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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) 036
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) 036
管理番号 1011545 
異議申立番号 異議1999-90282 
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2000-09-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-02-24 
確定日 2000-01-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第4206239号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4206239号商標の登録を取消す。
理由 1 本件商標
本件登録第4206239号商標(以下、「本件商標」という。)は、「トラスト」の片仮名文字を横書きしてなり、第36類「生命保険の引き受け、生命保険契約の締結の媒介、建物の貸与」を指定役務として、平成4年9月25日に登録出願され、同10年10月30日に設定登録がなされているものである。
2 登録異議申立人(以下、「申立人」という。」)の異議理由
(A)本件商標は、甲第1号証に示すとおり、「トラスト」の片仮名文字よりなるところ、該文字は、信頼、信用、委託、信託等の語義を有する英語「TRUST」に由来する語として広く知られているものである。
そして、金融の分野においては勿論のこと、金融に密接に関連する証券、不動産、保険の分野において「トラスト」及び「TRUST」の文字は「信託」を意味する語として広く知られ、普通一般に使用されているものである(甲第2号証乃至甲第7号証)。
(B)信託に関する業務には、多種、多様のもの(甲第2号証乃至甲第10号証)があるが、その対象となる財産は信託業法(甲第11号証)で定められているところであり、「金銭、有価証券、金銭債権、動産、土地及びその定着物、地上権及び土地の賃借権」が信託の引き受けの対象となっているものである(信託業法第4条)。そして、信託業法で信託の引き受にの対象となる「金銭債権」の中には、「生命保険債権」も含まれているものであり、これを一般には「生命保険信託」と称しているものである(甲第12号証乃至甲第15号証)。
(C) 本件商標は、「信託」を意味する語として広く知られ、普通一般に使用されている「トラスト」の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであり、しかも、その指定役務は、何れも信託の対象として法律上認められている財産に係るものであるから、本件商標をその指定役務中、信託の引き受けに係る役務について使用しても、役務の内容、質を表示するに過ぎず、自他役務識別標識としての機能を有しないというべきものである。
また、本件商標をその指定役務中、信託の引き受けに係る役務以外の役務について使用するときは、該役務が恰も信託の引き受けに係る役務であるかの如く役務の質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。
(D) なお、本件商標の指定役務中に信託の引き受けに係る役務が含まれていないとしても、本件商標の指定役務は、何れも信託の引き受けの対象となる財産として法律上認められているものである。しかも、生命保険をその対象として含む金銭債権に係る信託の引き受け及び建物の貸与を対象とする土地及びその定着物、地上権及び土地の賃借権に係る信託の引き受けについては、「トラスト」の文字が普通一般に使用されているものであることからすれば、本件商標をその指定役務について使用するときは、取引者、需要者をして、該役務が信託の引き受けに係る役務であるかの如く役務の質について誤認を生じさせるおそれがあると言わざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものであるから、商標法第43条の3第2項により取り消されるべきものである。
3 当審の取消理由
当審では、申立人の異議理由に基づき、商標権者に対し、本件商標は、「トラスト」の文字を普通に用いられる方法で表示してなるにすぎないものであるから、これをその指定役務中、「信託の引き受けに係る役務」(例えば、生命保険をその対象として含む金銭債権に係る信託の引き受け、建物の貸与を対象とする土地及びその定着物、地上権及び土地の賃借権に係る信託の引き受け等)に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その役務の質(内容)を表示すための語として認識するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものである。また、本件商標を「信託の引き受けに係る役務」以外の役務について使用した場合には、その役務の質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、その登録を取り消す旨を通知した。
4 上記3の当審の取消理由に対して商標権者は何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
本件商標を構成する「トラスト」の語は、英語の「trust」の片仮名表記であって、一般的に「信用、信頼、信任」等の意味を有するほか「信託、信託財産」を指称する語として普通に使用されていることが認められる。そして、信託業法で信託財産には、金銭、有価証券のほか金銭債権、土地・建物等が含まれているものである。さらに、この信託の引き受けの対象となる「金銭債権」の中には、「生命保険債権」も含まれているものであり、これを一般には「生命保険信託」と称しているところである。そうとすれば、本件商標は、「トラスト」の文字を普通に用いられる方法で表示してなるにすぎないものであるから、これをその指定役務中、「信託の引き受けに係る役務」(例えば、生命保険をその対象として含む金銭債権に係る信託の引き受け、建物の貸与を対象とする土地及びその定着物、地上権及び土地の賃借権に係る信託の引き受け等)に使用しても、前記した実情から、これに接する取引者、需要者は、その役務の質(内容)を表示するための語として認識するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといえる。また、本件商標を「信託の引き受けに係る役務」以外の役務について使用した場合には、その役務の質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、その登録は、商標法第43条の3第2項により取り消すものとする。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 1999-12-01 
出願番号 商願平4-221129 
審決分類 T 1 651・ 272- Z (036 )
T 1 651・ 13- Z (036 )
最終処分 取消  
前審関与審査官 末武 久佳早川 文宏和田 恵美 
特許庁審判長 寺島 義則
特許庁審判官 沖 亘
江崎 静雄
登録日 1998-10-30 
登録番号 商標登録第4206239号(T4206239) 
権利者 朝日生命保険相互会社
商標の称呼 1=トラスト 
代理人 中島 淳 
代理人 小泉 勝義 
代理人 佐藤 一雄 
代理人 加藤 和詳 
代理人 福田 浩志 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 西元 勝一 

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