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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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審判199831206 | 審決 | 商標 |
審判199830664 | 審決 | 商標 |
審判199830661 | 審決 | 商標 |
審判199830689 | 審決 | 商標 |
審判199930327 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 109 |
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管理番号 | 1021270 |
審判番号 | 審判1999-30539 |
総通号数 | 14 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2001-02-23 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 1999-05-06 |
確定日 | 2000-08-07 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2042140号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第2042140号商標の指定商品中「工業用金属製サイロ内に貯蔵される粉粒体の閉塞防止の為に使用する圧縮空気吹き付け装置,及びこれに類似する商品」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第2042140号商標(以下「本件商標」という。)は、「エアーブラスター」の文字を横書きしてなり、昭和60年11月6日に登録出願され、第9類「産業機械器具、動力機械器具、風水力機械器具、事務用機械器具、その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品および附属品、機械要素、但し、鋳物清掃装置を除く」を指定商品として、昭和63年4月26日に設定の登録、その後、平成10年3月17日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。 2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第4号証(枝番号を含む。)を提出した。 請求の理由 本件商標は、その指定商品中「工業用金属製サイロ内に貯蔵される粉粒体の閉塞防止の為に使用する圧縮空気吹き付け装置,及びこれに類似する商品」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。 商標法第50条第1項による商標登録の取消しの審判の請求があった場合、同条第2項の規定により,商標権者・専用使用権者または通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品のいずれかについて登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その指定商品に係る商標登録の取消しを免れない。 しかしながら、本件商標は、商品「工業用金属製サイロ内に貯蔵される粉 粒体の閉塞防止の為に使用する圧縮空気吹き付け装置及びこれに類似する商品」について、商標権者により継続して3年以上日本国内において使用されていない。 また、本件商標の商標権には専用使用権が設定されていない。さらに、当該商標権には通常使用権の登録もなされておらず、通常使用権者も存在しないことが推認される。 したがって、本件商標については、その登録は商標法第50条の規定により取り消されるべきものである。 答弁に対する弁駁 被請求人は平成11年8月4日付審判事件答弁書(以下「答弁書」という)において乙第1号証ないし乙第7号証を提出しているが、乙第1号証の書証は被請求人の会社登記簿謄本で、ここから株式会社荏原が冷凍応用機器・理化学機器・医療用具・毒物劇物に関する製造・販売・輸出入等を目的とする法人であることは見てとれる。しかしながらここから把握できるのは被請求人の登記上の設立目的であって、被請求人が医療用機器等のメーカーであることが看取されるに過ぎず、本件商標に関する使用の事実を証するものではない。 乙第2号証は商品「急速凍結用の冷凍庫」についての、本件審判請求の登録前3年以前に遡る「平成6年5月31日」に作成されたパンフレット(但し、パンフレット末尾には,「No.9203020イ」の記号が表示されている。)であり、これには「エアーブラスター」の文字が表示されている。しかしながらパンフレットに表れ、被請求人も自認している「血液その他多目的の急速凍結用に使用する冷凍庫」なる商品は、医療現場等で用いられる冷凍を目的とする機械器具である。 商品が帰属する分類については完成品たる商品の目的・機能・用途等を総合勘案して、その商品の属すべき区分が決せられるものというべきであるが、乙第2号証を観察すると、パンフレットの表面には「多目的急速凍結用」であること、用途が「新鮮凍結血漿製造用」、「凍結乾燥の予備製造用」等であることが示されており、裏面には「資料を急速に冷却する操置」であること、「常温より-60℃まで」到達する冷却方式であることが性能・特色として挙げられ、仕様の欄にはモデルの型番として「EAF-300」、「EAF-380」があり、「600W×750W」の冷凍機を有することが示されて、付属品として「フリージングトレイ」が用意されていることが明らかとなっている。これからすると、乙第2号証に現れた商品は、冷凍を目的とする機械器具であるといえる。 「商品及び役務区分解説〔改訂第3版〕」第76頁によると、第11類「冷凍機械器具」の項に「この概念には冷凍を目的とする機械器具が含まれる」と明記されている(甲第3号証)。この商品類似群は旧第9類の「冷凍機」をはじめとするいわゆる冷凍機械器具に由来するものであって、乙第2号証に示された商品は、「冷凍機械器具」の範疇に属することが明白である。 そして「冷凍機械器具」の類似範囲は「類似商品審査基準(改訂版)」第54頁に例示されている商品においても「冷却機」、「冷却筒」、「製氷機」、「ガス冷蔵庫」、「冷凍・冷蔵ショーケース」などの、冷凍・冷蔵を目的とする機械器具に限られ、用途が異なる他の機械器具類とは類似関係を持たないことが明らかである(甲第4号証)。 他方、本件審判の請求に係る指定商品「工業用金属製サイロ内に貯蔵される粉粒体の閉塞防止の為に使用する圧縮空気吹き付け装置,及びこれに類似する商品 」は省令別表に例示されていないが、主として「風水力機械器具」に該当するであろう。また「その他の産業機械器具」,「その他の機械器具」にも所属し得る商品であるが、少なくとも冷凍を目的とする機械器具とは何ら関係しない。いわゆる機械機具類の類似範囲に関しては、「荷役機械器具」,「化学機械器具」,「繊維機械器具」,「印刷用又は製本用の機械器具」,「潜水機械器具」等,機械器具類の用途・利用分野によってそれぞれ非類似の商品群に分類されており、商品の用途等が異なると非類似の関係が維持されることが容易に理解される。 よって、被請求人が答弁書において「特に後段部の『及びこれに類似する商品』に上記乙第2号証のカタログに掲載の商品の類似範囲に属するものである。」と述べている点は認められず、商品の流通経路・販売経路等を考慮しても、両商品が類似とされることはない。 従って、乙第2号証に示された「冷凍機械器具」の範疇に属する商品のパンフレットが、これとは非類似である、審判の請求に係る指定商品についての使用の証明にはなり得ない。 乙第3号証ないし乙第7号証の書証は、本件審判の請求の登録前3年以内である平成10年8月31日ないし平成11年2月26日付に係る請求書控えの写しで、「エアーブラスター」又は「エアーブラスターミニ」という商品が栃木県赤十字血液センター他の医療機関等に納品され代金を請求していることは見てとれる。しかしながら、仮にこれらの請求書に示された商品名が乙第2号証と同種の商品の販売に係るものであるとしても、先に述べた通り乙第2号証で示された商品「急速凍結用の冷凍庫」が本件審判の請求に係る指定商品とは無関係であるため、乙第3号証〜乙第7号証によって、請求に係る指定商品についての使用事実は証明できない。 結局、被請求人が提出した各証拠を総合的に考察しても、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件審判請求に係る指定商品である「工業用金属製サイロ内に貯蔵される粉粒体の閉塞防止の為に使用する圧縮空気吹き付け装置,及びこれに類似する商品」について被請求人が本件商標を使用していた事実は何ら証明されておらず、かつ、その不使用について正当な理由があるものとも認められない。 3 被請求人の答弁 被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする」との審決を求め、その理由を以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第7号証を提出した。 答弁の理由 本件商標は、商標権者によって、請求人主張に係る指定商品について使用されているものであり、したがって、請求人の主張は事実誤認に基づくものであって、当を得ていないものである。 被請求人は、東京都目黒区八雲1丁目6番5号を本店所在とし、冷凍応用機器の製造、販売並びに修理、冷凍、冷蔵、冷暖房設備の設計、施行並びに修理、環境機器設備の設計、施行並びに修理、理化学機器の総合商品の販売並びに修理、医療用具の製造、販売並びに修理、毒物劇物の一般販売、冷凍応用機器の輸出入等を主たる業務の1つとしている会社である。 本件商標は被請求人によって、上記本店所在地において、その指定商品中、例えば「急速凍結用の冷凍庫」等につき、その商品及び商品カタログ(乙第2号証)等に表示され、遅くとも昭和42年以降、現在に至るまで継続して使用されている。 乙第2号証は「急速凍結用の冷凍庫」の商品カタログで、このカタログ掲載の商品は血液その他多目的の急速凍結用に使用する冷凍庫である。 上記乙第2号証は被請求人によって、上記冷凍庫の商品カタログに本件商標「エアーブラスター」を明示して使用している事実を示している。 乙第3号証ないし乙第7号証は被請求人の請求書控えの写しであり、これらの各証拠には商品名「エアーブラスター」、「販売年月日」、「数量」、「単価」、「金額」の各文字が明記されている。 乙第3号証は、平成11年2月26日に乙第2号証の商品カタログ掲載の冷凍庫「エアブラスター EAF-50H」をフーズテック株式会社へ1台販売した事実を示す。 乙第4号証は、平成10年11月27日に乙第2号証の商品カタログ掲載の冷凍庫「エアブラスター EAF-400」を日本赤十字中央血液センターへ1台販売した事実を示す。 乙第5号証は、平成10年10月28日に乙第2号証の商品カタログ掲載の冷凍庫「エアブラスター EAF-480」を千葉県赤十字血液センターへ1台販売した事実を示す。 乙第6号証は、平成10年10月28日に乙第2号証の商品カタログ掲載の冷凍庫「エアブラスター EAF-380」を栃木県赤十字血液センターへ1台販売した事実を示す。 乙第7号証は、平成10年10月28日に乙第2号証の商品カタログ掲載の冷凍庫「エアブラスター EAF-280」を長野県赤十字血液センターへ1台販売した事実を示す。 本件審判の登録取消対象商品中後段部の「及びこれに類似する商品」は、乙第2号証のカタログに掲載の商品の類似範囲に属するものである。 本件商標は、被請求人によって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る商品について使用されていた事実は明白であり、したがって、本件商標は商標法第50条第1項の規定により取り消される理由は全くないものである。 4 当審の判断 被請求人提出の証拠を徴するに、被請求人は、表紙に「エアーブラスター」及び「AIR BLASTER」の文字を表示した「多目的急速凍結用」、用途「新鮮凍結血漿製造用」、「凍結乾燥の予備製造用」、「その他」の表示等をした「MODEL-EAF300」の商品、裏面には「AIR BLASTER」、「コンタクト・フリージング」、仕様「モデル」として「EAF-300」、「EAF-380」等の記載がされた商品カタログ及び商品カタログ仕様に記載された商品「エアブラスター(EAF-380)」の「栃木県赤十字血液センター」に対する平成10年8月31日付けの請求書控等を提出し、「多目的急速凍結用冷凍庫」について本件商標を使用していることが認められる。 そして、上記商品と本件取消請求に係る本件商標の指定商品「工業用金属製サイロ内に貯蔵される粉粒体の閉塞防止の為に使用する圧縮空気吹き付け装置」とは、その製造業者、取引系統、販売場所、用途等が相違し、明らかに別の商品であるし、かつ、上記商品は「工業用金属製サイロ内に貯蔵される粉粒体の閉塞防止の為に使用する圧縮空気吹き付け装置に類似する商品」とも認められないものであるから、被請求人が本件商標を使用していた商品は、本件取消請求に係る指定商品に属しないものといわざるを得ないものであって、被請求人は、本件取消請求に係る指定商品について本件商標を使用していたものとは認められない。 その他、被請求人は、本件取消請求に係る指定商品について、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用していたことを認め得る何らの証左も提出していない。 また、本件商標を取消請求に係る指定商品について使用しないことについて正当な理由が存するものとも認められない。 したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「工業用金属製サイロ内に貯蔵される粉粒体の閉塞防止の為に使用する圧縮空気吹き付け装置,及びこれに類似する商品」についての登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2000-05-16 |
結審通知日 | 2000-05-26 |
審決日 | 2000-06-16 |
出願番号 | 商願昭60-115458 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(109)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 田中 照雄、小川 有三 |
特許庁審判長 |
佐藤 敏樹 |
特許庁審判官 |
板垣 健輔 上村 勉 |
登録日 | 1988-04-26 |
登録番号 | 商標登録第2042140号(T2042140) |
商標の称呼 | エアーブラスター、ブラスター |
代理人 | 倉内 義朗 |
代理人 | 和田 肇 |