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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Z3032
審判 全部申立て  登録を維持 Z3032
管理番号 1021679 
異議申立番号 異議1999-91284 
総通号数 14 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2001-02-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-09-29 
確定日 2000-06-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第4279391号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4279391号商標の登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4279391号商標(以下「本件商標」という。)は、平成9年8月12日に登録出願され、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として平成11年6月4日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、特定の品質を有するウイスキーの普通名称である「BOURBON」の文字を有してなるから、これを、バーボンウイスキーを含有するもの、或いはバーボンウイスキー風味を有するもの以外の指定商品に使用した場合には、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。また、第32類の商品に関して使用された場合には、商品の出所について混同のおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号及び同第15号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)「ウイスキー」は、「大麦・ライ麦・トウモロコシなどを麦芽で糖化し、酵母を加えて発酵させ、蒸留した酒」(岩波書店発行「広辞苑」参照)であって、我が国においても、「スコッチウイスキー」、「カナディアンウイスキー」、「バーボンウイスキー」などが一般に知られており広く飲用され親しまれている洋酒であり、ウイスキーについて「スコッチ」といえば「スコッチウイスキー」を指すように「バーボン」といえば「バーボンウイスキー」を指すことは周知の事実と認められる(例えば、上掲「広辞苑」の「バーボン【bourbon】トウモロコシから作る蒸留酒。アメリカのケンタッキー州バーボンで作られた。」の項参照)。
しかしながら、「バーボン」を表す英語の「bourbon」の語は、これのみをもって直ちに「バーボンウイスキー」を意味するものとして一般に理解されているとまでは認めることができず、その証左もない。また、「バーボン」を表す英単語「bourbon」と同じ綴りの「Bourbon」が「(フランスの)ブルボン王家の人」(例えば三省堂発行「EXCEED」英和辞典参照)をも意味する語であり、我が国の国語辞典に「ブルボン王朝」(上掲「広辞苑」、講談社発行「日本語大辞典」参照)、「ブルボン家」(小学館発行「国語大辞典」参照)などの項が設けられ、「ブルボン」に関連する語が掲載されている事実からすると、「bourbon(Bourbon)」の語は、「バーボンウイスキー」を表すものと理解される場合があることを否定し得ないとしても、むしろ「ブルボン王家」「ブルボン王朝」「ブルボン家」などの「ブルボン」(以下「ブルボン王朝のブルボン」という。)の意味合いのものと認識されると解することができる。
そうすると、「バーボン」の文字のみの場合には「バーボンウイスキー」を直ちに想起し得るといえたとしても、「bourbon」の欧文字の場合には必ずしもそうとは断じ得ず、かえって、「ブルボン」の文字が付記されるなどブルボン王朝のブルボンを示唆する何らかの表示が伴っている場合には、ブルボン王朝のブルボンを認識するとみて何ら不自然ではないと認められる。
(2)また、商標権者「株式会社ブルボン」は、ビスケット、豆菓子、米菓などを扱う「ブルボン」商標で知られる菓子の準大手企業と認められる。
(3)そこで、本件商標の構成をみると、その構成は別掲に示すとおりであって、左下部で商標の横幅の3割弱を占める太さの線から中央上部で細線となって水平に右上部まで延びる幾何図形(以下「幾何図形」という。)の余白部の左側に「ブルボン」と「BOURBN」の両文字が表された円図形(これらは黄色で縁取られている。)を、右側に「株式会社ブルボン」の文字を配してなるものであり、赤色で着色された円図形のほかは青色で表されているものである。
(4)そして、本件商標を構成する文字及び図形はまとまりよく配され、全体としてバランスのとれた一体感のあるものと看取される外形的特徴を有する点を併せ考慮すると、本件商標がその指定商品に使用された場合、これに接した取引者、需要者が、「BOURBON」の文字部分のみに着目し、これを「バーボンウイスキー」を示す語と認識するとみるのは不自然であって、「BOURBON」の文字は「株式会社ブルボン」及び「ブルボン」の両文字との関連でのみ認識されるものと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標から、商標権者の「ブルボン」商標、或いは、「ブルボン王朝のブルボン」を認識する場合があるとしても、少なくとも「バーボンウイスキー」を想起することはないものというべきであるから、結局、本件商標は、バーボンウイスキーに関係する商品であると認識されるおそれはないものであり、また、バーボンウイスキーの製造者と何らかの関係を有する者の取り扱いに係る商品であると認識されるおそれもないものといわなければならない。
(5)以上のとおり、本件商標は、商品の品質の誤認を生ずるおそれはなく、かつ、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれもないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号及び同第15号に違反して登録されたものではない。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
本件商標


(なお色彩については、原本を参照されたい。)
異議決定日 2000-05-31 
出願番号 商願平9-148443 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Z3032)
T 1 651・ 272- Y (Z3032)
最終処分 維持  
前審関与審査官 高山 勝治佐藤 松江 
特許庁審判長 大橋 良三
特許庁審判官 大渕 敏雄
小池 隆
登録日 1999-06-04 
登録番号 商標登録第4279391号(T4279391) 
権利者 株式会社ブルボン
商標の称呼 ブルボン、バーボン 
代理人 原島 典孝 
代理人 原 秋彦 
代理人 黒川 恵 
代理人 我妻 由佳子 
代理人 一色 健輔 
代理人 鈴木 知 

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