)、「月刊文具と事務機」(株式会社ニチマ 出版部)1991年2月号(1991年2月1日発行)、同1992年1月号(1992年1月1日発行)、同1993年1月号(1993年1月1日発行)、同1994年1月号(1994年1月1日発行)、1995年1月号(1995年1月1日発行)において、本件商標の登録出願前に「のりパネ」の文字が強い印象を与える前記に示した甲第3号証の構成態様で大量に宣伝広告しているものであり、その他、社団法人全日本文具協会が主催する「国際文具・紙製品・事務機器展」にも本件商標の登録出願前に「株式会社アルテ(のり付きパネル:のりパネ)」として出展し、取引者・需要者に広く宣伝広告をしたことが「第1回国際文具・紙製品・事務機器展ガイドブック」(1990年9月2日〜4日開催)、「第2回国際文具・紙製品・事務機器展ガイドブック」(1991年9月1日〜3日開催)、「第3回国際文具・紙製品・事務機器展ガイドブック」(1992年9月10日〜12日開催)、「第4回国際文具・紙製品・事務機器展ガイドブック」(1993年9月9日〜11日開催)の記載により認められる。
以上の事実を総合すると、引用商標は、本件商標の登録出願前に写真・ポップ広告・ポスター等を貼り付ける「のり付きのパネル」の商品の使用に係る請求人の商標として印刷物・写真・ポスター貼着用パネルを取り扱う取引者・需要者に広く認識され、その状態は、現在まで継続しているものと推認することができる。
ところで、被請求人は、「引用商標は、登録された商標であるかのごとく、誤認するおそれが十分にある虚偽的表示の商標構成をもって証拠とする甲号証は、その数量の多さをもってしても引用商標の周知性の証明として採用されるべきではなく、また、そのような引用商標の使用は、不当な使用であって、周知性がない。」旨主張する。
しかし、商標に関する虚偽表示の問題と引用商標が周知か否かは直接関係ないから、この点の被請求人の主張は、採用できない。
さらに、被請求人は、「引用商標は、構成中に『株式会社ジャパンアート企画』の社名を示す『JAPAN ART CO.,』が表示されており、その『株式会社ジャパンアート企画』は、請求人『株式会社アルテ』の社名に変更した旨記載されているが、併存しており(乙第6号証及び乙第7号証)、使用者が不同一であって、引用商標は周知性がない。」旨主張する。
しかし、引用商標の構成中にある「JAPAN ART CO.,」の表示が「株式会社ジャパンアート企画」を示すものとしても、甲第25号証の会社経歴書によれば、請求人「株式会社アルテ」は、「株式会社ジャパンアート企画」の販売会社として平成2年1月に設立され「株式会社ジャパンアート企画」とは親会社と子会社の関係にあり、親会社の製造に係る商品を子会社である請求人「株式会社アルテ」が販売して平成4年以降本件商標の登録出願前において写真・ポップ広告・ポスター等を貼り付ける「のり付きのパネル」の使用に係る請求人の商標として、取引者・需要者に広く認識されていたものであるから、「株式会社ジャパンアート企画」による引用商標の使用についても実質的に請求人による引用商標の使用と同一視できるものであって、前記の被請求人の主張は、採用できない。
そうすると、本件商標は、請求人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標と類似する商標であって、その商品又はこれらに類似する商品について使用をするものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 本件商標


審理終結日 2000-06-28 
結審通知日 2000-07-07 
審決日 2000-07-19 
出願番号 商願平7-5031 
審決分類 T 1 11・ 252- Z (016)
T 1 11・ 253- Z (016)
T 1 11・ 254- Z (016)
T 1 11・ 255- Z (016)
最終処分 成立  
前審関与審査官 神田 忠雄今田 三男 
特許庁審判長 佐藤 敏樹
特許庁審判官 上村 勉
山田 忠司
登録日 1997-11-07 
登録番号 商標登録第3357270号(T3357270) 
商標の称呼 ノリパネ 
代理人 古谷 史旺 
代理人 野田 明正 

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