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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200511818 審決 商標
異議2010900090 審決 商標
審判199418881 審決 商標
無効200035428 審決 商標
無効200135476 審決 商標

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審決分類 審判 全部無効 称呼類似 無効としない 005
管理番号 1015253 
審判番号 審判1999-35082 
総通号数 11 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2000-11-24 
種別 無効の審決 
審判請求日 1999-02-22 
確定日 2000-01-26 
事件の表示 上記当事者間の登録第4082606号商標の登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4082606号商標(以下、「本件商標」という。)は、「NORVIR」の欧文字と「ノービア」の片仮名文字とを二段に横書きして、第5類「薬剤」を指定商品として、平成7年9月25日登録出願、同9年11月14日に登録されたものである。
2 請求の趣旨及び理由
(1) 請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べている。
(2) 本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項第1号により、その登録は無効にすべきものである。
▲1▼ 請求人は、本件審判を請求する法律上の利益がある。
請求人は、医薬品の製造・販売を業とし、本件商標の権利者と同業の関係にある者である。本件商標は、その先願に係る請求人所有に係る登録第1759294号商標と類似し、その指定商品も類似するものである。してみれば、本件商標の登録を無効にするか否かは、請求人に係る商品の出所の混同を防止する上で法律上の利害関係を有する。
▲2▼ 請求人所有に係る登録第1759294号商標(甲第2号証/以下、「引用商標」という。)は、「Nopia」の欧文字と「ノピア」の片仮名文字とを二段に横書きして、旧第1類「化学品(他の類に属するものを除く)、薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和57年12月8日登録出願、同60年4月23日に登録されたもので、本件商標の先願に係り、本件商標と引用商標は、互いに類似しており、その指定商品も類似するものである。
▲3▼ 商標の類似について 商標の類否の判断は、商標が使用される商品の主たる需要者層(例えば、専門家、老人、子供、婦人等の違い)その他商品の取引の実情を考慮し、需要者の通常有する注意力を基準として判断しなければならないとされている(甲第3号証)。
そして、商標から生ずる称呼の類否を観察するときには、単に音声学的観点から、その構成音上対応する一音だけの比較だけでは足りず、称呼の音数及び相違音とその前後の音の強弱、並びにアクセントの位置・抑揚の有無など、語感・語調の点からも総合的に観察し、その上で、商標が使用される商品の取引者・需要者の通常有する注意力を基にして検討しなければならない。
かかる前提に立って観察すると、本件商標は、甲第1号証に示すとおりのものであるから、その構成文字に相応して「ノービア」の称呼を生ずるものであるのに対し、引用商標は、甲第2号証に示すとおりのものであるから、その構成文字に相応して「ノピア」の称呼を生ずるものである。
しかして、両称呼は、語頭の「ノ」の音が長音か短音かの差異と、第2音目が「ビ」と「ピ」の濁音・半濁音の差異があるのみである。
しかしながら、前記のような差異があるとしても、称呼全体として検討すると、商取引上需要者一般の間には、地域・習俗・年齢・生理などが手伝って、言語生活の地域差・年時差・個人差があるから、そこからくる転記・発声上の混同・ゆがみ・聞き違えも予想できるので、「ノ」の長音(一)の有無、及び「ビ」、「ピ」間の類似性を否定し得るものとはいえない。
そうだとすると、本件商標と引用商標とは、語頭音の「ノ」の長音(一)は前音を発音したままの状態でのばす音で「ノ」の音に付随する形で明確に聴取し難い関係にあるものといわなければならず、また、第2音目の「ビ」、「ピ」がともに両唇破裂音で母音「i」を伴ない、調音の方法や音質に共通する要素の多い近似音であることに加えて、末尾音「ア」を同一にするものであるから、両称呼を一連に発声した場合には、類似の語調・語感をもって聴取され、その結果、両者は称呼において混同されるおそれが十分あるものといわなければならない。
そして、両商標は、具体的な観念又は意味合いを想起させるところの一般化された語であると認められないから、観念や意味合いの点から、両商標の称呼が規制されるものとは考えられない。
▲4▼ 商品の類似について 本件商標の指定商品、第5類「薬剤」は引用商標の指定商品、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)、薬剤、医療補助品」に包含されており、両者は同一又は類似の商品であるといわざるえない。
▲5▼ よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(3) 答弁に対する弁駁
本件商標より生ずる称呼「ノービア」と引用商標より生ずる称呼「ノピア」とは、称呼上類似の商標たるを免れないものである。
すなわち、「ノービア」と「ノピア」の両称呼は、称呼の識別において重要な要素を占める語頭音の「ノ」及び語尾音の「ア」を共通にしており、異なる点は、前者が「ノ」の音に長音(一)が帯同されている点である。しかし、長音(一)の発音は個人差が顕著であり、必ずしも一定の長さに延すと限らず、明瞭に聴取されるものとはいえない。そして、中間の差異音「ビ」と「ピ」の両音にしても、その調音方法(破裂音)が共通しており、かつ、同じ母音(i)を伴なう濁音と半濁音の極めて音質の近似した特徴を有しているものである。
したがって、前記差異音が全体の称呼に及ぼす影響は極めて少ないものであって、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語感・語調が近似し、両商標は、称呼において類似するものといわなければない。なお、両称呼は、簡易迅速を旨とする取引の実際、とりわけ口頭による電話取引の場においては、更に相紛らわしい称呼となること明らかである。
被請求人の提出した審決例及び本件商標の異議決定の各結論に本件審判の認定・判断が拘束を受けるものではない。
3 被請求人の答弁
(1) 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を以下のように述べている。
請求人は、本件商標が引用商標と類似するものとして、商標法第4条第1項第11号違反に基づく登録無効を主張している。
しかし、提出された参考資料の類は、本件とは全く関わりのないものであり、たとえ過去に「ビ」と「ピ」の音が相違すると判断された審決例があるとしても、かかる事実が存在することを示したに過ぎない。また、本件商標は「ノビア」ではなく「ノービア」である。よって、「ビ」と「ピ」の相違のみを表す審決例はいずれも、長音を含む本件商標に対して直接適用されるべきではない。さらに、商標の類否は、請求人自らが主張されているように、『商標が使用される商品の主たる需要者層その他商品の取引の実情を考慮し、需要者の通常有する注意力を.基準として判断しなければならない(甲第3号証」)』とするならば、実情の考慮に当たり、かかる先例を引用されるのではなく、あくまで、両商標が現実に誤認混同を生ずるほどに互いに類似するものであるか否かを、問題とすべきである。
そこで、本件審判においては、本件商標からは、その構成文字に相応して「ノービア」の称呼が生じ、引用商標からは、その構成に相応して「ノピア」の称呼を生ずるので、「ノービア」と「ノピア」が、相互に誤認混同を生ずるほどに類似するか否か、これが本件の争点である。
しかして、両称呼には、語頭の「ノ」の音における長音と短音という重大な差異があり、さらに、引用商標の第2音目「ピ」と、本件商標の第3音目「ビ」の差異がある。
そして、かかる差異があるゆえに、称呼全体として検討したとき、請求人が主張されるところの『商取引上需要者一般の間には、地域・習俗・年齢・生理などが手伝って、言語生活の地域差・年時差・個人差』があったとしても、また、『そこからくる転記・発声上の混同・ゆがみ・聞き違え』が予測できたとしても、本件商標が「薬剤」であって、社会通念上比較的明瞭に発音されるものであるべきこと、「ノ」の長音の有無、「ビ」「ピ」の差異によって生ずる全体としての差異を考えると、両商標の称呼の差異は極めて大きいものである。
本件商標の第2音である長音部分は、本件商標においてはきわめて特徴的な部分である。アクセントは「ノー」にあるが、本件商標の場合、第1音「ノ」が軽く発音され、この母音「オ」が第2音に継続されるものであるから、「ノー」は「ノオ」と聴取される。現実には「ノ」の後母音「オ」を継続して「ノー」とゆっくり発音した後、「ビ」に続いて口を大きく開け放って「ア」と言い放つように発音する。よって、「ノー」「ビ」がきわめて明瞭に発音されることになる。
これに対し、引用商標は「ノピア」である。引用商標の音構成を考慮すれば、第1音「ノ」の母音「オ」が、後舌面を軟口蓋に向かって高め声帯の振動によって発音する音であるから、「ノ」の次に「ピ」と発音するには、口を縦から横へ移動させることになる。よって「ノ」「ピ」「ア」の各音がいずれも明瞭に発音されることになる。引用商標は3音のみからなり、かつ前述のようにそのいずれもが明瞭に発音されるとなると、1音のもつ相違は通常の場合よりもはるかに聴取されやすいことになる。よって、「ビ」「ピ」の相違、長音の有無の相違は、本件においてはより際立つものであることは明らかである。
よって、かかる音構成の相違、称呼方法の相違から、両商標が互いに混同を生ずるほどに類似するとは考えられない。
さらに、称呼の音数でみても、本件商標は4音構成、引用商標は3音構成である点で相違する。仮に本件商標が「ノビア」であったならば3音であろうが、長音はその前の母音を継続して1音をなすのであるから、本件商標「ノービア」は、4音構成である。よって、音数においても両商標は同一ではない。
さらに長音の有無による相違について補足する。本件商標と引用商標には、「ビ」と「ピ」の相違のほかに長音の有無による相違があるのであり、この点を無視して両商標の類否を論ずる特別の理由は全くないものと考える。
本件商標は「ノービア」であり、引用商標は「ノピア」であり、いずれも前述の称呼方法により称呼される。そして通常、3〜4音という短い音数からなる商標においては、1音の相違が全体に対して大きな影響を与えるものであるが、本件商標についても、この長音が非常に明確に認識される構造となっている。よって、この長音の有無により、両商標は明確に聴別し得る。
本件審判の争点が称呼にある以上、それ以外の外観・観念の類否については、被請求人はいずれについても引用商標とは非類似であることを充分主張し得る。
よって、本件商標には、無効理由は存在せず、本件無効審判は理由がないものとして審決されることを求める。
4 当審の判断
本件審判においては、本件商標と引用商標の称呼上の類否について争うところ、本件商標よりは「ノービア」、引用商標よりは「ノピア」の称呼が生ずることについては、請求人及び被請求人共に認めるところである。
しかして、本件商標は「ノ」音の長音を含めて4音、引用商標は3音構成の称呼であり、共に短い音構成からなるものである。その中で、語頭の「ノ」と語尾の「ア」の音を同じくし、本件商標「ノ」の音が長音であること及び両者の中間において「ビ」と「ピ」の音に差異を有するものである。
称呼上の類否を判断するには称呼全体において、紛らわしいか否かが重要であるところ、前記認定の差異により、本件商標は「ノー」「ビア」の如く二音節に称呼されるのに対して、引用商標は「ノピア」と一気に称呼されるものと認められる。
してみれば、両者は語調、語感において相違し、互いに相紛れるおそれがないと言うべきであるから、本件商標と引用商標は称呼上類似の商標とは言えないものである。
5 結論
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しないものであるから、同号に違反して登録されたものではなく、その登録を無効とすることはできない。
よって結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-11-17 
結審通知日 1999-12-07 
審決日 1999-12-09 
出願番号 商願平7-98494 
審決分類 T 1 11・ 262- Y (005 )
最終処分 不成立 
前審関与審査官 宮下 正之 
特許庁審判長 工藤 莞司
特許庁審判官 野上 サトル
江崎 静雄
登録日 1997-11-14 
登録番号 商標登録第4082606号(T4082606) 
商標の称呼 1=ノービア 2=ノルビル 
代理人 津国 肇 
代理人 白濱 國雄 
代理人 大房 孝次 
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