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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない(当審拒絶理由) 025
管理番号 1025425 
審判番号 審判1998-18242 
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-11-16 
確定日 2000-08-18 
事件の表示 平成 8年商標登録願第133346号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成8年11月25日に商標登録出願されたものであるが、指定商品については、平成10年12月18日付け手続補正書により、第25類「被服」と縮減補正されたものである。
これに対して、当審において、平成12年2月2日付けで新たに次のような拒絶理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、請求人からは何らの応答もない。
「本願商標に関して、(株)講談社 昭和53年7月20日発行『男の一流品大図鑑』、サンケイマーケッテング昭和58年 9月28日発行 『舶来ブランド事典’84ザ・ブランド』によれば、以下の事実が認められる。
アメリカ合衆国在住のデザイナー、ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を 『ポロ・ファッションズ』(以下、『ポロ社』という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、 『コティ賞』を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画『華麗なるギャツビー』の主演ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。
我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には『Polo』の文字とともに 『by RALPH LAUREN』の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標、(以下、一括して『引用商標』という。)が用いられ、これらの商標は『ポロ』と略称されている。
そして、(株)洋品界昭和55年4月発行『海外ファッション・ブランド総覧1980年版』 『ポロ/Polo』の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行 『ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85』の 『ポロ・バイ・ラルフローレン』の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。
また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行『dansen男子専科』、前出『男の一流品大図鑑』、(株)講談社昭和54年5月発行『世界の一流品大図鑑’79年版』、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー『ファッション・ブランド年鑑’80版』、 『男の一流品大図鑑’81年版』(昭和55年11月発行)、『世界の一流品大図鑑’80版』(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行『MEN’S CLUB I980,12』、『世界の一流品大図鑑’81年版』(昭和56年5月発行)、前出『舶来ブランド事典’84ザ・ブランド』、(株)講談社昭和60年5月発行 『流行ブランド図鑑』に、眼鏡については、『世界の一流品大図鑑’80版』、『ファッション・ブランド年鑑’80版』、『男の一流品大図鑑’81年版』、『世界の一流品大図鑑’81年版』に 『POLO』、『ポロ』、 『Polo』、 『ポ ロ(アメリカ)』、 『ポロ/ラルフローレン(アメリカ)』等の商標の下に紹介されていることが認められる。
他にこれを覆すに足りる証拠はない。
なお、ラルフ・ローレンの『POLO』、『ポロ』、『Polo』の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。
以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、本願商標の出願時には既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして引用商標が取引者、需用者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。
本願商標は、別掲に示すとおり、馬に乗った一人の競技者がマレットを持ってポロをしているように見える図柄と書体の異なる 『Polo』と 『ATHLETIC』の欧文字よりなるものである。
そして、本願商標は、これが全体としてまとまった特定の意味合いを有するものとは認められず、常に一体不可分の構成よりなるものと認識把握しなければならない格別の理由もない。
してみると、前記認定の如く、引用商標が著名であることに照らせば、本願商標に接した需要者、取引者は、その構成中に馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形と 『Polo』の文字を有しているものと容易に認識、理解するものである。
そして、本願の指定商品 『被服』は、ファッションに関連する商品であって、統一ブランドの下にトータル的にファッションをまとめようとする昨今においては、本願商標をその指定商品に使用する場合、これに接する取引者、需要者をして、前記著名な引用商標を連想、想起せしめ、ラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」
そして、上記の拒絶理由は妥当なものと認められるので、本願は、この拒絶理由によって拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標

審理終結日 2000-06-06 
結審通知日 2000-06-20 
審決日 2000-07-03 
出願番号 商願平8-133346 
審決分類 T 1 8・ 271- WZ (025)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 深沢 美沙子箕輪 秀人 
特許庁審判長 大橋 良三
特許庁審判官 酒井 福造
大渕 敏雄
商標の称呼 ポロアスレチック、アスレチック、ポロ 
代理人 田中 秀佳 
代理人 江原 省吾 
代理人 白石 吉之 
代理人 城村 邦彦 

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