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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない 042
管理番号 1013023 
審判番号 審判1998-10523 
総通号数 10 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2000-10-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-07-02 
確定日 2000-03-07 
事件の表示 平成7年商標登録願第56218号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「BLACK ANGUS」の欧文字を横書きしてなり、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、平成7年6月6日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、『スコットランド原産の肉牛』を意味する英語『BLACK ANGUS』の文字を表してなるから、これをその指定役務に使用しても、役務の提供に係る飲食物の質(原材料)の表示と認められる。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。」として本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり、「BLACK ANGUS」の欧文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、(株)小学館発行「ランダムハウス英和大辞典」によれば、「Black Angus」の語は「Aberdeen Angus」と同義とされ、「Aberdeen Angus」の項には「アバディーン・アンガス種:スコットランド原産の肉用牛;Black Angusともいう.」と記載されていることが認められる。
そして、例えば、日本経済新聞社の日経新聞記事データベースによれば、86.11.16付本紙地方面/中部において「外食の木曽路、新鮮で安い米牛肉、・・・・同社が直輸入する牛は米国アイオワ州産のブラック・アンガス牛。米国産の牛肉の中では肉が軟らかく・・・・」と、89.1.31付日経産業及び同日付本紙地方面/首都圏Aにおいて「中堅ハムメーカーの滝沢ハムは・・・・牛肉輸入自由化対策の一環で、・・・・。『ブラック・アンガス』という日本の黒毛和牛に近い種で、・・・・」と、90.8.23付本紙地方面/九州Aにおいて「エフコープ生活協同組合はオーストラリアから素牛(子牛)を輸入、・・・・。輸入した品種はブラック・アンガス。米国、カナダ、オーストラリアでは肉用牛の主要品種になっている。・・・・」と報道されていることが認められる。
また、インターネットのホームページにおいても、アンガス牧場の案内に、「・・・・アンガス牧場の名はブラックアンガスという牛の種類から付けられています。」と記述され、「アバディーンアンガス品種説明」に、「イギリスの北スコットランドを原産とする肉用種の3大ブリティッシュ・ブリートの一つである。・・・・」と記述されているほか、食肉牛の銘柄として、「十勝アンガス牛、早来アンガス牛、大・アンガス牛」が掲げられている。
これらの事実を総合すれば、本願商標を構成する「BLACK ANGUS」の文字は、「スコットランド原産の肉用牛」を意味する語としてこの種業界において認識・理解されているものというのが相当である。
ところで、請求人は、「『black angus』の語は、ランダムハウス英和大辞典のような特殊な大辞典には掲載されているとしても一般の英和辞典には記載がなく、一般消費者の間では、上記意味合いの英語として広く理解され親しまれているとはいい難いから、一般消費者が本願商標から直ちに『スコットランド原産の肉牛』の語義を理解し、その提供される料理の素材として該肉牛が使用されていると認識することはあり得ない」旨主張している。
しかしながら、上記のとおり、牛肉輸入自由化に伴いブラック・アンガス牛が外国から輸入されたことが新聞で報道されていること、昨今の消費者のグルメ志向による食材に対する関心の強さ等を考慮すれば、一般消費者の間においても「black angus」が上記肉用牛を意味する語として認識されているものといわざるを得ないから、請求人のこの主張は採用することができない。
そうすると、上記意味合いを有する本願商標は、これをその指定役務について使用しても、これに接する取引者・需要者はその役務の提供に係る食物が上記肉用牛を用いたものであるという役務の質(内容)ないしは役務の提供の用に供する物を表したものと認識するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
なお、請求人は、審決倒、登録倒を挙げると共に、米国において「BLACK ANGUS」が商標として登録され、請求人のレストランサービスについて使用され広く知られている旨主張しているが、掲げられた審決例はいずれも本件とは事案を異にするものであること、登録例として掲げられた商標は指定商品が異なり、しかも権利が消滅しているものであること、米国で登録された商標は「BLACK ANGUS」の文字のみではなく、他の文字を含むものであること、また、提出された証拠にはレストランサービスについて「BLACK ANGUS」が具体的に使用されていることが何ら示されていないことからすれば、請求人のこの主張が上記認定・判断に影響を及ぼすものともいえない。
結局、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-09-08 
結審通知日 1999-09-28 
審決日 1999-10-12 
出願番号 商願平7-56218 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (042 )
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中嶋 容伸 
特許庁審判長 小松 裕
特許庁審判官 大橋 良三
石田 清
商標の称呼 1=ブラ+ツクアンガス 
代理人 山本 秀策 

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